子どもの頃のことですが…(2)小学校への通学
2007/10/20
瀬戸内海に流れ込む細い川に沿って狭い田が続く谷間の村落の一番奥まった所に、私の実家はあります。それでも、私が小学校の頃には子どもたちも結構いて、異年齢ながらいつも数名の子どもたちで遊んでいた記憶があります。
大変だったのは、学校への通学。この集落は小学校区の一番端に位置したため、当時の小学校から一番遠い所に家がある子どもだったと言っても良いと思います(反対側の学区の端までの距離がわからないので…)。中学でも、高校でも、学区の端、一番家が遠い生徒でした。
どれくらい遠いか? 約4km、もちろん徒歩で、歩き続けて1時間はかかりました。行きは、一番奥の子どもから順番に家を回って集まっていき、バス停近くの集合場所でもう1つのルートから集まる子どもたちが来るまで一遊び。それからバスに乗るわけではなく、歩いて隣の集落を抜けて小さな山を一つ越え、次の集落へ。工業地帯のコンビナートを右手に、「歩く」ために作られた旧道をぞろぞろと…。
辛かったのは、終業式と始業式、その前後です。終業式には机やロッカーにある荷物に加えて先生からの図工などの返却物をすべて持ち帰らなければなりませんし、始業式にはまた学校で使う道具類一式を持っていかなければなりません。背中にぱんぱんに詰めたランドセル、両手一杯に荷物を持っての片道4kmは、小学校低学年にはとても辛いものでした。そして、夏場。今でこそ水筒持参の所が多いようですが、当時は水筒は遠足か運動会以外で持っていくことは禁止されていて、炎天下の帰り道、1時間水分補給無し、は地獄の苦しみでした。
まぁ、お陰で、体力と忍耐力だけはついたようです。
次回は「子どもの頃のことですが…(3)神社での三角野球」というタイトルで、私の回想を綴ってみたいと思います。
では、この1週間の気になる記事です。
自殺予兆患者を専門医に紹介で診療報酬加算へ
厚生労働省は19日、厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」(中医協)に対し、不眠症などで来院した患者に鬱病(うつびょう)などで自殺の予兆が認められた場合に、精神科医へ紹介すれば診療報酬を加算する考えを示した。一方、脳卒中の後遺症に悩む患者を減らすため、新薬療法が可能な体制を整備した「脳卒中対応病院」にも診療報酬を手厚くする方針も明らかにした。平成20年度の診療報酬改定で実現する見通しだ。
自殺者数は毎年3万人超と高水準で推移しており、政府は6月に自殺対策基本法に基づく「自殺総合対策大綱」を決定。診療報酬改定でも対策を検討してきた。
自殺の危険性が高い人は、鬱病などを患っていることが多いが、本人が自覚しておらず、身近な内科などの開業医にかかって体調不良を訴えることが多い。そこで、内科医などが患者のこうしたシグナルをつかんだ段階で専門治療につなげる流れを作るため、精神科医に紹介状を書けば診療報酬を加算することにした。
自殺未遂者は再度自殺を試みることが多く、精神的なケアが必要なことから、救急搬送時に身体的な治療だけでなく、精神治療をした場合も、診療報酬を加算する。
子供の精神障害については、親子それぞれに面談が必要など、診察時間が長時間に及ぶケースが多いため、診療時間に応じて診療報酬を加算する。1年間を限度として算定しているカウンセリング料の上限も延長する考えだ。
一方、日本人の死因で第3位の脳卒中治療の充実に向け、脳梗塞の新薬「t-PA製剤」を使った治療態勢を整えた「脳卒中対応病院」に対し、診療報酬を手厚くする。
「t-PA製剤」は血管内の血栓を溶かす能力が高く、脳梗塞発症後3時間以内に投与すれば、後遺症の発生率を下げることができるとされているが、脳出血の副作用があり、投与までの短時間に血液検査や画像診断などを行うために、24時間体制をとる必要がある。このため、診療報酬を加算して中規模病院にも態勢を整備してもらう。
(産経新聞)10月19日22時13分配信
●<調書引用>医師逮捕…内部告発萎縮招き、表現の自由侵害も
奈良県田原本町の医師宅に放火した長男の供述調書をめぐる秘密漏示事件で、草薙厚子さんの求めに応じて調書を見せたとして長男を精神鑑定した崎浜盛三医師(49)が奈良地検に逮捕された。「逮捕」に至ったことは、取材を受ける側の情報提供者や、内部告発を行う人たちの萎縮(いしゅく)効果を招きかねず、表現の自由を侵害する恐れが大きい。
