社会福祉の現場で働く人たちの待遇はこれで良いのか?
2008/11/19
「ワーキングプア」、「年収200万円以下」、「生活が苦しい、将来が不安」…。若年労働者の不安定雇用について論じられていると思ったら大間違いです。中高年の世代の働く人たちの中にも、こうした状況にある人は多数おられます。かくいう私もその一人と言えます。そして、わが愚妻も…。つまり、わが家は「ワーキングプアファミリー」なのです。
国家資格である精神保健福祉士で、私のように個人事務所を構えている人は極わずかかと思います。私の場合は、個人の相談室のわずかな「事業主貸」と、NPO法人の職員としての「事務費」で、額面は200万円は超えるでしょうが、国民健康保険、国民年金保険料などを差し引けば立派なワーキングプア。
愚妻も特別養護老人ホームのアルバイトヘルパーですから、胸を張ってのワーキングプア。
そうなんです。夫婦二人とも、福祉の現場でフルタイム労働をしているのに、やっとこさの生活。「ゆとり」なんて感じたことがありません。そして、次男は国立大学めざして、猛勉強中です。学費は「奨学金」をあてこんで…(;。;)。
何よりも精神的に良くないのが「不安定さ」でしょうか。
先週、あるサイトで、精神保健福祉士の正規採用の募集状況を調べたら、全国で3件でした。全国で。3件。月給は22~25万円というものもありましたが、そこから各種保険料が引かれ…。それじゃ、大卒初任給と同じではないか、と突っ込んでみても仕方ありませんが、これが現実のようです。
精神に疾患のある人を、病院や施設から地域へ、というスローガンの下に精神保健福祉の施策は動いているはずです。増加する高齢者の介護も、同様に国家的課題であり、日本の社会保障制度のあり方が問われています。箱物も大切ですが、今現場で最も求められているのはマンパワー。福祉の現場で働く人は、「元気」でなければなりません。さまざまなハンディのある人たちと「元気」を共感しあえるようになることが目的の仕事ですから。
次回は「どうしよう? MACOS10.3.9」についてです。
では、この1週間の気になる記事です。
<教員>「教頭から教諭へ」など希望降任が過去最多106人
成人学生07年度に自ら望んで教頭などから降任した公立学校の教員は、過去最多の106人(前年度比22人増)に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。一方、生徒と信頼関係が築けないなどとして「指導力不足」と認定された教員は3年連続で減少し、371人(同79人減)だった。
47都道府県と17政令市の64教育委員会を調べた。希望降任制度があるのは59教委。降任の内訳は、教頭から教諭が70人と最多で、校長から教頭が1人、校長から教諭が4人、その他(主幹教諭から教諭など)が31人だった。39教委しか制度を設けていなかった03年度は計66人で、制度の普及もあり4年間で約1.6倍に増えた。
理由は「健康上の問題(精神疾患含む)」が53%、「職務上の問題」が27%など。文科省は「主幹教諭に業務が集中するなど、割り振りがうまくいっていないケースがある」としている。
指導力不足教員は小学校193人、中学校88人、高校62人など。在職20年以上のベテランが228人と61%を占めた。06年度からの継続認定が241人で、07年度に新たに認定されたのは130人(前年度比82人減)。文科省は減少の理由に、学校で予防的研修を行うなど早期対応の取り組みが進んだことなどを挙げた。
指導力不足教員のうち07年度に研修対象となったのは268人。うち87人が現場復帰したが、依願退職85人、免職5人、他職種への転任2人の計92人が現場を離れた。休職は16人。定年退職と育児休業が各1人で、71人が研修を継続している。
また、試用期間(1年)の後で正式採用とならなかったのは過去最多の301人(前年度比6人増)。うち293人(同12人増)が依願退職し、103人(同19人増)は病気が理由。死亡した5人のうち1人は自殺だった。
(毎日新聞)10月17日17時54分配信
●年収200万以下、若者の4割強
