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        自閉症スペクトラム障がいのある人で雨の日が好きな人が多い理由
        2008/06/29
        雨粒が皮膚に当たるのが「痛い」と感じて、雨が嫌いな自閉症スペクトラム障がいのある人がおられる一方で、雨が好きな自閉症スペクトラム障がいのある人が多数おられます。
         私がご本人から聞いた「雨が好き」な理由のいくつかを紹介します。
         まず、雨の日はまぶしくないから好き、というものです。晴れた日の太陽光線の刺激が強すぎて外出できないという青年の話です。
         次に、雨が降ると道が「キレイに洗い流される」、「人も自然もシーンとしているのが気持ちいい」、というものです。道路がキレイになる(視覚的に)、雨の音にかき消されて日常の喧噪が消える(聴覚的に)と感じる成人女性の話です。
         次は、雨だと「人があまり外に出ていない」、「一人で楽しめる」、「傘で人の目を見ないですむ」というものです。対人関係が苦手、他者の視線が気になるという成人女性の話です。
         そして、雨の日の夜はずぶ濡れになって走りに行くという青年。「過去のイヤなことが洗い流される感じがする」と言います(嫌悪体験への防衛反応と考えられます)。
         と、こんな感じで、皮膚感覚過敏のために雨が嫌いという人を除くと、おおむね雨天または曇天が好き、そして中にはわざわざどしゃ降りの中を濡れに行くという人も含めて、自閉症スペクトラム障がいのある人と雨とは親和性が高いようです。その理由が、とても情緒的であることが大切な点であると思います。

