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        自殺対策で協議会設置はわずか13道県/3分の2は設置未定
        2006/05/07
        6日、共同通信の調査で、自治体での総合的な自殺対策を進めるため、行政機関や民間団体でつくる自殺対策連絡協議会(仮称)を既に設置しているのは62の都道府県・政令指定都市のうち13道県で、設置予定を含めても23道府県・市にとどまっていることが分かりました。
         7年連続で自殺者数が3万人を超える中、昨年12月に、政府が総合対策を策定した後、自治体の対策状況が明らかになったのは初めてです。ほとんどの自治体が何らかの自殺対策を実施していましたが、地域によって取り組みに大きな差があったほか、独自の実態調査や遺族支援にまで踏み込んでいる所はほとんどなく、今後の課題も浮かび上がりました。
         私も京都の自死遺族の会に関わっていますが、実態調査がないのはもちろんのこと、遺族会を開くための会場提供への京都市への協力要請にも「市としては上からの取り組みなさいという要望も何も来ていないと」、「従来やってきた保健所の精神保健とこころの健康増進センターの仕事をいままでどおりにやっていきます。ある特定の団体を優遇すると平等の原則に反する」の一点張りだったそうです。上からの法的な枠組みによる指示・指導、予算がなければ、独自施策としては取り組む意志はない、ということです。
         「自殺対策は国と自治体の責務」と明記し、一人でも多くの命を救うことを目指す自殺対策基本法(仮称)の制定に向けた署名活動に皆さんのご協力をお願いします。
         ↓署名用紙はライフリンクのサイトからダウンロードして下さい。
        http://www.lifelink.or.jp/hp/top.html

        ●教員OB活用し無料補習 07年度から、文科省方針
         文部科学省は1日までに、07年度から団塊の世代の教員OBらを活用し、放課後や土日に無料の補習を実施する方針を固めました。経済的理由から塾に通えない子と通える子の間に格差が広がるのを防ぐことが狙いだそうです。全国約1万カ所で進めている「子どもの居場所づくり」の中で行い、07年度予算の概算要求に盛り込むとしています。
         教育関係者には「学校での教育充実に予算を使うべきで、塾代わりの補習は本末転倒」という意見がありますが、文科省は「学校の教育とは役割分担できる」としています。
         文科省は04年度から子どもの居場所づくりのため、地域の大人が読み聞かせやスポーツの指導などをする「地域子ども教室」を開いており、07年度からは、この地域子ども教室を衣替えし、小学生ら希望者を対象に補習も行うようにするものです。
         小学校での授業だけでは塾に通う子との間に格差が生まれる…。小学生の「学力」格差は、中学受験でのランクに直結(?)。だから、親は経済的に無理をしてでも「学習塾」や家庭教師を子どもにあてがう。不公平感をなくそおうと、そうでない子どもたちにも放課後や土日に補習を行う。受験「学力」向上のためだけが目的の施策にしか思えません。これによって、子どもたちが得るものは、また失うものは? いわゆる「お受験」に失敗し、おおいなる挫折感から自己否定を深化させ、10年、20年経った現在も自身を責め続けている青年たちを、誰が救えるのでしょうか。その家族を、誰が責められるのでしょうか。

        ●都内の脚本家が自閉症青年を主人公にした小説の映画化計画
         自閉症だった長男を今年3月末に15歳で事故で亡くした東京都町田市の脚本家の男性が、自ら書いた自閉症の青年が主人公の小説を自主制作で映画化する計画を進めています。小説は10年以上前、男性が「自閉症への理解を広めたい」とテレビドラマの脚本として応募したもので、映画製作への協力を呼びかけています。
         計画しているのは、山下久仁明(くにあき)さん(45)で、長男は大輝(ひろき)さん。山下さんはアニメの製作会社を経て12年前、フリーで独立。大輝さんが4歳の時に、テレビドラマの脚本募集に「心の扉」の題で応募しました。
         脚本は、大輝さんを育てた経験をもとに描いた、看護学校の女子学生が自閉症の青年に出会いドライブに出るストーリー。自閉症について知識がなかった女子学生は話しかけても答えない青年に戸惑いながらも理解を深めていく内容。
         ドラマの脚本には採用されませんでしたが、山下さんはその後、出版社に持ち込み、相談のうえ、題名を「ぼくはうみがみたくなりました」に替え、小説として02年に「ぶどう社」から出版しました。
         大輝さんは、成長しても話す言葉は単語程度で、「周りの人の気持ちをあまり理解できなかった」(山下さん)といいます。電柱や自宅の屋根に上っては両親をはらはらさせていました。しかし、今年3月28日、自宅近くを散歩中、踏み切りに入って、電車にはねられ命を落としました。
         映像への望みを捨てきれない山下さんが、映画の製作への協力を呼びかけるホームページ(http://homepage2.nifty.com/bokuumi/)を開設したのは先月5日。これまでに約200万円がカンパとして集まったといいます。
         それでも製作には約3,000万円が必要といい、山下さんは「自閉症を理解してもらうには映像が最も訴えやすい。長男が背中を押してくれると信じて、企画を進めていきたい」と話しています。

        ●GWで施設から一時帰宅中の障害の娘を殺害、母逮捕
         宮城県警角田署は6日、自宅で長女(33)を殺害したとして、殺人容疑で同県角田市枝野、無職佐藤隆子容疑者(55)を逮捕しました。佐藤容疑者は5日夜、自宅1階の寝室で長女の首を絞めて殺害した疑い。
         長女は知的障害者で、角田市内の知的障害者介護施設に入所、佐藤容疑者も介護していたそうです。調べに対し「介護に疲れた。娘をふびんに思った」などと供述。
         長女が入所する施設によると、施設は3日から約1週間の休暇になり、入所者は一時的に帰宅していました。
         「子殺し」や「親子無理心中」などのニュースが連日のように報道されます。こうしたケースの中で、子どもに障害や病理によるハンディがあるケースがかなりの割合を占めると言われています。障害者自立支援法実施によって、施設やサービスの利用を断念せざるを得なくなった人たちも多数おられます。経済面からの数値だけで「景気回復」と言い、「格差はない」という今の政府は、社会保障を切実に求める人たちから「応益負担」を「公平」として具体的に保障を切り下げて行っています。こうした悲しい出来事が、国の社会福祉のレベルや志向を現していることをしっかりと見つめなければなりません。