児童虐待に児童養護施設などに約1600人の非常勤職員を増員。
2004/01/11
厚生労働省が児童虐待の増加に対して目に見える処方を提起しました。04年度から児童養護施設等に約1600人の非常勤職員を増員し、虐待された子どものケア、親に対する生活指導やカウンセリング受講をすすめる等、家族再生支援への資源とするそうです。悲惨な事例が毎日のように報道される昨今、水面下では相当数の虐待や養育放棄が行われているのが実態でしょう。今回の処方の背景には、増加一方の相談や関係機関との連携等に人員面で応じきれない実態があります。先に京都で開かれた「日本子どもの虐待防止研究会 第9回学術集会」で、厚生労働省の担当者が「年明けには具体的な対応策をお示しできると思う」と語られていたものがこれだったのです。「福祉」を望ましいものにして行くには人の増員が不可欠です。その意味では具体的な効果の期待できる処方だと思います。でも、行政や関係機関にまかせるだけでなく、児童相談所への通告対象も「児童虐待を受けた児童」から「受けているおそれのある児童」に広げる、隣近所・地域社会で気を遣う、支え合う人間関係の回復・再構築の必要性等についての論議がちまたで広がることが今回の処方をより実態のあるものにしていくものと思います。虐待する親も、相談相手がない、精神的な苦痛、自身の被虐待体験から我が子に虐待を繰り返す連鎖等、加害者であると共に被害者・犠牲者でもあるという認識も必要です。各自治体での具体的施策の(人的補充も含めての)改善に期待したいと思います。
さて、私の地元・向日市で突然始められた公立小中学校の「希望校制度」(通学区域弾力化制度)の受け入れが締め切られました。小学校で15件、中学校で7件の「希望校」への入学が行われることになります。6小学校・3中学校(小学校の1つは希望者ゼロ)でのこの件数、多いのか少ないのか? 私はこの程度の「越境入学」希望には柔軟な例外措置として対処すればすむ話だと思いますが、実施後の経過を町の将来に結びつく問題としてその経過に注目していく必要があります。私学ならともかく、公立校に、知る友だちもいない中に入って行かなければならない子どもたちのストレスへのケアを現場の教師の皆さんには十分にお願いしたいと思います。