GW、いかがお過ごしでしたか?
2004/05/09
久々の長期休暇の方も多かったようですね。学生兼家事労働者である私にはほとんど関係ありませんでしたが……。29・30日は墓参りと帰省を兼ねたドライブ(唯一の休暇と言えば休暇です)、1・2日はメンタルケア協会の「精神対話士」養成基礎講座で大阪・天六へ、3・4日は日本社会臨床学会の総会で東京・立教大学へ、8日は再び「精神対話士」養成基礎講座の最終日(後はレポート提出後、実践講座が6月中旬から…)といった具合で、家事労働もそこそこに飛び回っていました。放送大学は28日から5日まで「ゆとりの時間」として放送授業はストップ(限定した科目を集中したり、特別講義などを放送していました)していましたが、6日から授業再開しています。
やっぱり私もPTSDのようです。
長男の死後4年2カ月経ちます。現在の主たる症状は過覚醒による睡眠障害ですが、米国精神医学会の「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引」を見ていると、PTSDと診断されても良いほど症状があてはまります。
A.その人は、以下の2つがともに認められる外傷的な出来事に暴露されたことがある。?実際にまはた危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事を、1度または数度、あるいは自分または他人の身体の保全に迫る危険を、その人が体験し、目撃し、または直面した。?その人の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。B.外傷的な出来事が、以下の1ち(またはそれ以上)の形で再体験され続けている。?出来事の反復的、侵入的、かつ苦痛な想起で、それは心像、思考、または知覚を含む。?外傷的出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに暴露された場合に生じる、強い心理的苦痛。C.以下の3つ(またはそれ以上)によって示される、(外傷以前には存在していなかった)外傷と関連した刺激の持続的回避と、全般的反応性の麻痺:?外傷と関連した思考、感情、または会話を回避しようとする努力?外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力?重要な活動への関心または参加の著しい減退?未来が短縮した感覚。D.(外傷以前には存在していなかった)持続的な覚醒亢進症状で、以下の2つ(またはそれ以上)によって示される。?入眠、または睡眠維持の困難?集中困難。E.障害(基準B、C、およびDの症状)の持続期間が1カ月以上。F.障害は、臨床上著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
――と、まあこんな感じで慢性的なPTSDと診断されてもおかしくない状態です。これらの現実をどう自身の課題として引き受けて折り合って行けるか、今は何とも言えません。イラクでの人質となった高遠さんは急性のPTSD状態にあると思われますが、慢性とならないように周りの精神医医療を含むケアが求められていると思います。本当の気持ちが語れるのには時間がかかると思います。気持ちを表現することは癒しにつながる行為ですが、高遠さんの場合は嫌がらせともいえるバッシングという外傷が続く中でその機会を失ってしまっています。「なんとさもしい国であるか…」と誰かがメディアに書かれていましたが、本当にそう思います。太平洋戦争の総括をきちんとしていないツケが熟成されて、再び全体主義への指向が強まっているとしたら、その進行を阻むことこそ今求められていると思います。一人ひとりが、その人らしく、個性豊かに学び生きていける社会・国家に向かうための努力を惜しみたくありません。