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        子どものストレス増え続けて…。
        2003/12/07
         いじめ、学級崩壊、校内暴力、非行……、これらの背景には、増え続ける子どもたちのストレスがあります。日本の高度経済成長ただ中の1975年。この年はいろんな意味で転換期と言えそうです。第三次産業従事者が他の産業従事者を上回り、都市周辺部への居住地移行による核家族化の増加と専業主婦の増加、学歴社会の形成……。そうした中で、子どもたちに学歴を中心とした親の「期待」が増加していきます。高校進学率は90%を、大学進学率も50%を超え、学歴重視の年功序列型賃金制度が定着する(今変化しようとしています)ことで、子どもへの高学歴「期待」は、家族の最優先事となっていきます。家庭でプレッシャーを受け、学校も上級学校への進学を主体とした教育・進学指導に重点を置き、子どもたちの放課後は塾や習い事で埋まってしまい、「自由時間」は激減しました。自由に遊ぶことも、休むことも、振り返りつつ考えることもできなくなりながらも、「期待」に応えたいとけなげに頑張る子どもたちの心身は疲れ果てて行っても当然といえば当然です。小学生に聞くと「むかつく」「きれる」、中学生へ聞くと「きつい」「つかれる」と過半数以上、調査によれば8割を超えてこうした声が返ってくるそうです。「受験」はやむを得ないものとしても、またいくら競争社会だと言っても、疲れ果て、自分を失うまで追い込んでいては人生の意味が失われはしないでしょうか。進学が目的・手段化し、児童期・思春期・青年期に楽しみ獲得すべき様々な体験を放棄して受験準備に命を削る……、その反動が日々最も過ごす時間の長い学校社会の中で発生するいじめ、学級崩壊、校内暴力、非行等として現れます。子どもたちの悲鳴が聞こえます。

        ●スクールカウンセラーが子どもを押さえつけ負傷させる
         京都市立の小学校で、スクールカウンセラーが6年生の女子に軽傷をおわせ、精神的ショックを受けた女子が転校をするといいう事件がおこりました。体育の授業を休んだ女子に担任が事情を聞こうとしたところ反抗したため(?)、スクールカウンセラーがおちつかせようと外へ連れ出し(?)、女子の手を後ろから持った状態で校内を行き来し、逃れようとして転んだ女子の首や肩にひざをいれて約8分間押さえ込んだ(?)というものです。女子は1週間のけがを負いました。手を取って校内を歩いたことをカウンセラーは「他の子どもに危害を加えないようにするため」と市教委に説明。市教委は「カウンセラーとしてではなく、一職員として熱心に指導したことが偶発的にトラブルにつながった」(?)とみているそうです。「本音で言うてみ」とこのカウンセラーは女子に迫ったそうです(?)。これでは、体育会系(?)教師と何ら変わらない、ただの「生徒指導」担当者の感覚です。騒ぎに他の子どもたちが気づき、校長や教諭らが駆けつけたとき、「離して」と繰り返す女子を押さえつけながら、「落ち着かせますので時間を下さい」と言い、校長らは二人を引き離さなかったそうです。「心のプロ」が言うのだから……、という専門家への過信を反省しているようですが、女の子は見ていた誰もが助けてくれなかったという不信感が残っているそうです。教職員とカウンセラーの役割の確認を最徹底すると教委はコメントしていますが、それ以前の問題のような気がします。ただの暴力、体罰を「心の専門家」が、子どもたちの前で堂々と行ってしまいました。スクールカウンセラーをめぐっては「おかしい」等という様々な声が各地であがっていますが、文科省が都道府県に急ぎ配置をすすめた結果の歪みが表面化してきているものと思います。これらの実態を集め、あり方を根本的に考える場の必要性を感じます。