         次回は「事務所を移転して1年」についてです。
         では、この1週間の気になる記事です。

        IT業界で闘う“アスピーズ”―アスペルガー症候群を抱えたITプロたちの苦悩と現実

         優秀なプログラマーやエンジニアの中には、驚くほどの集中力で高度な仕事をこなす反面、人づきあい、会議、営業トークを苦手とする人も多い。そんな彼らは、もしかしたら「アスペルガー症候群」を抱え、対人関係の構築に苦しんでいる「アスピーズ」かもしれない。本記事では、IT業界で働くアスペルガー症候群を抱える人たちに焦点を当て、彼らが今、直面する問題と苦悩をつまびらかにするとともに、今後、われわれが改善すべき課題について考えてみたい。
         ●超人的な記憶力を持つものの、くだらない冗談が理解できない
         オーストラリア郊外在住のライノ(Ryno)氏は、自らを「燃え尽き症候群で障害と共に生きる人間」と表現する50代の元システム管理者である。
         Ryno氏はシステム管理という仕事に愛着を持ち、技術者として職務を遂行していた。しかし、会社生活の中で、親愛の情を込めて背中をポンとたたかれたり、会議に出席したりといった、職務に伴う対人的なコミュニケーションに耐えることができなかったという。
         ハイテク業界で26年のキャリアを持つデータベース・アプリケーション・プログラマーのボブ(Bob)氏は、数学と論理学を得意としている。同氏は、本人いわく「変わった記憶力」の持ち主で、質問に対する答えが思い出せなくても、その答えをどの本で目にしたかを、ページ、段落、そして文章の一言一句に至るまで、正確に思い出すことができるという。
         Bob氏には、このほかに2つの変わった癖がある。1つは強いストレスを感じると、言語能力が低下すること。そしてもう1つは、物事を文字どおりに(つまり、空気を読まずに)解釈してしまうことだ。
         ジェレミー(Jeremy)氏は、プログラミングに対する深い洞察力があり、ソースコードを内部から見渡すことができるかのように、プログラミングの問題を把握できる。また、取引先のCEOやCIOと、ビジネスや技術に関する非常に専門的な内容を議論するのも得意だ。匿名を希望する本人の意向もあり、その専門分野は明かせないが、Jeremy氏は業界の誰もが知っている大物プログラマーである。
         そのJeremy氏が苦手とするのは、つまらない発言をする同僚をうまくあしらったり、職場に存在する“官僚主義的な習慣”に折り合いをつけたりすることだ。例えば、どう考えても失敗するようなアイデアをだれかが提案した場合に、Jeremy氏は思ったことをそのまま口にしてしまうのである。こうした遠慮のなさが、職場でトラブルを引き起こしてしまうのだという。
         ●医学界でも見解が分かれる、アスペルガー症候群の定義
         紹介した3人のITプロフェッショナルには、共通点がある。それは自閉症であるということだ。Bob氏とRyno氏は自閉症の中にカテゴライズされる「アスペルガー症候群(Asperger’sSyndrome)」(アスペルガー障害:Asperger’sDisorderとも呼ばれる)であり、Jeremy氏は「高機能自閉症(High-FunctioningAutismb:HFA)」だ。
         ただし、アスペルガー症候群や高機能自閉症といった用語の定義については、医学界でも意見が割れており、しばしば激しい論争も起きている。基本的には、アスペルガー症候群もHFAも何らかの自閉症の特徴(周囲への反応が一般的でない、社会的相互交渉がうまくいかないなど)があるものの、典型的な自閉症に見られる「認識障害」や「コミュニケーション発達障害」、「言語発達遅滞」といった症状がない状態を指している。
         米国精神医学会が発行した『精神疾患の分類と診断の手引(DiagnosticandStatisticalManualofMentalDisorders:DSM-IV-TR)』(Amazon.co.jpのリンク)によると、一般に「アスピーズ」と呼ばれるアスペルガー症候群の人は、非言語的なシグナルを読み取ることが苦手だという。また、周囲とうまく交友関係を築けなかったり、特定の習慣や儀式的な行為に執着したり、手や指をひらひらさせるなどの特定の動作を繰り返したりする特徴が見られることがあるという。
         オーストラリア・ブリスベン在住で、アスペルガー症候群の臨床医兼作家として世界的に知られているトニー・アトウッド(TonyAttwood)博士は、より人格/性格的な観点からアスペルガー症候群を定義している。「多くのアスピーズは、知識や真理を探求する強い欲求を持っている。ただし、それらを探求する手法の優先順位が、一般の人とは異なっているのだ。アスピーズが最優先にするのは問題(課題)解決であり、探求の過程で発生する他者の感情的なニーズや社会とのかかわりなどは軽視することがある」(Attwood氏)
         Attwood氏が指摘する「他者との関係性に関する問題」は、まるでIT技術者が抱える問題のことを言っているように聞こえないだろうか。
         米国Yale大学の発達障害クリニックが発表したアスペルガー症候群に関する論文にも、同様の記述が見られる。その一部を紹介しよう。「アスペルガー症候群を抱える人は、物事への関心の向け方が特異的であることが多く、一般的でない。また極めて限定的な対象物(時刻表、蛇、天気、揚げ物用の鍋、電柱の絶縁体など)に関心を抱くことがある」
         “極めて限定的な対象物”にはテクノロジーも含まれるだろう。
         ●アスペルガー症候群とIT業界の深い関係とは
         自閉症という症状が最初に報告され、正式にそう命名されたのは1943年のことだ。自閉症は神経発達障害が原因だと考えられているが、その解明はいまだ十分に進んでおらず、原因や症状、研究、治療法など、あらゆる側面で現在も激しい議論が続いている。
         特に、知能指数が比較的高いアスペルガー症候群とHFAはその定義が難しく、診断が確定されなかったり症状が過小評価されたりすることがしばしば起こる。そのため全体の人数が正しく把握されておらず、また症状への理解も進んでいない。
         こうした背景から、成人したアスピーズの人口を把握するのはさらに困難だ。通常、アスピーズの知的能力は平均的かそれ以上であることが多い。そのため、その症状を隠して職場や社会に適応できてしまうことが少なくないからだ。その結果、診断を受けることなく一生を過ごしてしまう人も多いという。
         ではハイテク業界のアスピーズ率は、一般社会のアスピーズ率よりも高いのだろうか。このテーマを語ってもらうのに、テンプル・グランディン(TempleGrandin)氏ほどの適任者はいないだろう。Grandin氏はアスペルガー症候群を抱えながら博士号を取得した大学教授であり、動物の環境に配慮した家畜施設の設計者として世界的に知られている。現在はセカンド・キャリアとして、アスペルガー症候群についての執筆と講演活動に注力している。
         「アスペルガー症候群とITとの間に相関関係はあるのか──。もしアスペルガー症候群というものが存在しなければ、コンピュータは誕生しなかっただろう。“ギーク(Geek)”や“ナード(Nerd)”とは、要するに軽度のアスペルガー症候群のことだ。アスピーズの関心は、人ではなくモノに向けられている。そしてモノに関心を抱いた人たちが、現在われわれが使用しているコンピュータを作ってくれたのだ…」(Grandin氏)
        (TracyMayor/Computerworld米国版)
        (Computerworld.jp)6月25日11時26分配信

