退職後の生活水準、72%が「低下する」
2006/02/06
昨日更新の日でしたが、以下で紹介するイベントのため(司会をしていました)、更新ができませんでした。
日本やアメリカ、それにヨーロッパなど11の国と地域で、およそ7000人を対象に、フランスの大手保険会社「アクサ」が行った電話によるアンケート調査でわかったものです。この中で、現在働いている人たちに、「退職後の収入の見通し」を聞いたところ、アメリカやドイツなど6つの国と地域では、「満足できる水準だと思う」と答えた人が半数を超えたのに対して、日本はわずか4%と、調査した中で最低でした。さらに「退職後の生活水準」について、他の国では「低下する」と答えた人の割合は30%から40%台だったのに対して、日本では72%に上っています。また「定年退職後も仕事をしたいか」聞いたところ、「はい」と答えた人の割合は、フランスやドイツなどが30%台だったのに対して日本は68%で、最も高い結果に。調査を行った保険会社では、「日本では、年金の支給額が減るなど十分な収入を得られないのではないかという不安があり、欧米に比べ退職後の生活に悲観的な見通しを持っている。このため再就職して働き続けることを考える傾向が強い」と話しています。
調査結果で明らかになると、「やはり…」と納得します。日本の60歳以降の生活への不安は他先進国と比べると異常なほど強いものです。「少子高齢化」が叫ばれますが、自然とそうなったわけではなく、日本の経済構造が作り上げてきた、先細り構造を如実に現したものであることを見逃すわけにはいきません。国や各自治体のお金の使い方が問われていると思います。「社会福祉」の原点に立ち返って施策を建て直す時ではないでしょうか。
●個々に応じた生涯支援/県発達障害者支援センター:鹿児島で開設
1日、自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害がある子どもや大人、家族の相談に応じる「県発達障害者支援センター」が鹿児島市桜ケ丘6の県児童総合相談センター(児相)内にオープンしました。05年4月に施行された発達障害者支援法に基づくもので、九州・山口では沖縄を除いて最後となりました。
就学前から就労まで個人に応じて一貫した支援を行うのが特徴で、県内各地で発達障害にかかわる医療・保健・福祉・教育・就労の各機関の拠点施設としての役割を担うとしています。
県はセンター設置にあたり、相談所の指導課を支援課として、センター機能を担う発達支援係、と療育支援係に再編。職員(非常勤を含む)も計13人から16人に3人増やし、診断を行う医師は、従来の小児科医に加え2人体制となりました。
児相では以前から診断や発達支援相談を実施していましたが、今回対象を児童以外(18歳以上)にも拡大。鹿児島市の鹿児島障害者職業センターなどと連携をとって就労支援に力を入れることになります。
文部科学省の調査では、小中学生の約6%に発達障害の可能性があるとされています。県内では約1万人の計算になりますが、従来は知的な遅れを伴わない場合、法的には福祉サービスの対象外でした。県内では専門医が不足しているため、県外に診断を求めるケースも多数ありました。
小4の長男が自閉症だという日本自閉症協会県支部の広瀬英子さん(43)は「(障害があっても)どこにどういう形で相談すればいいか分からない人は多い。センターが開設されることで、診断を受けたり、支援相談や将来設計ができるようになれば」と話します。電話相談は月~金の午前9時~午後5時(祝祭日は休み)。来所相談は火、水の2日間で予約が必要。同センター(099-264-3720)。
●アスペルガー障害への理解を/講演やシンポ(京都)
↓「京都新聞」の記事から転載します。
青年期・思春期のアスペルガー障害について考える講演会とシンポジウムが5日、京都市下京区のひと・まち交流館京都で開かれた。障害に悩む人を支える家族や学校関係者ら約120人が参加し、障害の特性や支援の在り方などを学んだ。
京都ひきこもりと不登校の家族会「ノンラベル」(右京区)が、障害への理解を求める本の出版と、アスペルガー障害の支援部門「アスペ・ノンラベル」の開設1年を記念して企画した。
講演で精神科医の定本ゆきこさんは、こだわりが強く、思う通りにしないと気が済まないなど、アスペルガー障害の特性を紹介。「進学や就職など、幼児期から青年期の間の出来事に合わせ、行動や心配を予想しておけば問題は回避できる。親で抱え込むのではなく、行政や民間組織、地域など第三者も交えたチームサポートが大事」と話した。
「アスペルガー障害の生きにくさをどう支えるか」と題したシンポジウムでは、「アスペルガーの子は、自発性に任せるだけではいけない。こうしなさいと指示することも有効」「問題行動に対し、校内で各教諭が統一した対応をとる必要がある」などの意見が出された。
↑何とか無事に終了し一安心です。鹿児島県で発達障害者支援センターが開設され、全国の都道府県で34カ所(?)、政令市を合わせて38カ所(?)で設置されていますが、京都府ではまだ計画すらないのが実情です。京都府の中心部である京都市には昨年秋に設置されていますが、京都市外の府民は利用できません。一日も早く、府北部・中部・南部の3カ所くらいのセンター開設が行われるよう、取り組みを強めて行く必要があります。みなさんの地域の状況はいかがでしょうか?