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        日本子どもの虐待防止研究会 第9回学術研究集会・京都大会に参加。
        2003/12/21
        「子どもに笑顔、親に微笑みを~架けよう!! 虐待防止のための様々な「架け橋」を~」をスローガンに、19日(金)・20日(土)の2日間、「日本子どもの虐待防止研究会 第9回学術集会・京都大会」が国立京都国際会館で開催されました。1日目は教育講演、招待講演、指定講演(厚生労働省・虐待防止室長 古川夏樹氏)、特別講演(中坊公平氏)、シンポジウム、2日目は分科会と一般演題で児童虐待の実態について事例をもとにした実践報告や研究報告が次々と行われました。軽度発達障害と虐待の関連性、親子関係における虐待の連鎖、施設や病院、司法や少年院等での関わり、児童虐待防止法の改定の方向性等、それぞれの分野の最先端の情報で頭がオーバーフローしてしまいました。私が改めて確信したのは、家庭における乳幼児期に受けた様々な(身体的、精神的、性的、ネグレクト…)虐待体験が児童期・思春期や自身が子どもをもった時に想記(時にはフラッシュ・バック)され、他者への暴力や自子に対する虐待行為が行われるという家系的な縦軸の連鎖と、それに影響され学校や地域で他児童生徒や教師に、また家庭において兄弟等に対して攻撃的となる横軸の広がりが四次元的に広がっているということです。大会で多くの方が主張されていましたが、虐待がより早期に発見され対処され、十分なケアや適切な支援プログラムが行われていれば、様々な事件や虐待の連鎖は食い止められるのに…ということです。児童相談所をはじめとして、具体的に対応する専門機関は人手不足で適切な手が打てなかったり医療機関などでは長期の「順番待ち」となっているのが現状ですが、虐待防止法の改定の中ではそれらの解消に向けた方向性が含まれているようです。使える社会的資源はすべて使う、地域の社会的サポートをとにかく利用する、それらの情報を持ち、また普及する、行政はもちろん各種関連機関や民間組織、ボランティア、個人がさらに学び、具体的な対応の幅を広げることが求められていると思います。

        カウンセラー替え玉、中学校長が黙認
         熊本市の九州ルーテル学院大元教授園田雄次郎被告(49)=大麻取締法違反罪で起訴=が、臨床心理士の資格のない双子の兄にスクールカウンセリングをさせていました。さらに、カウンセリングが行われた熊本県内の中学校の男性校長(52)は事実を確認した後も替え玉を黙認していたそうです。県教委は校長の処分を検討しています。県教委などによると、校長は3月14日のカウンセリング終了後に替え玉の事実を発見。しかし、既に予定されていた19日の教職員向け相談業務について、「仕方がない」と替え玉の兄に行わせたということです。スクールカウンセラーを配置している都道府県では「臨床心理士」に限るとして「資格」にこだわっていますが、こんな抜け穴がぽっかりと空いていました。はたして、心理臨床についての学習や経験があればともかくとして、それもないとしたらいったいどんな活動がされていたのでしょうか。さらに、報酬については明らかな不正支出となりますので、住民監査請求が行われても当然かと思います。それにしても「黙認」していたという学校長、県教委から配置されたカウンセラー、不適格と判明後に速やかに対応ができなかった心理的理由はどんなものだったのでしょうか。すでに実施しているところもあるようですが、必要性が認められれば、各自治体において「資格」にこだわることなく、実質的に役立つ学校カウンセリングを実施していく必要に迫られていると思います。