アスペルガー障がいの方とのカウンセリング
2008/05/11
社会性、コミュニケーション、想像力にモンダイがあると言われている自閉症スペクトラム障がい。その中で、コミュニケーションにはモンダイがないと言われているアスペルガー障がい。その方々とカウンセリングという2人で語り合う時間を仕事としている私。
相手の気持ちがくみ取れない、自分の気持ちを上手く表現できない、自分の興味・関心のあることを話し続ける、などがアスペルガー障がいのある人の特性と言われていますが、カウンセリングはちゃんと成り立ちます。もちろん、その人それぞれで工夫や配慮は必用となります。
IQの高い人ほど、対話が成立しやすくなるのは事実でしょう。しかし、IQが平均、あるいはボーダーに近い人も、定型発達の人と同じように、生きていく上で悩んでこられたこと、被虐的な体験をされたこと、そして現在困っておられることなどがあり、それらの緩和・解消に向けての相談を主としたカウンセリングは有効であると確信しています。
特に気をつけているのは、自分の気持ちを上手く表現できないという特性を補うために、言い換えて表現してあげること、ご本人は自覚されてないことを推察して提示してあげることです。これらは、本人さんにとって気づきになりますし、問題の整理に役立ちます。
定型発達の人たちより、生き難い生活をしておられる方が多いアスペルガー障がいの本人さんとご家族の方々が、継続して相談援助、問題解決へのケースワークを受けられる社会資源が、少なすぎる現状。何とか充実させて行きたいものです。
次回は「アスペルガー障がいのある人の発達のぎくしゃく」についてです。
では、この1週間の気になる記事です。
障害者の権利条約発効=「歴史的」と評価―国連総長
【ニューヨーク3日時事】世界に6億5000万人いるとされる障害者に健常者と同等の権利を保障する国際条約「障害者の権利条約」が3日、発効した。国連の潘基文事務総長はこれより先、「すべての人の人権実現を追求しているわれわれにとって歴史的瞬間だ」と評価する声明を発表した。
条約は前文と本文50条、付属文書で構成。障害者の権利保全に向け立法措置を取ることを各国に義務付け、就職や結婚などでの差別全廃を徹底するよう求めている。
条約は各国政府のほか、障害者の権利擁護を唱える非政府組織(NGO)などの手で起草され、2006年12月に国連総会で採択された。先月3日に批准国数が20カ国に達して発効要件を満たし、潘事務総長はこの際「採択後わずか1年半で発効にこぎつけた」と異例の早さに驚きを示していた。
日本は昨年9月、条約に署名したが、国内法整備に時間を要し、批准は来年になる可能性がある。
(時事通信社)2008/05/03-14:43
●熱湯いじめで兵庫県立高校生、県などに賠償提訴
兵庫県美方郡内の県立高校の寮で2006年、当時1年生の男子生徒に熱湯をかけ、大やけどを負わせたなどとして、同級生ら計5人が傷害容疑などで逮捕された事件に絡み、被害生徒2人が県と逮捕者を含む少年5人に慰謝料など計1085万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こしていたことがわかった。原告側は「訴訟を通していじめの温床を断ちたい」としている。
訴状などによると、2人は06年9月ごろから、少年らからほぼ毎日、暴行などのいじめを受けるようになり、うち1人は同年12月、入浴中に約70度の熱湯をかけられ、約6か月のやけどを負った。さらに、2人で殴り合いをさせられ、鼻の骨を折るなどした。2人はいじめが原因で不眠症になり、自殺も考えたという。
寮には舎監の教職員2人がおり、いじめを目撃した別の生徒から通報を受けたのに、適切な防止策を取らず放置していたという。
原告側は、過去にもこの寮でいじめがあったことに触れ、寮生に対する安全配慮義務がある県にも賠償責任があると主張している。被告側はいじめを認めたうえで、暴力の程度や損害額などを争っている。
