アスペルガー障がいの“困った”への対処法(7)
2008/02/24
場の空気が読めない。質問の意図を取り違えて的外れな返事をする。自分の興味のあることを一方的に話し続ける。話し方が不自然。繰り返し同じ事を言う。…アスペルガー障がいのある方にみられるコミュニケーション上の「困った」状態のいくつかです。相手の気持ちを読み取ることの困難さ、興味・関心の限局性、会話の仕方の獲得不足、等々、その理由が考えられます。
一方で、こちらもよく見受けられるのですが、2人での会話は問題ない(?)けど、3人目が入ってくると会話に入れない。奇数人数が苦手(2人ペアとなり1人余るため)。集団では黙っている。…という状態になってしまう方も少なくありません。2人で話せる友だちを欲しがっているのですが、3人目が加わり、自分以外の2人の会話が始まると、どう会話に加わったら良いのかわからない、2人が会話しているから自分は加わらない方が良いのでは?と思いこんだり、集団ではいつ会話に加わったらいいかタイミングがわからない、といった3人以上の複数での会話の経験不足や、会話が飛び交うことで、話しの流れがつかめずに理解困難となる方もおられます。
まずは、2人で話すことは楽しい、という経験をたっぷりとしてもらうことです。そして、3人以上になった時には、会話は順番に話し、聞き、他者の話が終わった時に自分の意見を言えば良い、という体験を積んでもらうことです。
ただ、前述したような「困った」状態を回りが体験すると、その人を会話に加えなかったり、特別扱いしたりして、「良い会話」体験ができないまま成長されるケースが少なくありません。学校現場など成長期のアスペルガー障がいのある子どもたちが生活する環境において、こうしたコミュニケーション上の特性を理解した支援が早期より求められます。
また、思春期を越えられた頃から、急に自分の気持ちを家族に話し始める方もおられます。ご家庭において、十分に話しを聞いて上げる、会話のトレーニングを改めて取り組む時間を持ってあげてほしいと思います。
次回は「アスペルガー障がいの“困った”への対処法(8)」です。
では、この1週間の気になる記事です。
借金で死ぬな!樹海の看板29人救う
「借金の解決は必ず出来ます!」。全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(東京・神田)が、こう呼びかける看板を山梨県・富士山ろくの青木ヶ原樹海入り口に設置して1年余。
24時間の相談電話番号も併記して、自殺を図ろうとする人を瀬戸際で助ける試みだ。これまでに少なくとも29人が救われたという。
千葉県の運転手の男性(44)が樹海に入ったのは、昨年11月半ば。持病が悪化して昨年6月に会社を辞め、車上生活を余儀なくされていた。消費者金融の借金は150万円に膨らみ、家族とも疎遠。足は自然と樹海に向かった。
約2週間さまよい、死にきれず、保護された警察官から、同協議会に相談してはどうかと言われた。
「話を聴いてもらえますか」。恐る恐る電話した男性に、相談員は「大丈夫。やり直せます」とキッパリ。その一言で「助かるかも」と思った。警察官がポケットマネーで電車賃を出してくれ、同協議会へ向かった。
だが、野宿続きで衰弱し、右足の一部が壊死(えし)していたため神田駅で倒れた。駅に迎えに来ていた相談員が119番通報し、都内の病院へ運ばれた。現在は生活保護を受け、リハビリを続けている。退院後は、自己破産などの方法で債務を整理し、再就職を目指す。
再起の青写真が描けるのも、弁護士らと連携する同協議会の支えがあるからという。「あの電話が、人生をやり直すきっかけになった。福祉の職に就き、今度は自分が人助けできないか」。今はそう考えている。
(読売新聞)2月23日14時36分配信
●発達障害のある子どもサポート 宇治市、全小中校に学級支援員
京都府宇治市の市教委は新年度から、発達障害のある児童・生徒をサポートするための「いきいき学級支援員」を市内の全31小中学校に配置できる体制を整える。1校に支援員1人の体制をとるのは府内で初という。2008年度当初予算案に2400万円を計上した。
