アスペルガー障がいの“困った”への対処法(2)
2008/01/02
アスペルガー障がいの人の中には、質問や問いかけ・呼びかけに答えない、反応しないという状態になる人が少なくありません。
その理由はいろいろと考えられます。まず、直接対面しての質問に答えない場合では、抽象的な表現の質問だった場合などに、質問の意味がわからない、答えるべき言葉が見つからずに黙り込んでしまう、といったことが多いようです。何を聞かれているのかわからない、答え方がわからない、と相手に言うことは恥ずかしくてできない、という事情が考えられます。
少し離れた所からの問いかけや呼びかけに反応しないのは、自分のことを呼ばれているとわからなかったり、他のことに夢中になっていて「○○君!」という声が聞こえない、という事情が考えられます。
いずれにしても、相手にしてみれば、「無視された…」と思ってしまうことになりますが、こうした事情があるために、適切な対応ができない、ということを理解して欲しいと思います。
成長過程での人間関係の希薄さなどから、社会的会話の「いろは」が理解できていなかったり、言語を聞き取り記憶する仕方の違いから複数のテーマの話しになると始めの話しの内容を忘れてしまうという情報処理上の特性、同時に2つのことができないという特性などから、こうした事情は説明できるかと思います。
また、質問の内容を取り違える、ということをよく起こす人もあります。
話しかける時は、本人の前で、自分を確認してもらう。質問は具体的でわかりやすい内容を短く、できれば1つのことについて行う。などの配慮ができれば、十分にコミュニケーションがとれる人たちです。
次回は「アスペルガー障がいの“困った”への対処法(3)」です。
では、この1週間の気になる記事です。
グッドウィル処分開始 労働者ら困惑 明日どうすれば…
派遣労働者をさらに別の企業に送る違法な「二重派遣」を助長するなどして東京労働局から事業停止命令を受けた人材派遣大手「グッドウィル」(GW、東京)の処分が18日始まり、派遣労働者の支援団体や労働局には雇用不安や生活への窮状を訴える声が寄せられた。職を失った労働者らからは休業補償を求める声も上がっている。
GWは全708事業所を対象に、2~4カ月の事業停止命令を受けた。労働者の仕事を守るため処分前に適正に契約が結ばれたケースを除き、新しい派遣契約の締結ができなくなる。厚労省は1日約3万4000人の派遣労働者に影響が出ると推測している。
厚労省が15日から各地の労働局に設けた専用の相談窓口の一つ、神奈川労働局には、「明日からどうしたらいいのか」「契約はどうなるのか」といった10件を超える相談があったという。派遣労働者らでつくる「派遣ユニオン」(東京都新宿区)にも十数件の相談があった。今後の生活への不安を訴える声が多かったという。
派遣ユニオンは同日、若者らでにぎわう渋谷区内にあるGWの事業所前で、労働者に「日雇い雇用保険」の活用を勧めるビラを配布。事業所から出てきた来日16年の千葉市に住む中国籍の男性(44)は「明日から生活が困る。早く次の派遣会社を探さなくては…。罰を受けるのは私たちではなく会社のトップ。保険がつかえるなら、失業手当を出してほしい」と訴えた。
厚労省は昨年9月、派遣労働者も失業手当の支給対象にすることを決定している。しかし、派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「ほとんどの日雇い派遣労働者は雇用保険に加入しておらず、GWも適用事業所の申請をしていない。補償が受けられる労働者は限られる」と、“最低限の安全網”が事実上機能していない状態を指摘している。
(産経新聞)1月19日8時1分配信
●県立高校で初 発達障害の実態調査/長野
県教委は県立高校で発達障害についての実態調査を初めて行い、17日、結果を発表した。発達障害のある高校生は、全日制で全生徒の0・3%に当たる138人、定時制で2・7%に当たる46人だった。
調査結果は昨年8月末現在。全日制に通う生徒のうち、医療機関が発達障害と診断しているのは、学習障害(LD)が12人、注意欠陥・多動性障害(ADHD)が59人、高機能広汎性発達障害(HFPDD)が63人。ほかに4人が、複数の障害があると診断されている。定時制はLD7人、ADHD11人、HFPDD24人。ほかに複数の診断がある生徒は4人。
