ひきこもり状態にあるわが子との関わり(2)食事
2008/11/24
自宅あるいは自室を安全・安心の場、あるいは最もストレスが少ない環境、自分自身でいられる世界として選択した人たちが、なぜそこを選んだのか、を考える必用があります。心的ダメージを回避できる場であるとともに、(多くが最低限の)生活が保障される場という理由が浮かびます。その中でも重要な要素として「食事」があります。
「社会的ひきこもり」への精神科治療の実践者として著名な斉藤環氏の近著『ひきこもりはなぜ「治る」のか?』(中央法規出版)では、儒教思想に基づく家族の意識として、成人後も子どもが家に住みつづけること、子どもが親の老後の世話をすることを是とする日本の文化風土によって、ひきこもり状態になったわが子を、「なんとかならないか」と戸惑いつつも家の中で生活を保障している、という指摘がされています。この意識は、成人後は家から独立させるという欧米の家族意識とは対極に位置し、欧米で問題化している若年者のホームレスが日本では少ない(最近では増加傾向にありますが比較をすれば少ない)理由とされています。
働けない、働く意欲を失った青年・成人の生活保障を、日本では家族が行っているわけです。一緒に住んでいなくても、家賃や生活費を仕送り続けておられる親御さんが多いのも現実です。
家でひきこもってしまっている本人は、「食事の提供を受ける」ことをどう思っているでしょうか。親が子どもの面倒をみるのは当たり前、と思っている人は極少数と思います。やはり多くは、「申し訳ない」「こんな自分が情けない」と感じつつ、空腹を満たすために、家族から提供される食事を食べ続けているのでしょう。自分の部屋でしか食べられないのには、そうした理由があります。
1日に3度、あるいは2度(中には1度)の食事の提供という機会は、本人と「関わる」大切な接点となります。
本人の命を生物的レベルで守ることからスタートして、どんな状態であれ本人のことを「大切に思っている」気持ちを伝えるものとして、食事提供は基本的に継続すべきです。そして、本人が嫌がらない範囲で、本人の健康状態や生活上困っていることはないかなどの情報を知る接点として、メモを添える、簡単な質問に答えられるメモにしていく、メモを通しての「コミュニケーション」が成り立つようになれば次のステップへと、本人の社会性を取り戻す流れを、焦らず、本人の状態を理解しながらゆるやかに進めていく必用があります。
食事を家族と一緒にとらない理由として、食事をしながらの「説教」、あるいは「説教」とまではいわないものの、親の思いを伝えておく、というものがあります。親とすれば、本人のことを思ってのことですが、親が言わんとすることは、わざわざ言われるまでもなく、本人が日々葛藤している中核的なテーマであるわけで、本人はそれを「否定されている」としかとれませんし、自己評価を下げることにしかならないからです。
本人との食事を通してのコミュニケーションのとり方や、傷つけずにコミュニケーションを深めていく段階的な方法など、客観的に適切な助言のできる、信頼できる相談支援者を第三者としてもたれることをおすすめします。
次回は「ひきこもり状態にあるわが子との関わり(3)洗顔・入浴」についてです。
では、この1週間の気になる記事です。
不登校の中学生、過去最大の割合に
政府が21日に発表した平成20年版「青少年白書」によると、全国の中学生に占める不登校生の割合は19年度は2・91%と前年度から0・05ポイント上昇し、過去最大になったことがわかった。年間30日以上学校を欠席するのを「不登校」と定義し、中学校の不登校生は19年度が10万5328人(前年度比2・2%増)となった。一方で、小学校の不登校児は2万3926人(同0・4%増)で、不登校児の割合は近年は横ばい傾向が続いている。
(産経新聞)11月21日15時58分配信
●「年長フリーター」固定化、中学の不登校は過去最高 青少年白書
政府が21日に発表した平成20年版「青少年白書」によると、全国の中学生に占める不登校生の割合は19年度は2.91%と前年度から0.05ポイント上昇し、過去最大になったことがわかった。
