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        被爆者写真で「肝試し」? 「軽率だった」というが…。
        2004/10/31
        熊本市内の市立小学校の理科教諭(59)が18日午後6時半から同校であった「月と星の観察会」で「肝試しをしよう」と、怖がらせる目的で4年生児童にケロイドのある原爆被爆者の写真を見せていたことが分かりました。この「観察会」には児童9人が参加、理科教諭が一人で指導にあたっていました。ショックで泣き出す児童もいたそうです。
         20日、保護者とPTA役員が「教育的立場で指導すべきものを肝試しに利用するとはどういうことか」と学校側に抗議して発覚。学校から市教委に報告はなく、匿名の電話を受けた市教委が25日、同校に問い合わせ確認したもの。同校の校長と理科教諭、担任は25日になって保護者宅を回り、謝罪。
         当初は運動場で星座を観察する予定でしたが、台風接近で急きょ、教室でのVTR観賞会に変更。児童に天体のVTRを見せた後、「肝試しをしよう」と個人で所有していた原爆に関する写真12枚を見せ、背中にケロイドのある長崎原爆被爆者や黒焦げになった遺体の写真もあったそうです。
         理科教諭は「肝試しは思いつきでやった。原爆の写真を子どもを怖がらせるための材料として使ったことは大変軽率な行為で深く反省している」と話しているといいます。
        ●日本原水協県協議会の中島絹子理事長の話:被爆者をぼうとくする行為で、怒りで身震いがする。来年で被爆六十年になるが、いまだに苦しんでいる人もいる。それなのに「肝試し」という感覚は、教育者として到底許されない。
        ●原水爆禁止日本国民会議県協議会の丸山澄雄理事長の話:原爆に関する写真が肝試しという形で扱われたのなら由々しきことだ。特に教育現場で起こったことが残念。戦争が年々風化している中、原爆など核兵器の悲惨さを子どもたちにどう伝えるのか苦心しているのに。

         熊本市教委などには26日、全国から抗議のメールや電話が相次ぎ、市教委は被爆者団体に謝罪することなどを決めました。
         市教委のこの日の緊急協議では、教諭が見せたパネルは計12枚で、20数年前に教材として出版社から購入していたことが確認されました。教諭はこれまで、平和教育の時間に児童らにパネルを使うなどしていたそうです。

         熊本市教育委員会は28日定例会を開き、「男性教諭と校長は懲戒処分が相当」とする内申議案を全員一致で議決、同日、処分を決める県教育委員会に申し立てたそうです。
         定例会は非公開で審議され、男性教諭は地方公務員法上の「信用失墜行為」に当たり、校長は「管理監督不行き届き」に当たり、いずれも懲戒処分相当と判断。県教委に早期の処分決定も求めています。終了後会見した永山博市教育長は「教師としてあってはならない行為で、関係者や市民に大変申し訳なく、心からおわびします」と謝罪。県教委は「教師、校長から速やかに事情を聴いた上で適切に対応したい。できるだけ早く結論を出したい」と話しています。
         このパネルは、かつては平和教育の目的で使用されていたもの、それが肝試しに使われる……。風化というよりも、麻痺が学校現場で起こっていることが悲しいです。

        中学生の性で親に努力義務―東京都が条例化を本格検討
         東京都は31日までに、中学生以下の子どもたちが安易な性行動で性感染症にかかったり、妊娠したりしないよう、保護者に対する努力義務規定を条例に盛り込めないか、本格的に検討する方針を固めたそうです。11月2日に都青少年問題協議会(会長・石原慎太郎知事)を開き、諮問する予定。
         インターネットの有害サイトなどから子どもたちを守る方策の検討も行うそうです。来年1月の答申で、都青少年健全育成条例の改正が提言されれば、2月中にも開会する定例議会に改正案が提出されます。
         都によると、保護者の努力義務規定は、子どもたちの性行動を規制するのではなく、性に関する規範を示すのが目的。罰則は設けないとのこと。
         「子どもたちを守る」というのなら、子どもたちの性を商品として扱う大人たちのあり方への「規制」、「規範」の確立こそ急務の課題と思いますが、そうした根本的な課題を棚上げにして、問題を「家庭教育」に転化しているだけかと思えます。全ての家庭がこの努力義務に応えられる状態にあると思っているとしたら、現実を勝手に理想的に歪曲視した誤った理解の上で行われる施策がまた一つ増えることになるだけでしょう。