(読売新聞)2008年5月5日
●後期高齢者医療制度:加入強制 71歳「生活ギリギリ」 息子2人も障害者
北海道や福岡県など10道県で、障害を抱えたお年寄り3400人余が、後期高齢者医療制度への加入を「強制」され、拒否していた。加入しなければ障害者医療費の助成を受けられないと知りつつ、保険料の負担に耐えられない現実がのしかかる。重い障害を抱えながら長年働き、家族を養う人たちは、制度のはざまに落ち込み、疑問の声を上げる。
◇富山市の説明、その場で拒否
富山市の新聞販売店勤務、中崎宗夫さん(71)は聴覚障害2級で、肉声での会話は困難だ。耳鼻科や眼科にも通う必要があり、4月3日に受診、窓口で自己負担分430円を支払った。3月までは県と市の医療費助成があり、負担はゼロ。引き続き助成を受けるには、同制度に入る必要があったが、見送っていた。
妻チヨミさん(66)と2人で新聞を配り、月収は約17万円。年金も約20万円あるが、配達用の車のガソリン代などで十数万円が消える。知的障害者施設で暮らす長男(37)、重症心身障害者施設に入所の次男(35)のため、月4万円を積み立て「生活はギリギリ」だ。
3月に郵送されてきた新制度の通知を手に、市役所に出向いた。妻と息子、有料老人ホームで暮らす母親(91)は、中崎さんの政府管掌健保の被扶養者で月々の保険料は7200円。中崎さんが同制度に入ると、全員が個別の健康保険に入らなければならず、保険料総額は1万1700円に増えてしまう。
中崎さんは、付き添いの友人のおかげで職員の説明をやっと理解し「今の収入では負担できない」とその場で加入を拒んだ。
だが、今後は障害者対象の医療費助成が受けられず、日常的な通院で負担を強いられる。「通院だけならまだしも。今は事故も入院も考えたくない」
「新制度に移れば、子供たちの保険も必要になる。制度の変更を国は真剣に考えてほしい」。中崎さんは筆談を交え、そう訴えた。
(毎日新聞)2008年5月6日 東京朝刊
●40年続いた障害者相談員廃止 「実績少ない」と下関市
身体、知的障害者の相談を障害者自身や家族らが受け付ける「障害者相談員」制度を山口県下関市が4月から廃止したことが1日分かった。法律に基づいて約40年前から全国に普及した制度で、同県内や隣の福岡県内では廃止例はほかにない。突然の通告に障害者団体は反発し、市議会に復活を求める陳情書を出した。
市によると、07年度の相談員は42人。障害の種類別に、障害者本人や保護者、福祉施設職員などに委嘱していた。相談員は、福祉サービスや年金手続きを始め、生活全般にわたる悩みを聞いて助言。事務経費として年間2万4500円が支払われていた。
市に提出された06年度の報告書によると、相談件数は計463件。1人で56件をこなした人もいたが、7人が0件、3人が1件、4人が2件だった。市は実績が少ないとして廃止を決め、3月末に障害者団体に文書で通知した。
市は「1人あたりの相談件数は月1件未満で効果が薄い」と説明する。一方、市身体障害者団体連合会は「障害者同士で相談できる貴重な制度。実情を調べてほしかった」と困惑する。
視覚障害者として相談員を務めていた同連合会の舛尾政美副会長は「視覚障害のある相談員には文書を作るのは大変。実際には報告されていない相談も多い」と話す。内臓疾患や人工肛門(こうもん)・膀胱(ぼうこう)利用者の場合など「当事者同士でなくては話しにくいことも多い」と必要性を指摘する。
これに対し、下関市障害者支援課は「民間施設などの相談窓口を増やしている。より効果のある支援に変えていきたい」としている。
「障害者相談員」制度は身体、知的の各障害者福祉法に基づく。山口市では07年度、相談員30人の相談件数は355件。1人あたりの件数は下関市と大差はないが、「報告されていない相談もある。今のところ制度廃止が議論になったことはない」と話す。