市教委では01年度から、全小中学校のケースに対応する支援員を1人だけ置き、学校への派遣期間は原則として1学期間のみとしていた。しかし、07年6月に実施した調査で、市内の小学校22校のうち21校、中学校は9校全校で要支援児童・生徒のケースがあることが判明した。学校現場からも「教師1人だけでスムーズに授業を進めることが難しい」との声も上がっていたことから、市教委では全学校に配置するための準備を進めてきた。
支援員は、要支援児童・生徒の授業中のケアプログラムを作成する「特別支援コーディネーター」とともに支援策を検討する。授業中は、児童・生徒のそばについて内容を詳細に説明し、問題の解き方やノートへのまとめ方などを手ほどきする。興奮して席を立ったりした場合には、子どもに寄り添って話を聞いたり相談に乗る役割も担う。
市教委は「要支援の児童・生徒をサポートすることでクラス全体の学習の習熟度が上がる。子どもたちのために万全の教育環境を整えたい」としている。
(京都新聞)2月22日11時19分配信
●年間出生数再び減少、1341人減…07年人口動態統計
厚生労働省は20日、2007年の人口動態統計の速報値を公表した。
年間の出生数は、前年比1341人減の112万937人で、6年ぶりに増加した前年から再び減少した。合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の人数に近い推計値)は前年の1・32から1・33程度に回復する可能性が高いが、子供を産む年齢層の女性人口が減り続けていることが影響した。
死亡数は、前年比2万4099人増の111万9492人で、出生数から死亡数を引いた「自然増加」は1445人だった。ただ、速報値は、〈1〉国内の日本人〈2〉国内の外国人〈3〉海外の日本人の合計数で、国内の日本人だけを集計した場合、1万8000人前後の「自然減」になる見通しだ。
(読売新聞)2月21日0時49分配信
●<児童虐待事件>過去最多 死亡児童数は減少 警察庁まとめ
昨年に警察が容疑者を逮捕、書類送検した児童虐待事件は300件(前年比1.0%増)で、統計を取り始めた99年以降で最も多くなったことが、警察庁のまとめで分かった。虐待で死亡した児童は37人(同37.3%減)だったが、死亡を含めた被害児童数は315人(同0.3%減)と前年並みの高水準が続いている。
検挙件数が増えたものの死者は減少したことについて、同庁は「児童虐待が社会的に知られるようになり被害通報が増える一方で、児童相談所などとの連携が強化され、対応が迅速になったためではないか」としている。
一方、昨年の児童買春・児童ポルノ事件は1914件(同14.1%減)だったが、児童ポルノの被害児童は304人(同20.2%増)で増え、子どもが犯罪に巻き込まれる厳しい状況が続いている。
同庁によると、児童虐待の被害児童315人の態様別では▽暴行、傷害などの身体的虐待224人▽わいせつ行為など性的虐待69人▽育児の怠慢、拒否22人。年齢別では1歳未満が47人▽5歳児25人▽3歳児24人--など低年齢の児童の被害が目立っている。
虐待の加害者と被害者の関係では、実母による犯罪が97人で最も多く、実父91人▽養・継父55人▽内縁の父46人--など。
また、警察が容疑者を逮捕、書類送検した児童買春事件は1347件(同16.5%減)、検察庁などへの送致人数は984人(同13.7%減)。児童ポルノ事件は567件(同8.0%減)、送致人数は377人(同7.7%増)だった。児童買春の被害児童は1160人(同12.5%減)だったが、児童ポルノの被害者は304人(同20.2%増)と増えている。
一方、少年の刑法犯は10万3224人(同8.5%減)と4年連続で減少した。
(毎日新聞)2月21日
●<引きこもり>最多は30~34歳 就職・就労きっかけで
「引きこもり」となる原因は「就職や就労での挫折」が最多で、30~34歳の年齢層が最も多いことが東京都が行った実態調査で分かった。本人の心理や意識にも踏み込んだ引きこもりの公的な調査は全国初。不登校など学校時代の体験をきっかけとし、若年層が多いとされる従来の見方とは異なる傾向が浮かんだ。
調査は、都内に住む15~34歳の男女3000人を住民基本台帳から無作為抽出し、昨年9~10月に個別に訪問。1388人から協力を得た。うち10人を引きこもりと判断し、別途調査した18人を加えて計28人を分析対象とした。
原因のトップは「職場不適応」と「病気」の25%だった。「就職活動不調」(14%)を加えると、就労・就職をきっかけとする人は39%に上った。「不登校」は18%だった。
