私の睡眠障害とのたたかい-その2
2008/08/10
思いがけない長男の自死。突然の出来事に戸惑い、我を忘れる間もなく、病院と、学校と、葬儀社と、お寺さんと、地域と、親族との打ち合わせに追われました。自死遺族に、フロイトたちの言う「喪の仕事」を型どおりに取り組んでいくことは不可能です。
長男の自死の一方を受けたのは、東京のビジネスホテルででした。身支度をし東京駅へ、「のぞみ」に乗り、悲しみが現実のものとしてこみあげてきました。指定席に座っていることができず、ロビーで小窓から外を見るとはなしに眺めながら、涙を流し続けました。なぜ「死」を選ばざるを得なかったのか、なぜ何も気づいてやれなかったのか、そもそも何が長男をそこまで追い込んだのか…。2時間あまりの時間をかけて、考え続けました。
何も気づいてやれなかったこと、それは一生かけて悔やみ続けなければならないことです。しかし、当時の学校の荒れを知っていた私は、何が長男をそこまで追い込んだのかを明らかにしたい、第二・第三の長男をつくらないためにやれることをしたいと、喪に服する間もなく闘い始める決意をしたのでした。
お通夜・告別式に集まって頂く方々に、自死であること、自死にいたる経過、長男の自死と向き合っていく残された家族の思いを伝えたいと、その日の内に徹夜で文書をしたためました。(拙著『不登校自殺』に原文を掲載しています)思えば、この作業が、私の第二の人生のスタートだったのでしょう。
増え続ける不登校、具体的対応策を一切もたない学校、悩み傷ついていく子どもたち…。私がやらねばならないこと、私だからやらねばならないことが次々と浮かんできました。過度の緊張感、過覚醒の始まりです。
そして、まずとりかかったのが、当時の中学校の実態を明らかにすることと、今後どう改善されるべきかを法律の専門家の力を借りながら社会的に明らかにしようとするものでした。
この頃から、精神科のお世話になったと思います。
次回は「私の睡眠障害とのたたかい―その3」についてです。
では、この1週間の気になる記事です。
不登校、13万人=2年連続増、中学は34人に1人ー文科省
2007年度に学校を30日以上欠席した「不登校」の小中学生は前年度比1.9%増の12万9254人に上ることが7日、文部科学省の学校基本調査(速報)で分かった。小、中とも2年連続の増加。中学生では全生徒に占める割合が34人に1人に当たる2.9%で、過去最高となった。
不登校の人数は、病気や経済的理由による欠席を除いた数字。小学生が0.4%増の2万3926人、中学生が2.2%増の10万5328人だった。学年が高くなるにつれて増え、中3だけで4万2494人に上った。
(時事通信)8月7日17時16分配信
●「いじめ」きっかけに3倍増 京都の不登校
京都府と府教委は7日、2008年度の学校基本調査(速報)を発表した。07年度に30日以上欠席した不登校生徒は中学校で減少したが、不登校のきっかけにいじめを挙げた回答は昨年の3倍に増えた。また、高校の生徒数は19年連続で減少し、過去最高だった1989年度に比べ43%減少した。
不登校を理由に挙げる長期欠席の児童・生徒は、小学校543人、中学校1997人で、中学校は前年度比28人減少した。中学校で不登校のきっかけを複数回答可で調査したところ、不安や無気力など「その他本人に関わる問題」58・2%、「いじめをのぞく友人関係」19・6%、「学業の不振」8・5%の順に多く、「いじめ」は3・0%だった。
ただ、「いじめ」を挙げた人数は57人で、前年度の18人を上回った。府教委学校教育課は「06年度に国のいじめの定義が変わった結果、不登校状態が続く生徒のなかにも、きっかけがいじめに分類されるケースが増えた」とみている。
府内の児童・生徒数は、小学校が約14万2000人で2年ぶりに増加した一方、中学校は約7万900人で2年ぶりに減少。高校は約7万800人で、前年度比約600人減少し、過去最低を更新した。
中学校卒業者の高校進学率は98・3%、高校卒業者の大学・短大進学率は64・5%。大学・短大進学率は過去最高を更新し、9年連続で全国1位となった。
(京都新聞)8月7日23時19分配信
●司法福祉学会:学校の事故事件、遺族が体質批判--九大/福岡
日本司法福祉学会が3日、九州大学であり、一つの分科会で「全国学校事故事件を語る会」が企画した集いがあった。いじめや教師の指導など学校が関係する事案で子供を失った親が発言し、真相究明に消極的な教育現場の体質に対する批判などが相次いだ。
佐賀工高3年の野中優司さん(当時17歳)はラグビーの練習中に熱中症で死亡。母恵美子さん(49)は「真相究明のために学校は何もしてくれなかった」と当時訴訟に踏み切った思いを語った。
山口県下関市の安部直美さん(当時15歳、中3)はいじめを訴えるメモを残し自殺した。父慶光さん(52)は「市教委が設置した第三者委員会も真相に迫っていない。ちゃんとした調査機関でないと遺族の救済にならない」と訴えた。
生徒指導が原因で自殺した長崎市の安達雄大君(当時14歳、中2)の母和美さん(46)は「学校の不誠実な対応はどこも一緒だと感じる。一人で悩んでいる遺族がいたら『語る会』に声をかけてほしい。子供の命を無駄にしない活動につなげたい」と呼び掛けた。
(毎日新聞)〔福岡都市圏版〕2008年8月4日 地方版
●<稚内商工高>高2が自殺…中傷書き込みで事情聴かれた後に
