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        校長らが不登校生徒宅に80万円?
        2003/11/30
         埼玉県岩槻市の市立川通中学校で昨年12月、当時2年生だった不登校の女子生徒(14)の母親(41)を菅野俊一校長と担任教諭が訪問、現金80万円を渡していたことが27日わかりました。生徒は小児神経症のため年間20日程度、校内の「相談室」に登校していましたが、昨年10月から登校しなくなり、同級生に相談室まで給食を運んでもらっていた生徒に担任の女性教諭が「お客さん気取りでいいの? 教室に取りにきなさい」などと言ったそうです。母親は不登校の原因が担任にあると主張し、学校側に公の場での謝罪と賠償金などを求めていました。菅野校長は同日夜、臨時保護者会で「指導に不適切な点があった」と謝罪、現金は母親が翌月、全額を返しました。母親は、菅野校長に看病のため会社を解雇された損害賠償金30万円、担任に通院費など40万円を求める内容証明を送付。その後、校長らが現金を持って訪問。菅野校長は現金は担任が用意し、自分のポケットマネーで補てんしたと説明しているそうです。教師が個人で賠償金を支払う事例は初めてでは…?
         先週は北九州市で市立緑丘中学(門司区)の男性教諭(35)が「暴力を伴う指導、常軌を逸した暴言で生徒に著しい苦痛を与えた」として懲戒免職になっています。教諭は卓球部顧問で、試合中に殴ったり、突き飛ばしたりし、練習中にもみぞおちを手で押し続けるなどの暴力行為や、「退部するなら絶対に差別する。この裏切り者」などの暴言を繰り返していて、判明しただけで部員延べ約20人がけがをし、うち4人が通院治療を受けたほか不登校になる部員もいました。また、事実を一部知りながら「自分の立場が悪くなる」と市教委に報告しなかった校長(53)も「管理能力に問題がある」などと3カ月の減給(10分の1)のうえ更迭、教育センターでの研修が命じられました。状況を重く見た保護者も市教委に対して「教諭を免職にしてほしい」との要望書を提出していました。市教委によると、校長は父母の一人に「(報告しても)市教委はあてにならない。(自分と)同じ穴のムジナで、校長を守るところ。父母が(市教委に)行くと私の印象が悪くなる」と話したと言います。
         これって、校長の本音なんでしょうね。それにしても、学校教育に視点をおいてメディアをよく見ていると、ほんとに毎週複数件の学校病理現象が報道されているのに驚きます。
         文部科学省は、不登校の小中学生数がここ10年で約2倍と増え続ける中で、学校や家庭、関係機関が連携した地域ぐるみの対策を充実させようと、拠点となる「地域スクーリング・サポートセンター」の創設を決定したそうです。都道府県などに委託して約400カ所つくる予定で、来年度予算の概算要求に必要経費10億円余を盛り込みました。
         教育関連施設や保健所、ボランティアなどと連携して、家庭に引きこもった児童・生徒への訪問指導や保護者の相談対応のほか、教員研修なども実施、都道府県や政令指定都市に、地域を支援する「広域スクーリング・サポート・センター」を設置、基礎研究などのシンクタンク機能も持たせるそうです。こうした流れの中で京都市教委の不登校生徒用中学校も「特区」として認定されました。公教育の中で起こった問題は公教育の中で責任をもって解決していくのが筋といえば筋ですが、その進め方に、私たちは注目していかなければならないと思います。