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        7歳ごろ死を理解―兵庫・生と死を考える会が調査。
        2004/07/11
        「死んだいのちは帰って来ない」といった生と死についての認識は、7歳ごろに確立されることが、「兵庫・生と死を考える会」の調査で分かりました。従来は9歳ごろとするのが定説だったそうで、2年早まった格好です。昨年11・12月、兵庫県内の幼稚園・小学校10校園に通う4―9歳児504人に実施。動植物や自動車を生きていると思うか▽生き物の飼育経験の有無▽人の死をどう認識しているか―など16問を設け、聞き取ったもの。「人は死んでもまた生き返ると思うか」という問いには、「生き返らない」と答えたのが4歳児では53.2%だが、6歳以降は70%台になり、9歳で81.7%に達したそうです。
         長崎の小6女児事件後、「命の教育」の大切さが強調される一方、死について幼い子に話すことをためらう風潮がありますが、同会は「死の理解が確立される前の幼稚園ごろから、家庭や学校で死について話してやることが大切」と訴えています。
         同会会長の高木慶子・英知大教授(人間学)は「7歳の子どもがすでに自分や人の死を考えている。大人も避けることなく話す機会を持つことが大切」と指摘。「ペットや身近な人などの死を取り上げ、死を迎える苦しみや死者を送り出す悲しみなどを考えさせてほしい」と提案しています。会は今後、小学生から高校生までの死生観を継続して調べる一方、幼稚園児や小学生向けの教育カリキュラムについて研究するといいます。
         家庭や地域での日常的な生活場面において、「死」と向き合う体験をすることが稀少となっている現代、「生きること」と「死ぬこと」について、子どもの育ちの中で、子ども自身が考える課題・テーマを適宜提供する姿勢が大人に求められていると思います。

        郡山の中学校体罰損賠訴訟、県と市に50万円支払い命じる――地裁支部
         地裁郡山支部(宍戸充裁判長)は6日、郡山市立行健中学校で01年、国語科の男性教諭の体罰で精神的苦痛を受け不登校になったとして、同市の県立安積黎明高校2年の男子生徒と両親が市と県に慰謝料200万円を求めた損害賠償訴訟で、教諭の体罰を認定して市と県は連帯して生徒側に対して50万円支払うよう命じる判決を言い渡しました。
         判決によると、教諭(当時31歳)は01年5月、授業中に騒がしかったため、学級副委員長だったこの生徒に前に出ていすの上に立ち、静かにさせるよう命じた。また、授業を途中で打ち切って生徒をトイレに連れて行き、トイレ内で生徒を怒鳴りつけ、左腰付近を3回以上足げりした。
         県教委の富田孝志教育長は「体罰はあった。大変遺憾」と述べ、市と県は判決をよく検討して今後の対応を決める方針を明らかにしました。
         またも体罰問題です。教師が、校則と体罰で生徒は手っ取り早く「言うことをきく」と考えてしまう環境が「学校」に存在しているのでしょう。子どもの人間的成長よりも、学校秩序等の外見的規範の確保を優先するという「学校病理」です。一人ひとりが大切にされることのない「学校」で「教えられる」「命の教育」って、いったい……。

        確率の説明で「死のくじ」―横浜市立中教諭
         先月30日横浜市磯子区の市立中学校で、3年生の数学の授業を担当していた男性教諭(48)が確率の説明をする際、黒板に「死」など3種類の文字があるくじ引きを描き、引かれた「死」のくじの隣にクラスの男子生徒の名前を書き込んでいたことが6日、わかりました。市教育委員会は「不適切な指導」として教諭の処分を検討しています。
         教諭は黒板に袋の絵を描き、その中に当たりを示す「当」の字を2つ、ハズレの「ハ」を4つ、「死」を1つ書き入れたうえで、「当」の後に「死」を引く確率を出題。くじ引きが行われたものと想定して袋の外側に「当」「死亡」と書き、その隣に、クラスの男子生徒の名前をそれぞれ書き込んだそうです。
         授業後、他の生徒が別の教諭に「あのやり方はよくないと思う」と指摘し、校長が事実関係を調査して授業内容が発覚。男性教諭は校長に対し、「確率からロシアンルーレットや死を連想した。死という言葉を使うことで、授業に親しみやすさが出ると思った。(くじの隣に書き込んだ)生徒の名前は無作為に選んだ。他意はなかった」と釈明したといいます。教諭は今月2日、「不適切な例を挙げて申し訳なかった」とクラスで謝り、5日には「死亡」とされた生徒と保護者に対して謝罪しています。クラス全生徒のノートを回収し、該当部分を消すなどの対応を取るそうです。
         市教委小中学校教育課は、「生徒の名前と死を結びつけて例示するのは大変不適切。生徒の心情への配慮が足りない。事実関係を調べたうえで厳正に対処する」としている。
         「死」とされた生徒たちの気持ちを考えることができない、相手の立場に立って考えることができない、「学校」が求める「規範」と授業の実態はかけ離れているようです。