福岡県内でも政令指定市の福岡市、北九州市をはじめ、全市町村で相談員制度が実施されているが、廃止の動きはないという。
(asahi.com)2008年05月02日16時44分
●<損害賠償>一番嫌われている人、クラスで公表…元児童提訴
千葉市立小学校時代に当時の担任教師が行った「クラスで好きな人、嫌いな人」のアンケートで「一番嫌われている人」として実名を発表されたため精神的苦痛を受けたとして、千葉市内の男子中学生とその両親が市に対し約1000万円の損害賠償を求める訴えを千葉地裁に起こしていたことが10日、分かった。
関係者によると、05年4月、市立小学校4年だった男子生徒の担任教師がクラス全員を対象に「好きな人、嫌いな人」の実名を書かせた。約1週間後、児童の多数決をとったうえで、一番嫌われている人として男子生徒の実名を公表。これをきっかけに男子生徒はクラス内でいじめを受けるようになり、約1年半後に転校したという。
千葉市教育委員会は「訴状が届いていることは事実。内容を確認し、事実関係を調査したい」と話している。
(毎日新聞)5月10日12時53分配信
●不登校の話し相手「メンタルフレンド」、登録・利用が減少
県内の大学生らが不登校の子どもの話し相手になるボランティア「メンタルフレンド」(MF)の登録者と利用者が減っている。事業が始まって17年。同様の相談窓口や支援活動がほかにも増えたことが背景にある。一方で、登録者が足りず利用を断る例も出ており、各相談窓口などとの連携強化の必要性を指摘する声も上がっている。
「初めは家にいるのが安心だったけど、だんだん誰かとかかわりたくなって」。小中学校時代に不登校を経験した東信地方の女子高校生(16)は、小五の時、MFとつながった。一緒におやつを食べたり好きなアニメを見たり。それが「MFと一緒なら」と買い物に出かけ、MFがいるフリースクールにも顔を出すようになった。今は定時制高校に通う。「外に出ていくきっかけをつくってもらえた気がします」と振り返る。
MFは、1991年に県内5カ所の児童相談所を窓口に始まった。県は、MFの利用で、家にこもりがちな不登校の子どもが、対人関係を持てるようになったり、行動範囲を広げたりした-などと評価。諏訪児童相談所の担当者も「子どもと年齢が近く身近な目標となりやすい」とその意義を語る。
ところが、県内の登録人数はここ数年減り続け、2003年度に186人だったのが、07年度には67人に。利用する子どもの数とMFの派遣回数も03年度の35人、654回から07年度には17人、211回となっている。
一方で、このところ年間二千数百人で推移する不登校の子どもたちへの対応として、学校に心の相談員やカウンセラーを配置したり、県教委が地域との連携を後押ししたりする動きが進んでいる。05年からは市町村にも相談窓口ができた。
MF登録者が減る中、松本児童相談所では昨年度、子どもの希望にかなう登録者がなく、利用者はゼロ。諏訪児童相談所でも希望条件に合う登録者の自宅が遠く、応じられない例があったという。
長野大(上田市)の学生サークル「メンタルフレンドの会」も、5年前に約20人だった登録者が今は5人。MFとしてかかわり、現在も子どもの支援に当たる長野大研究生の山口淑恵さん(22)は「集団が苦手でMFを必要とするような子どもは潜在的にもっといるはずだ」と、減少を憂う。
同会顧問で長野大講師の端田篤人さん(35)は、支援の選択肢が増えたことを評価しながら、「利用者の側にはどこにどんなサービスがあるのか混乱もあるのではないか。各相談窓口や活動の連携強化が欠かせない」としている。
(信毎web)5月5日(月)
●学校裏サイト:105校に 全体の7割超す--横浜市教委調査/神奈川
◇15校ではいじめや不登校に発展