若者の非正規雇用の増加が社会問題になる中、兵庫県内の労働組合などが七-九月、県内の若者約百人にアンケートしたところ、四割強が、年収二百万円以下のいわゆる「ワーキングプア」という結果が出た。非正規雇用の人に限れば、四分の三が年収二百万円以下と答えた。労組のメンバーらは今後、兵庫労働局へ調査結果を提出する。
アンケートは、県内の若者らでつくる労組「ひょうご青年ユニオン~波」などで構成する「ひょうご青年実行委」が実施。三宮など神戸、尼崎市の計八カ所で、学生を除く十-三十代の若者百二人に年収などを尋ねた。
それによると、雇用の形態は六十六人(64・7%)が正規雇用。三十三人(32・4%)が派遣やアルバイトなど非正規雇用だった。三人は求職中。
年収は全体の四十五人(44・1%)が「二百万円以下」と答えた。雇用形態別の内訳は正規雇用では十八人(27・3%)だったが、非正規雇用は二十五人(75・8%)を占めた。年収二百万円の人のうち十六人は親から独立しており、生活は困窮していると推測される。
自由回答では、三十代のアルバイト女性は「正社員の補助業務で仕事にやりがいがない。賃金も安く生活がしんどい。将来が不安」と記し、二十代の求職中の男性は「職場でののしられ、家にひきこもりがちになった。一人一人が大切にされる職場や社会にしてほしい」と訴えた。
同実行委の門屋史明さん(37)は「ひどい労働環境でも、仕事を続けるために声を上げられない人もいた。若者が安定して働けるように法律を変えてほしい」と話している。
(神戸新聞)10/16 09:31
●<専門弁護士>知的障害者に対応 養成へ大阪で初の取り組み
大阪弁護士会が知的障害者ら心身に障害がある人の特性を理解し、弁護できる専門弁護士養成に乗り出す。全国初の取り組みで、11月にもプロジェクトチーム(PT)を設立し、具体的な検討を始める。新規受刑者の約2割は知的障害の疑いがあるが、十分な弁護をされていない可能性がある。そのため、来年5月の裁判員制度施行を控え、知的障害者らへの誤解や偏見を取り除き、正当な権利の保障を目指す方針だ。
知的障害がある人の特徴として、見たり聞いたりしたことを整理、表現することが苦手なケースが多いとされる。また、相手に迎合し、誘導に乗りやすい面がある。強盗容疑で逮捕された知的障害の男性が警察官の誘導で自白調書を作られたとされ、公判中に真犯人が見つかり、05年3月、宇都宮地裁で無罪判決が出たケースもある。この事件を含め、弁護士が障害の特性に気づいていない場合が多いとみられている。
法務省の矯正統計年報によると、知的障害の疑いがある「知能指数70未満」の新規受刑者は07年で約6700人に上り、全体の約2割を占めている。
こうした背景を踏まえ、大阪弁護士会は06年4月、全国の弁護士会に先駆けて「知的障害者刑事弁護マニュアル」を作成した。知的障害がある場合は、具体的な事実を問う▽短い文章で質問する▽仮定の質問をしない▽時間の順を追って質問する--など具体的な弁護方法を紹介している。
今回のPTは、このマニュアルを活用し、刑事裁判の当番弁護士に登録している人を中心に研修を実施。研修を受けた人を専門弁護士として名簿化し、障害のある人から依頼があった場合に派遣に応じるための仕組み作りを検討する。
マニュアル作成時の座長で、PTのメンバーにも入る辻川圭乃(たまの)弁護士は「知的障害のある人は冤罪(えんざい)に巻き込まれやすい。また、罪を反省していても、裁判でうまくそれを伝えられず、厳罰化されやすい。目や耳が不自由な身体障害者も視野にいれ、対応できる専門弁護士を来年中にも養成したい」と話している。
(毎日新聞)10月13日8時7分配信
●法務省:仮退院少年の就職支援 民間施設に宿泊「自分を見つめ直す場に」
◇再非行防止、来年度から
少年院を仮退院した少年の就労を支援するため、法務省は来年度、民間の更生保護施設に一定期間宿泊させて就職活動をさせる取り組みを始める。社会に戻っても周辺環境に流され、再び非行グループに加わる少年も多いためで、職を得て自立させることで再非行防止につなげる。
更生保護施設は、引受先のない刑務所出所者らの社会復帰を支援するため、出所直後に一時的に保護する施設。このような形の利用は初めて。