        ●自閉症:理解と支援を学ぶ 岡山でセミナー、300人参加/岡山
         ◇その子らしさを生かして
         自閉症に対する理解を深め、支援に役立てるセミナー「その子らしさを生かす子育て~高機能自閉症・アスペルガー症候群の理解と支援~」がこのほど、岡山市内であった。自閉症児の家族や学校関係者ら約300人が参加し、発達障害専門医院「よこはま発達クリニック」(横浜市都筑区)の児童精神科医、吉田友子さんの講演を聴いた=写真。
         県内の自閉症児を抱える家族らで作るNPO法人「岡山県自閉症児を育てる会」が、必要な支援を見過ごされがちな自閉症の特性を学び、周囲の理解を広げようと主催した。
         吉田さんはアスペルガー症候群など自閉症の特徴を、「社会性・コミュニケーション・抽象的な事象に関する社会的想像力」の3点で脳の発達に偏りがあると説明。「子供たちの行動の意味を読み取れば気持ちに寄り添える。強みにもなり得る脳の特性、ととらえてほしい」と語った。
         また、「障害と個性、症状とわがままは相反するものではなく、どの子のどの行動も発達の課題としてとらえる視点が必要」と話し、「聴覚過敏で運動会のピストル音やトイレの水洗音が苦手な場合も、感覚過敏は脳の特性に起因するもので、嫌いな音を聞こえにくくする工夫や、(自分の苦痛を)わかってもらえたという安心感を与えることで対処できる」と説明した。
        (毎日新聞)6月24日15時1分配信

        ●国民年金保険料、07年度納付率も目標「80%」に届かず
         2007年度の国民年金保険料の納付率が、社会保険庁が目標とする「80%」を大きく下回ることが確実となった。
         最終納付率は64%前後にとどまり、2年連続で低下する見通しだ。
         社保庁によると、07年度(07年4月から08年2月分まで)の納付率は63・4%で、最終納付率が66・3%だった06年度の同期と比べて2・1ポイント減少した。
         社保庁や年金そのものに対する国民の根強い不信感に加え、07年春以降に表面化した年金記録漏れ問題で、社会保険事務所の職員が相談業務や記録修正に追われ、保険料の徴収要員を十分確保できなかったという。
         納付率は1991、92年度の85・7%をピークに長期低落傾向が続く。社保庁は、市町村から徴収業務を移管された02年度に初めて70%を切ったことなどを受け、04年10月に、07年度を最終年度とする4年間の目標を設けた。
         結果は04年度(目標65・7%)、05年度(同69・5%)、06年度(同74・5%)と3年連続で目標をクリアできなかった。07年度には財産差し押さえなど、未納者への強制徴収も強化したが、困難となった。
        (読売新聞)6月28日20時1分配信