子供たちが運営し、いじめの温床にもなっているとされるインターネット上の掲示板「学校裏サイト」が横浜市立中145校のうち7割を超す105校にあることが横浜市教育委員会の調査で分かった。15校では裏サイトでの書き込みが、いじめや不登校などにつながったことも判明。7日発表した市教委は「予想以上にネット社会に子どもたちが巻き込まれ、トラブルに見舞われている」と分析している。【野口由紀】
市教委は4月24日、全市立中145校の生徒指導担当教諭にアンケート。自分の学校に関連する裏サイトを確認しているのは105校に上った。
調査によると、裏サイト上では「ウザイ」「キモイ」「ぶっ殺す」などの他人を攻撃する言葉が並び、個人を特定した上で悪口を連ねることも。さらに生徒の顔写真が無断掲載されたケースもあったという。
いじめや不登校などに発展した事例も15校から報告された。ある中学では4人グループが裏サイト内で他人の悪口を書いていたが、次第にメンバー同士で中傷し合うようになり4人中2人が不登校になった。また「○○中弱い」と書き込まれた中学の生徒が集団で他校に乗り込み、県警から指導を受けたこともあった。
また、悪質な書き込みについてプロバイダーに削除依頼した教諭が、裏サイト上で中傷される「逆攻撃」の被害も7校で報告された。
市教委は2月、同様の「逆攻撃」被害について中区の中学から報告を受けたことから、全市立中を対象に今回調べていた。市教委は4月24日、削除依頼は個人名ではなく、学校名と校長名などで依頼するように各校に指導している。
◇全国で3万8260件--サイト数把握は困難
1~3月の文部科学省調査によると、中高生が運営する「学校裏サイト」は全国で3万8260件に上る。全国の中学・高校約1万6000校より多いのは、1校で複数の裏サイトが存在するため。今回の横浜市教委調査では元々サイト数は調べていないが、掲示板によってはテーマごとに書き込み(スレッド)が立ち上がっては消えることもあり、「数は把握できない」(市教委)のが実情という。
文科省調査で、記述内容を詳細に調べた群馬・静岡・兵庫3県の計2010件では、「キモい」「うざい」などの誹謗(ひぼう)・中傷表現が996件で見られた。生徒個人への中傷は約60%、教師に向けた中傷は約15%あった。「死ね」などの暴力的な表現も534件あった。
(毎日新聞)5月8日15時1分配信
県立高授業料滞納:経済的事情だが…過去最高624万6000円--06年度/山形
◇多くは経済的事情だが…頭抱える県教委「授業受けさせないわけにも」
県立高校の授業料滞納額が、06年度に過去最高の624万6000円に上っていたことが県教育委員会の調査で分かった。県教委は「不平等になるので払ってもらわないと困るが、保護者が払わないといって、生徒に授業を受けさせないわけにもいかない」と対応に頭を抱えている。今後、実態把握調査に乗り出す。
県教委は05年に対策要綱を作成。滞納者には、電話、面接指導、家庭訪問など1カ月ごとに段階を踏み、保護者に授業料納付を催促するよう指導している。3カ月以上も滞納し、応じない場合は「登校停止を検討する」としているが、これまで未納が理由の出席停止、退学の処分はないという。しかし進級や卒業を認めないという高校はあった。
滞納理由は多くが複雑な家庭環境などを背景にした経済的な事情だが、一方で、子供の携帯電話に3万~4万円を払いながら、授業料は7カ月~8カ月未納という保護者もいたという。
県教委総務課は「都会と比べれば少ないと思うが、公の概念が変わってきているかもしれない」と分析。「個々の家庭に応じた対応を考えなければならないが、まずは早急に実態を把握しなければ」と話している。
◇県立高校授業料の滞納状況◇(県教委調べ)
年度 滞納額 人
02 363万8000円 83
03 581万1000円 124
04 623万0000円 126
05 529万5000円 120
06 624万6000円 152
(毎日新聞)5月9日15時1分配信