自閉症スペクトラム障がいのある人は、本当に相手の気持ちが読めない?
2008/06/22
過去にも同じようなタイトルで書いたことがあるかも知れません。
「相手の気持ちを読み取ることができない、または苦手」と言われる自閉症スペクトラム障がいですが、本当にそうでしょうか?
確かに「苦手」さはあると思います。あるいはコミュニケーションのスキルを獲得し損なっている人で、一方的な会話をするなどを起こして、「場の空気が読めない」とか、「言葉が丁寧過ぎる」などの違和感から、「人の気持ちがわからない」と思われてしまいがちです。
でも、本当に相手の気持ちがわからないのでしょうか?
私は、そんなことはない、と強く主張したいと思います。
自閉症スペクトラム障がいのある人の多くが、相手からどう思われているか不安に感じています。また、相手に迷惑をかけたくない、と強く思っています。そんな思いから、二次的に抑うつ状態になる人も少なくありません。
自閉症スペクトラム障がいのある人が、「相手の気持ちが読めない」と思われてしまう理由として、どんな時、あるいはどうすれば相手が喜ぶか、楽しい・嬉しいと感じるか(あるいはその逆)を学ぶ体験が不足していることがあげられます。「どうしてこんな簡単なことがわからないの(できないの)?」と叱られても、学び獲得できていないのですから、対応できないのです。時には、その場しのぎに話しを作り上げてしまうこともあります(これがまた、大きなトラブルの引き金になってしまうのですが…)。
律儀でまじめで、基本的にウソがつけないという特性がありますから、お世辞を言ったり、場をうまくとりつくろったりすることは当然苦手です。
でも、自閉症スペクトラム障がいのある人の多く(IQの高さによって苦手さがカバーされている人も多くおられます)は、相手に対して細やかな気遣いのできる人たちであるという事実があまりにも知られていないことが残念でなりません。
次回は「自閉症スペクトラム障がいのある人で雨の日が好きな人が多い理由」についてです。
では、この1週間の気になる記事です。
<自殺者>10年連続で3万人台 高齢者と30歳代増加
07年の全国の自殺者は3万3093人で、10年連続で3万人を超えたことが警察庁のまとめで分かった。前年比938人(2.9%)の増で、03年(3万4427人)に次いで多く、依然歯止めがかかっていない。年代別の対前年増加率は、60歳以上の高齢者(1万2107人)が8.9%と最も高く、次いで30代(4767人)の6.0%の順だった。両世代は統計を取り始めた78年以降、人数も最多だった。
60歳以上と30代以外の自殺者は、多い順に▽50代7046人(前年比2.8%減)▽40代5096人(1.8%増)▽20代3309人(同2.5%減)▽19歳以下548人(同12.0%減)。19歳以下では、未就学児童はゼロだったが、小学生8人、中学生51人、高校生215人が含まれている。
原因・動機については、昨年、遺書などから特定できた場合のみ計54の選択肢の中から三つまで複数計上する方式に改めた。特定した2万3209人のうち、最も多いのは「病気の悩み(うつ病)」(6060人)で、次が「身体の病気の悩み」(5240人)と、健康問題を苦にしての自殺が多い。昨年から選択肢に盛り込んだ「いじめ自殺」は19歳以下で10人。
60歳以上で原因を特定できた8451人では、「身体の病気の悩み」3644人、うつ病2070人に次いで▽生活苦371人▽多重債務366人▽介護・看病疲れ153人など高齢社会の課題も浮き彫りになった。
30代で特定できた3366人では、うつ病996人、「病気の悩み(統合失調症)」346人のほか▽多重債務341人▽仕事疲れ171人▽職場の人間関係144人が目立った。
都道府県別(発生地)では▽東京都3047人(前年比14.3%増)▽大阪府2241人(同14.8%増)など都市部で増加した。
