タイトルアレルギーを払拭して親の声を聞いてほしい。
2002/05/21
「不登校自殺」というタイトルを見ただけで、というか、「不登校」という言葉に拒絶反応を示す方が多いだろうと、当初よりかもがわ出版の編集長と話していました。これは、私が一番読んで欲しいと思っている学校教職員のみなさまの中で、きっと現れる反応だろうと思っていました。確かに、日々荒れや授業崩壊、問題事象、不登校等と対峙されている現場教職員のみなさまにとって、「不登校」に「自殺」のついた本など、とんでもないことかも知れません。でも、そんな方々にこそ読んで欲しいのです。反社会的行動や非社会的行動に出てしまう子どもの心に寄り添うことなく、校則の遵守と学校秩序の維持のためのマニュアルに沿った生徒指導に徹する中で深刻化した学年崩壊。その中で真面目にありたいと思っていた子どもたちが教室に居ることに耐えられなくなって保健室へ、そして家へと居場所を求めた。そんな行き過ぎた画一的な管理主義的指導を社会的に明らかにし、とりわけ不登校の子どもたちへのケアを充実させたいと思い、人権救済の申し立てをし、「要望書」が執行された。そんな経過をまとめた本です。私は、これらの経過の中で、いわゆる被害者は、子どもたちはもちろんですが、直接的被害者は教職員のみなさんだと思っています。職務上マニュアルに忠実であらねばならなかった事実、管理の下で分断され、同僚や専門機関と連携することのできなかったみなさんの苦しみ、これらも明らかにしたかったのです。どうか、タイトルだけを見て目を背けないで下さい。書いた私は、こんな思いなのですから……。