お知らせ

news

  • ▼新着情報

    • ▼ブログ

      • ▼研究ノート

        奥深い精神の分析か、さしあたあっての問題解消か
        2007/10/06
        一人の人が精神病理や神経症の症状を発したり、発達の障がいや偏りに周囲の人が気づいた場合に、精神科や心理療法を行う機関や個人、保健所等の相談機関につながることになると思います。
         まず、基本的な視点としてもっておいて欲しいことは、症状を出し状態を呈しておられる本人さんが、困っておられる、生きづらさを感じておられるという現実です。
        そこに至る原因や経過は人それぞれです。遺伝的要因も否定できませんし、生得的な精神の脆弱さもあるでしょうし、育っていく環境の中でのさまざまな体験、特に嫌悪体験や傷つき体験、恐怖体験なども大きく影響しますし、些細な人間関係上のトラブルがトラウマとなることが基点となることもあるでしょう。
         気をつけたいのは、精神病理や神経症の症状を発したり、発達の障がいや偏りが見られる場合に、その原因を本人=個人に帰属させてのみ対応を考えるという過ちをしないことでしょう。人は社会に関わる限り、他者との関係性の中で生き、学び、死を迎えるまで成長・発達する存在です。精神病理や神経症の症状も、発達の障がいや偏りによる生きづらさも、関係性の中から生じます。個人の内面を問題化していても、原因を知ることも、今行われるべき援助を見いだすこともできません。
         家系(各個人の特性)、本人の生育歴、生育環境、現病状や症状が発現するきっかけになったと思われる出来事、現在の生活状況、今後の人生をどう生きたいと思っているかなど、本人及び社会的環境を丹念に把握しながら、本人の願いを尊重しながらその生きづらさを軽減させていく方策を一緒に考えていくという姿勢が、援助者に求められていると思います。そのためのデータ収集としての聞き取りや各種検査、診断、薬物の処方、計画性のある治療とソーシャルワークが必用となります。
         繰り返しになりますが、個人の内面の問題だけにしないこと、即効性を求めての場当たり的な対応に陥らないことは、対人援助の基本姿勢として持ちたいと思います。
         次回から「子どもの頃のことですが…」というタイトルで、私の回想を綴ってみたいと思います。
         では、この1週間の気になる記事です。

        生活保護申請書渡さず 女性、自殺寸前に 北九州市

         生活保護の申請を容易には受け付けない「水際作戦」が批判された北九州市で、3回も福祉事務所を訪れながら申請書すら渡されず、自殺寸前まで追い込まれた女性(47)がいた。3回目は、市が設置した第三者委員会が検証を進め、問題点の指摘を始めた矢先の7月だった。女性の携帯サイトへの書き込みで窮状を知った弁護士らが申請を支援。一命を取り留めた女性は保護を受け、小学3年の次男(9)と暮らしている。
         同市小倉南区に住む女性は05年夏、突然両手の感覚を失い、職をなくした。原因不明で服薬治療を続け、児童扶養手当などで暮らそうとしたが、行き詰まった。家賃や国民健康保険料を滞納し、06年2月に小倉南福祉事務所を訪ねた。
         窓口の職員に長男(23)や親兄弟に援助してもらうよう言われ、面接室に1人残されたという。後に入手した記録には「申請意思なし」に○がついていた。
         家賃滞納のまま食事にも事欠いていた今年3月、次男が41.5度の熱を出した。救急車を呼び、ことなきを得たが、医療費がない。「このままではこの子を殺してしまう」。再び福祉事務所へ行ったが、保険証の発行を受けただけだった。
         近所の住民が食事を分けてくれた。しかし、光熱費の滞納は続き、まずガスが止められた。水風呂に入る日々が続き、電気も水道も停止日の通知が届いていた。狭心症、うつ病の疑いもあった。でも、金がない。
         7月6日、また福祉事務所に足を運んだ。職安に通っていたが、まともに働ける状態ではない。それでも相談は国保の話に終始し、保護の申請書はもらえなかった。「これは死ねってことか」。帰宅後、電気が止められた。
         市内では05、06年に申請書をもらえずに男性が相次いで孤独死した。今年2月に就任した北橋健治市長は保護行政の検証を表明し、5月に第三者委を設置。6月には同委のメンバーが「申請書を渡すべきだった」と指摘していた。
        (asahi.com)2007年10月05日10時13分

