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        アスペルガー障がいの“困った”への対処法(9)
        2008/03/16
        アスペルガー障がいの“困った”についていろいろと体験的に考えてきたことを綴って、今回で10回目になります。
         まだまだたくさんの“困った”や対処法があると思いますが、10回目を機にひとまず連載を終えようと思います。
         さて、10回目ですが、アスペルガー障がいのある人と思春期について少し…。
         障がいの有無に関わらず、人は少年期を過ぎた後、青年期に至までの間、「疾風怒濤の時代」とも言われる思春期を迎え、これを越えて行きます。肉体的に「子ども」から「大人」へと急進的な成長を遂げつつ、我を思う、我を疑う、我を見通す、我を大切に思う、そして他者の存在を認め、他者との関係性を理解する、などなどさまざまな心理社会的な面の課題に直面し、それらと折り合いながら乗り越えていく、人生最大の「揺れ」の時代です。
         この「揺れ」の中にあって、環境要因の影響を受けながら、様々な葛藤を繰り広げ、精神面及び行動面で問題な状態を引き起こしてしまう場合もあります。アスペルガー障がいのある人にとっても、この葛藤は同じですが、その受け止め方、折り合いのつけかたに困難さのある場合が少なくありません。小学校高学年から中学校時代、「ちょっと変わった」ところのあるアスペルガー障がいのある人は、からかいやイジメ、非行への誘いの対象となる場合が少なくありません。そして、さまざまな嫌悪体験をしてしまいます。また、自らが問題行動を起こしてしまう場合もあります。
         アスペルガー障がいのある人の中には、記憶力のすぐれた人が多く、こうした嫌悪体験をまざまざと映像として記憶していて、成人した後にもフラッシュバックとして、思春期での嫌な思い出が突然思考の全面を占めてしまったり、忘れたいのにどうしても忘れられない、といった嫌な状態を経験します。嫌悪体験の内容にもよりますが、抑うつや強迫症状が出てしまうこともあります。
         「思春期」という発達段階とその時期の精神の働きや変化についての理解が不足していることから、過去の(思春期の頃の)嫌な思い出が頻繁に頭に現れてくるという当事者の方とたくさんお会いしてきました。思春期についての理解をすすめる説明や会話の必要性を痛感しています。
         また、アスペルガー障がいのある人が、思春期に嫌な体験をしないですむように(何も体験しないようにするという意味ではありません。さまざまな体験をしてもらう必用があります)、周囲の大人が特性を理解し、「被害」に巻き込まれないように見守り、必用なサポートをしてあげることが求められます。
         アスペルガー障がいについて,大妻女子大学人間関係学部の内山登紀夫氏がわかりやすく解説してくれているサイトを紹介して、この連載を締めくくりたいと思います。
        日本自閉症協会東京都支部HP:「アスペルガー症候群を知っていますか?」
        http://www.autism.jp/asp/
         次回は「私のストレス耐性と緩和方?」です。
         では、この1週間の気になる記事です。

        学校裏サイト3万8千件、「ウザイ・消えろ」2割に中傷

         いじめの温床になっているとして社会問題化しているインターネット上の「学校裏サイト」を文部科学省が調べたところ、集計がまとまった39都道府県だけで約3万8000件が開設されていることがわかった。
         このうち少なくとも2割で、「ウザイ」(うっとうしい)「氏ね」(死ね)といった特定の個人への攻撃や中傷が確認された。同省は14日午後に都道府県の青少年行政の担当者などを集めて開く「ネット安全安心全国推進フォーラム」で集計結果を公表、対策の具体的検討に乗り出す。
         「学校裏サイト」は、学校の公式サイトとは別に、児童や生徒などが開設した非公式な掲示板の総称。
         同省によると、学校裏サイトを通じた中傷やいじめは2006年ごろから目立ち始め、同年秋には、仙台市内の中学3年の男子生徒が「この世から消えろ」などと中傷されて不登校になり、書き込んだ生徒2人が家裁に送致された。昨年7月に神戸市の高校3年の男子生徒が自殺したケースでは、サイト上に裸の写真や悪口が投稿されていた。
         ネットを巡るトラブルの相談を受けている「全国webカウンセリング協議会」にも、学校裏サイトに関する悩みや相談が昨年1年間に374件寄せられた。
         このため、同省は今年1月から民間の調査会社とNPO(非営利組織)に委託して実態調査を開始。裏サイトを紹介している「全国学校サイトRANK」や、ネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」から探し出したり、中高生から直接聞き取ったりする方法で集計した結果、九州と沖縄を除く39都道府県で約3万8000件あることがわかった。
        (読売新聞)3月14日14時32分配信

        ●橋下知事、いじめ・不登校対策「緊急性ない」と言明 議場騒然
         大阪府の橋下徹知事は12日の府議会本会議で、7月までの暫定予算に計上されなかった、いじめ・不登校対策事業について、「(計上する)緊急性を感じなかった」と発言。議場からヤジが飛ぶなど、一時騒然となった。橋下知事は同事業に限らず、緊急性のあるものなどを除いた全事業をゼロベースで見直しているが、教育を最重要施策の一つに掲げているだけに、発言は波紋を呼びそうだ。
         この日の一般質問で、公明党の清水義人府議が橋下知事に、いじめ・不登校対策について質問。
         清水府議は、臨床心理士や弁護士が緊急かつ重篤ないじめ事案に対応する「こども支援チーム」など、各種のいじめ・不登校対策事業の予算が暫定予算に計上されていないことを指摘し、「緊急性の高いものとして認識し、予算計上すべき」と問いただした。
         これに対し、橋下知事は「いじめ・不登校に取り組むことは、橋下府政の最重要課題の一つと認識している」としたうえで、「(暫定予算に計上する)緊急性がないとないものと判断した」と答弁した。
         直後に議場内からは、「おー」とどよめきが起こり、「ちゃんと(議事録に)書いとけよ」などのヤジも飛んだ。
         一般質問終了後、清水府議は「知事は苦渋の答弁ではあったと思う。いじめ・不登校対策に限らず、暫定予算を組む際に事業の取捨選択をもっと慎重に行うべきだった」としている。
        (産経新聞)3月12日22時29分配信