年間30日以上学校を欠席するのを「不登校」と定義し、中学校の不登校生は19年度が10万5328人(前年度比2・2%増)した。一方で、小学校の不登校児は2万3926人(同0.34%増)で、不登校児の割合は近年は横ばい傾向が続いている。
また、若者の間でフリーターの総数は減っているものの、25歳から34歳までの年長者層では減少幅が少なく、フリーターの状態が固定化していることも分かった。
19年の15-34歳のフリーターは181万人で、15年の217万人をピークに4年連続で減少。このうち15-24歳が4年で30万人減少した一方で、25-34歳の年長者層は6万人減にとどまった。
政府は10月に発表した追加経済対策に、年長フリーターらを正社員として採用した企業に助成金を支給する制度を盛り込むなど、安定雇用確保に力を入れる方針だ。
このほか、平日に親子が一緒に過ごす時間を調べたところ、「ほとんどない」と答えた父親の割合が12年の14.1%から18年時点では23.3%と大幅に増加した。「15分くらい」「30分くらい」を含めると約6割にのぼった。白書では「長時間労働など家庭を取り巻く環境の変化が子どもにとって好ましくない状況の背景になっている」と指摘している。
(産経新聞)11月21日9時54分配信
●グーグルマップに名前や住所、うっかり公開37校980人
インターネット上の無料地図情報サービス「グーグルマップ」で、名前や住所などの個人情報が誰でも閲覧できる状態になっていた問題で、小中高校などの教員らが誤って公開してしまった児童・生徒の個人情報が、全国で少なくとも37校の約980人分に上ることが16日、読売新聞の調査でわかった。
一部のデータは削除しようとしても、閲覧可能な状態が続くことも判明。事態を受け、文部科学省は都道府県教育委員会を通じ、全国の教育機関に個人情報の扱いなどについて注意するよう指示した。
誤って公開されてしまったのは、北海道、青森、千葉、埼玉、愛知、大阪、宮崎など21道府県の3幼稚園(34人)、15小学校(約420人)、15中学校(約390人)、4高校(133人)の個人情報。
問題が起きているのは、ネット検索大手「グーグル」が提供しているグーグルマップの「マイマップ」機能で、昨年4月にスタートした。住所を打ち込むと、場所が検索でき、地図上に目印や名称、住所、コメントなどを書き込み、自分用の地図としてサイト上に保存できる。
ところが、落とし穴となっているのがプライバシー設定。「自分用の地図」がうたい文句なため、自分だけが閲覧できると思いがちだが、初期設定は「一般公開」となっており、「限定公開」に変えないと、情報が不特定多数に見られてしまう。
特に、情報流出の恐れが相次いで指摘されているのが、教員が家庭訪問のために作成した地図で、児童生徒の氏名や住所、電話番号までが閲覧できるものもあった。千葉県内の中学教頭(52)は「家庭訪問は年度当初に行われることが多く、土地カンのない先生は、生徒の家を探して歩くのはなかなか苦労するので、住所を打ち込むだけで訪問先一覧が出来るグーグルマップは便利」と話す。別の教員も「マイマップなら最短の訪問ルートもすぐ検索できる」と言う。
登録した情報は「削除」ボタンをクリックすれば消える仕組みになっているが、「削除したはずなのに、まだ情報が閲覧できる状態になっている」との苦情も相次いでいる。
愛知県瀬戸市の市立中学校の場合、今月5日、約15人分の生徒の名前や住所が記載された地図を削除したが、14日時点で再び一部が閲覧できる状態になっていた。宮崎市の小学校でも5日に削除の操作をしたのに、数日後に確認したところ、まだ残っていた。副校長は「教員は授業でもグーグルマップを活用していたが、タダより高いものはない」とこぼしている。
グーグル広報の説明によると、利用者が登録した情報はグーグルの持つ複数のサーバーに複製される仕組みのため、一時記録が消えきらないケースがあるという。「要請があったものはできるだけ早く削除する」と釈明している。
(読売新聞)11月17日3時6分配信
●学校で「がん」教育 予防と早期発見を啓発 失望せず向き合うために
