ようするに勉強しなくなった(?!) 中川文科相。
2004/12/12
OECDの学習到達度調査の結果について中山成彬文部科学相は7日の記者会見で、「要するに勉強しなくなったんじゃないですか。低下傾向にあることをはっきり認識すべきだ」と述べ、世界トップレベルからの脱落を認めました。そればかりか、「もっと勉強しないと駄目だということを徹底しないといけない」と指摘。「日本が停滞している間に近隣諸国が追い上げてきて取り残されてしまう。東洋の老小国になってしまってはわれわれの子や孫たちに申し訳ない」と述べ、学力向上策に徹底的に取り組む姿勢を示し、「『僕は勉強したいから塾に行きたい』と子どもの方から親にお願いするぐらいでないといけない」と持論を展開したそうです。
崩壊していく学歴主義の社会構造を見極める視点が欠落している方たちは、人間の発達でとても大切な「子ども期」を受験勉強で埋め尽くそうとします。それが、文部科学大臣とは…、情けなくもどかしいですね。
OECD調査とは、経済協力開発機構(OECD)の03年学習到達度調査(PISA)のことで、今回調査で日本の15歳(高校1年生)の読解力低下をあらわにしました。読解力だけでなく、「1位グループ」(文部科学省)とされた数学的活用力でさえ「明らかに低下している」ととらえる教育関係者も少なくありません。試験と同時実施の意識調査からは、成績はよくても勉強への関心が低い生徒像や、生徒から当てにされない学校像も浮かび上がりました。
上野健爾・京都大大学院理学研究科教授(数学)は「悲惨な結果だ。勉強の面白さを理解できなければ、知識が頭の中を通過するだけで、分数も分からない大学生を生むことになる。学習指導要領改訂で教科書が薄くなり、子どもの関心を呼び起こす内容が削られてしまったことも一因だ」と話しています。
◆低い学校への信頼、満足度
授業で先生が支援してくれていると生徒はどれぐらいみているか―。生徒への意識調査結果を13カ国(欧米など主要7カ国と今回成績のよかった香港など)で比べると、日本は「(先生は)生徒一人ひとりの勉強に関心がある」「意見を発表する機会を与えてくれる」など数学教師による支援度を問う5項目のいずれでも、「いつもそうだ」と全面肯定する生徒の割合が平均より低く、5項目を平均すると13カ国で最低。特に「意見発表の機会を与えてくれる」では、「いつもそうだ」「たいていそうだ」を合わせても肯定派は46%と半数に届かず、OECD加盟国平均を12ポイントも下回りました。逆に「ほとんどない」は平均を7ポイント上回る20%。生徒と教師の関係を問う「多くの先生は、生徒が満足しているかに関心がある」という質問にも肯定派は45%にとどまり、平均を20ポイント下回っています。
学校への信頼感も他国より希薄。「(学校が)仕事に役立つことを教えてくれた」に肯定的に答えた生徒は59%と加盟国平均より28ポイントも低く、13カ国中で最低。「決断する自信をつけてくれた」も52%と18ポイント下回っています。
「解散恐れず」武部節絶好調
自民党の武部勤幹事長は9日、都内で講演し、「(首相は)衆院解散権を発動すべきだ」「(若者が)サマワに二、三カ月行けば変わる」と“武部節”を連発、「サプライズ」で「流行語大賞」授賞式に出席した余勢をかって?絶好調ぶりをみせました。
武部氏は、郵政民営化に対し党内で反発が根強いことを指摘し、「私は解散を恐れていない。場合によっては、(首相は)解散権を発動すべきだ」と述べ、“抵抗勢力”を牽制(けんせい)。さらに「私は自民党のための幹事長ではない。自民党がつぶれた方がいいというのなら、その覚悟で臨まなければならない」とかつて「自民党をぶっこわす」と言い放った首相もかくやの挑発ぶり。
さらに犯罪の凶悪化や教育現場の荒廃に話が及ぶと、「暴論かもしれないが、一度自衛隊に入って、サマワみたいなところに行って、緊張感をもって地元に感謝されながら活動したら三カ月でまたたく間に(人間性が)変わるという考え方もある」と“妙案”まで披露したそうです。
サマワって、「非戦闘地域」で「安全」だから自衛隊が「人道復興支援」の名の下に、日米同盟(安保条約がいつの間にか『同盟関係』に…)での役割を果たすために行っている所ですよね。安全な所に緊張感がなぜあるのか、地元は自衛隊の活動に不満を示していて「感謝」どころではないと思うのですが…。
内閣支持率、急落37% イラク派遣延長反対も62%<世論調査>
自衛隊のイラク派遣延長が9日に閣議決定されたのを受け、毎日新聞が10、11両日に実施した緊急世論調査(電話)によると、小泉内閣の支持率は37%と、01年4月の内閣発足以来初めて4割を割り、一方不支持率も過去最高の45%に増加、支持率を大きく上回ったそうです。イラク派遣の1年延長には「反対」が62%と、「賛成」31%の2倍に。派遣延長について小泉首相の国民への説明が「十分でない」との回答が84%を占めた。延長反対と答えた人の61%が小泉内閣を支持しておらず、国民の十分な理解を得ないまま派遣延長を決めた首相への不満が内閣支持率に反映したとみられます。
確かに、派遣延長がどこでどのように決まったのか、さっぱりわかりませんでした。「大本営発表を聞いているようだ」と言う声にも納得です。とりまきの官僚各位も問題言動のオンパレード、「自民党をぶっつぶす」前に、日本という国がぶっつぶれないように、国民が本音を政治にぶつけて行ってほしいと思います。
私事、放送大学もあとわずかで卒業に(?)なる予定です。後期始まり時点で残り3単位でした。来年3月からは、「教育と人間関係の相談室 カンナ」開設に向けて準備を具体的に始めます。一方で、「京都ひきこもりと不登校の家族会 ノンラベル」の援助スタッフも継続。さらに学習を深めるために、放送大学の大学院の専科履修生になることも考えています。仕事を辞めて来年3月で2年に、時の動きは早いものですね。