自殺問題に取り組むNPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」の清水康之代表の話 増加している60歳以上と30代のいずれも仕事がらみの問題がきっかけとなる自殺が目立つと実感している。60歳以上であれば仕事に就けない不安、「就職氷河期」を経験した30代は職場での過労の問題などを抱えている。うつ病による自殺が目立つが、なぜうつになるかを解明し、対策を講じていくことが必要だ。
(毎日新聞)6月19日10時46分配信
●自殺原因、医療・保健従事者も最多は健康問題
昨年一年間に発生した自殺のうち、「医療・保健従事者」によるものが「専門・技術職」の中で「その他の専門・技術職」に次いで2番目に多いことが、警察庁の調べで6月20日までに明らかになった。中でも、うつ病など「健康問題」による自殺が多かった。
集計結果によると、昨年一年間に全国で自殺した人は3万3093人(前年比2.9%増)で、1998年以来10年連続で3万人を超えた。
このうち医療・保健従事者を含む専門・技術職の自殺者は872人で、全自殺者の2.6%。専門・技術職の内訳を見ると、「その他の専門・技術職」の428人に次いで医療・保健従事者の298人が多かった。男女別の内訳は、男161人、女137人。
また、遺書などで自殺の原因や動機が推定できる2万3209人について、原因・動機(一人3つまで)を見ると、「健康問題」が最も多く、医療・保健従事者に限っても「健康問題」が最多。中でも、うつ病が圧倒的に多かった。
(医療介護CBニュース)6月20日15時36分配信
<連続幼女誘拐殺人>最後まで反省や謝罪の言葉聞かれず…
連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚(45)の死刑が17日、東京拘置所で執行された。判決確定から2年余り。宮崎死刑囚は再審請求の意向を示し、死刑制度を批判する手紙も公表したが、鳩山邦夫法相は早期の執行を決断した。社会を揺るがした特異な事件の発生から20年。法廷で不可解な発言を繰り返した男からは、最後まで反省や謝罪の言葉は聞かれなかった。
「絞首刑は残虐」。宮崎死刑囚は、月刊誌「創」の篠田博之編集長に宛てた手紙の中で現行の死刑制度を批判する持論を再三展開した。同誌06年7月号によると、宮崎死刑囚は現行の絞首刑について「踏み板(床板)がはずれて下に落下している最中は、恐怖のどんぞこにおとしいれられるのである(人権の軽視になってしまいます)」と主張。薬物注射による執行の導入を訴えた。
また、07年5月の手紙では「この国の現行の死刑執行方法だと、死刑確定囚の人は、刑執行時は恐怖とたたかわねばならず、反省のことなど考えなくなる」(同誌07年8月号)とも述べていた。
篠田編集長によると、宮崎死刑囚からはほぼ毎月、手紙が届いた。幻聴を訴えたり、拘置所内で放送されたラジオ番組の内容を詳細に記すこともあった。しかし、10年以上にわたる300通以上の手紙の中で、被害者や遺族への謝罪はなかったという。
執行を聞いた篠田編集長は「全く想定していなかった。極めて異例の早い執行だ」と驚きを隠さなかった。「彼は病気の影響もあって無頓着で、自分がどういう境遇にあるのか、よく分からない様子だった。死刑確定の意味についてもしっかり説明は受けていないようだった」と振り返った。
06年1月に最高裁で上告が棄却された後、東京拘置所で面会した関係者に対し、宮崎死刑囚はほおづえをつきながら「(死刑は)何かの間違い」と語った。再審請求する意向を周囲に示していたという。
なぜ、あのような事件を起こしたのか。この疑問を解こうと、臨床心理士の長谷川博一・東海学院大教授は最高裁判決の前日から約2週間の間に8回、宮崎死刑囚と拘置所で面会した。だが、公判で「(犯行時に)ネズミ人間が出てきた」などと不可解な供述をしていた宮崎死刑囚は、面会でも「常識では通用しない答えが多い」(長谷川教授)。反省の言葉を口にすることもなかったという。