法務省保護局によると、少年院を仮退院して自宅に帰る少年の中には、家庭環境や非行を一緒にしてきた友人の影響で、職探しをしなかったり、見つけた仕事もすぐに辞めてしまうケースが多い。このため、就労支援が必要と判断した。
具体的には、主に仮退院から3カ月経過しても定職に就かない少年を、本人や親の了解を得て2週間程度、更生保護施設で受け入れる。一般の刑務所出所者と同様にハローワークで求人を探したり、職業体験講習を受けさせて就労意欲を養う。
保護局は「定職を見つけられなければ更生の意欲がないと見なされかねない。いったん自宅を離れて自分を見つめ直すきっかけを提供したい」と説明している。
(毎日新聞)2008年10月11日 東京夕刊
●地域生活への移行は4割減 京都府07年度 入院の精神障害者
京都府内で2007年度に入院から地域生活に移行した精神障害者は62人と、前年度の100人から約4割減少したことが、12日までに府の調べで分かった。グループホームの建設など受け皿整備の遅れが背景にあるとみられる。
府内で精神障害で入院している人は、05年の患者調査で5620人。国の調査では全国の精神科病院の入院患者の約2割にあたる7万5000人が退院可能な「社会的入院」とされ、12年までにゼロにする目標を立て、府も06年度から6年間に450人を地域生活に移行させる目標を設定している。
府が公表した計画の達成状況によると、06、07年度の2年間で、地域生活へ移行した人は162人にとどまった。退院先は家族などとの同居64%、1人暮らし26%、共同生活するグループホームやケアホームの活用11%だった。
移行には病院の精神保健福祉士らと外泊訓練などが必要になるが、府や京都市の退院支援事業の利用者も今年8月末までに計61人にとどまっている。
府健康福祉部は「社会復帰にはヘルパーなど人的支援や、地域でネットワークをつくり受け入れを支援する必要がある。今後も地域住民による理解や基盤づくりを支援したい」としている。
京都精神保健福祉推進家族会連合会の野地芳雄会長は「長期入院を強いられてきた人は、社会に戻る意欲があっても次第になくなり、社会での生活の仕方も失ってしまう。地域からの偏見は強くアパートを借りることさえ難しい。安心して社会に出られるよう行政も支援してほしい」と話した。
(京都新聞)10月12日22時9分配信
●無年金訴訟で勝訴確定=統合失調症の男性-胃疾患で成人前受診・最高裁
国民年金に未加入だった学生時代に統合失調症と診断された岩手県の男性の家族が、社会保険庁長官を相手に不支給処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は15日、国側の上告を退ける決定をした。原告側の勝訴が確定した。
障害基礎年金は初診日が成人前であれば支給対象となる。同小法廷は、男性が20歳前に統合失調症による胃腸疾患で受診していたことから、受給要件を満たすと判断したとみられる。
一、二審とも男性側が勝訴していた。学生無年金障害者訴訟をめぐり、原告の勝訴確定は3件目。過去の2件はいずれも、別の診療科での受診により、20歳前初診が認められた。
(時事通信社)2008/10/15
●公表方法を再検討=来年度の学力テスト-文科省
秋田県教育委員会と大阪府が相次いで全国学力テストの市町村別成績の開示を決めたことを受け、文部科学省は16日、テスト結果の公表方法を再検討する方針を明らかにした。専門家による検討会を近く設け、2009年度の実施要領を年内にまとめる。
検討会では各地の教委から意見を聞く予定。教委・学校への結果提供の早期化や、データを有効活用するための分析のあり方なども話し合う。
(時事通信)10月16日19時41分配信
●野菜刈り取られ…涙ぐむ園児 保育園の畑を大阪府が行政代執行
第二京阪道路(京都市伏見区-大阪府門真市)の建設予定地に位置する北巣本保育園(門真市)の野菜畑を撤去する大阪府の行政代執行が16日早朝から始まった。保育園側は2週間後に近くの保育園と合同でこの野菜畑を使ったイモ掘り行事を控えており、職員ら約50人が「子供たちの野菜を奪わないで」と反対の声をあげたが、府は代執行を強行。園児らが育てた野菜を刈り取り、敷地の立ち入り禁止措置を取った。