        ●若者自立支援のため訪問事業 大阪市がスタート 
         仕事に就くなど自立することが困難な若者を支援しようと大阪市は7月1日、全国でも珍しい相談員による自宅訪問事業を特色とした相談室「コネクションズおおさか」(東淀川区東中島、市立青少年文化創造ステーション3階)を開設する。事業の実施は社会参加できない若者支援に実績のあるNPO「育て上げ」ネット(東京都立川市)が担当する。
         対象者は15~34歳で現在仕事に就いていない若者とその保護者。市内には就職、就学をせず、職業訓練も受けていない若者が約2万3000人いると推定されており、人口比あたりの全国平均よりやや高い。
         訪問事業は地域の民生委員やケースワーカーから上げられた情報を元に、本人の承諾が得られれば相談室のコーディネーターが自宅などを訪問。話を聞き、相談室への来室を促す。相談者との相性もあることから、コーディネーターは2人1組で訪問するという。
         相談室は火、木、金、土曜日の午前11時~午後6時半の開室で、キャリアコンサルタントがそれぞれの状態に応じ、個別プログラムを作り支援する。区役所や民間会社など50以上の職場から本人の希望に応じ、仕事体験を行ってもらうという。また、保護者に向けても月1回、子供の理解の仕方や支援団体を伝える相談会を開く予定。
         相談室は月80人の利用を見込んでいる。問い合わせは同相談室((電)06・6328・0550)へ。
        (産経新聞)6月28日7時51分配信

        ●当直医らに患者らが暴力 救急医療に影響「逮捕して!」
        県医師会要請
         救急病院の当直の医師や看護師らが患者や家族から暴力行為を受けるケースが相次いでいるとして、県医師会が県警に加害者の逮捕など厳正な対応を求める異例の要請をしていることが27日、わかった。暴行を原因に、救急医療からの撤退を申し出る病院も出ており、同会は「救急体制に大きな影響が出かねない」としている。
         同会は、市原市内2か所の民間病院で、昨年6月20日と今年4月26日に起きた暴行事案を受けて申し入れた。要請は今月13日付。
         市原市医師会によると、4月のケースは、午前3時ごろ、鼻の痛みで37歳の女性が来院。医師がレントゲンで鼻骨骨折と診断し、「鼻が曲がる恐れがある」と説明したところ、付き添いの男性が突然、医師の顔を殴ったり腹をけったりした。仲裁に入った看護師らも暴行を受けた。
         通報で警察官が駆け付け、騒ぎは収まった。しかし、警察官は「逮捕するなら被害届と4~5時間程度の事情聴取が必要」と説明。医師らは「(事情聴取のために)救急診療を中断することは困難」と、被害届を出さなかったという。
         昨年6月にも、腰痛を訴えて午前1時ごろに救急車で運ばれた男性が、「入院の必要はない」と説明した医師に対し、「入院させろ」と暴行。警察官も来たが、「(男性に)精神障害があり、逮捕できない」と説明を受けたという。医師は首などに6週間のけがを負った。
         市医師会は「被害届や精神疾患にかかわらず、まずは暴行や傷害容疑で逮捕出来るはず。そうした抑止力がないと、病院での暴行が減らない」と訴える。
         市原市では、夜間や休日の救急医療を帝京大ちば総合医療センターなど9病院が輪番で担当。被害に遭った病院からは「安全が守られないなら、輪番を辞退する」との声が出ているという。県医師会の田那村宏副会長は「当直の負担に加え、暴行で医師の意欲が低下すると、救急医療が維持できない。警察には、逮捕という厳しい対応をお願いしたい」と話す。
         県警刑事総務課は「事実関係を確認中で、現段階ではコメントできない」としている。
        (読売新聞)2008年6月28日

