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        「子どもにも競争原理を」―文科相、学力調査見直しも。
        2004/11/07
        中山成彬文部科学相は5日の会見で、「もっと子どもたちが切磋琢磨(せっさたくま)する風潮を高めたい」と、子ども同士にも競争原理が必要との認識を示しました。その上で、文科省が実施している教育課程実施状況調査(学力テスト)について「全体の中で、自分がどういう位置にあるのかを自覚しながら頑張る精神を養うよう検討していったらいい」と、見直しが必要との考えを明らかに。
         文科相は「前回、政務次官を拝命してから13年がたつが、日本人が外国人に負けていることを痛感した。頑張らないと日本は大変なことになる。これまでの教育は競争しない方がいいという風潮があった」と強調(?)。「現実の社会に出ると非常に厳しい競争にさらされる。ギャップを感じ就職しても辞める人もいる。21世紀の日本が世界の中でごしていくためには、競い合う気持ちが大事だと分からせたい」と述べました。
         全国規模の学力テストはかつて、1956年度に始まりましたが、過度の競争を生んだため、66年度に廃止された経緯があります。学力をめぐる都道府県のランク付けにつながるなどの指摘もあり、復活の提案が論議を呼ぶことは必至です。
         さらに、中山文部科学相は4日の経済財政諮問会議でも、全国学力テストの復活に加え、新たに全国一斉の体力テストの導入についても検討する方針を明らかにしています。文部科学省によると、体力テストは現在、児童・生徒の体力や運動能力の傾向を調べるため、小中高校で各都道府県ごとに1学年あたり48人ずつ抽出する形で実施しています。
         文科相は諮問会議後の記者会見で、「確かな学力、豊かな心、健やかな体、挑戦する精神」を今後の教育改革の基本方針に据える考えを示した上で、「これらをいろんな意味で検証、観察する必要がある」とし、学力・体力テスト導入に意欲を示しました。学力テストについては「(諮問会議の)民間議員の中にも評価する意見があった。大学全入の時代を迎え、学力競争をあおらず実施することは可能ではないか」と述べた。
         国連子どもの権利委員会から、「過度に競争的」と改善勧告を出されている日本の教育。「大学全入の時代」と言われる陰で、行きたくても高校にも行けない子どもたちが多数存在することには目をふさぎ、教育「強者」にのみ目を向けた政策と言わざるを得ません。また、教育内容に国がどこまで介入できるかが問われた旭川学力テスト判決(76年)で最高裁は、「国の介入は抑制的であることが要請される」と見解を示しています。学校教育への競争原理の露骨な導入、表層的な観念論で議論が行われ、子どもの全国的ランク付けテストが復活することのないようにする議論を広げていきたいものです。

        小学生の2割が「幻覚体験」―不安定な親子関係反映か
         統合失調症の診断基準にもなる幻覚(幻視、幻聴)を体験したとする小学校高学年の児童が2割に上ることが、名古屋大発達心理精神科学教育研究センターの調査で分かりました。3日から名古屋市内で始まった日本児童青年精神医学会総会で発表されました。調査は村瀬助教授らが通院歴などのない11、12歳の児童約760人を対象に実施。うち約21%が「人の顔が浮かぶ」「自分の悪口が聞こえる」などと回答したそうです。幻覚を訴える子供の割合はこれまでの海外の研究で19-35%とされてきたが、国内で示されたのは初めて。
         意識と行動のつながりが失われる「解離」や不安が関連しているとみられ、村瀬聡美助教授は「親子関係のストレスがきっかけで幻覚が出たという症例もあり、親子関係の不安定さが(調査結果の)背景にあるのではないか」とみています。

        「学校運営協議会」を導入―京都/中京・御所南小など3校
         学校運営に地域住民や保護者の意見を取り入れる「学校運営協議会」制度を御所南小、高倉小、京都御池中の3校に導入すると、京都市教委が4日発表しました。教職員の人事や学校予算の使い方にも住民の声を反映して「開かれた学校づくり」を進める狙いで、05年1月にも、京都初の「地域運営学校」がスタートする見込みです。学校運営協議会地域住民や保護者、公募の市民ら10人程度で構成する合議制の機関。校長がつくる学校運営の基本方針の審議が主な役割で、学校予算の使い道に意見を述べたり、教育方針に合う教職員を配置するよう教育委員会に求めることができます。京都市教委は「毎年数校ずつ指定校を増やし、信頼される学校づくりを進めていきたい」としています。
         地域と学校の関係が希薄化する中、住民が積極的に学校づくりにかかわれる制度をつくろうと、6月に地方教育行政組織運営法が改正され、市町村教委が同協議会の設置校を指定できるようになりました。
         文科省などによると、東京都世田谷、杉並、足立各区教委が同制度の導入を決めていますが、関西では初めてだそうです。