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        白か黒か、0か100か…。
        2007/04/06
        人は、不安な状態に置かれ続けると、自身の精神的存在を守ろうと様々な防衛を働かせます。防衛が働いている間はまだいいのですが、自分ではもうどうしようもない、解決の方向が見えないと、無力感と自己否定感情を強めてしまいます。「もう無理、違うやり方を考えよう」と、開き直って出直すことができると気持ちは楽になれますが、「自己責任」を重要な価値観としてもっている方が、無力感、自己否定感情から抑うつ状態へと向かってしまうことが少なくありません。
         こうした時には、何を考えても悪い方へ悪い方へ物事を考えてしまい、物事の是非も、白か黒か、0か100かという二極化思考になってしまいます。中間的思考、段階的思考、計画的(時間経過的)思考、折り合いの思考などができなくなってしまい、他者に対する評価などにおいても敵か味方かの性急な判断をしてしまいます。
         不安が継続する状態は、安全・安心がない状態です。常に周囲に怯えながら、主体を揺るがせながら、過度な緊張の中で身を守っている状態です。
         この不安への認知の偏りが、さまざまな精神病理を生み出します。内面への否定から自己への攻撃へと移っていく場合や、外面への攻撃によって解消・置き換えしようとしていく場合などがあります。
         不安と向き合い、その不安は何によって生まれたのか、何に対してのものなのか、不安のレベルはどれくらいのものなのか、他に考えようはないのか、一人で抱え込まなければならないものなのか、細分化して整理することはできないのか、など、解釈を加える作業をすることによって、漠然とした「恐れ」は、具体的な「課題」として浮かび上がってきます。この作業を一人で行うことは困難です。第三者(カウンセラーなど)を鏡としながら、ゆっくりと安全・安心の場で自身と向き合う過程を必用とします。
         日本では、カウンセリングがまだまだ浸透しておらず、心理抵抗を持たれる方が多いのが現実ですが、不安が強い場合などには状態が悪化する前に利用されることをおすすめしたいと思います。
         次回は「高機能の自閉症者と集団」について考えてみたいと思います。
         では、この1週間の気になる記事です。

        いじめ根絶申し入れ 被害者の会(和歌山)

        いじめを苦にして自殺した児童、生徒の遺族らでつくる「全国いじめ被害者の会」(大沢秀明代表)が6日、県教委に対し、いじめの根絶を願う申入書を提出した。16日までに回答を求めている。
         大沢代表(63)=大分県佐伯市=と妻の園子さん(63)の2人は、3月15日から全国を行脚し、文部科学省をはじめ、これまで九州や四国など13県の教育委員会に申入書を提出。4月中には全国都道府県教委への提出を終える予定という。
         6日、2人は和歌山市の県庁を訪れ、県教委小中学校課の東中啓吉副課長に申入書を提出。「学校であったいじめを保護者に知らせてほしい」「いじめをいじめととらえない状況の中にあるのはどういうことか説明してほしい」など4項目の要望や質問が盛り込まれている。
         大沢代表は「いじめはどこの学校でも起きるが適切な対応をすれば断ち切ることができる」と語った。これに対し、東中副課長は「いじめがなくなるよう県教委も頑張っていきたい」と答えた。
         大沢代表の四男は、中学3年生だった1996年にいじめを苦に自殺。昨年10月に福岡県筑前町で起きた中学2年生男子のいじめ自殺事件を機に同会を発足させた。現在会員は400人を超えている。
        (紀伊民報)4月7日17時2分配信

