「誰も知らない」を観て言葉を失いました。
2004/09/05
先週、今公開されている映画「誰も知らない」を観ました。淡々とストーリーは進行していきますが、そこでは、政府が国連常任理事国入りに躍起になっている国の、児童福祉のさもしい実態がまざまざと描かれています。
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東京都で実際に起こった事件を脚色したものだそうですが、04年カンヌ国際映画祭・最優秀男優賞を受賞した主演の柳楽優弥君他の演技もさることながら、住民票も学籍もない子どもたちがけなげに生きる姿を観て、全身から力が抜けていきました。「何なんだ、この現実は?」と、感情の奥底を揺さぶられました。まだ観られてない方は、ぜひご覧になることをお勧めします。
映画と言えば「華氏911」も観劇しました。ブッシュの侵略戦争で犠牲となり、傷つき死んでいった多くの方々には申し訳ありませんが、偽政治家ブッシュの人間性がユーモアたっぷりに鮮やかに描かれています。違法な手段をこうじて勝ち取った大統領の地位、石油産業と軍需産業の利権に密着・執着し、平気で嘘を次々とつき続け、戦禍を拡大・継続させる最悪の戦争犯罪人=ブッシュ。軍に入隊しイラクに向かう若者たちの、「行く」理由の多くは貧困によるものです。それに追随し、違憲・違法の自衛隊派遣をやめない我が国の首相にも通じるものを感じます。小泉首相はこの映画を「政治的な立場の偏った映画というのはあまり見たいとは思わないね」と語りました。見たらコメントができないからではないでしょうか。毎年欠かさない靖国神社参拝は、「政治的な立場の偏った」行為ではないのでしょうか。
佐世保事件で「殺されるのは当たり前」 愛知の小学校教諭
愛知県豊田市の市立小学校で、男性教諭(56)が、6年生の理科の授業中に長崎県佐世保市で起きた女児殺害事件について、「殺されるのは当たり前だ。殺した方は悪くない。周りが悪い」などと発言していたことが31日わかりました。愛知県教委は「不適切」として、教諭を同日付で停職2カ月の懲戒処分としています。
県教委によると、教諭は6月3~4日、6年生の3クラスで受け持っている理科の授業時間中、それぞれ事件の話題にふれ、「この学校でも(同様の事件が)起こるかもしれない。おまえらもそういうふうになるんだぞ」などと話したといいます。
保護者からの苦情を受けた学校側が教諭に事実関係を確認したところ、教諭が否定したため、児童を対象にアンケート調査を実施。その結果、91人中49人が発言のあったことを認め、「すごく嫌だった」「怖かった」などと感想を記したそうです。
教諭は学校に対し、「多くの時間を使って事件への思いを話したことは不適切だった」としながらも、「授業では『(加害者は)きっと何かで思いつめ、そういうことを実行してしまった。誰もがその子と同じなのです』と話した」とし、誰もが加害者になりうる可能性があることを指摘したかったと釈明しているといいます。それを脅かしながら指摘して、子どもたちに何を考えさせたかったのでしょうか。
発達障害者―議員立法で支援法案 早期発見、国の責務に
超党派の「発達障害の支援を考える議員連盟」が4日、自閉症などの「発達障害」の早期発見、支援について定める「発達障害者支援法案」(仮称)を秋の臨時国会に議員立法で提出する方針を固めました。議連がまとめた法案は、発達障害者の早期発見や乳幼児期から成人期までの支援を、国や自治体の責務と規定しています。
やっと法的な支援への動きが始まったわけですが、発達障害に起因する不登校やひきこもりも相当数にのぼると言われていることから、学齢期の子どもたちへの支援にとどまることなく、青年・成人期以降の支援を国の施策としてほしいと思います。