診断は受けていないものの、特別な支援が必要と思われる生徒についても、発達障害の傾向を探るチェックリストを基に調べた。該当する生徒は全日制で264人(0・5%)、定時制で83人(同4・9%)だった。
昨年4月施行の改正学校教育法は、小中学校に加えて高校でも、特別支援が必要な生徒への教育を明記。県教委は来年度、保護者や福祉関係者らと連携を図る特別支援教育コーディネーターの教員を全高校で選任する。県教委特別支援教育課は「現在は高校間で支援体制に差がある。実態把握を続け、体制を整えたい」としている。
(信濃毎日新聞)1月18日(金)
●都城市こども発達センター:発達障害の診断や相談 支援施設が仮開所/宮崎
身体障害や知的障害に比べて障害が見えにくい発達障害の診断や相談に応じる「都城市こども発達センター」が市役所内の市民健康センターに仮開所した。長峯誠市長らが17日、看板を掲げた。3月までは月3日、4月からは1週間に1回程度、専門の小児科医2人が交代で担当する。
市は診断だけではなく訓練、訪問指導などの機能も備えた専門施設の整備を祝吉町で進めており、早ければ10月にも本開所する。
市によると、診断機能を持つ発達障害の専門施設は、県内では宮崎市に次いで2カ所目。対象児が宮崎市の施設に集中し、受診に1年以上待つこともあったため、保護者らが施設設置を求めていた。
発達障害には、他人の気持ちを推し量ることが苦手なアスペルガー症候群、衝動的で落ち着きのない注意欠陥多動性障害、読み書きが不得手な学習障害などがある。保護者でも気付きにくく、早期発見による支援が必要とされている。
診断には医師のほか、必要に応じて心理士、作業療法士、保育士らが加わる。完全予約制。市こども課0986・23・2684。
(毎日新聞)1月18日16時3分配信
●シンポジウム:不登校生への関わり方・進路を考える--27日・春日部/埼玉
◇医学と教育の観点から
「不登校生への関(かか)わり方・進路を考える」をテーマにした教育シンポジウムが27日午後1時半から、春日部市民文化会館で開かれる。主催する松実高等学園(春日部市中央1)では「医学的観点と教育的観点から不登校問題をとらえるシンポジウムは県内では珍しい」と、保護者や教育者らに参加を呼びかけている。
同学園が4月に茨城県つくば市に「東豊学園つくば松実学高等学校」を開校することを記念して開催する。シンポでは獨協医科大越谷病院の小児科医で同大医学部の作田亮一准教授が「医学から見た不登校生との関わり方」について特別講演。元文部省児童生徒問題行動等調査研究協力者会議委員の松井石根氏が「不登校・中退者の実態とその対応、学習の場選択」と題して基調報告した後、パネリストらが討論する。
入場無料。申し込みは同学園シンポ係(電話048・738・4191)。
(毎日新聞)1月19日12時1分配信
●<引きこもり>東京都がセーフティネット 予防に特化し支援
東京都は08年度から、不登校経験者や中退者など引きこもりになる可能性がある若者の情報を基に、本人や保護者を支援する「ひきこもりセーフティネット」を始める。予防に特化した支援に行政が乗り出すのは全国初。
都は区市町村に教育・福祉や、NPO(非営利組織)のスタッフらで構成する連絡協議会を設置。中学や高校から、退学したり不登校の生徒に関する情報提供を受け、支援が必要なケースでは積極的に保護者への相談に乗り出したり本人に訪問面談する。地域の特性も加えた独自の対策案を各自治体から募り、効果が高いと判断した3カ所をモデル事業に指定する。
また、引きこもり予防のため、家族を支援する「対策マニュアル」も初めて作成する。保健所、NPO、都立校など約720機関と約50人の経験者を対象にした07年度のアンケートや面談による調査結果を活用し、予防に役立てる。都は08年度予算に「若年者自立支援経費」として2億円を計上する。
厚生労働省の引きこもりに関する全国調査(02年)では、3割以上の人が小・中学校で不登校を経験している。だが、実態把握は難しく、同省やNPOの推計では全国で32万~160万人と開きがある。対応もNPOなど民間が中心だが、学校との連携などが難しく、早期対応が課題となっていた。
若者支援NPO「育て上げネット」(東京都立川市)の工藤啓理事長(30)は「引きこもりは教育と労働行政の狭間の存在。セーフティネットは画期的な試みだが、不登校や退学の要因は複雑で重層的なため、長期的な視野に立った受け皿作りが求められる」と話している。