橋下徹知事は「府はこれまで誠実に交渉してきた。供用開始が遅れると通行料で6億、7億円の損害が出る。申し訳ないが理解していただきたい」とコメント。「イモ掘り行事まで待ってほしい」という要望には「なぜ2週間早くイモ掘りをしなかったのか。もっと早く園児を喜ばせる方法があったはずだ」と保育園側の対応を批判した。
これに対し、野菜畑の所有者で同園理事の松本剛一さん(49)は「イモがちゃんと育つにはあと2週間はかかるし、そもそも代執行の通知があったのは10日前で行事変更にも無理があった。府の都合で子供の気持ちを踏みにじったのは許せない」と怒りを隠しきれない様子だった。
(産経ニュース)2008.10.16 11:32
●「指導力不足」先生371人も、8割が40~50歳代
授業や学級運営ができず、各地の教育委員会から昨年度中に「指導力不足」と認定された公立学校の教員が371人いたことが17日、文部科学省のまとめで分かった。
教員としての適性に疑問符のついたケースが目立ち、8割を40~50歳代が占めた。
文科省によると、371人の7割は男性で、40歳代が46%、50歳代が37%だった。85人は依願退職したという。
指導力不足と認定された理由は「生徒の反応を確かめずに一方的に授業を進めていた」「板書が乱雑で筆順の間違いが多い」--など適性を疑われるものが目立った。ベテランが多い理由について、同省は「詰め込み式の授業で何とかしのいできた教員が、考えさせる授業への転換といった環境の変化に対応できなくなっている表れでは」と分析している。
(読売新聞)10月18日00:07
●教育費、高校・大学で1人平均1023万円 年収の56%の世帯も
日本政策金融公庫は同公庫の教育ローンを利用した世帯を対象にした教育費の実態調査の結果をまとめた。高校入学から大学卒業までにかかる教育費は子供1人当たりの平均で1023万円。世帯年収に占める教育費の割合は平均34%で、年収が200万円以上400万円未満の世帯では56%に達していた。
調査は同公庫が200万円以内で教育資金を貸し付ける「国の教育ローン」の利用世帯のうち、1万490件を対象に実施。2753件から回答を得た。
授業料や通学費、教科書代など、在学中の子供にかかる年間費用は高校で92万5000円、大学では150万4000円。国公立大は104万9000円、私大は159万7000円で、約1.5倍の開きがあった。
(NIKKEI NET)2008年10月19日
●同級生のいじめで統合失調症、2審も因果関係認める…広島
広島市立中学に通っていた当時、同級生4人からのいじめが原因で不登校となり、統合失調症になったとして、元生徒の男性(20)と両親が同級生と広島県、市などに慰謝料など計約2600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が15日、広島高裁であった。
礒尾正裁判長は判決で、いじめと統合失調症の因果関係を認めた。損害賠償の金額については、計830万円の損害賠償を認めた1審・広島地裁判決を変更し、被告側に対して計約470万円の支払いを命じた。
(読売新聞)10月15日14時13分配信
●<学校裏サイト>都教委が2200校監視 削除要請・通報も
いじめを誘発するとされるインターネットや携帯電話の「学校裏サイト」について、東京都教育委員会は来年度から、民間の専門業者と連携して監視を始める方針を決めた。監視対象は都内の全公立校約2200校に上り、都教委の担当者は「これだけ大掛かりな自治体の対策は全国初では」と話している。
都教委が委託した業者が学校裏サイトなどを監視し「死ね」「殺す」などの悪質な書き込みを見つけたら各校に連絡。必要に応じてプロバイダーに削除を要請する。危険性が高いと判断すれば警察にも通報する。各校に関係するサイトの情報を分析した資料も定期的にまとめ、指導の参考にしてもらう。
都教委が7月にネットと携帯電話の利用状況を調査したところ、小学生の11.9%、中学生の23.4%、高校生の29.2%がトラブルを経験していた。一方、教員の約4分の3は学校裏サイトについて「見たことがない」「よく知らない」と答えていた。
(毎日新聞)10月17日23時57分配信