        ●都内初・引きこもり調査を開始 要因分析、予防対策に
         東京都は2日までに、都内の引きこもりの実態調査に着手した。今年度末をメドに結果をまとめる。これまで全国レベルの調査はあったが、引きこもりの若者の推計人数が32万~160万人と幅がある上、都市部のデータが少なかった。大都市での本格的な調査は初めてといい、都では「都内の引きこもりの実態を解明することで、対症療法だけでなく予防も含めた対策に生かしたい」としている。
         都ではまず、住民基本台帳から無作為抽出した15~34歳の若者3000人を対象に、生活の実態や自立意識、引きこもりへの共感度などを聞く。
         さらに都内の保健所、教育相談センター、医療機関など約600施設に問い合わせて引きこもりの若者の紹介を受けて、300人を目標に本人への面接を実施する。家族環境や友人関係、学校に通っていたときの状況などを聞き取る方針。調査は明星大人文学部の高塚雄介教授に委託、面接にはカウンセリングの訓練を受けた学生などがあたる。
         面接調査の結果をふまえて、引きこもりの要因を分析しパターン化。引きこもりの芽をつむ方策を探る。
         都内には現在、どのくらい引きこもりの若者がいるかの推計もないのが現状。今回は「自宅以外の生活の場が6カ月以上失われている15~34歳の人」を「引きこもり」と定義して、人数を推計することにしている。
         都青少年・治安対策本部では「対象者を探して面接の了承を得るのが大変。難しい調査になるが、現状を明らかにしなければ対策も進まないので、できるだけ多くのデータを集めたい」と話している。
        (産経新聞)10月3日15時33分配信

        ●「醜くても真実知りたい」高校生も訴え 沖縄県民大会
         「真実を知り、伝えていきたい」――29日、沖縄県宜野湾市で開かれた教科書検定の意見撤回を求める県民大会では、2人の高校生が思いを込めたメッセージを読み上げた。関係団体はバスや駐車場を用意し、「歴史の改ざん」への抗議に結集を呼びかけた。予想を超える11万人が集まり、「本土」からの参加者の姿もあった。
         「教科書から軍の関与を消さないでください。あの醜い戦争を美化しないでほしい。たとえ醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい」
         沖縄県立読谷(よみ・たん)高3年の津嘉山拡大(つかやま・こうだい)さん(18)と照屋奈津美さん(18)は制服姿で壇上に並び、メッセージを読み上げた。「高校生も、この問題を考えていることを知ってほしい」。そんな思いを込めた。
         2人が住む読谷村には「チビチリガマ」と呼ばれる壕(ごう)がある。45年4月1日、沖縄戦で村に米軍が上陸した直後、その壕で悲劇が起きた。
         村史によると、壕に避難していた住民約140人のうち83人が「集団自決」を遂げた。毛布などに火がつけられ、「地獄絵図さながらの惨状だった」とされる。
         津嘉山さんは会場の参加者に語りかけた。「死を求める住民が毒の入った注射器の前に列をなしました。母が我が子を手にかけたり、互いを刃物で刺し合い……」
         津嘉山さんは小学生のころ、祖母に手をひかれてチビチリガマを見に行った記憶がある。その祖母は沖縄戦で、自身の母親を失った。本島中部の別の壕に避難した時、幼かった祖母をかばって流れ弾に倒れたという。
         「僕たちは親族に戦争体験者がいる。集団自決のつらさは実感できる」。大会前、津嘉山さんは、そう語っていた。
         2人とも大学に進み、教師になるのが夢だ。照屋さんは日本史を教えたいと思っている。
         照屋さんは壇上から訴えた。
         「このまま検定意見が通れば、事実ではないことを教えなければいけません。分厚い教科書の中のたった一文、たった一言かもしれません。しかし、その中には失われた多くの尊い命があるのです。二度と戦争は繰り返してはいけないという沖縄県民の強い思いがあるのです」
         大会終了後、「緊張しませんでした」と笑顔を見せた。「集まった人は同じ気持ちだと思いますから」
        (asahi.com)2007年09月30日08時02分