(毎日新聞)6月17日12時16分配信
●過度の携帯電話利用が若者の睡眠に影響――研究者が報告
携帯電話を過度に利用する若者は、眠りが途切れがちになったり、落ち着きがなくなったり、ストレスや倦怠感を感じやすい傾向がある――スウェーデンのSahlgren’s Academyの研究者が報告している。
この研究は、睡眠に問題のない14~20歳の21人の健康な被験者に対して行われた。被験者を統制群と実験群に分け、統制群は1日に5回未満の通話、5通未満のテキストメッセージ送信を、実験群は1日15回以上の通話、15通以上のメッセージ送信を行った。その後被験者は生活や睡眠に関する質問に答えた。
その結果、統制群と比べて、実験群の被験者の方が落ち着きと注意力がなくなり、刺激のある飲み物の消費が増えた。さらに眠りにつくのが難しくなり、睡眠が途切れがちになり、ストレスや疲労感を感じやすくなった。
研究報告書を執筆したSahlgren’s Academyのギャビー・バドレ氏は、携帯電話中毒は増えつつあり、若者は24時間つながっていなければならないという圧力を感じていると述べている。同氏は若者にとって睡眠は重要であるとし、過度の携帯電話利用が睡眠と覚醒のパターンに悪影響を及ぼすという認識を高めることが必要だとしている。
この研究報告はAssociated Professional Sleep Societies(APSS)の年次学会で発表された。
(ITmediaニュース)6月17日11時22分配信
●特集ワイド:秋葉原殺傷事件 問われる「社会の責任」--大塚英志さんに聞く
◇神戸芸術工科大教授・大塚英志さんに聞く
東京・秋葉原で17人が殺傷された事件発生から約1週間。逮捕された派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)は「ウソをつくつもりはない」と素直に応じ、捜査員に自分の不遇を訴えているという。犯行予告をしていた携帯サイトには、職場への不安や家族に対する不満を書き残していた。この事件の奥に何が見えるか。漫画原作者で神戸芸術工科大教授の大塚英志さん(49)に聞いた。
◆加藤容疑者と永山元死刑囚の共通点
◇時代の「若者像」との格差/軍用の武器を使用/親から「捨てられた」意識
「今回の事件を起こした彼を見ていると、永山則夫を思い出します」。永山則夫・元死刑囚は1968年、19歳の時に警備員ら4人をピストルで無差別に殺害したとして、97年に死刑が執行された。極貧家庭で8人兄弟の四男として生まれ、バクチ好きの父親と逃げ出した母親から育児を放棄された。「おれが無知で、貧乏だったから」と法廷で事件の背景を語っている。大塚さんには、永山元死刑囚の時代を描いた漫画「アンラッキーヤングメン」(角川書店)の作品がある。
「永山は中学卒業後、集団就職で青森から上京した。このころ、大学生たちが少年マガジンを読み、アングラ劇団が始まった。つまり、サブカルチャーが生まれた。永山は職を転々とした後、新宿でジャズバーの店員となった」。大学生という新しい若者像にたどりつけなかった永山元死刑囚と、正社員との格差が広がる「派遣社員」である加藤容疑者の位置が、時代を超えて重なるという。
60年代の若者文化の中心が新宿なら、現代は秋葉原だ。永山元死刑囚は在日米軍基地から盗んだピストルで犯行を重ね、加藤容疑者はミリタリーショップでダガーナイフを手に入れた。「永山が幼いころから家出を繰り返し、母親から『捨てられた』ことに拘泥する姿も、彼と重なりあう」。加藤容疑者は、携帯サイトの掲示板に、<中学生になった頃(ころ)には親の力が足りなくなって、捨てられた>と書き込んだ。「ネットやアキバと関連付けようとすればするほど、彼の姿が見えなくなる」
