アスペルガー障がいの“困った”への対処法(6)
2008/02/16
自閉症の「三つ組みの課題」と言われるものの中に、「想像力」があります。
物事を取り組んでいて、その先行きが予想できない。国語の文章題などで、登場人物の言葉から「気持ち」を読み取ることができない。その日一日のスケジュールがわかってないと不安になる。突然に予定変更が発生した時に、どうしたらいいかわからずパニックを起こす。…などなどの、いわゆる「見通しが持てない」という困難さがあります。もちろん、個人差があります。
もう一方で、「空論」を展開させてしまい、それと現実とが区別できなくなるなどの状態になってしまうこともあります。
何か失敗をして、その言い逃れをしようと「ウソ」を思いつき、空論を展開させるわけですが、事実関係と付き合わせていくと、それがウソであることがすぐにわかってしまい、「なぜウソをついた!」…となることもあります。「正直でウソがつけない」という特性がありながら、ウソをつく理由がここにあるようです。
授業中などに、何かあることに意識が引っかかり、そのテーマがどんどんと頭の中で広がっていって非現実の物語を作り上げることに没頭してしまう、ということもあります。その間の授業内容はすっぽりと抜け落ちてしまいます。こうした状態を客観的に見ると、「人の話を聞いていない」「ぼーっとしている」「不自然ににやにやしている」…、となってしまいます。
これらは、「同時に2つのことをすることが困難」という特性からも考えられます。時に、「妄想」や「空笑」などととらえられて、統合失調症という診断を下されてしまうこともあるようです。「問題」なその場面、状態だけからの早とちりな判断をしないようにしたいものです。
ニキ・リンコさんは、こうした状態を「問題な想像力」として、わかりやすく表現してくれています。
次回は「アスペルガー障がいの“困った”への対処法(7)」です。
では、この1週間の気になる記事です。
小中学校、主要教科の授業1割増…新学習指導要領案
文部科学省は15日、主要教科の授業を1割以上増やすことなどを柱にした小中学校の学習指導要領改定案を公表した。
現行の指導要領が掲げた「ゆとり教育」で学力が低下したとの批判にこたえることが狙い。小学校は2011年度、中学校では12年度から実施されるが、算数・数学と理科は一部を先行実施し、09年度から授業増に踏み切る。現行の指導要領で削減した学習内容も復活させ、算数・数学と理科は、小中の9年間で15%程度増える見込み。
「ゆとり」重視の象徴とされた「総合学習」は、小学校で週3コマが2コマになるなど、小中ともに削減。指導要領の全面改定は1998年以来で、授業時間が増えるのも約40年ぶり。同省は一般の意見を募集し、来月末に告示する。同時に改定する幼稚園教育要領は09年度から完全実施、高校の指導要領案は秋ごろ公表する。
今回の改定案は、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」が1月に出した答申に沿って策定された。
(読売新聞)2月15日22時21分配信
●「目標明確」「窮屈に」 学習指導要領改定案に評価と困惑
文部科学省が15日、公表した学習指導要領改定案。小中学校で約30年ぶりに主要教科の授業時間数を増やす一方、「ゆとり教育」の柱だった総合的な学習の時間(総合学習)を削減、小学校では英語が事実上、必修になる。県内では、総合学習の時間を減らす検討を始めた学校も。新要領の実施は、課題とされる活用力の向上や授業の充実につながるのか。現場には評価の一方、戸惑いもある。
「力を入れてきたが、どの部分を減らせるか考えている」。茅野市東部中は、2008年度からの総合学習の時間数見直しを検討中だ。週2時間に加え、本年度は地元企業と連携して職業選択へ意識を高める「キャリア教育」を数日間、または1日数時間続けるなど工夫したという。
しかし改定案では、総合学習は現在の週3時間程度から1時間減り、理科、数学の授業時間数が09年度から前倒しで増える。「週5日と限られた時間の中でどこか増えれば、どこか削る必要がある」と竹内英雄校長。