        ●入院時の意思疎通支援 重度障害者に神戸市が新制度
         重度障害者が入院したとき、医師や看護師との意思疎通がスムーズにできるよう、神戸市は十月から、医療機関に付き添いの人を派遣する「コミュニケーション支援事業」を始めた。利用時間は三十日、百五十時間が上限。重度障害者が安心して地域で暮らし、入院もできることを目指す。
         これまでは同様の支援がなく、障害者が早期に退院するケースもあったという。同事業の対象は、障害程度区分6で、重度訪問介護を受けている▽左右の上肢が不自由でナースコールが押せない▽発語困難のため意思表示をしにくい▽一人暮らしなどのため介護者がいない-のすべてに当てはまる人とする。
         普段から対象者と意思疎通をしている人を「コミュニケーション支援員」として派遣。利用時間は入院後三日間は一日あたり十時間以内、四日以降は五時間以内とし、本年度は約九十万円を予算化している。
         市と話し合いを進めてきた神戸障害者地域生活センター理事長で、脳性まひ患者の野橋順子さん(32)=同市東灘区=は「制度自体は評価できるが、利用できる時間が足りない」と指摘し、「重度障害者にはコミュニケーション支援だけでなく、入院中のヘルパー介護も必要」としている。
        (神戸新聞)2007/10/03

        ●最低賃金保障 無理なく自立
        ◇専門国有企業に補助金支給
         働く障害者が増えることは、社会にとってプラスだ。結果として納税者を増やすことにもつながる。障害者を専門に雇用するスウェーデンの国有企業「サムハル」を現地で取材し、障害者の「完全雇用」を目指す先進地の工夫を探った。(安田武晴、写真も)
        ◇待遇に納得
         いくつにも分かれた作業場ごとに、障害者たちが電球やDVDなどの包装作業をしている。ストックホルム郊外にあるサムハルのヨードブロー工場だ。
         「ここでは障害の状況に配慮してもらえるし、待遇にも納得している」と笑顔を見せるのは、請求書や受注書類などの作成、管理を任されているビッレル・ブローネルさん(46)。週5日、午前7時から11時まで働き、税込みで毎月約8000クローナ(約14万円)を稼ぐ。
         両足に障害があり、体力的にフルタイムで働くことは難しい。民間企業に6年間勤務したが、全体的に仕事のペースが速く、ついていくのが難しかった。1982年にサムハルに転職し、半日勤務の希望を申し出た。
        ◇施設を統合
         サムハルは、1980年、政府が各地の障害者作業施設などを統合し設立した。経営規模を大きくすることで、雇用環境を安定させることが目的だった。国内に約250か所の職場があり、一般企業で働くことが難しい障害者約2万1000人を雇用している。
         仕事は、商品の包装、自動車部品の組み立てなどのほか、事務所の清掃、他企業が経営する事業所や工場への派遣など多岐にわたる。従業員も、身体、知的、精神障害者のほか、アルコール・薬物依存者もいる。障害のない従業員も約2100人おり、障害者への援助や指導をする。
         1日1時間しか働かない人や、ゆっくりしたペースで作業する人もいる。トーマス・トーンブローム人事部リーダーは「長期間、社会へ出ていなかった人が入社してきた場合、人との接し方から教える」と話す。
         一般企業に比べて生産性が低く、利益を上げにくいため、国から年間約42億クローナ(約750億円)、障害者の賃金の約95%に相当する補助金が支給される。どんなに作業効率が悪くても、週40時間労働で月額1万5900クローナ(約28万円)という労使協定による最低賃金額を保障する。
         半日勤務のブローネルさんは月給も半分だが、月額約5000クローナ(約9万円)の障害年金もあり、暮らすには困らない。車の購入費は6割、ブレーキを手で操作するための改造費は全額、国が補助してくれた。「車があるから、人の手を借りず、一人で通勤したり買い物したりできる」と満足そうに語る。
        ◇日本では20万人最低賃金適用外
         障害に配慮し、必要な援助を行う「保護雇用」の場は、日本にもある。障害者を専門に雇用する「特例子会社」や「就労継続支援・雇用型施設」「福祉工場」がそうだ。障害年金を含めた経済的状況では、サムハルの障害者たちと肩を並べる人も中にはいる。
         だが、これらの職場で働く障害者は1万3000人程度しかおらず、スウェーデンに比べて大きく見劣りする。福祉サービスについても、学ぶべき点は多い。
         さらに問題なのは、授産施設や作業所で、約20万人が最低賃金法も適用されずに働いていることだ。授産施設の平均賃金は月額約1万5000円、作業所は同7300円で、自立とはほど遠い生活を強いられている。
         障害者就労支援施設の全国連絡組織「全国社会就労センター協議会」の鈴木清覚・副会長は、「どこの施設も仕事の確保に困っている。サムハルのような大規模な統合は難しいが、仕事を効率的に確保して公平に分配するだけなら、全国の施設が連携できるのではないか」と話している。
        (読売新聞)2007年10月2日