共通点を並べたうえで、大塚さんは強調する。「永山の時代と今が『変わった』とすれば、事件を受け止める側に『社会の責任』という感覚が希薄化したことに尽きます。メディアの報道は、心の闇という決まり文句を繰り返し、直接的な原因をサブカルチャーに求め、自己責任として個人の厳罰化を叫んできた。しかし、派遣労働者の問題は『社会問題』で、そのような『社会』を容認してきたのは誰なのか。今日ではさすがに考え込まずにはいられなくなっている」
「加害者を生んでしまったことに、私たちの責任はないだろうか。かつて繰り返された問いをもう一度真摯(しんし)に考える時期に来ています。加害者の責任の一端を担う社会の枠組みをもう一度復興できるかが問われている。労働格差に悩む若い人の間で、蟹工船が読まれる時代なのです」
加藤容疑者は掲示板にたくさんの「自分について」を書き込んでいる。
<平日の昼間からふらふらしている俺(おれ)ってなんなんだろうね>
<いつも悪いのは全部俺> 大塚さんは「彼は自分であることの不安や、社会が実感できない不安に耐えかねていたのでしょう。自分だけの言葉で『誰かぼくの声を聞いてくれ』では誰にも届かない。彼は他者と会話する言葉を使うことができず、返事がこない孤独に耐えることができなかった。そして、返信する側も彼を受け入れることができなかった」と語る。誰もが発信者になれるインターネット。未熟な言葉を発しているのは加藤容疑者だけではないだろう。
では、どうしたらいいのか。大塚さんは「難しいことじゃない。見知らぬ誰かと話すことから始めればいい。アキバは本来、それが可能な街だったはずです」と話した。
(毎日新聞)2008年6月17日
●<ゴミ屋敷>育児放棄と密接関連か 「ゴミ屋敷」30世帯中6世帯で学校いかず
◇福岡県内の30世帯--不登校・予防接種なし顕著
福岡県内の18歳未満の子供がいる家庭で、家の敷地内や室内にゴミをため込み生活に支障をきたす「ゴミ屋敷」が、30世帯に上ることが西南学院大の安部計彦(かずひこ)准教授(児童福祉)らの調査で分かった。このうち6世帯で子供が学校に行っておらず、9世帯で予防接種などを受けさせていなかった。安部准教授はゴミ屋敷がネグレクト(育児放棄)に密接に関連していると指摘している。
安部准教授のゼミが07年7~8月、県内の全78市区町村の児童福祉担当者を対象に無記名で実施したところ、35市区町村から実態を踏まえた回答があった。30世帯(15カ所)のうち、親が昼間不在▽ゴミを片付ける意思がない▽家庭への介入を拒否する--の3項目に該当する24世帯について分析した。
ゴミ屋敷では、就労率が7割(17世帯)にもかかわらず、公共料金を滞納している家庭が8割(19世帯)に上った。子供との関係では、25%(6世帯)が学校に行っておらず、3~6年間も登校していない子供が2人いた。また、予防接種など保健上のケアを受けさせてない9世帯のうち、公共料金滞納が8世帯に上るなど、さまざまな形で世間とのかかわりを避ける傾向が浮かび上がった。
親が社会ルールを無視することが、子供の成育にも影響を与えている。ゴミ屋敷があると回答した15カ所中、衣服や体が不潔だったり、基本的な生活習慣の遅れがある事例がそれぞれ9カ所であり、低体重・低身長の事例も2カ所であった。
一方、実態を「把握していない」と回答した自治体も7カ所あった。安部准教授は「清潔な環境は子供が健全に育つためのベースとなる。存在を把握していない自治体は子供のネグレクトを見逃している可能性もある。行政の福祉的な目配りが必要だ」と話している。
◇玄関に衣類の山、風呂も物あふれ--「家と言えぬ」状態
「隣の部屋から異臭がする」との連絡を受け、民生委員がある民家を訪れると、玄関まで衣類や靴が散在していた。台所のコンロ台は物置き場と化し、居間のテーブルに簡易コンロがあった。衣類はかごに入れたまま長期間にわたって放置。風呂場にも物があふれ、住居とは到底言えないものだった。
