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        中学校ではしばしば体罰が行われている可能性?
        2004/06/27
        女性教員の方が身体的な虐待や心理的な虐待には反応しやすく、男性教員の方がネグレクト(育児放棄)には敏感――。児童虐待に対する教員の“感度”には、男性か女性か、ベテランか若手かなど、その属性によって差があることが、文部科学省が玉井邦夫・山梨大助教授らの研究班に委託して行った調査で明らかになりました。調査は、2002年度から2年かけ、全国の幼稚園と小中学校の教員約7400人を対象に実施されたもので、「子どもの腹を足でけり上げる」など39の事例を挙げ、それぞれについて、〈1〉虐待や放任に当たると思うか〈2〉福祉機関に通告する必要性があると思うか――を5段階で答えてもらっています。
         その結果、「罰として、子どもを夜中まで外に立たせておく」「親が思春期の異性の子どもと一緒に風呂に入る」「他のきょうだいと比べて、『お前はだめだ』と言う」など、身体的、性的、心理的な虐待に対しては、女性教員の方が男性教員より、明白な「虐待」としてとらえる傾向が強いことが判明。これに対し、「親がギャンブルにカネを使って給食費が払えない」「子どもが仲間と家で飲酒しているのに何も言わない」「親がパチンコをしている間、乳幼児を車に残す」など、ネグレクト関連の項目については、男性教員の方が敏感に反応することが分かりました。
         玉井助教授らは研究報告書の中で、「女性教員の多くは、自分で子どもを育てながら仕事をしてきた経験があるため、子どもの世話がおろそかになるネグレクトを、男性教員よりも大目に見ている可能性がある」と分析しています。
         また、教員歴を「10年以下」「11―20年」「21年以上」の3群に分けて比較したところ、身体的虐待では顕著な差は見られなかったものの、心理的虐待に対しては、教員歴が長くなるほど感度が下がることが分かりました。また、関連機関に通告するかどうかの判断は、身体的虐待、心理的虐待とも、ベテランになるほど抑制的でした。
         小学校や幼稚園は圧倒的に女性教員が多いというように、学校によって教員の配置には偏りがあることから、研究班は、人員構成の特徴に応じた配慮を現場に求めています。さらに、「中学校の教員には体罰への慣れがあることを示しており、中学校で、しばしば同様の体罰が行われている可能性がある」と指摘しています。
         「体罰への慣れ」とは、あってはならないこと、教育基本法で禁じられている体罰に「慣れ」が見られるのは、生徒への統制と管理を行う手段として体罰が常態的に行われているところが少なくないということです。

        例題に「殺して山分け」 小6担任教諭を厳重注意
         宮城県迫町の町立小学校6年生の算数の授業で、担任の男性教諭が最小公倍数を求める問題に、銀行強盗の犯人が仲間を殺して、奪った現金を山分けする場面を例題とし、校長が厳重注意していたことが24日、分かりました。同町教育委員会によると昨年10月、40代の男性教諭が「7人で銀行強盗をして札束を山分けしたら2束足りません。そこで2人を殺しましたが、それでも2束足りません…札束は何束でしょう」などと黒板に書き出し、児童にノートに書き写させました。ノートを見た保護者が学校に抗議、学校側は文書で保護者に謝罪しました。教諭は「子どもが飽きないように出題したが、反省している」と話しているといいます。町教委は「子どもによる凶悪な事件が相次ぎ、命の大切さを教えている中で、極めて不適切な問題だ」としています。
         「子どもが飽きないように」工夫するのは構いませんが、思考が歪んでいます。こんな問題なら子どもたちが興味を持つと、本気で思ってのことでしょうか?