        ●首相、障害者自立支援に言及せず 福祉関係者は肩すかし
         昨年四月に施行され、障害者に“痛み”を強いる形になっていた「障害者自立支援法」について見直しを総裁選の公約に掲げた福田康夫首相だが、一日の所信表明では触れず、注目していた福祉関係者は肩すかしにあった格好だ。見直し方針は自民・公明の連立政権合意に盛り込まれ、民主も改正案を参院に提出。念願の見直しが現実味を帯び、兵庫県内の関係者は期待する一方で「政治の人気取りに使われている印象もある。現場の声を聞き、制度の根本的な論議をもっと」と望んでいる。(中島摩子)
         同法は障害者の就労支援強化や国の安定的な財源確保などを目指し、身体・知的・精神障害のサービスを一元化した。サービスに応じて一割の定率(応益)負担を導入し、利用者の所得に応じていた従来の制度から転換。施設などでの食費も実費となった。
         そのため負担が急増した障害者や家族から批判が噴出。小規模作業所から移行した就労継続支援事業所などでは、得た工賃の大半が利用料に消え、サービスの利用控えも表面化している。
         自民は参院選の惨敗を受け、弱者への配慮を表明。福田首相は同法の「抜本的見直し」を挙げた。とはいえ、内容は示されておらず、所信表明でも言及がなかった。
         「早く中身を語るべきだ」と、神戸市の社会福祉法人「えんぴつの家」の松村敏明理事長。「自立支援法で、自己負担がゼロから二万八千円に上がった障害者もいる。見直しは喜ばしいが、根本的な論議がないまま制度が次々と変わるのは、どうか」と指摘する。
         また、民主の改正案はサービス利用時の一割負担を凍結し、事業所の財政支援も盛り込んだ。事業所は、同法によって報酬の算出方法が変わり、大幅な減収に。正規職員をパートにして対応するケースも少なくない。
         就労継続支援事業所などを運営する同市のNPO法人「中央むつみ会」の坂井宗月代表理事は「質の高いサービスを提供したくても、事業所はどこもギリギリの状態」と明かし「今こそ私たちの声を聞き、ひずみを直してほしい」と訴える。
        (神戸新聞)2007/10/02