福岡県久留米市では07年度の虐待相談が120件あり、うちネグレクトに関する相談が半数近くの50件。同市家庭子ども相談課の浦部伸子技術主査は「身体的・性的虐待などと異なり、ネグレクトの親は程度の差こそあれ、『ゴミ屋敷』状態に陥っていることが多い」と指摘する。
こうした家庭の多くは、予防接種や、4カ月から3歳まで4回ある定期健診も子供に受けさせていないという。理由を尋ねると、母親の多くは「バスを使ってまで、なかなか行けない」「他の兄弟を連れてはいけない」と釈明するという。
浦部さんは「子供が食事を十分にとっていなかったり、言葉の遅れがある場合が多い。民生委員や児童委員、学校とともに、『ゴミ屋敷=ネグレクト』という共通認識をもって対応にあたるようにしている」と話している。
(毎日新聞)6月20日17時23分配信
●フリースクールの現場から/3 「母原病」は本当か/栃木
◇親を孤立させない
「育て方が悪かった」。リョウヘイ(19)=仮名=の母が息子の不登校に悩んでいた時、親せきに言われ、心に突き刺さった言葉だ。「荒井先生だけは『ゆとりがなかったんでしょう』と私を責めなかった。それが救いでした」と振り返る。
リョウヘイの母は孤立無援だった。夫が子育てに無関心だったからだ。友人との付き合いがうまくいかず、高校2年で中退したリョウヘイは、家庭内暴力を振るうようになった。同居する祖母(夫の母)の胸ぐらをつかんだり、竹刀でふすまをボロボロにすることもあった。自身もふくらはぎを歩けなくなるくらい蹴(け)られた。
それなのに、リョウヘイとろくに会話もしなかった夫は、攻撃の矛先が自分に向かないこともあって、暴力に対して毅然(きぜん)とした態度を取ってくれなかった。むしろ「怒らせる方にも問題がある」と責めさえした。「この人には何を言っても無駄だ」。リョウヘイの母だけに、重荷がずしりとのしかかった。
栃木市の自宅でフリースクール「蔵の街分教場」を開く荒井清さん(65)は、85年から23年間、不登校などに悩む親や子の電話相談に応じている。その中には、リョウヘイの母のように周囲から一方的に責任を押しつけられ、苦しむ親もいる。荒井さんは「今の日本は地域共同体そのものが崩壊している。不登校を家庭内病理とか、子育ての失敗とか、親だけのせいにするのは間違っている」と指摘する。
1979年に出版され、ベストセラーになった「母原(ぼげん)病-母親が原因でふえる子どもの異常」(久徳重盛著)。小児科医の久徳氏は「現代の子どもの異常の60%はその母親の育児が原因」と論じた。荒井さんは「『不登校は母原病』とする主張に、今でも多くの母親が傷付いている」と言う。
荒井さんと出会い、リョウヘイの母は少なくとも孤立状態ではなくなった。荒井さんと母は互いに「なくてはならない存在」として支え合った。
リョウヘイは、荒井さんにとっても一筋縄ではいかない存在だった。05年8月から荒井さんのフリースクールに通ったが、何かと手を焼かせた。06年4月に定時制高校に編入したが、「楽して暮らしたい。働きたくない」と言い張り、学習意欲に乏しかった。
「もっと休ませた方がいいのか?」。荒井さんは自問した。しかしリョウヘイには、放置すれば引きこもり、自ら泥沼に沈んでいきかねない危うさがあった。結局放っておけず、「次につながる何か」を身につけさせようと荒井さんはあれこれ働きかけ、何とかこの春、卒業までこぎ着けた。
ただリョウヘイは、何か自分の道を見つけられたわけではない。荒井さんは有償のボランティアを通じて労働体験をさせようと考えたが、リョウヘイは荒井さんと親元を離れ、別の民間訓練施設で寮生活することを選んだ。荒井さんは「心配もあるが、外に出るのは自立への一歩」と話す。=つづく
「蔵の街分教場」(栃木市片柳町1)に関する問い合わせは電話0282・24・2540、またはメール(arakiyo@cc9.ne.jp)。
(毎日新聞)2008年6月19日
●不登校児ら対象に漫画教室
