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        小さな物も近くで見れば大きな物。
        2007/09/17
        今回は、視覚と認知、抑うつ、自閉症スペクトラム障がいの認知特性を強引に結びつけて考えてみたいと思います。(かなり強引です)
         人の視覚は、人が生きていく上でとても重要な機能です。目を開いた時に見える視界はかなり広いものですが、たいていの場合、視野全体をぼんやり見ていることはありません。何か特定の「部分」に視点を当てていて、その「部分」があたかも拡大されたように見えていると思います(実際には人の視力に拡大機能はありませんが…)。そして、その「部分」以外はぼんやりと見えていると思います。このぼんやりさ、が自閉症スペクトラム障がいをお持ちの方の中で特に強いことがあります。一点集中状態です。学校生活や日常生活で、こうした一点集中状態が続いていると、いわゆる「回りが見えていない」「場の空気が読めない」…、とされてしまいます。近づいている訳でもないのに、フォーカスされた「部分」だけが目の前にくっきりと見え、回りは形をなさないのですから、仕方ありません。定型発達をされた方でも、こうした一点集中を感じることはあると思います。その「部分」に近寄ればなおさらです。とても大きな対象となります。
         次は認知についてです。ほんのささいな小さな事が妙に気になり、次第にそのことに意識が囚われ、悩みや不安を感じる場合などはそれがさらにどんどん膨らむ、という経験をされたことはありませんか? これも、気持ちの中の「部分」が拡大され、とても近い対象となり、大きく目の前に立ちはだかってしまうことで起こります。意識の中で起こることですから、どんな大きさにもなります。大きくなりすぎると、生活そのものに支障が出る場合もあります。そうならないように、適度にコントロールするストレスマネージメントが無意識に行われるのですが、時にコントロールが効かないほど強いストレスとして精神にダメージを与えることがあります。初期には抑うつ気分が生じます。できるだけ初期に、この異常に気づき、適切な対処が施されればダメージは大きくならずにすみますが、「これくらい、大丈夫…」と無理をすると、治療を必要とするダメージとなってしまいます。自閉症スペクトラム障がいをお持ちの方の場合は、とらわれ感の処理の仕方がわからずにさまざまな症状を出される場合があります。
         ほんの小さなことが、どんな大きな障壁になるかわかりません。問題が小さいうちに、信頼できる誰かに相談することが大切です。
         次回は「カウンセラーの資格(?)について思う」について考えてみたいと思います。
         では、この1週間の気になる記事です。

        東京の小学生「勉強役に立たない」 国際比較調査

         「勉強は役に立つ」と考えている小学生の割合は、世界の6都市の中で東京が最も低かったー。ベネッセが14日発表した学習基本調査の国際比較で明らかになった。また、塾や宿題など学校外の学習時間でも、東京の子はソウルや北京の子より少ない半面、勉強する子としない子の二極化も判明。詰め込み教育は影を潜めたが、学習する上で目的意識を持てない現状が浮き彫りになった。
         同社のシンクタンク、ベネッセ教育研究開発センターが平成18年6月~19年1月にかけ、東京▽ソウル▽北京▽ロンドン▽ワシントンDC▽ヘルシンキの小学5年生(10~11歳、公立校)を対象に、学習に関する意識や実態を調べた。
         設問で、「出世する」「金持ちになる」「社会で役に立つ人になる」ために勉強が役立つかをたずねると、「役に立つ」と答えた割合は、東京の小学生が全項目で最低だった。希望の進学段階も、北京の小学生の65・2%が「大学院まで」を希望したが、東京の小学生は「高校まで」との回答が相対的に多かった。
         塾など学校外で学習する時間の平均では東京が101・1分で、ソウル(145・8分)や北京(131・6分)より少なかった。東京は1時間以下が49・3%を占める一方、3時間半以上も18・1%と二極化していた。親が勉強するよう毎日いう割合は東京が37・7%で、ヘルシンキに次ぎ2番目に低かった。
         調査責任者の耳塚寛明・お茶の水女子大教授は「(日本は)競争するものと競争しないものの分化が増している。学歴や学習に否定的なイメージが広がり、問題だと思う」と話している。
        (産経新聞)9月15日18時42分配信

        ●発信箱:優しい世代 磯崎由美
         「僕らは貧乏だけど貧困じゃない」「お金がなくても人間らしく暮らせればいいじゃないか」
         東京でこの夏あったトークライブ。バブル崩壊後に成人した「ロストジェネレーション(失われた世代)」の20~30代が激論を交わしていた。
         パネリストのフリーターや自営業、NPO主宰者に共通していたのは「人をけ落としてまで生きたくない」という労働観だった。リサイクルショップの経営者は「社長だけ高い給料もらうなんて、オレには無理。一緒に働く人からどう見られるか考えたら、耐えられないもの」と言った。
         企業や組織を嫌い我が道を行くタイプは昔からいた。でも何かが違う。その心象風景にあてはまる言葉を探せば、少し違和感を覚えつつも「優しさ」になるだろうか。
         ニートや引きこもり、うつ病。利益優先の経済活動に適応できない若者は増えている。親たち団塊世代のように組織の歯車となり、マイホームや老後のために働く生き方には魅力を感じない。でも意欲はある。自分に向き合い、仲間と支え合い、無意味な競争にさらされない。そんな仕事を追い求める。
         「甘い」と責めるのは簡単だが、もはやその優しさは社会のシステムに完全に組み込まれ、たくさんの人が安価な労働力の恩恵を受けている。例えば介護の現場。働き手の4割が20代だ。重労働低賃金に耐える青年たちから「お年寄りの笑顔を見るとつらいことも忘れるんです」と聞くたびに複雑な気持ちになる。
         いつか彼らも老いる。その時、どんな世の中が待っているのだろう。(生活報道センター)
        (毎日新聞)2007年9月12日 0時31分

        ●遺族が調査情報を開示請求=筑前いじめ自殺で法務局に-福岡
         福岡県筑前町立三輪中学2年の森啓祐君=当時(13)=が昨年10月、いじめを苦に自殺した問題で、遺族の森美加さん(37)ら両親は14日、行政機関個人情報保護法に基づき、福岡法務局に対し、調査で得た情報の開示を請求した。
         同法は生存者本人の情報開示が原則だが、今年7月、山口地方法務局が同様のケースで自殺した山口県下関市の生徒の遺族に、調査情報の一部を開示している。
        (時事通信)9月14日17時3分配信

        ●ぶっく・えんど:『わが子をいじめから守る10カ条』=武田さち子・著 /東京
         98年に神奈川県でいじめを苦に自殺した女子高校生の両親と共に、著者は03年、NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)を結成。現在、理事を務める。
         いじめの当事者と向き合い、さまざまなケースについて考えてきた経験を生かし「いじめの落とし穴を回避し徹底的にわが子を守るため」親たちに知ってほしい10カ条を紹介する。
         10カ条は…子供に「頑張れ」と言わない▽「親子の信頼関係」を過信しない▽子供の命の危機を見逃さない▽不登校や転校で安心しない▽いじめによる心の傷を甘くみない――など。
         そして「ときには親の無理解やわが子のためによかれと思ってとった行動が、子どもを死に追い詰めることもある」と訴える。WAVE出版。1365円。
        (毎日新聞)9月16日12時0分配信