年齢層別では、「30~34歳」が全体の43%で最も多く、「15~19歳」「20~24歳」「25~29歳」はいずれも18%。引きこもり状態になった時期は「25~27歳」(29%)が最も多かった。
一般の人との意識の違いを比べる(複数回答)と、「親との関係がうまくいかない」と答えた人は36%(一般は10%)▽「家族とよく話す」は32%(同66%)▽「家族から愛されている」は29%(同63%)--だった。
調査をまとめた明星大学人文学部の高塚雄介教授(臨床心理学)は、都内の引きこもり人口を約2万5000人と推計。また、心理的に同様の傾向がある「予備軍」は都内で約18万人、全国で100万人を超えると見ている。
高塚教授は、陥る人の特徴を▽自意識が強く状況変化に適応できない▽人と争って傷つくことを嫌う▽人間関係の訓練が不十分で逆境に弱い--と分析。「国の対策は、引きこもりとニートの分類が不明確で、現状に合った受け皿作りが必要」と話している。
(毎日新聞)2月22日20時12分配信
●自殺者遺児の奨学金制度、国民新党が創設へ…月3万円支給
国民新党は、自殺者の遺児を対象にした独自の「国民新党奨学金制度」を創設する方針を固めた。27日の党幹部会で決定し、4月から運用を始める。
給付対象は高校生。10人程度の奨学生に、1人当たり毎月約3万円を支給する。奨学金の返済は不要。党所属国会議員のほか、有志企業などからの寄付で運営する。
党のホームページなどで5月下旬まで希望者を募集し、6月に綿貫民輔代表らが面接して奨学生を決める。
(読売新聞)2月24日9時29分配信
●フリースクール 福岡県が全国初の補助金制度
不登校の小中学生が増え続ける中、福岡県が今年度、民間の小規模フリースクールへの補助金交付制度を始めた。初年度は600万円を予算計上し、今月、支給する4施設を決定した。行政がフリースクールの日常の運営資金を支援する制度は都道府県では初めてとみられる。
生徒数人の小規模なフリースクールは子供にとって居心地の良いケースが多い半面、運営資金に窮する例もあり、福岡県は補助金支給を決めた。子供たちの学校復帰や自立支援を目的とし、NPOや財団など公益法人のフリースクールで、小中学校が施設での学習を出席扱いしてくれることなどが支給条件。今年度支給は福岡市3施設、大牟田市1施設。
他府県では、神奈川県が04年度からフリースクールのキャンプなど特定事業に100万円を上限に補助しているほか、京都府は08年度から教材、体験学習費用などに限定し45万円を助成する方針。これに対し、福岡県の場合は補助金を新規職員カウンセラーの配置や体験学習、施設費など幅広く使えるのが特徴になっている。
七十数万円の補助金支給が決まった、福岡市博多区博多駅東のNPO法人教育オンブズマン「うりはみクラブ」は昨春開校し、現在4人が学ぶ。クラブの山口秀範理事長(59)は「今回の支給を機に不登校の子供たちをさらに受け入れていきたい」と話した。
県は08年度も1600万円を予算計上し、1施設200万円を上限に希望施設を募集する予定。県教委によると、県内の不登校児童・生徒は増加傾向で、06年度は公立小学生793人▽同中学生4157人。担当の県私学振興課は「不登校の生徒にはフリースクールのような学習の場も必要」と話している。
NPO法人フリースクール全国ネットワークの奥地圭子代表理事の話 子供たちが安心して学べる場を保障していくことは大切。学校復帰だけにこだわらず、子供の意思を尊重すれば、福岡県の補助は非常に良い制度になるだろう。
フリースクール 不登校の子供たちの受け皿として、民間や個人が作った学校。フリースクール全国ネットワークによると400~500カ所という。文部科学省調査では、06年度の不登校の小中学生は5年ぶりに増え12万6764人。不登校の中学生の割合は過去最高となった。学校長の裁量でスクールへの通所を出席日数にカウントできるようになったのは92年から。
(毎日新聞)2月23日16時50分配信
●札幌市教委:6割「保護者対応が負担」-全教職員アンケート/北海道
◇過大な要求に悩み
札幌市教育委員会が全市立学校の教職員を対象に実施したアンケートで、回答者の約6割が「保護者・PTA対応」に精神的負担を感じると答え、保護者からの「過大な要求」に悩んでいる教職員が多いことが分かった。