総合学習に当たる「総合活動」に1970年代から取り組む伊那市伊那小。北原和俊校長は、改定案の総則に「生きる力をはぐくむ」の一文が残ったことを挙げ、「活用力を培うために総合学習は大切との位置付けは変わらない」と評価。現行指導要領では、総合学習は分野が広くテーマの絞り込みや内容の充実に課題があったが、改定案では目標や指導計画なども明確になったとみる。
主要教科を中心とする授業時間数増の背景には学力や活用力低下への懸念がある。中信地方の中学の男性教員は「高校受験を控え、総合学習を歴史や英語に関連付けるといった“やりくり”は今も行われている。授業時間数増は学力向上の支えになる」と歓迎した。
一方、南信の中学の男性教員は「時間割がより窮屈になる。今も過密な日課で過ごす生徒の能率を高める工夫は簡単ではない」。学習内容を増やし各教科で言語活動を重視するなど高い目標を掲げた揚げ句、“消化不良”になることを心配する。
北信の小学校の女性教員は「下調べや準備など児童が主体になる行事や、問題を発見し解決する取り組みには時間が必要。効率が求められて教員主導になれば、知識を活用する力は育ちにくい」と話した。
(信濃毎日新聞)2月16日(土)
●給食費未納に法的措置広がる 「学校給食立ち行かない」
学校給食費未納が全国に広がるなか、保護者に対し法的措置を取る自治体が増えてきた。払えるのに払わない、という悪質なケースもあり、このままでは「公平な負担という学校給食制度が立ち行かなくなる」という危機感の表れだ。静岡県島田市の場合は、07年7月地元の簡易裁判所に未納8世帯への支払い申し立てを行い、08年1月に一応の決着をみた。
■給食費の回収にきた職員に暴力を振るう親
島田市が07年に給食費未納世帯を調査したところ、68世帯の約500万円が未納であることがわかった。文書発送や直接訪問で払いを要請したが、「無視」が8世帯あった。生活に困窮している、という様子でもなく、立派な家に住んでいたり、中には職員が訪問した際に暴力を振るわれる、という事態も起き、同市は07年7月に簡易裁判所に支払い申し立てを行った。8世帯合計の滞納額は約120万円。
同市の教育委員会はJ-CASTニュースの取材に対し、支払い申し立ての経緯についてこう説明した。
「結局、話し合いというものが全くできないんですよ。ならば強い態度を示そうと。学校給食は公平な負担で成り立っていますので、普通に収めている世帯が感じた不公平感というのは大変なもの。今回の措置についての意見や苦情などは一切なかった」
同市は08年1月9日に記者会見を開き、法的措置に踏み切った8世帯との裁判が一応の決着を見たと発表。異議申し立てにより訴訟に発展した2世帯とは和解。3世帯は滞納金を一部納付し、残る3世帯は延納願いが出された。教育委員会はJ-CASTニュースに、
「08年1月時点の給食費納入額が既に昨年度を上回っています。強い姿勢で臨んだことが世帯の意識を変えた、ともいえます。(給食費の未納に悩む他の自治体も)こういう解決策をとるのもいいのではないでしょうか」
と話した。
■法的措置を実施する自治体が急増
未納世帯に法的措置を取ったのは07年5月の御前崎市が最初だが、先の島田市を初め全国的に法的措置を実施する自治体が増えている。豊後大野市は08年1月24日、給食費約45万円を滞納している保護者の給与を差し押さえることを明らかにした。07年11月28日に大分地裁竹田支部に債権差し押さえ命令を申し立て、竹田支部は08年1月からの給与差し押さえを通知した。足利市は08年1月23日、給食費を未納している保護者に対し、法的措置も辞さない方針を発表した。
足利市教育委員会によれば、市内の小中校合わせ33校で給食費を未納している保護者は、06年度末で212人。うち支払い能力があるとみられる保護者は20人程だという。未納総額は1000万円近い。同教育委はJ-CASTニュースに対し、
「都市部の学校での未納者が多い。回収のために訪問してみると、高級車に乗っているなど明らかにに支払い能力があるのに無視している例もある。交渉を繰り返しても結果的に納入されないため、最終的に裁判所に申し立てをします」