刑法の秘密漏示罪は、医師や弁護士らが正当な理由がないのに、業務上知り得た秘密を漏らす行為が処罰対象で、地検は不当な漏えいに当たると判断した。草薙さん側は取材源の秘匿だとして入手先を明らかにしていないが、崎浜医師が情報提供したのは、事件が起きた背景を社会が共有し再発を防ぐことに、秘密を守ることを上回る利益があると考えたからだとみられる。
服部孝章・立教大教授(メディア法)は「刑事手続きに関する記録は基本的には社会全体が共有すべき情報であり、取材に応じる目的や方法が不当でない限り、秘密漏示には当たらない」と指摘し「逮捕は、秘密に接する公務員や裁判員になる国民に対する見せしめ効果しか生まない」と批判する。
今回、草薙さんの著作の表現内容については批判も少なくない。(1)結果として崎浜医師の逮捕を招いた(2)少年法の精神と照らして調書の内容をほぼそのままの形で掲載するのが妥当なのか(3)関係者のプライバシーを侵害していないか--などの指摘がある。
本来、表現や報道の自由にかかわる領域は、民事手続きで解決するのが筋だ。今回も草薙さんや講談社側に対する名誉棄損・プライバシー侵害での損害賠償請求や、出版の差し止め請求などで対応すべきだった。いずれにしろ、草薙さんと講談社には、十分な検証と社会に対する説明責任がある。
(毎日新聞)10月15日11時35分配信
●鑑定医を逮捕で波紋広がる 漏洩依頼のジャーナリストの立件が焦点
奈良県田原本町の医師(48)宅放火殺人の供述調書漏洩(ろうえい)事件で奈良地検は14日、ジャーナリストの草薙厚子さん(43)に調書や精神鑑定資料を閲覧させたといわれる京都市の精神科医を逮捕したが、取材対象の逮捕という異例の事態だけに、出版・報道の自由をめぐる論議があらためてたかまりそうだ。また、調書などをもとに著書を出版した草薙さんの立件の可能性の有無が今後の焦点となる。
刑法の秘密漏示容疑で逮捕されたのは、放火した医師の長男(17)=中等少年院送致=の精神鑑定を担当した崎浜盛三容疑者(49)=京都市左京区下鴨西本町=。
捜査当局によると、崎浜容疑者は、奈良家裁に精神鑑定書を提出する前後の昨年10月5~15日、自宅や京都市内のホテルで3回にわたって草薙さんと面会、鑑定資料や精神鑑定結果などを見せ、業務上知り得た秘密を不当に漏らした疑い。
崎浜容疑者は昨年8月、家裁から鑑定医に選任され、長男や父親らの供述調書や非公開の少年審判記録の写しなどの鑑定資料を受領。草薙さんは今年5月、調書や審判記録などからの引用が内容の大半を占める著書「僕はパパを殺すことに決めた」を講談社から出版した。
地検のこれまでの調べに対し、崎浜容疑者は「草薙さんから何度も頼まれ、資料を見せた」と認める一方、「事前に内容を確認できず、ああいう形で出版されるとは思わなかった」と供述している。検察当局は在宅起訴も検討したが、最終的に「真相解明のため、総合的に逮捕が必要」と判断した。
一方、草薙さんについては、崎浜容疑者が草薙さんから再三にわたり閲覧を要請されたとしている点に加え、鑑定資料の多数のページから指紋が検出されたことも重視。閲覧時に同席した講談社社員とともに、刑法が規定する「身分なき共犯」に当たる可能性があるとみているもようだ。
しかし、著書の内容が崎浜容疑者の意に反する形で出版されたことなどから、崎浜容疑者の漏洩(ろうえい)行為と草薙さんの著書出版とを一連の犯罪として立件するのは困難との見方もある。
同書は出版直後から波紋を呼び、長勢甚遠法相(当時)は6月5日の会見で「司法秩序を乱し、少年法の趣旨に反する」と批判し、流出元の調査を省内に指示。同月、長男と父親から秘密漏示罪での告訴を受けた地検は、9月14日に崎浜容疑者や草薙さんの関係先を家宅捜索するとともに、任意の事情聴取を開始。草薙さんは特定の人物から捜査資料の開示を受け、一部を撮影したことを認める一方、取材源については明らかにしなかった。
(産経新聞)10月15日11時44分配信
●いじめ自殺 遺族、文科省に質問書 福岡・筑前 森さんら 親の知る権利要望
福岡県筑前町で昨年10月、いじめを苦に自殺した森啓祐君=当時(13)=の母美加さん(37)らが16日、文部科学省を訪れ、遺族の知る権利を重ねて訴える渡海紀三朗文科相あての質問書を池坊保子副大臣に手渡した。
