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        小泉改革実効性無し! 保育所企業参入は全体のわずか0.1%。
        2004/01/04
        新年あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします。
         04年、1発目の話題は保育所問題です。我が家では長男・次男と続いて11年間公立保育所にお世話になりました。向日市には公立が6ヵ園あり、現在元第4保育所を解体・建て替え工事中で、近くの第1保育所にプレハブ園舎を増設し統合保育を暫定的に行っています。04年4月からは、建て替え中の新しい保育所が「第1保育所」を名のって開所、第4保育所は欠番となります。統合保育を行っている現在の第1保育所には0歳から5歳までの子どもたちが240人程通所しています(定員は210人)。新「第1保育所」は鉄筋2階建てで定員は230人となります。私はこんなに定員の多い、小学校規模の定員の公立保育所を他に聞いたことがありません。市にメールで質問したところ、法的には問題ないと返事がありましたが…。情報公開で建築図面等を入手しましたが、以前よりも園庭はせまく、2倍近くになった子どもたちがどんな保育所生活を送るのか不安です。運動会等を全体で行うことは不可能です。朝夕の送り迎えのための駐車スペースは2台分しかなく、職員向けの駐車場もありません。乳児・幼児各々での合同保育が基本となるようで、従来の年齢別集団保育の形態が変わりそうです。かつての運動会や夏まつりを懐かしく思い出しますが、今年から無くなりそうです。本来なら、第1、第4のそれぞれを建て替えるべきところを、「安上がり」にするために「統合」の道を選んだのでしょう。どんな変化が生まれるか、見守って行きたいと思います。
         続いては国の保育政策についての話題です。保育所不足による待機児童を減らすため、小泉内閣が01年に「待機児童ゼロ作戦」として「新設保育所については社会福祉法人、企業、NPO(非営利組織)等をはじめ民営で行うことを基本とする」という閣議決定をしていましたが、大阪や名古屋など設置認可権を持つ10市が事実上これを拒否していることがわかりました。公立以外で保育所を独占運営してきた社会福祉法人が反対、自治体側も「企業参入はなじまない」と判断したことによります。待機児童が多い都市部での拒否が目立ち、企業設立の保育所は全体のわずか0.1%、小泉改革が実効性を伴っていない実態が浮かび上がったことになります。
         毎日新聞が保育所設置の認可権を持つ都道府県と13政令市、35中核市(人口30万人以上)を対象に調べた結果によると、さいたま・名古屋・京都・大阪・北九州の5政令市と、神奈川県相模原・兵庫県姫路・岡山県倉敷・大分・宮崎の5中核市が企業参入を完全拒否または事実上拒否していたことがわかりました。
         京都、大阪両市はともに要綱は定めていませんが、保育所団体が「営利目的の企業が運営すると保育の質が下がる」と強く反対したため、企業参入を認めていないそうです。大阪市は「企業は経営次第で運営が危うくなる可能性がある」と説明。北九州市と相模原市は「社会福祉法人の方が望ましい」との意向が強く、事実上拒否しています。
         厚生労働省によると、03年4月時点の全国の待機児童は2万6383人で、最多は大阪市の1355人。03年7月時点の保育所数は2万2371カ所で、このうち企業の設立は28カ所だけとのことです。
         保育所制度を考えるときに大切にすべき視点は「福祉」です。家庭での生活の厳しさが増す昨今、保育所における子どもの育ちに対する役割に求められるものは増えるばかりです。そこに「安上がり」を優先させる政治は、住民の生命と生活を二の次、三の次に、できるなら「切り捨て」対象に考えるお粗末なものであることを、しっかりと見つめたいものです。