(毎日新聞)1月19日12時27分配信
●教職員パワハラ訴え 「異動」示唆、時間外労働強制…/沖縄
高教組(松田寛委員長)が学校現場でのパワーハラスメントの実態把握のため、県立高校と特別支援学校の教職員に対しパワハラなどに関するアンケートを実施したところ、校長から異動の可能性をちらつかされたり、時間外労働を強制される事例があったことが17日までに分かった。「リストラが導入されたら女のあなたからリストラだ」と言われたり、早朝のゼロ校時授業に異論を唱えたのに対し「学校経営方針に従えなければ異動させる」と言われた例など、パワハラの生々しい一面が明らかになった。高教組のパワハラアンケートは初めて。
高教組82分会で2007年7月から随時アンケートを受け付け10月までに回答したものを集約した結果、実際にパワハラを受けたことがある教職員を中心に、24分会、151人から回答が得られた。
高教組は、06年度に県内高校で校長によるパワハラが要因で病休者が出たことや、同年11月鹿児島県で校長からのパワハラを苦に女性教諭が自殺した事態などを受け、パワハラの実態解明に乗り出した。
現場での実際の校長の言動、「指導・助言」の実態は、各分会の責任者が集約。アンケート結果から、「職員会議で発言しないよう圧力をかけた」「意見の食い違いに対して異動を盾にした発言がある」「若い教師や臨任の教師には高圧的な言葉を投げかけている」など校長や教頭、事務長の職権を背景とした言動や、「職員に個人的な用件で使い走りさせる」など業務と関係ない仕事を強要する事例が確認された。
高教組の福元勇司書記長は「現場で増加している病休者の中には、パワハラやセクハラに起因するものもある。職場全体の問題として深刻にとらえ直す必要がある」と指摘。県教委に対し「セクハラ、パワハラのような不正常な人間関係を一掃する具体的な取り組みを」と対応を求めた。
高教組は年度内にも県教育委員会にパワハラに関する要求書を提出し、対策方針の確立や研修実施などを具体的に求めていく。
学校現場でのパワハラ・セクハラについては、昨年の県議会11月定例会で取り上げられ、仲村守和県教育長も来年度にパワハラとセクハラに関する調査を県教委独自に実施し、実態把握に努める意向を示している。
<ニュース用語>パワーハラスメント
職権などのパワーを背景にして、本来業務の適正な範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を侵害する言動を行い、就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること。一般的に職場の力関係を背景としたいじめを指す。ちょっとしたミスでも容赦ない叱責(しっせき)、暴行、無視、冷遇を行ったり、解雇や転課、左遷の可能性をちらつかせ部下を自分に従わせようとしたり、職務上の立場を利用した嫌がらせなどが挙げられる。
(琉球新報)1月18日14時13分配信
●いじめ訴訟「自宅周辺の徘徊禁止」 大阪地裁が異例の和解条件
中学生当時にいじめを受けたとして、大阪市内の男子専門学校生(17)が、当時の同級生と母親、市立中学校を管理する市に計1100万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁(深見敏正裁判長)で和解した。和解条項では、同級生と母親が350万円、市側が300万円を支払う上、同級生が男子生徒の自宅周辺を徘徊(はいかい)する行為を禁じる異例の条件が盛り込まれた。
訴状などによると、男子生徒は中学1年だった平成15年春、同じクラスになった同級生と遊ぶ仲になったが、しばらくして日常的に頭や顔などを殴られ、繰り返し恐喝されるようになった。
いじめはクラスが分かれた中学2年になっても続き、同級生は男子生徒の自宅を訪れ金を要求。このため男子生徒の母親が学校に相談すると暴行はさらにエスカレート。生徒は股間を強くけられるなどし、現在も後遺症に苦しんでいるという。
男子生徒側は18年6月に提訴したが、地裁が和解勧告し、昨年12月17日に和解が成立した。
市教委の中学校教育担当は「裁判所の和解勧告を重大に受け止め、今後生徒間の暴行を未然に防ぐよう指導する」としている。
(産経新聞)1月18日21時2分配信