        ●迷惑メール:規制強化でガイドライン策定へ 総務省
         迷惑メールの規制を強化する改正「特定電子メール法(迷惑メール法)」が通常国会で成立したことを受け、総務省は28日、事前に受信者の同意を得ていない広告メールの送信を原則禁止するため、「事前同意」の具体例を記したガイドラインを策定する方針を決めた。事前同意は、メールアドレスを自ら書き込んだり、広告の送信を許諾する欄に自分でチェックを入れるなど、広告メールと認識して送信に賛成の意思表示をした場合に限る。事前同意なしに一方的に送った場合は違法な「迷惑メール」とされ、罰金の対象となる。
         改正前の同法は、広告メールの送信者が住所や連絡先などを明示していれば、第三者から入手したメールアドレスに勝手にメールを送信しても受信者が拒否しない限り、違法とはならなかった。改正法は事前の同意がない広告メールの送信を禁止したが、どこまでを「事前同意」とみなすかは、改正法が施行される今年12月までに総務省がガイドラインで定めることにした。
         ガイドラインでは、他人のメールアドレスを無断で用いて同意の通知をする「なりすまし」を防止するため、書き込まれたアドレスに業者が確認のメールを送り、本人の「同意」を再度確認する方法を最も安全な方法として推奨する。
         「広告メールの送信に同意しますか?」などと問いかける場合は、チェックボックスの「はい」に最初からチェックが入っている状態は望ましくないとし、自分の意思で「はい」か「いいえ」をクリックできるようにする。一方、口座を開設している金融機関など取引関係がある業者については、明確な拒否がない限り、事前同意はあるとみなして送信を認める--など、具体的なルールを定める。
         改正法施行後、迷惑メールの受信者は対策機関にメールの内容などを通報して送信元が判別されれば、総務省に報告され、悪質な業者には最高3000万円の罰金が科せられる。
        (毎日新聞)2008年6月29日 2時30分

        ●新潟市教委は対話の場を 出席督促書の波紋
         「正当な理由なく、児童を登校させていない」-。新潟市教育委員会が5月上旬、校長名で児童13人の保護者に出した出席督促書が波紋を広げている。市教委は「保護者から『家庭で教育する』との連絡しかなく、就学義務を果たしていない」と異例の措置を取った理由を説明するが、保護者側は「子供の不登校に悩み続け、学校側とも話し合いを続けていたのに。一方的だ」と市教委の対応に憤る。保護者たちは新潟市内にフリースクールを立ち上げ、不登校の子供が学ぶ場づくりに乗り出している。「謎の不登校」と報道され、さまざまな憶測を呼んだ騒動の背景を探った。(永岡栄治、写真も)
         今月、新潟市郊外の秋葉区天ケ沢新田にある「フリースクールP&T新潟校」を何度か訪ねた。工場跡地を取得し、改装した施設に近づくと、子供たちの歓声が聞こえてくる。約1000平方メートルの校舎は教室のほか、トレーニング器具や体育施設も備えている。
         ここに小中学生ら28人が親の送り迎えで通っており、放課後だけ来る子もいる。講師2人が付いて各教科のドリルを進めるほか、直感力やイメージ力を養う右脳教育や英語、体育、美術、調理も学べる。元教員の母親が教えることもある。
         驚いたのは、子供たちの表情が実に生き生きとしていることだ。「子供の心を大切にした教育をしていますから」と、講師の鈴木優子さん(45)は言う。
         鈴木さんは15年前に旧新津市(現新潟市秋葉区)で幼児教室を始め、3年前から同市東区山木戸で、母親が互いの子供を育て合う方式の親子教室を開いた。現在は就学前の子供約60人が通っているという。
         この教室を出た子供たちが小学校に上がり、学校教育に拒否反応を示すケースが相次いでいる。「先生が怒ってばかりで怖い」「やらされる勉強でつまらない」と、子供たちは口々に訴える。兄や姉が不登校で苦しむ様子を見たり、学校の雰囲気になじめず、1年生4人も登校をかたくなに拒んでいるという。
         不登校に悩んだ母親たちが集まり、鈴木さんの協力を得て4月に塾を開いた。当初は鈴木さんが代表を務めていたが、今月からP&Tに改称、母親の一人の渡辺真由美さん(40)が代表に就任した。来月、NPO法人(特定非営利活動法人)化を申請する。
         P&Tに通う小学3年の女児は1年生の6月、いじめのストレスで授業中にまつげを全部抜いてしまった。2年になると学校で吐くようになり昨年10月、担任や校長と相談して学校を休んでいる。その女児がここで見違えるように元気になり、鮮やかに前転や側転を披露してくれた。
         渡辺代表らは「不登校の原因ははっきりしており、学校の了解も得ていたのに、市教委はなぜ事情も聴かずに督促書を出したのか」と憤る。
         市教委によると、保護者たちは当初、「家庭で責任を持って教育する」と学校に説明し、塾については「代表に迷惑がかかる」と話さなかった。そのうえ、入学当初から不登校の1年生が4人いたことから、市教委は「子供を学校に登校させない異常な事態だ」と判断、校長に指示して督促書を出す事態に発展した。
         佐藤満夫教育長は「督促書を出した児童の中に、不登校傾向の児童が含まれていたことが後で分かった」と認めたうえで、「子供は楽な方、楽しい方を選びがちだが、学校で集団生活を体験したり、苦手分野を克服するのは社会に出るうえで大切なこと」と、学校教育の重要性を訴える。
         市教委は今月から、督促書を出した保護者との個別面談を進め、市教委が不登校児を対象に開いている適応指導教室の利用を呼びかけている。P&Tについては「学校復帰を前提としておらず、施設やスタッフも要件を満たしていない」(学校支援課)としてフリースクールとは認めず、視察にも消極的だ。
         学校復帰を促す市教委と、フリースクール容認を訴える保護者たちの考えには、大きな開きがある。市教委はまずP&Tを視察し、子供たちの状況を確認したうえで、保護者と継続的に話し合うべきではないか。
        (産経新聞)6月26日7時51分配信