と話した。この決定に先立ち教育委は06年10月、校長やPTA役員を委員とする協議会を設立。強制執行・給与の差し押さえなどを検討してきた。
「未納者が増え続けますと『払わなくていいんだ』という人も出てきますし、そうなると給食の存続が危うくなります」
と同教育委は話している。
(J-CASTニュース)2月10日20時5分配信
●迷惑メールに罰金3000万円、上限30倍に法改正へ
迷惑メールへの規制を強化する特定電子メール送信適正化法改正案の全容が10日、明らかになった。
送り先の同意なしに広告・宣伝のメールを送りつけた業者に対する罰金上限を、現行の100万円から30倍の3000万円に引き上げることが盛り込まれた。罰則強化で増え続ける迷惑メールに歯止めをかける狙いだ。
総務省は2月中にも今国会に提出し、2008年中の施行を目指す。
改正法案では、メールアドレスを通知されている場合や取引関係にある場合などを除き、送り先から同意を得なければ広告・宣伝メールの送信を禁止する。いったん受信の同意を得ても、途中で受信を断られれば、それ以後の送信も禁止する。
さらに、送信者に氏名・名称、連絡先メールアドレスをメールに明示するよう義務付け、送り先からどういう形で同意を得たかの記録を保存することも求める。現行法では適用外となっている海外発の迷惑メールも、国内発のメールと同様に規制対象にする。
アドレスなどを偽装してメールを送った場合、同意を得ない送信などで総務省から改善命令を出されても従わなかった場合の罰金が最高3000万円となる。
(読売新聞)2月11日3時10分配信
●「給与払わず年金横領」知的障害者4人が勤務先など提訴
札幌市内の食堂に住み込みで働いていた知的障害者4人が、雇用主に障害者年金を横領され、給与も支払われなかったなどとして、食堂を経営していた同市白石区の会社などを相手取り、約4500万円の損害賠償を求める訴訟を13日、札幌地裁に起こした。
訴えたのは、1976年11月~2007年6月、白石区内の食堂に勤務していた32~51歳の男女4人。
訴えによると、食堂経営の会社社長は96年ごろ、勝手に障害基礎年金の手続きを行い、金融機関に4人の口座を開設、計約2600万円を横領していた。4人は1日12時間以上働かされ、少なくとも計約6600万円の給与が支払われなかった。
昨年9月、4人の代理人弁護士が接触した際、社長は年金を横領した事実を認め「24時間面倒をみて十分食べさせてきた」などと話したが、その後、連絡が取れなくなったという。現在、食堂は閉鎖されている。
4人はまた、生活していた寮の運営責任者であるにもかかわらず不衛生な環境に置いたとして、社団法人「札幌市知的障害者職親会」(札幌市東区)にも慰謝料を求めた。さらに、口座開設の際、北門信用金庫(滝川市)が本人確認を行わなかったことが横領の原因になったとして、同金庫にも賠償を求めた。
訴えについて、職親会は「寮の運営は信用して会社に任せていたので、むしろ会社に欺かれた立場」とし、同信金は「訴状を見てから検討する」としている。
(読売新聞)2008年2月13日
●発達障害:理解深めよう 講演会に浜松市民170人/静岡
注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉症などの発達障害に対する理解を深めようと浜松市は9日、障害をテーマにした講演会をあいホール(同市中区)で開き、市民ら約170人が集まった。
発達障害は、言語や知的な問題がなくても、人とのコミュニケーションや感情をコントロールするのが難しい脳の障害。同市が新年度に「発達障害者支援センター(仮称)」を設置するのに先立って企画した。
埼玉県戸田市立医療保健福祉センター相談役で障害に詳しい平岩幹男医師が講演し、発達障害の症状や対応などを解説。「問題なのは子供の人格ではなく行動だ。子供が自信を失わず、目標を持って毎日を送るのが治療になる」などと話した。
発達障害の長男(6)がいるパート従業員女性(36)は「友人にも悩んでいる人がいるのでセンターの設置は望ましい。講演会も市内全域で開いてほしい」と話した。
(毎日新聞)2月10日11時0分配信