学校内での情報が保護者に詳しく知らされない現状の改善を訴え「隠ぺいが繰り返される実態をどうみるか」「学校での事件事故に関する親の知る権利を法制化する必要があると考えるか」など41項目について文科相の姿勢をただした。
いじめなどが原因で子供を失った全国の遺族が5月に出した要望書への回答が不十分だったとして、合同で提出した。
1998年に15歳の長女を自殺で亡くした横浜市の小森美登里さん(50)とともに質問書を手渡した美加さんは「この1年間、事実を知らされない苦しみが続いた。文科省が中心になって取り組んでほしい」と要望。池坊副大臣は「必ず丁寧に答える」と話した。
(西日本新聞)2007/10/17付
●「学校裏サイト」ネットいじめの温床に
総務省が昨年末にまとめた調査結果によると、13~19歳のうち「インターネットを利用したことがある」と答えたのは全体の約9割、また「携帯電話を利用した」と答えたのは約8割に上る。6~12歳でも4人に1人が携帯電話を利用しており、5年前に比べて4倍に急増している。
携帯電話やインターネットの普及とともに広がっているのが「ネットいじめ」。神戸の事件では、自殺した男子生徒の携帯電話に「金を払わなければリンチする」などの脅迫メールが繰り返し送信されたり、インターネットサイトに男子生徒の裸の写真が掲載されたりするなど、ネットを悪用したいじめが繰り返されていた。しかし、学校側は男子生徒が自殺するまで携帯電話のメールによる金品要求や、サイトでの嫌がらせを把握しておらず、学校の管理や教師の目が行き届かないネットいじめの現状が改めて浮き彫りとなった。
平成16年6月に長崎県佐世保市で起きた小6同級生殺害事件では、加害女児のホームページ(HP)に、同級生から中傷する書き込みがあったことをめぐるトラブルが事件につながった。また、昨年9月には同級生から「死ね」などのメールを送られた奈良県の中学1年の男子生徒が抑鬱(よくうつ)状態になる問題があり、奈良県警が同級生2人を児童相談所に通告した。
最近では「学校裏サイト」とよばれ、同じ学校に通う生徒が情報交換に使うネット上の掲示板が、ネットいじめの“温床”となっている。
今年4月には、大阪市の女子中学生への中傷的な書き込みを放置していたなどとして、大阪府警が名誉棄損幇助(ほうじょ)容疑で掲示板の管理者を書類送検した。しかし、このような学校裏サイトは20万件以上存在すると指摘する専門家もおり、捜査当局の摘発も氷山の一角だ。
文部科学省では昨年度、毎年実施しているいじめの実態調査に「パソコンや携帯電話などで誹謗(ひぼう)中傷や嫌なことをされた」という項目を新しく追加し、従来のいじめと区別した形でネットいじめの実態調査に乗り出したばかりだ。
(産経新聞)10月16日23時29分配信
●向精神薬リタリン、効能からうつ病を削除
乱用が問題になっている向精神薬リタリン(一般名・塩酸メチルフェニデート)について、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は17日、効能からうつ病を削除することを認めた。
これを受け、同省は月内にも適応症を睡眠障害ナルコレプシーに限定する。
さらに乱用防止に向け、部会は、製造販売元のノバルティスファーマ社に管理体制の構築を義務づけた。同社は来年初めまでにナルコレプシーを適切に診断できる医師や、リタリンを処方できる医療機関・薬局を登録制にして流通を管理する。医療用麻薬並みの厳しい規制という。
部会では、薬効成分がリタリンと同じで、小児の注意欠陥・多動性障害の治療薬コンサータについても、承認申請中のヤンセンファーマ社が同様の管理体制を提案。この疾患の新薬として、国内で初めて承認される見通しとなった。
(読売新聞)10月17日23時40分配信
●虐待防止に関係者熱く 長岡京で研修会、精神科医が講演
府乙訓保健所の「児童虐待防止研修会」が15日、京都府長岡京市開田3丁目の産業文化会館で開かれ、乙訓地域の保健や医療、福祉、学校関係者ら約150人が児童精神科医の講演を熱心に聞き、見識を深めた。
同研修会は毎年、虐待防止と広域ネットワークを目的に行っている。今回は、愛知県大府市にある「あいち小児保健医療総合センター」の心療科部長兼保健センター長の杉山登志郎さんが「発達障害と子ども虐待-子どもと親の理解と対応」をテーマに講演した。
杉山さんは専門外来を置く同センターの虐待対応システムの概要や診察を行った子どもの症例、問題点などを話すとともに、「現在は身体的な虐待が多いが、近い将来に性的虐待が噴出すると考えられる」と説明した。