        ●支局長からの手紙:学校は休んでもいいんだよ/兵庫
         不登校の小中学生が通う「神戸フリースクール」(神戸市中央区下山手通8)を訪ねました。住宅街の一角にある2階建ての木造民家で、隣には西洋風のテラスや畑などがある広場もあります。
         今春、社会人になった私の娘も中学の一時期、不登校でした。それで、代表の田辺克之さん(64)のお話を聞きたかったのです。「私自身、フリースクールに対する考え方が随分変わりました」という答えが返ってきました。
         田辺さんは元々、明石市内で塾を経営していました。不登校生も来るようになり、90年に同市にフリースクールを開設。しかし、阪神大震災で全壊し、97年に現在の場所に越して来たのです。
         開設当初は、復学に備えて懸命に勉強を教えました。ところが、だんだん子どもの数が減っていきます。ある子に理由を尋ねると、「だって学校と同じだもん」と言われたそうです。そのころ、田辺さん自身の息子が不登校になったこともあり、必死にフリースクールのあり方を模索しました。
         そして、「子どもは子どもの群れの中で育つ」ということを実感したといいます。「3年間も引きこもりだった子どもが、すうーっと仲間に溶け込んでいる。子どもには同じ痛みを持つ仲間を受容し、元気をシェアする力があるんだと分かりました」と田辺さん。“教育方針”は「教えるのではなく、子どもとともに学ぶ」に変わりました。
         さらに、田辺さんはフリースクールを地域に開放します。きっかけは、学校でのいじめ自殺の多発でした。「フリースクールに来る子どもは心配ありません。自分を人間として対等に扱ってくれる仲間やスタッフに囲まれ、元気を取り戻していく。心配なのは学校を休めない子どもたちです」
         昨年夏、無償で借りている隣の空き地にテラスなどを置き、地域の人たちを招いて音楽や紙芝居などの交流の催しを開くようになりました。地域のお年寄りや子どもたちに交じって、「学校を休めない子どもたち」が参加してくれるのを願ってのことです。
         現代社会でフリースクールは今や欠かせない存在です。神戸フリースクールも2年前から学校通学扱いになりました。また、同スクールは近く、熊本県の高校と提携して高等部を新設します。パソコンを通じて高校の授業が受けられるようにするそうです。
         「学校は休んでもいいんだよ」という田辺さんのメッセージが子どもたちに届けば、と思います。神戸フリースクールの連絡先は078・366・0333です。
        (毎日新聞)6月23日13時1分配信