不登校を考える会・広島は30日午前10時、広島市佐伯区の吉見園公民館で、不登校の子どもや家に引きこもりがちな青年を対象に、プロの漫画家が手ほどきするマンガ・イラスト教室の無料体験会を催す。佐伯区在住の漫画家甲斐さゆみさんと迫田良明さんが、描き方を教える。子どもや若者が家の外へ出掛けるきっかけづくりにしてもらおうと企画した。7月7日からは原則毎週月曜日に教室を開く。月会費3000円。
(中国新聞)08/6/19
●学校耐震化:公立校、財政制約で進まず 小中48.5%、高校50.2%/広島
文部科学省が20日発表した今年度の全国の公立学校の耐震化状況から、依然として進まない県内の状況が浮き彫りとなった。県教育委員会施設課は「今年度の県立学校予算のうち約6割を耐震化関連予算に費やしているが、財政上の制約が厳しく、なかなか進まない」と漏らす。一方で、耐震化事業への国の補助率アップのない私立学校も厳しい状況を強いられている。
◇私立小中高も51・6%のみ
県内の公立小中学校耐震化率は48・5%(前年度44・8%)で全国42位。公立高校は同50・2%(同47・6%)で同38位だ。一方、県内の私立学校は、昨年4月1日現在、小中高校の校舎や体育館など283棟のうち、耐震化されているのは146棟で、51・6%。全国41位だった。
県学事課によると、今年度は聞き取り調査の予定はなく、公立学校のような耐震化工事に対する国の補助率増の予定もない。「児童生徒の安全にかかわることなので、理解を求めていきたいが、現実はなかなか厳しい」(県学事課)状況が続く。中には改修よりも建て替えた方がいいケースもあり、多額の費用がかかるため、難しいという。県は、私立学校が耐震化工事のために金融機関などから借り入れた際、利子を1%補助する独自の制度を設けているが、「財政的にこれ以上新たな補助制度を設けることは難しい」という。
(毎日新聞)6月21日16時1分配信
●ネットいじめ、抽出全校で発生/神奈川県内公立中学
携帯電話やパソコンのインターネット上の掲示板で中学生が同級生らから悪口や嫌がらせの言葉を書き込まれるなどの被害に遭うケースが、県教育委員会が抽出して調査した県内の公立中学校すべてで発生していたことが18日、分かった。社会問題化している「ネットいじめ」の温床が各中学校に浸透している実態が浮き彫りとなった。
県教委は1~3月、公立小・中学校、高校の実態調査を5年ぶりに実施。対象校が昨年4月から12月までの発生状況を答えた。中学校は415校から抽出した40校すべて、高校は全県立高(全日制課程152、定時制課程19)の約6割の110校、小学校は866校から抽出した80校のうち約3割の27校で、それぞれ発生していた。
調査校の児童生徒へのアンケートでは、ネット上の掲示板などで嫌なことを書き込まれた経験が「よくある」「わりとある」と答えたのは、小学生80人、中学生294人、高校生1776人に上った。逆に、掲示板などで相手に嫌な思いをさせたことが「よくある」「わりとある」との回答は、小学生49人、中学生161人、高校生802人。
(カナロコ)6月18日21時50分配信
●<女子高生自殺>父親がネット書き込みの同級生告訴 北九州
北九州市小倉北区の私立美萩野女子高校の1年生(16)が同級生からネット上に「死ね」などと書き込まれたのを苦に自殺した問題で、女子生徒の父親(51)が20日、この同級生を侮辱容疑で福岡県警小倉南署に告訴した。
女子生徒は5月29日、「『みんなに嫌われてるよ』などと何度も書かれた」などとする遺書を残して自宅で自殺しているのが見つかった。告訴状では、この同級生がネット上に「葬式出てやるけ はよ死ね」「動脈切って死ね」などと書き込み、公然と女子生徒を侮辱した、としている。
父親は告訴後、報道陣に「(かかわっているのは)告訴した同級生1人だけではないと思っている。学校の調査には限界があり、警察の捜査で解明してもらいたい」と話した。
(毎日新聞)6月21日9時57分配信