日本人の3人に1人の命を奪う、がん。しかし、がんに対する国民の理解は十分ではないとして、厚生労働省は10月、普及啓発懇談会をスタートさせた。懇談会には教育の専門家も参加、学校でがんを教えることも検討される。座長を務める東京大学医学部付属病院緩和ケア診療部長の中川恵一准教授は、学校での「がん教育」の重要性を説く。(猪谷千香)
「今、がん患者が増えています。日本人の2人に1人はがんになり、3人に1人が死んでいます。怖いと思うかもしれないけれど、自分の体から出てくる細胞でもあります。では、がんとはどういう病気なのだろう?」
11月初旬、東京の国立市立国立第一中学校で全校生徒530人を前に、中川准教授の授業が始まった。がん細胞がどのようにできるのか、がん患者が増えている原因や、最新の治療方法などを図版を使いながら、やさしく解説していく。
「がんは治らない病気ではなく、6割は完治します。命を落とさないためには、予防と早期発見をしなければなりません」
この授業は、同校が中川准教授に依頼し、特別講演会として開かれた。久家義久校長は「がんになったとしても、失望するのではなく、よりよく生きるためにはどうしたらよいのか。子供たちにしっかり向かい合ってほしいと思い、講演をお願いしました」と話す。
中川准教授は授業の中で、がんについて解説した自著『がんのひみつ』を自費で子供用に再編集したパンフレットを配布。講演会もボランティアで行った。1月に都内の高校でも同様の授業を行い、「依頼があれば、今後も引き受けたい」とする。
今後、子供たちのがん教育をどうすべきか。厚労省は10月、がんに対する正しい理解を促進させるため、識者による「がんに関する普及啓発懇談会」を発足させた。学校でのがん教育実施も視野に、教育の専門家も参加している。
厚労省がん対策推進室によると、これまで小中高校ではがんについて教えられてきたものの、未成年の喫煙との関係が強調されることが多かったという。今後は、懇談会でさまざまな取り組み事例を参考に、委員からのアイデアを取りまとめ、具体的な啓発活動につなげたいとしている。
中川准教授は「例えば、子宮頸(けい)がんはウイルス感染によって発症する。米国では学校で教えているので9割の人が知っているが、日本ではほとんど知られていません」と、がん教育の必要性を訴える。
日本は「がん大国」といってもよいほど、患者数は多いにもかかわらず、理解は深まっていないという。
「子供たちにとっても、将来はかかわってくる可能性の高い病気。相手(がん)を知らなければ正しく対処できない。若いうちから、どのような病気かを教えることが大事です。先生たちも、がんのことをもっと知ってほしい」
■進む国の対策
現在、国を挙げてのがん対策が進んでいる。平成19年人口動態統計によると、がんで亡くなった人は33万6468人で、全死因の30・4%にあたる。国民の健康に重大な問題として、同年4月に「がん対策基本法」を施行。がんの予防や早期発見の推進▽専門医の育成や拠点病院の整備▽研究や医薬品、医療機器の早期承認のための整備-などを基本施策としている。これを受け、厚労省ではがん対策推進のための21年度予算として、20年度よりも26億円増の262億円を要求している。
(産経新聞)11月19日8時6分配信
●<国歌>斉唱時は「起立、国として指導」-塩谷文科相が強調
入学・卒業式の国歌斉唱時に起立せず、神奈川県内の教職員らが氏名など個人情報の消去などを求めて横浜地裁に提訴したことに関連し、塩谷立文部科学相は18日の閣議後会見で「国歌斉唱時に起立するのは国際的にも常識。それが理解されていないのなら、国として何らかの指導をする必要がある」と述べた。新学習指導要領では、起立についての規定はなく、波紋を呼びそうだ。
また、塩谷文科相は「(教職員が起立するかしないか)バラバラな対応があるのならば把握しなければならない」として、全国的な調査の必要性を訴えた。指導は、教職員と児童生徒の両方を対象とすべきだとした上で、「『起立して(歌うよう指導する)』と書かなければならないのかなとも思う。どこにも書かれていない」と述べ、指導要領改定も示唆した。
(毎日新聞)11月18日12時40分配信
●ニート自立塾 利用伸び悩み