        ●交流会:「大切な居場所の提供」 不登校児保護者らが意見交換--尼崎/兵庫
         不登校の子どもの保護者らで作る「あんだんての会(尼崎登校拒否児をもつ親の会)」が22日、尼崎市大西町1の立花地区会館で交流会を開いた。30年以上、小学校の教諭をしていた森川紘一・大阪教育文化センター相談員を招いてアドバイスを受けたほか、約10人の父母らが意見交換した。
         97年5月から約2カ月に1回のペースで交流会を開き、今回が64回目。参加者の一人が「子どもが以前と同じような笑顔を取り戻してくれるように頑張りたい」と話すと、森川さんは、「以前と同じということを目標にするのではなく、新しく生まれ変わった子どもを見てあげることが大事。同時に親も生まれ変わらなくては」とアドバイス。ほかの参加者も真剣に耳を傾けていた。
         森川さんは、高齢者の自殺の増加に触れ、「高齢者の喪失感は幼少時の愛情の不足が一因という指摘もある。やはり家庭などで子どもたちにきちんと居場所を提供してあげることが大切」と話していた。
        (毎日新聞)6月23日13時1分配信

        ●「いじめは止められる」 被害者の会・大沢さん志摩中で講演 教師や教委の責任を強調
         いじめが原因で自殺した子どもの家族らで発足した「全国いじめ被害者の会」代表の大沢秀明さん(64)=大分県佐伯市=が27日、志摩町の志摩中学校(山口幸美校長、514人)で「いじめは止められる」と題して講演した。
         生徒のほか保護者ら約50人を前に大沢さんは、四男の秀猛君が城島町(現久留米市)の中学3年だった1996年1月、2年10カ月にわたって続いたいじめを苦に自殺したことや、秀猛君の死を悼み親友が大沢さんあてに書いた手紙を読み、悲しみを振り返った。
         そのうえで「先生も教育委員会もいじめを認めようとしなかった」「いじめる生徒は出席停止にするとか、場合によっては警察が乗り出して対処しないと、いじめはなくならない」と訴えた。
         講演の後、生徒たちが感想を発表し、3年の男子生徒は「いじめを見たら止めようと思う」と述べた。「保護者も考えないといけない問題だと感じた」と講演を企画したPTA役員の山田久志さん。山口校長は「教師が担った役割の重さを再確認した」と話した。
        (西日本新聞)6月28日7時7分配信

        ●高2男子自殺:いじめ、再調査へ 県教委、父親の要望受け/群馬
         西毛地区の県立高校2年の男子生徒(当時17歳)が昨年12月に自殺し、遺族がいじめが原因として県教委に調査を求めている問題で、生徒の父親(47)は24日、福島金夫教育長あてに再調査を求める電子メールを送った。近く正式に要望書を提出する。福島教育長が19日の記者会見で再調査について「遺族から正式な要望があった段階で検討する」と答えたことを受けたもの。
         一方、福島教育長は「遺族の要望に沿って可能な限り取り組みたい」と述べ、県教委として再調査に乗り出す考えを示した。
         父親はメールで、福島教育長が会見で「具体的ないじめは確認できなかった。調査には限界がある」などと述べたことを「遺憾」と指摘。「調査が尽くされたとはとうてい思えない。私どもとしては息子の死の動機を知ることが第一だ」と伝えた。
         メールを受けた福島教育長は、毎日新聞の取材に対し「今回は要望の中身が明記されていないが、具体的に再調査を求められたら当然応じる」と説明。具体的な再調査の内容などは、正式な要望書を受け取った上で検討する構えだ。学校側も「県教委から指示があれば可能な限り協力したい」と述べた。
         遺族は昨年12月と今年3月に県教委に調査を依頼したが、学校は12月に在校生を対象に個別面談や記名のアンケートなどを実施したのにとどまっている。
        (毎日新聞)6月25日13時1分配信

        ●自殺者遺族の心のケア 小冊子を発行
         自殺者遺族の心のケアに役立てるため、京都市こころの健康増進センター(中京区)はこのほど、小冊子「大切な人を自死でなくしたあなたへ」を発行した。
         「自死遺族」の多くの人が、周囲の理解が得られず、自分を責めたり、抑うつ状態となるという。冊子では、悲しみや悩みを同じ立場の人と分かち合うことの大切さを紹介している。
         遺族への接し方についても、「助言や指導ではなく、気持ちを受け止めてあげて」とアドバイスする。A5判、12ページ。6000部発行し、同センターや各保健所などで無料配布している。
        (京都新聞)6月25日15時10分配信