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        やりなおさないか 君らしさのままで。
        2004/10/24
        2004-10-24
         新潟県中越地方を震源地とする大規模の地震が発生しました。まだ余震が続く中、寸断された道路、ライフライン、多数の犠牲になられた者、被災された者…、まだ援助の手の届かない方、土砂に埋まるなどで身元が確認されない方が多数いらっしゃいます。謹んでお見舞い申し上げます。阪神淡路大震災の時には(私も土日ボランティアで炊き出し等に行きましたが…)平地の都市部がほとんどでしたが、対応が遅れ、多大な被害を出しました。今回の地震は、援助の動きは早いようですが、地域も広く山間地も多数あることから、救援・復旧はかなり困難なものになると予想されます。国・行政をあげての待ったなしの支援が求められています。

         22日・23日と、京都市教職員組合主催の「全ての父母・教職員・市民のための子育てと教育のつどい(京都市教職員組合教育研究集会)」に参加してきました。22日の全体会では、北海道・北星学園余市高等学校校長の佐々木成行氏が「やりなおさないか 君らしさのままで―北星学園余市高校の挑戦」と題して講演されました。「ヤンキー母校に帰る」で有名になった高校ですが、地元の公立校や私立校に入れなかったり、中途退学してやり直したいと思う子どもたちを受け入れ、地元に根ざした高校になっていきました。教職員と生徒がはだかでつき合える人間関係豊かな生徒指導、学年運営、生徒の成長を通して学校と父母とのつながりを深め、全国にその輪を広げています。現在では、不登校経験者が60%、女子が50%入学してきているそうですが、教師たちの真剣な子どもたちへの関わり、子どもたち同士の信頼関係を徹底して追求していても、20%程度の子どもたちが、非行や人間関係の問題から卒業できずに中途退学していくそうです。もともと、様々な課題を背負って入学してきた子どもたち、学校としての精一杯の取り組みにも関わらずこぼれていく子どもたちのその後をどうしても考えてしまいます。
         余市高校の生徒指導の実戦の一部を聞いていて「?」と思った事が一つあります。非行の子どもも不登校や軽度発達障害をはじめとする課題をかかえた子どもも、一斉指導で自主規律に導こうとしていることです。何か問題が起これば学年全体の問題として解決するまで全体論議を尽くす、してはいけないことをお互い言い合える関係を築く中で全体の中で受け入れられる自分、自分の存在が全体を構成しているという体験はかけがえの無いことだと思います。ただ、他者との社会的関係性を築くことに困難性をかかえている子どもにとって、こうした一斉指導は苦痛なものではないでしょうか。全体が困難な学校であることはよくわかりますが、その中でも、個々の困難さへの配慮が後回しにされている実情は、わからないではありませんが、もう一がんばり欲しいところかと思います。それはさておき、こうした、どんな子も受け入れる学校がさらに全国に広がることを希望します。「ヤンキー先生」の義家弘介先生が京都に来られます。11月7日に開催される「京都教育研究集会」(主催:京都教職員組合・京都教育センター、同志社大学京田辺キャンパス)の全体会で記念講演されます。私も参加する予定です。