ニートの支援策の目玉として、厚生労働省が始めた若者自立塾の事業が、スタートから3年以上経過した。自立塾は、事業を委託されたNPOなどが、3か月間の合宿生活をしながら、ニートに職業訓練などを行うもの。その成果と課題を踏まえ、2回にわたりニート支援のあり方を探った。
◇共同生活
午前7時朝食。掃除、洗濯の後、午前10時から午後4時まで、昼食をはさんで企業で就労研修。午後6時から夕食……。横浜市にある若者自立塾「Y―MAC」の1日のスケジュールは、ざっとこんな具合だ。日中は、スポーツ、面談指導、卒塾生との交流会、子育てボランティアなどを行うこともある。
運営しているのは、若者を支援する事業を展開している株式会社「K2インターナショナルジャパン」(横浜市)。お好み焼き店など4か所の飲食店を持っており、塾生の研修の場としてだけでなく、卒塾後の働き先として活用している。精神疾患を持つ若者には、医療機関と提携してスケジュールを組むなど、きめ細かい対応も行っている。
卒塾後の就労率は約7割と、全国の自立塾の中ではトップクラス。「モデルケース」として、関係者の視察が絶えない。同塾の統括責任者、岩本真実さんは、「共同生活を行うことが、働く意欲を高めるきっかけになっている」と話す。
◇予想の4割
自立塾は05年度、全国で順次スタートし、現在30か所。同省によると、卒塾生は、今年7月末までの累計で1720人に上る。卒塾後の就労率は平均約6割。目標の7割には届かないが、専門学校など、就職以外に新たな道に進む若者も多い。
だが、自立塾の利用者は伸び悩んでいるのが実情だ。
同省は、05年度、全国で1200人の利用を見込んだが、実際の入塾者は約500人にとどまった。06年度は約1700人に対し、実績は約700人、07年度は約1600人に対して実績は約600人。過去3年間、国が予想した入塾者数に対する実績は、4割程度にとどまる。利用者の伸び悩みが原因で、これまでに二つの団体が事業から撤退した。
ただ、ニートの親ら当事者の自立塾への関心は、決して低くはない。事業の委託を受けた各団体からは、「自立塾の説明会は毎回盛況」「電話での問い合わせは多い」といった声が目立つ。「自立塾への潜在的なニーズは根強い」というのが、関係者の一般的な見方だ。
◇利用料金20~30万
では、なぜ、利用実績が伸びないのか。関係者が異口同音に、「深刻な状況にあるニートの場合には、自立塾の支援にも限界がある」と語る。関西で自立塾を運営する団体幹部は、「長年引きこもっている若者は外出もままならない。電話で話をすることもできない。親は自立塾に行かせたくて助けを求めてくるが、入塾は困難」と話す。別の団体幹部は、「そもそも、ニートの若者を3か月で自立させるのは難しい」という。
また、利用料金の負担も利用実績が伸びない理由のようだ。団体によって異なるが、自立塾の費用は、3か月で20万円から30万円程度。同省は今年5月以降、生活保護を受給する世帯の若者が入塾する際、費用の大半を負担することとした。だが、生活保護を受けていない低所得者の家庭は、こうした恩恵にあずかれないままだ。関東の団体幹部は、「親も子も入塾に意欲があっても、金額を知って連絡が途絶えるケースがよくある」と打ち明ける。
別の団体幹部はあきらめ顔で話す。「自立塾は事実上、比較的問題が少なく、経済的に恵まれている家庭のニートが対象。深刻で低所得という最も支援が必要な家庭にいるニートには届いていない」
<ニート>
進学も就職もせず、職業訓練も受けていない15~34歳までの若者のこと。厚労省の「労働経済白書」(07年版)によると、06年は62万人。02年以降60万人台で推移している。
(読売新聞)2008年11月18日
●暴力行為5万3千件、半数は児童生徒問題 文科省調査
文部科学省は20日、全国の小中高生を対象とする「2007年度問題行動調査」の結果を発表した。
それによると、暴力行為は前年度比8000件増の5万3000件に上り、過去最多を更新。一方、前回調査で12万件を超えたいじめは10万1000件に減った。ただ、インターネット掲示板などを使った「ネットいじめ」は、前年度比2割増の5900件に達した。