        ●全学年で習熟度別指導を=橋下府知事
         大阪府の橋下徹知事は13日、府内の公立小中学校で限定的に導入されている習熟度別指導について「生活集団というクラスは守った上で、全学年習熟度別指導を目指していく」と述べ、全学年で習熟度別指導を行うことを府教育委員会に提案したと明らかにした。同日行われた府教育委員との懇談会の後、記者団に語った。
         これに対し、神戸女学院大教授で医師の生野照子教育委員長は「学年全部で導入というのはまだ議論が残されている」とし、児童・生徒の間で競争をあおりかねないとの懸念から、習熟度別指導の拡大に際しては慎重な検討が必要との考えを示した。
        (時事通信)3月13日21時0分配信

        ●小学5、6年生、週1回英語授業 京都市教委、4月から
         京都市教委は14日、4月から小学5、6年生で週1時間、市独自の教材と指導書を使って英語の授業を実施する、と発表した。英語(外国語活動)は学習指導要領の改定で2011年度から小学校高学年で必修化される見込みだが、前倒しして実施する。市議会文教委員会で明らかにした。
         市内では、05年度から全校で英語の授業が行われているが、時間数や内容にばらつきがある。08年度からは、現在の年平均時間数22・6時間を上回る35時間(週1時間)を一律実施する。
         授業では、コミュニケーション能力を養うことを目的に、会話や表現を中心に学ぶ。小学校教諭でつくる小学校英語研究会と市教委が作成する教材をもとに、担任教諭が教える。現在、市内に55人いるALT(外国語指導助手)がサポートする。
         栗原照男指導部長は「中学校との円滑な接続を図りたい」と話した。
        (京都新聞)3月14日23時20分配信

        ●日常生活の悩みなど話し合う 八幡でピア・カウンセリング講座
         障害のある人が障害の種類を超え、生活の悩みや苦しみを同じ立場で話し合い、悩みの解決を支援する「ピア・カウンセリング」の公開講座が12日、京都府八幡市男山の市立地域活動支援センターやまびこで開かれた。
         ピアとは「仲間」の意味。大阪市の障害者生活支援センター・いきいき代表の山浦孝臣氏が講師を務めた。事故や脳出血による身体の障害や、広汎性発達障害、統合失調症などを抱える14人が参加。互いをニックネームで呼び合い、最近楽しかったことや、日常生活での悩みなどを話し合い、互いの話に耳を傾けた。
         山浦氏は「ひとりひとりの障害のしんどさは、別の人には分からない。けれど、理解しようと努力することが信頼につながる」と話し、初めてピアカウンセリングを体験したという参加者も「人と話せて、本当に楽しい」「話し合うことで、元気がもらえる」と感想を語った。
        (京都新聞)3月12日22時29分配信

        ●発達障害、周囲の理解求める 野洲で県民セミナー、160人参加
         「発達障害者支援県民セミナー」が12日、滋賀県野洲市小篠原の野洲文化小劇場で開かれた。発達障害の子どもを持つ家族や支援者ら約160人が参加し、発達障害に対する支援のあり方について理解を深めた。
         セミナーは、県が昨年から県内各地で巡回開催しており、川崎医療福祉大の重松孝治講師が「発達障害の理解と支援」と題して講演した。
         重松氏は発達障害について脳の機能障害と説明し、「わがままや、親の育て方の問題ではない。困っているのは当事者自身である」と周囲の理解を求めた。「当たり前と思っていることを(発達障害者は)違った形で理解している。分かるように伝える心掛けが大切」と訴えた。最後に、自閉症のある生徒が口にした「支援よりも理解してほしい」という切実な思いで締めくくった。
         19日午後1時半から彦根市のビバシティホールでも開かれる。
        (京都新聞)3月12日21時49分配信

        ●中1自殺、担任が別室で指導後に…不適切なメール送信巡り
         秋田県潟上市天王の市立天王南中学校(一関雅裕校長)で14日、1年生の女子生徒(13)が首をつって自殺した問題で、生徒が授業中、担任教諭に呼び出され、別教室で指導を受けていたことが分かった。
         指導後に生徒は体調不良を訴えて保健室で泣いていたといい、午後にはいったん教室に戻ったが、トイレ内で制服のスカーフを使い、首をつっているところを同日夕、発見された。
         同校によると、生徒は13日午後11時30分ごろ、一時期、同じ部活動をしていた同学年の別学級の女子生徒に、携帯電話で、部活動の入退部に関するメールを送った。
         翌14日午前8時ごろ、メールを受け取った女子生徒の父親から学校に「子供が困っている」と連絡があり、指導のために担任教諭が1時間目の道徳の授業中に、生徒を呼び出した。
         担任教諭は「書いた内容は自分も同じメールを受け取ったときに嫌な気持ちになるものだね」などと指導。さらに、不適切なメールを送ったことを親に伝えると話したという。
         こうした指導について同校の中川真人教頭は、「強くしっ責などはしなかったが、結果的にこういう事態になってしまい、(指導が)間違いがなかったとはいえない」としている。
        (読売新聞)3月16日3時9分配信