また、発達障害と虐待の関係については「虐待を受けた子どもの、ほぼすべてに発達障害が起こると言って過言ではない」とした上で、「加齢に従って類似した臨床的経過を示し、社会的な適応上の困難をもらたす。難しいが、治療的な介入によって軽減でき、恒常的な変化に対する修正が可能だ」と話した。
(京都新聞)10月16日10時19分配信
●組み立て式小部屋:自閉症児に癒やしの箱 愛媛大など共同開発、効果アップへ実験
自閉症の傾向がある子どもが中に入ってストレスを癒やす組み立て式小部屋を、愛媛大教育学部の苅田知則講師(34)=障害児心理学=と京都市の福祉機器会社「五大エンボディ」(佐藤忠弘社長)が共同開発。同学部付属特別支援学校(松山市、上岡一世校長)中学部で実証試験を始めた。12月に障害者らの電子情報支援技術などをテーマに研究者や企業などで作る学会「ATACカンファレンス2007京都」で発表し、来年以降に国内初の製品化を目指す。
小部屋は化粧合板張りで高さ1・5メートル、幅と奥行き各1・2メートル。内部はブラインドを下げて暗くし、心を落ち着かせる効果があるとされる、7色の光が徐々に変化するプラスチック製ファイバー100本を束ねたオブジェなどを置く。
苅田講師によると、自閉症児はさまざまなストレスからパニックを起こすことがあるが、囲われた静かな場所は回復や予防に効果があるという。北欧などの施設には視覚的な刺激が少ない専用室があるが、日本ではあまり例がなく、特別支援学校などで段ボールなどを使いスペースを作って対応している。しかし、壊れやすいため、必要な時に簡単に組み立てられる丈夫な小部屋を作ろうと、昨年11月から共同研究を進めている。
実証試験は今月から始まり、利用する子どもの体表温度をサーモグラフィー(温度を色分け画像表示する装置)で測ったり、唾液(だえき)に含まれる消化酵素の分泌量を量るなどの方法でストレスの強さを計測。部屋の広さや中に置くオブジェを変えるなどしながら、最も鎮静効果が上がる条件を調べる。
上岡校長は「子どもの障害や知的能力の程度などに応じ、どういう使い方をすれば最も鎮静効果が上がるか、学校としても研究したい」と話している。
◇大変意義深い--東京大先端科学技術研究センターバリアフリー分野、福島智・准教授(障害学)の話
通常の子どもでも狭い場所に入ると安心する。母の胎内を思い出すからだという説がある。自閉症児を無理に周囲に合わせず、環境の方を調節して子どもの状態に合わせるのは大変意義深い研究。国内にあまり例がないと思う。
◇商品化の例ない--自閉症などに詳しい京都大霊長類研究所、正高信男教授(認知神経科学)の話
自閉症児がパニックを起こした場合の対応は、さまざまな施設で苦心している。狭い場所の鎮静効果は知られているが国内で商品化の例はない。部屋の使い方のノウハウがなければ事故の恐れもあるので、いい研究だと思う。
(毎日新聞)2007年10月14日
●府教委:高校生相次ぐ自殺に「緊急支援チーム」設置 教員に助言、生徒相談も/大阪
府立高校の生徒の自殺が相次いでいることを受け、府教委は18日、自殺を防ぐために生徒や学校への「緊急支援チーム」を設置した。生徒へ命の大切さを伝える方法を学校にアドバイスしたり、悩みを持つ生徒の相談に乗る。府内の公立・私立の小中高校の全児童、生徒には、電話相談の連絡先を記した携帯用カードも配布し、「子供たちの心に届く取り組み」(府教委)を徹底する。
府立高校では、9月末から生徒3人が自殺しており、いずれも詳しい原因は不明という。府教委はこの間、臨床心理士などの助言を受け、対策を協議。その結果、府教委の職員約20人と、スクールカウンセラーや精神科医ら専門家約30人で作る支援チームを設置した。府教委は、19日に府立学校173校の校長らを臨時に集め、ホームルームで教員が自らの体験を話すなど、命の重さについて生徒に伝えるように要請する。チームは、この伝え方をアドバイスし、ホームルームに参加。個別の生徒からの相談にも応じる。
また、11月5~9日には、既に常設している電話相談窓口の終了時間を、現行の午後5時半から8時まで延長。11月初めには、この窓口も含めて計三つの電話相談の連絡先を記したカードを生徒に配布する。時間延長するのは「すこやかホットライン」(06・6607・7361)。
(毎日新聞)10月19日17時3分配信