文科省によると、暴力行為が過去最多になったのは、07年度調査から、〈1〉警察へ被害届を出さない〈2〉医師の診断書がない――などのケースについて、報告に加えるよう改めて都道府県教委に促したため。
その結果、前年度の4万4621件から5万2756件に急増。このうち、児童生徒間の暴力が2万8396件と全体の半数を占めた。これに、物を壊す行為(1万5718件)、教職員への暴力(6959件)が続いた。
世代別では、中学校が3万6803件、高校1万739件、小学校5214件。中でも、小学校は前年度から37%も増えており、「キレる」傾向が一段と裏付けられた。
いじめは前年の06年度調査で、認定範囲を「いじめを受けたと子供が感じたケース」に広げた結果、約6倍増の12万4898件に膨らんだ。ところが、今回の調査では約2万4000件減10万1127件にとどまった。これについて、文科省は「減少したものの依然、高水準」として警戒を緩めない。
自殺した児童生徒も13人減の158人。このうち中学生1人、高校生4人の計5人は、いじめとの関連が指摘されている。都道府県別では、岐阜と熊本で、児童生徒1000人当たりの認知件数が30件を超えた。和歌山(1・2件)や鳥取(1・5件)とは約30倍の開きがあった。
07年度では初めて、各学校で個人面談や家庭訪問がどの程度行われているかを調べたところ、多く実施している学校ほどいじめ認知件数が高いことが判明。同省は個人面談などが少ない学校では、いじめを把握しきれていないとみている。
また、いじめの中の「ネットいじめ」は前年度比1016件増の5899件を数えた。「学校裏サイト」などのホームページや、ネット上の自己紹介サイト「プロフ」を使って、個人を中傷するケースが多いという。
(読売新聞)2008年11月20日23時48分
●児童生徒の暴力最多、「ネットいじめ」21%増 文科省
全国の学校が07年度に確認した児童生徒の暴力行為は5万2756件と前年度比で18%増え、小中高校のすべてで過去最多だったことが、文部科学省が20日付で発表した「問題行動調査」でわかった。感情をうまく抑制できずに急に暴力を振るうなど、学校現場が対応に苦しむケースが広がっているという。
調査は文科省が都道府県教委を通じてまとめた。それによると、小学生の暴力行為は約5200件(前年度比37%増)、中学生が約3万6800件(20%増)、高校が約1万700件(5%増)。最も多いのは児童生徒間の暴力だった。
暴力行為の調査では、前回06年度から、けがや診断書、警察への届けの有無に関係なく報告するよう求め、さらに今回は各校が書き込む調査票にも明記し、積極的な報告を促した。こうした方針が実数増の背景にあるが、文科省は子どもの変質ぶりも暴力増加の要因に挙げており「自分の感情がコントロールできない」「ルールを守る意識やコミュニケーション能力が低下している」などとみている。
ただし、調査はあくまで各校の自己申告で、1千人あたりの発生件数では福島県の0.4件から香川県の10.1件と差が大きく、実情を正確に表しているかは不明だ。
一方、07年度の「いじめ」は計約10万1千件で、過去最多の06年度からは約2割減に。校種別では小学校約4万9900件(20%減)、中学校約4万3500件(15%減)、高校約8400件(32%減)。前回調査では、いじめの定義から「一方的」「継続的」などの表現を削り、公立だけだった調査対象に国立と私立も加えたため、前年度比で6倍超になった。文科省の担当者は「なお深刻に考えている」と話す。
携帯電話のサイトや学校裏サイトなどネット関連のいじめは約5900件。初調査の前年度より21%増えた。
(asahi.com)2008年11月21日
●ヘルパーの年収258万円 07年度厚労省経営実態調査
厚生労働省は20日、障害者自立支援法の施行後に初めて実施した07年度の障害福祉施設の経営実態調査の結果を公表した。収入に対する利益の割合(利益率)は全体では6.1%の黒字だったが、児童デイサービスでマイナス32.1%など厳しい経営状況が明らかになった。
調査は全国5047事業所から有効回答を得た。来年4月の報酬改定の基礎資料となる。ほかに赤字だったのは、居宅介護のマイナス7.9%、自立訓練(機能訓練)のマイナス5.9%など。