北海道稚内市の道立稚内商工高(337人)2年の男子生徒(16)が、携帯電話サイトの掲示板に他の生徒を誹謗(ひぼう)中傷する書き込みをしたとして同校の教諭から事情を聴かれた後に自宅で自殺を図り、2週間後の今月4日に死亡していたことが分かった。川崎博正校長は「職員の対応に問題はない」と話している。
同校などによると、生徒指導担当の男性教諭ら計6人が7月20日、サイトを利用している生徒からの情報を受け、2時間50分にわたって男子生徒から事情を聴いた。生徒は「軽はずみで書き込んでしまった」と事実を認めたが、いじめをしていた疑いについても話が及んだため聴取が長引いたという。
生徒は停学処分を通告され、午後5時ごろ、学校に呼ばれた母親とともに帰宅。その後、自宅で自殺を図っているのを父親が発見し、市内の病院に入院していた。自室の机上には、家族あてのメッセージを記したノート3ページ分の書き置きがあった。「教諭から『バカ』『死ね』などとと言われた」という内容が記されていたとされるが、川崎校長は「そんなことは言うはずがない」と否定した。
(毎日新聞)8月7日12時13分配信
●携帯掲示板で友人中傷 教諭が注意、高2自殺 稚内
【稚内】道立稚内商工高(川崎博正校長、三百三十七人)の二年生の男子生徒(16)が七月下旬、携帯電話サイトの掲示板に同校生徒の誹謗(ひぼう)中傷を書き込んだことから、学校側に事情を聴かれ、その日の夜に自宅で自殺を図り、今月四日に死亡していたことが六日、分かった。
生徒は自殺直前に書き残した文章に、教諭から「死ね」などと言われたと書いている。学校側は「そうしたことは言っていない」と話している。
同校などによると、掲示板の内容が学校内で話題になっていたことから、七月二十日午後二時すぎから断続的に約三時間、男子生徒に計六人の教諭が事情を聴いた。男子生徒は「軽い気持ちで安易に書き込んでしまった」と認め、反省していたという。
男子生徒は午後五時ごろ、迎えに来た母親と帰宅。同日夜に自宅で自殺を図った。
書き残していた文章はノート三ページにわたってつづられ、自分の部屋の机の上に置いてあった。
文章には「自分は殺す。死ね。と軽々しく書いたので(中略)ケジメをつけるために死のうと思う」などという心情のほか、事情を聴かれた際の状況として「お前の罪は重いと。死ねと。他の先生からは、お前はバカか?と言われました」などと記していた。
川崎校長は「書いてあるような言葉を言ったことは一切ない。事情を聴く中で大きな声を出したことは二、三回あるかもしれないが、事情聴取が本人を追い詰めたとは考えられない」と否定。事情聴取が三時間に及んだことについて「いじめの有無なども調べたので時間がかかった」としている。
男子生徒の父親は「息子は『死ねと言われた』と書き残したが、これらが自殺の引き金になったのではないか」と話している。
(北海道新聞)08/0707:03
●学校外施設通いを「出席扱い」へ 高校生不登校問題で文科省が方針
不登校となっている高校生を支援するため、文部科学省は7日までに、フリースクールを中心とした学校外施設などに通っている生徒を、校長や教育委員会の判断で「出席扱い」とすることを認める方針を固めた。今後、適用条件を検討し実施時期を決める。
出席扱いの適用はこれまで小中学生だけだったが、文科省は高校進学率がほぼ100%となり“事実上の義務教育化”している実態を考慮。「(高校は)自らの意思で入学し、退学の自由もあり、不登校という状態は理論上ありえない」(同省幹部)としてきた方針を転換させた形だ。
文科省は、不登校の小中学生が7万人を超えた1992年から出席扱いの措置を導入。学外施設で相談や指導を受けていても(1)保護者と学校の連携が十分に取れている(2)訪問で対面指導ができる-などの一定の条件下で出席として認めてきた。2006年度は約1万7000人の小中学生が出席扱いとなった。
一方で不登校の高校生は06年度で5万人を超えており、同様に支援する必要があると判断。
(北海道新聞)08/0710:25
●国民年金納付率63.9%に 07年度、2年連続低下
2007年度の国民年金保険料の納付率が63.9%と、06年度を2.4ポイント下回ったことが6日分かった。低下は2年連続で、政府が目標とする80%との乖離(かいり)が続く。社会保険庁は未納者への強制徴収などに取り組んだものの、年金記録漏れ問題への対応などに追われ、納付率の改善にはつながらなかった。
国民年金は20歳以上60歳未満の自営業者やパート労働者などが加入し、保険料を猶予・免除されない限り保険料の納付義務が発生する。対象はおよそ2100万人。納付率は1990年代に80%以上あったが、年金不信の高まりを背景に低落傾向が続いている。
(日経ネット)2008年8月7日
●児童虐待が過去最多の162件、加害者に実母も目立つ
今年上半期(1~6月)に全国の警察が摘発した児童虐待事件が過去最多の162件に上ったことが、警察庁のまとめでわかった。
死亡した児童は昨年同期より11人増の29人に上り、2001年に次いで過去2番目に多かった。
虐待被害にあった児童数も昨年より9人増の166人で、過去最多。1歳未満が30人で最も多かった。
虐待の内容別では、殴るなどの身体的虐待が116件、性的虐待が34件、食事を与えないなどの育児拒否が12件。
今年3月には、埼玉県三郷市で実母が2歳の二男を餓死させるなど、実母による虐待も目立った。
(読売新聞)8月8日5時5分配信