        ●特別支援教育:小中校で義務化 教員経験不足、現場混乱 保護者から不満の声/新潟
         今月から改正学校教育法が施行され、障害を持つ児童・生徒一人一人の必要性に応じた適切な教育を行う「特別支援教育」がすべての小中学校で義務付けられた。特殊教育の対象ではなかった発達障害の子供も支援する点が特徴で、県内の小中学校でも準備作業が続けられている。しかし、教員の経験不足などで教育現場では混乱も起こり、保護者からも不満の声が上がっている。
         特別支援教育とは、目や耳の障害、知的障害や肢体不自由などに区別して教育を行っていた特殊教育を改め、発達障害を含む障害児一人一人に個別の指導計画を作り、きめ細かい支援を行う制度。文部科学省の通達では、今年度中の体制整備を目指すとされており、県内の全小中学校でも同法の施行を前倒しする形で、個別指導計画の作成や発達障害児らを対象とする特別支援学級を新設する動きが本格化している。
         しかし、実際に同教育を受けた障害児の保護者からは不満の声が上がり始めている。新潟市の主婦(36)は「制度だけできても中身が伴っていない」とため息をつく。
         長女(7)は、相手の言葉やあいまいな表現、感情が理解できないなどのコミュニケーション能力の障害▽自身の行動を別の行動に転換する能力の障害などを抱える。「きちんとした指導を受けさせたい」と昨年4月、同市内の小学校の特別支援学級に入学させた。
         しかし、実際の指導は期待とは違った。月1回作成されるはずだった個別指導計画は理由もなく2カ月で打ち切られたという。上手に会話できない長女の代わりに学校の様子を知ろうと、担任の40代の男性教諭に連絡帳の作成を申し出たが、「わかりました」との短い返事しか返ってこない。教諭は支援学級を指導した経験がなかった。
         また同校のもう一つの障害児の学級では、児童が教諭の言うことを聞かずに歩き回るなどし、授業が成り立たなくなっていた。結局、同校の障害児の保護者たちは順番で授業に付き添うことを決めた。
         こうした状況に頭を抱えるのは学校側も同じだ。同校では、05年に支援学級を設置したが、自ら支援学級の担任を志願した教員は1人もいなかった。校長は「こちらから(担任を)やって下さいとお願いしている」と教員の意欲不足を明かす。結果、経験のない教員と、障害への知識が豊富な保護者との間で意見の食い違いが生じ、「100%保護者の意向に沿えていない状況」という。
         県教委の担当者は「授業が成り立たない」という相談が他の学校からも寄せられていることを認め、「現場が混乱している。先生を指導するシステムを作っていかないといけない」と話した。
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        ■ことば
        ◇発達障害
         発達障害とは、自閉症に代表される先天的な脳の機能障害。社会性を築くのが困難で、コミュニケーションに障害がある点などが特徴。知的障害や言葉の遅れを伴わない自閉症のアスペルガー症候群や注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などが含まれる。文科省の推計では、通常学級の全児童・生徒の6%が同障害などにより新たに特別支援教育の対象となるとみられる。
        (毎日新聞)4月3日11時2分配信
        【コメント】こうした実態が生じることは火を見るより明らかだったのでしょう。制度作り優先の「特別支援教育」。「特別」な「支援」を要するとされる子どもの障害の状態や必用な支援のあり方を理解し実践していくことは、決してたやすいことではありません。数回研修を受けただけでできるものであるはずがありません。教員の「意欲不足」を学校側は理由の一つにしようとしていますが、人を増やさずに現体制への上乗せ課題となりますから、尻込みしてしまう教員のみなさんを責めることはできないと思います。教委、学校側が、この制度実施に向けて、人的補充を含む必用な体制づくりと具体的な計画作成をしていくことが早急に求められています。

        ●新設都立校、すべての普通教室に日の丸を常時掲示へ
         6日に1期生が入学する東京都立永福学園養護学校(杉並区、小林進校長)が、教室内に日の丸を常時掲示することがわかった。校訓や都のシンボルマークとともに、国旗が入っているプレートを、すべての普通教室正面の壁に固定する。都教委指導企画課は「こうしたケースは都立校では初めて聞いた。都教委としては日常的な掲示を指導したことはない。学校長の裁量の問題だ」としている。
         同養護学校は、04年度で閉校した都立永福高校跡地に設置。知的障害が軽い生徒が対象の高等部就業技術科がこの4月に開校し、09年度には肢体不自由教育部門の小学部~高等部が設置される予定になっている。
         都教委によると、国旗入りのプレートは30ある普通教室のすべてに設置された。「誠心誠意」という校訓の左に国旗、逆側に都のマークが描かれている。「組織への所属意識の醸成に必要な施設設備」として、学校予算で設けられたという。
         学校側は朝日新聞の取材に「校長は今週は忙しい。来週以降なら応じる」と話している。
         6日には1期生100人が入学。入学式は区内の別会場で行い、生徒は9日から登校するという。
        (asahi.com)2007年04月05日07時56分
        【コメント】教室正面の壁に日の丸が掲示されるんですか? 「日の丸」・「君が代」が、何を目的としたものか、自ずと明らかになって行っているようですね。

        ●過労、うつ病自殺 悲しみ知って 下京で企画展、再発防止へ取り組み
         過労やうつ病で自殺した人たちをテーマにした企画展「私の中で今、生きているあなた-うつ自殺50家族の悲しみを見つめてみませんか」が、京都市下京区のひと・まち交流館京都で開かれている。遺族らも「残された者として役に立てれば」と展示に協力、再発防止への取り組みに市民の関心が集まっている。
         大阪市北区のNPO法人(特定非営利活動法人)「働く者のメンタルヘルス相談室」が、愛する人を失う悲しみを共有し、問題を一緒に考えようと初めて開催した。
         過労やうつ病で自殺した会社員や公務員ら男女50人を、裁判資料などを基に紹介。遺書や手記を展示し、過酷な残業や上司の圧力など、うつ病の原因になる職場実態を示している。
         会場には東京都内の病院に勤務して過労で1999年に自殺した小児科医中原利郎さん=当時(44)=の資料もあり、今年3月、訴訟で労災認定の判決を勝ち取った妻のり子さん(51)がこのほど来訪した。遺書に過酷な小児医療現場の環境改善を訴え、「私にとっては天女のような存在でした」と家族への愛情を記した中原医師の苦悩や人柄を紹介し、「命をかけた夫の思いを社会に伝えたい」と話した。
         会場には、同様に家族を自殺でなくした人も訪れるなど市民の関心を集めており、メンタルヘルス相談室は「遺族の悲しみに触れ、うつ病で自殺に追い込まれる前に相談してほしい」と話している。8日まで。無料。
        (京都新聞)4月5日9時49分配信