従事者の年収は、介護保険下の労働者よりさらに低い結果となった。ホームヘルパー(常勤)の年収は258万3千円で、介護のホームヘルパーより11万7千円低い。障害者支援施設の生活支援員は338万8千円で、介護の特別養護老人ホームの介護職と比べると41万1千円低かった。
職員の常勤率は全体で81.5%。ただ職種やサービスごとで差が大きく、ホームヘルパーでは19.3%で、介護保険の40.8%を大きく下回った。
各施設は12年3月末までに、報酬単価などを改めた自立支援法にもとづくサービス体系への移行が義務づけられているが、今年4月現在、移行施設は全体の28.2%だった。
(asahi.com)2008年11月21日
●<子どものしかり方>思春期編 焦点絞り、具体的に(1) 反応に変化
「待ちなさい」「もう、いいっ」--。背を向けた長男(14)を追いかけながら東京都三鷹市の会社員、亮子さん(44)=仮名=はため息をつく。「最近、物知りになり親に言い返す。きつくしかるとプイッと行ってしまいます」
◇反応に変化
思春期の子どもの扱いは難しい。学校マガジン「おそい・はやい・ひくい・たかい」編集人で名古屋市の小学校教員、岡崎勝さんは「善悪を明快にシンプルにしかって」と勧める。10代の子どものしかり方はもともと気を使うものだが、10年ほど前から子どもの反応が変わったと、岡崎さんは指摘する。
目立つのは次のタイプだ。
(1)しかられることをどう受け止めていいかわからず笑ったりする。立ち直りが早く同じことを繰り返す
(2)暴力をふるわれてきたため、男女関係なく粗暴。言葉でしかっても通じにくい
(3)理屈をこねて言い返し、通用しないとキレる
岡崎さんは「幼少時に善悪を明確に教えられない親が増えた」とみている。「学校の物を壊さない」などの基本的な事柄を理解していない子が増えた。(3)のタイプは、親が理詰めで納得させようと試みて、何をしかられているのかの焦点がぼけてしまった状態のことをいう。
(毎日新聞)11月23日11時2分配信
●<子どものしかり方>思春期編 焦点絞り、具体的に(2) 事後のケア大事
「親は自分の正義感や怒りをぶつけていい。社会の規範が崩れ、大人も迷うのでしょうが判断に悩むことはしからなくていい。私は生徒に茶髪は『いけない』ではなく、『先生は良くないと思う』と伝えています」
悩みなどはしかった後で聞く。小学校高学年ともなれば大人と同様に自尊心が傷つく。事後のケアが大切だ。良くないのは母親が父親の顔色をうかがってしかるケース。子どもに何が問題なのかが分かりにくいからだ。
長崎県大村市の精神科医、宮田雄吾・大村共立病院副院長は「効果的にしかる技術が必要だ」と提案する=表参照(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000007-maiall-soci.view-000)。
(毎日新聞)11月23日11時3分配信
●<子どものしかり方>思春期編 焦点絞り、具体的に(3) 話し合いも
ぜひ把握しておきたいのはしからない方が良いケースだ。
人を陥れるうそは厳しくしかるべきだが、周囲に調子を合わせようとしたり、本人が体面を保つためにうそをついた場合がそれ。「そう?」と受け流し、子どもの気持ちを肯定してから他の言い方を教えるといい。知識や能力が足りず失敗した場合や不登校などで悩んでいる時も同様だ。「分かっていてできないことをしかられたら大人でもつらい。問題解決を話し合うなど対応を変えましょう」と宮田さんは指南する。
◇「コミュニケーション重要」
教育情報誌「プレジデントファミリー」は今夏、学習塾の市進学院と共同で小6親子295組を対象に、成績上位層と普通層のしかり方を調べた。「スパッと短くしかる」は上位層で親53%、子31%、普通層で親44%、子20%だった。「親の体験を話す」「たとえ話をする」などしかり方に工夫している割合はいずれも上位層が普通層より少なかった。鈴木勝彦編集長は「コミュニケーションをとり、子どもをよく観察することが大切」と話している。
(毎日新聞)11月23日11時3分配信