        ●乳幼児や障害者世帯も被保険者資格証明、政令市などの半数
         国民健康保険料の長期滞納世帯に保険証に代わって交付される「被保険者資格証明書」をめぐり、政令市や県庁所在市、東京23区のほぼ半数が、医療費の公的助成を受ける乳幼児や重度心身障害者の世帯も証明書交付の対象としていることが、読売新聞社の調査でわかった。
         資格証明書を交付されると、受診の際に医療費全額を自己負担しなければならず、災害や倒産など「特別の事情」のある人や被爆者らについては交付対象から除外される。しかし、都道府県や市町などが行う医療費助成(乳幼児、障害者など)の受給世帯は除外されておらず、証明書の交付は自治体の判断に任されている。
         調査では、こうした世帯について、36市区が「証明書の交付対象から除外しない」とし、「除外する」は37市区あった。
         岐阜市は、15歳まで入院費などを助成する「子ども医療費助成」を受けている183世帯、身体障害者手帳3級以上などを対象とした「重度心身障害者医療費助成」の30世帯(ともに4月末現在)に対しても、それぞれ証明書を交付。市は「納付相談にも応じない世帯については交付せざるを得ない。受診の必要があり、相談に応じる世帯については短期保険証を出す」としている。
         大阪市や堺市、福井市なども除外していないが、医療費助成世帯への証明書交付数は不明という。
        (読売新聞)2007年9月29日14時43分

        ●<奈良放火調書漏示>精神鑑定医を立件へ 奈良地検
         奈良県田原本町で昨年6月に母子3人が死亡した放火殺人事件を巡り、殺人などの非行事実で中等少年院送致の処分を受けた当時高校1年の長男(17)の供述調書の秘密漏示事件で、奈良地検は長男の精神鑑定をした医師を秘密漏示容疑で立件する方針を固めた。鑑定医は供述調書を引用した単行本を出版したフリージャーナリストから「コピーなどを一切取らないから見せてほしい」と依頼され、調書を貸したとの趣旨を供述していることが判明。奈良地検はフリージャーナリストら鑑定医以外の立件の可否についても、最終的な詰めの捜査を急いでいる。
         単行本はフリージャーナリスト、草薙厚子さんの「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社)。鑑定医は奈良家裁から鑑定医に選任され、参考資料として長男や父親の供述調書の写しなどの提供を受けていた。
         鑑定医は奈良地検の任意の事情聴取や関係者に対し、草薙さんから昨年9月ごろ、「(供述調書の内容の一部を)本とか雑誌とかに載せるかもしれないが、先生には絶対迷惑をかけない。コピーは一切とらないので、供述調書を見せてほしい」と要望され、「見るだけなら」と考え、調書を一時、貸したと話していることが分かった。その場には講談社の担当編集者も同席していたという。
        (毎日新聞)10月5日3時6分配信

        ●自死遺族「寄り添う場を」 大川出身・古賀さん あす佐賀で会設立
         全国の自殺者は年間3万人を超える。その陰で「自殺は恥だ」との偏見に苦しんでいる遺族も多い。「誰にも言えなかった悲しみを分かち合って前に進みたい」。自身も父親を自殺で失った福岡県大川市出身の研修医古賀寛子さん(27)=佐賀市=はそんな思いを胸に、遺族同士が語り合う「佐賀ビッグフット分かち合いの会」を6日、佐賀市で発足させる。
         古賀さんは中学3年の秋、父をなくした。動揺した母は「誰にも話しては駄目。あなたの将来のために」と言った。親類にも伏せ、友人には病死で通した。「家族の自殺は一生の秘密」。ずっとそう思い込んでいた。
         心の霧が晴れたのは高校1年の夏。事故などで親を失った遺児の支援団体「あしなが育英会」の合宿に参加した際、ある男子学生が親の自殺を明かした。「話していいんだ」。参加17人の最後に「私の父も自ら命を絶った」と告白した。身も心も軽くなった。
         1998年、学生生活を送っていた佐賀市で遺児の支援団体「佐賀ビッグフット」の設立に加わった。今では自死遺族への理解を求め、九州各地で講演会を開く。それでも声を上げられない遺族がいる。「遺族同士が寄り添う場を」。分かち合いの会発足を決意したのはそんな思いからだ。会員は4人だが、少しずつ輪を広げていく。
         自死遺族の会は、九州では福岡、長崎に次ぎ3つ目。第1回会合は6日午前10時から、佐賀市兵庫町藤木のほほえみ館で開く。古賀さんは「人目が気になる地元よりも隣県での会合の方が参加しやすい。福岡からも足を運んでほしい」と呼び掛けている。参加費300円。古賀さん=090(8402)5167。
        (西日本新聞)10月5日17時8分配信