        ●鹿沼のいじめ損賠訴訟:両親が上告 /栃木
         鹿沼市立北犬飼中3年、臼井丈人君(当時15歳)の自殺をめぐる訴訟で、臼井君の両親が3日、「いじめは自殺の一因だが、学校側に直接の責任はない」とした2審東京高裁判決を不服として最高裁に上告した。
         臼井君は99年11月に自殺。3月28日の2審判決は、臼井君は元同級生2人のいじめでうつ病を発症、不登校になり自殺したと認定した。しかし学校側の責任について、いじめを防げなかった過失は認めたものの「自殺の誘因となったうつ病の発症は予見できなかった」として認めなかった。
         両親の代理人、横幕武徳弁護士は上告にあたり「学校側がいじめがあると認識していれば、本人の心身に重大な負荷がかかっているのは自明の理として理解できたはずで、この時点で予見可能性はあった」と2審判決を批判した。
        ◇「判決重く受け止め」--県教育長
         平間幸男県教育長は3日の会見で、鹿沼市の中3生自殺をめぐる訴訟にふれ、学校でのいじめが自殺の一因と認めた高裁判決について「学校側の責任も指摘され、重く受け止めている」と述べた。
         同訴訟では、99年に自殺した鹿沼市北犬飼中3年、臼井丈人君(当時15歳)の両親が、同市と県に総額約1億1000万円の賠償を求めた。高裁判決は賠償を命じたうえ、学校側にもいじめを阻止できなかった責任があると指摘した。平間県教育長は「いじめ根絶のために力を尽くしたい」と話した。一方で、今後の対応や文部科学省への報告については「上告の状況や、鹿沼市からの報告を見て考えたい」と述べるにとどまった。
         また、今年度からの新規事業として、全教員へのいじめ対応マニュアル配布などを柱とした「いじめ早期発見・早期対応プロジェクト事業」や、地域の実情に応じた学校の安全を推進する「学校安全協議会」を県内8カ所に設置することも明らかにした。
        (毎日新聞)4月4日11時0分配信

        ●県と市は上告せず=栃木・鹿沼の中3いじめ自殺訴訟
         1999年11月、栃木県鹿沼市の市立北犬飼中学3年の臼井丈人君=当時(15)=が自殺したのは学校でのいじめが原因だとして、両親が県や市を相手に損害賠償を求めた訴訟で、県と鹿沼市は5日までに、860万円の支払いを命じた東京高裁判決について上告しないことを決めた。
         鹿沼市教育委員会の小林守教育長は「高裁判決を真摯(しんし)に受け止める」としている。
        (時事通信)4月5日19時1分配信

        ●発達障害、社会の理解不足=過半数「深まっていない」-内閣府調査
         LD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)、自閉症など「発達障害」への社会の理解は深まっていない。過半数の人がこう考えていることが7日、内閣府の「障害者に関する世論調査」結果から分かった。2005年4月の発達障害者支援法の施行後、早期発見や成長過程に応じた支援の体制づくりが進んでいるが、周囲の理解はまだまだ不足しているようだ。
         調査は2月8日から18日にかけて成人男女3000人を対象に実施した。回収率は60.5%。発達障害は認知能力に関する先天性の障害で、周囲と異なる言動を取るケースが多い。
         調査では、発達障害への社会の理解が「深まっていると思うか」と尋ねたところ、否定派は51.6%に上った。一方、肯定派は34.5%にとどまった。内閣府は「政府としてさらに取り組みを進める必要がある」としている。
        (時事通信)4月7日19時1分配信
        【コメント】発達障害についての国の啓発事業にお目にかかったことがないのは、私だけ?

        ●適応指導教室の常設化で機能強化 京田辺市教委が不登校問題で
         京都府京田辺市教委は6日、同市立小中学校の不登校児童・生徒を対象とする適応指導教室「ポットラック」を、同市興戸に開設した。適応指導教室はこれまで市内3カ所で週2回ずつ開いていたが、1カ所にまとめて常設化することで、指導・相談機能を強化する。
         教室は、民家の離れの2階を間借りし、市教委の嘱託職員ら4人が指導と相談にあたる。同志社女子大現代社会学部の塘利枝子教授(発達心理学)のもとで学ぶ学生8人も指導に携わる。
         毎週月曜から金曜まで、午前9時-正午に児童・生徒を対象に個別学習指導や集団ゲーム、ストレッチ体操などを行う。午後1時-4時は保護者も含めた相談時間とする。無料。利用予約はポットラックTel:0774(68)1633。
         同市では現在、9小学校で計約20人、3中学校で計約50人の不登校児童・生徒がいるという。適応指導教室は1994年度に設置し、2005年度は11人が利用した。
        (京都新聞)4月5日21時18分配信