人の命の重みと自衛隊派遣。
2004/04/11
根拠のない開戦、非道な殺戮・破壊と侵略、終結後の強権的支配と混乱……、イラクでは今でも罪もない市民の血が日々流れています。イスラムの人々の民族や文化、価値観を詳しくは知りませんが、肥沃な土地に豊かな文化、高い宗教性、民族意識、多民族国家といった一般的知識から考えるだけでも、無差別殺傷による攻撃・侵略、軍隊による統治・支配というシステムが他国によって作られた時に、かつての日本の戦後統治のような状況が生まれるはずがないことははっきりしていたと思います。石油権益に群がる先進諸国の政治的思惑、命の重みを後回しにしてでも、米国を頂点とした一部の資本主義国の国際的優位・支配体制と序列を守ろうとする国家的野望の犠牲としては大きすぎます。多額な税金を使って派遣した自衛隊、駐屯地域を「非戦闘地域」と考える人はもういないのではないでしょうか。そして「復興支援」と称して行っている活動は、以前よりすでにNGO他の方々がもっと効率的に行っていた活動であり、具体的「支援」内容を見ると自衛隊である必要のないことも明らかになりつつあります。そもそも米国軍の庇護を受けつつ武装した「復興支援」軍隊は、反米感情の強い人々にとってはとても受け入れられるものではないでしょう。憲法や自衛隊法をはじめとする諸法に勝手な解釈を加えて自衛隊を派遣した意図が、米国との関係性を維持するためだけにあったと私には思えてなりませんが、みなさんはどうお考えでしょうか? これ以上、人の命が戦闘という人権侵害行為によって奪われることを許せないという気持ちが高まるばかりです。
東京都採用の新人先生退職、過去最多の48人
03年度に東京都に採用された教員1864人のうち48人が、この1年間の試用期間中に退職し、1年以内の退職者数としては過去最高となったことが、8日分かりました。このうち9人については、指導力不足を指摘され、正式採用されないケース。都教育庁は、OB教員の採用試験基準を緩和するなど、質の高い教員確保に動いているそうです。同庁によると、試用期間を厳格に運用し始めた01年度以降、1年以内の退職者数は同年が25人、02年が39人と増加。03年度の48人の内、40人が小学校教員。正式採用されなかった9人についても8人が小学校教員でした。指導力不足の例としては、子供とやりとりをせずに、教科書を読むだけの授業をしたり、教えていない内容を試験に出したり……。予定した授業内容の半分も消化できないケースや、授業開始から十分もたたずに授業が成り立たなくなることもあったそうです。小学校に指導力不足の教員が多いことについて、都教育庁は、教える教科が多く、対応仕切れないケースが目立つと指摘。「教科によって教える能力にムラがある教員は学級崩壊を招きやすい」としています。大阪府でも来年度に2000人の教師の増員に動いていますが、もっと適切な分析と長期的な展望をもって教育行政というものは行えないものでしょうか? 絞り込まれた教育予算の下で年度毎の変化に対応することすら困難な現実は、将来を担う子どもたちへの大人の責任の放棄を表していると思います。