調査は教職員の健康管理を目的に昨年2月、市立学校(小・中・高校、幼稚園)338校の7192人を対象に初めて実施。精神的負担を感じる業務を尋ねた質問(複数選択)には5410人が回答した。
「保護者・PTA対応」は最多の3227人(59・6%)が選択。その理由として「本来家庭で行われるべきものが学校に求められる」などが挙げられた。このほか、個別の生徒指導(32・6%)▽校内での会議・打ち合わせ(21・8%)▽校内巡視など学校経営(21・3%)▽成績処理(19・9%)――などの回答が多かった。「セクハラ」と回答した教職員も2人いた。
市教委によると、04年以降、精神疾患で30日以上休んだ教職員が約130人おり、60人に1人に上っている。この調査結果を受け市教委はメンタルヘルスや研修などを充実させる方針。
(毎日新聞)2月23日13時1分配信
●中退者の進学支援 河合塾仙台校、高卒認定コース
予備校大手の河合塾仙台校(仙台市青葉区)は新年度、高校中退者や不登校の生徒を対象にした「高卒認定・大学受験併願コース」を開設する。少人数制で専任の講師らが生徒の精神面もフォローしながら指導し、高校卒業程度認定試験の合格と大学進学を支援する。
少子化に伴う大学全入時代を迎え、予備校の生き残り競争が激しくなっている。多角化の一環として、東北でも通信制などで高卒認定コースを設けるケースはあるが、大手による対面授業のコース開設は珍しいという。
河合塾仙台校の高卒認定コースは一クラス20人の予定。自主性や学習ペースを考慮して個別の時間割を作り、授業時間外に講師が質問に応じる制度も設ける。
中退者らは人間関係のつまずきから学校に行けなくなるケースが多い。教務スタッフ2人がクラス担任としてさまざまな相談に対応し、生徒指導や進路指導に当たる。講師や保護者とも連絡を密に取り、学習環境の整備を進める。
河合塾東北地区本部の佐々木一幸教務部長は「まず信頼関係を築くことが重要。コミュニケーション能力の高い講師を充てるなど受け入れ態勢を整えており、多様な子どもたちの居場所を確保したい」と説明する。
文部科学省によると、2005年度の高校中退者、不登校生は全国で約11万4000人。高卒認定試験は国が高校卒業程度の学力を認定する制度で、大学入学資格検定(大検)を改め、05年に始まった。本年度の出願者は3万人を超えた。
佐々木教務部長は「高卒認定のニーズは増えている。基礎学力を伸ばして進学をサポートするとともに、将来の進路について考える機会を与えられれば」と話している。
(河北新報)2月23日6時27分配信
●世田谷区:発達障害児の治療施設を併設 24時間対応保育園に-来春/東京
世田谷区は来年度から、24時間対応が可能な保育園と、発達障害児の治療を専門とするセンターを合わせた「大蔵2丁目複合型子ども支援センター(仮称)」を整備する。保育園で障害に気付いた場合、早めの対応をすることが可能で、同様の施設は国内では例がないという。オープンは来年4月の予定だ。
区によると、同センターは国立成育医療センターの敷地内に、国から土地を借りて整備する。総工費は約12億円。約1650平方メートルの敷地に4階建ての建物を建設。1階と2階の一部が保育園、2階の一部と3階が「発達・発育センター(仮称)」になる。4階は多目的広場として使う。
保育園は、社会福祉法人「至誠学舎立川」(立川市)が運営。0~5歳の子供約100人を預かるほか、夜勤の親などに対応する区内初の24時間保育施設や病気の子供を預かる施設も作る。
「発達・発育センター」は、区内に約5000人いると言われる発達障害児に関する治療、支援を集中的に実施。障害に関する診断や18歳までの療育プログラム作成、就労支援など多様なサポートをする。医師のほか臨床心理士、児童福祉士ら専門スタッフ約30人を配置する。
これまで、発達障害児は知的、身体障害児らとともに区総合福祉センター(松原6)で対応していた。だが、就学後の子供については療育ができず、民間病院を紹介していたという。
区はこのほか、4歳6カ月の子供について、発達、発育についての無料相談を地域ごとに実施。障害の早期発見にも取り組んでいく。
区子ども家庭支援課は「医療と福祉を有機的に連携し、多くの子供にきめ細かな対応をしたい」と話している。
(毎日新聞)2月22日13時1分配信