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        ひきこもり状態にあるわが子との関わり(6)発達面の障害や傾向がある場合
        2008/12/28
        LD、AD/HD、広汎性発達障害などの知的には問題がないが学校など対人関係性に困難がある子どもたちを「軽度発達障害」と称した(文科省が命名)した時期もありましたが、現在では「発達障害」で統一されてきているようです。障害者自立支援法の施行3年にあたる来年4月に向けて、この「発達障害」(及び高次脳機能障害)を障害者自立支援法が定める「障害」に組み入れるという方向性が明らかになりました。
         LD、AD/HDは発見しやすいので、現在取り組まれている「特別支援教育」においても、様々な実践が積まれていて、対応法や具体的な支援のプログラムの開発もすすんでいます。一方で、これらの特性があるがゆえに、からかいやイジメの対象となったり、自己不全感を募らせて自身を責める気持ちを強く持つようになるなど、不適切な環境の中でマイナス面が浮き上がり、不適応を生じることが少なくありません。
         気づきにくくわかりにくい、どう対応したらいいのか…とそれぞれの関係性の中で課題となっているのが広汎性発達障害です。さらにその中でも、「アスペルガー障害(症候群)」や「特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)」で、IQが高いほどさらに気づきにくいものです。
         LD、AD/HDとは違って、広汎性発達障害のある人には、想像力の問題やこだわり行動などがあり、周囲の人が「意味不明」「理解不能」な現象に直面することになります。そしてLD、AD/HDと同様に、不適応状態を生じ、不登校、ひきこもり、二次障害の発症となるケースもあります。
         これら各々の障害の特性や関わり方についての学びがあれば、本人さんへを理解することからサポートのあり方を模索していけますが、理解がないまま「何とかしなければ…」という使命感などからの関わりが続けられると、逆効果になることも少なくありません。
         状態は同じひきこもりでも、いわゆる「社会的ひきこもり」と発達障害がベースにあっての「ひきこもり」とでは、その対応が自ずと異なってきます。
         発達面での障害の特性があるかないか、ある場合にはどんな特性があるのか、得意なこと・不得意なことは何か、何が今問題になって困っているのかなど、肯定的かつ成長促進的な視点から気づくこと、理解すること、障害特性への理解と関わりの経験のある人のサポートを受けつつ本人さんへの関わりや環境を工夫・改善していくことが重要です。
         「ひきこもり」で一括りにしてしまうと、発達障害がベースにあってひきこもり状態にある人にとって、望ましい支援が見えなくなってしまいます。発達障害への理解の普及が求められます。
         今年最後の更新になると思います。
         どうか、今年一年の良き振り返りをされて、新しい年をお迎え下さい。
         では、この1週間の気になる記事です。

        精神障害者:社会不参加、50万人

         精神科に通院する以外に社会参加をしていない65歳未満の精神障害者が推定で50万人程度いることが、社団法人・日本精神神経科診療所協会の研究班による調査で分かった。
         研究班長の平川博之・日本精神神経科診療所協会副会長は「通院先に精神保健福祉士などの専門職を配置し、精神障害者に対する相談機能を強化することで、社会参加へ向けた支援を進めるべきだ」と話している。
         同研究班は、全国の精神科診療所400カ所を抽出して調査票を送った。うち109カ所が、昨年12月中旬の任意の一日に受診した障害者計3768人について回答。
         その結果、594人(15.8%)が半年以上にわたって「就学・就労」「共同作業所などへの通所」「主な家事の担当」――のいずれもしておらず、通院以外に社会参加していなかった。期間が半年未満または不明だった人も加えると779人(20.7%)に上った。この割合を全国の精神科通院患者270万人(厚生労働省の05年調査)と比較すると、推計で42.7万~55.9万人が社会参加していないことになるという。
        (毎日新聞)2008年12月24日

        ●生活保護を申請したら「あんたらみたいな人にお金は貸せません」と門前払いされた…仕事失い、路上生活1カ月の男性-神戸
         年の瀬を迎え、路上生活者や仕事のない人々のために炊き出しを提供する「神戸冬の家」が二十七日、神戸市中央区の東遊園地で始まった。大鍋で温かい食べ物の準備をするボランティアに混じり、不況のため初めて路上生活に陥った男性(42)が手伝いにいそしむ姿もあった。
         ◇年の瀬の神戸で炊き出し 姫路出身の男性手伝い
         男性は姫路市出身。建設業の技術者で、二年前に大阪府内の建設会社に就職した。社員寮で妻とともに生活していたが、この秋以降、仕事は激減し、十一月に会社が倒産。倒産を告げられたのは一週間前で、数日後には同僚十五人とともに寮を追い出された。そして、妻の故郷、神戸へ。
         「腕一本でなんとかなると思っていた」と男性。しかし、仕事は見つからなかった。妻は姉宅に居候したが、男性は路上生活に入った。住所や連絡先がなければ、就職はますます厳しい。区役所で生活保護を申請しても「あんたらみたいな人にお金は貸せません」と門前払いされた。
         路上生活はもう一カ月。通り過ぎる人に笑われることもある。
        「僕もそうだった。ホームレスをばかにしていた。でも、一寸先は闇だった」
         そんな中、炊き出しを知って訪れた。「自分でできることはしたい」と手伝った。支援団体にも相談した男性は「ここで踏ん張って、また親方になりたい」と、神戸での再出発を誓う。
         「神戸冬の家」は一月五日まで毎日午後零時半ごろ、炊き出しを提供する。午前十時-午後四時には生活相談などがある。また、一月六-十二日には尼崎市東七松町一の橘公園でも「尼崎越年・越冬活動」が開かれる。
        (神戸新聞)2008/12/28

        ●教員52%が超勤2時間超 休日出勤も7割弱
         県内公立学校の教員の52・1%(4253人)が全国平均1時間43分を上回る2時間以上の勤務時間外業務に従事している実態が26日、県教育委員会の調査で明らかになった。5時間以上も5・9%(482人)に上る。平日には78・8%(6361人)が自宅に業務を持ち帰り、休日にも68・6%(5581人)が学校に出勤し、76・7%(6151人)が自宅で業務に当たるなど、勤務時間外労働が常態化している現状が浮き彫りになった。
         県教委は年明けにもワーキングチームを発足、週1回の定時退校設定など具体的な改善策を検討する。
         調査は初めて実施され、全公立小中高、特別支援学校の本務職員1万2760人を対象に、7月7―13日の業務量などを尋ね、84・9%に当たる1万839人が回答した。結果は外部有識者による分析検討委員会(会長・島袋恒男琉大教授)が回答者の76%を占める教諭8234人を中心に分析や改善策を審議し、26日、仲村守和教育長に提言した。
         業務量を多いと感じている教員は77・6%(6292人)、勤務時間外業務をする理由について「勤務時間内に時間が取れなかった」(48・4%、5903人)「勤務内に処理できる業務量ではない」(38・5%、4695人)ことを挙げた。
         業務内容は「校務分掌」「学習指導」「生徒指導」が計8割近くを占め、時間外業務で最も多かったのは「学習指導に関する業務」(57・0%、4248人)で、教員本来の仕事である教材研究や授業の準備が勤務時間内にできない状況が分かる。年間20日ある年休は、過半数が10日以下の取得だった。
         島袋会長は「本来の教育活動より、校務分掌や部活動などに時間を取られている懸念がある」と指摘した。検討委は定時退校日とノー部活動日の設定、県教委などによる調査依頼や通知文書などの整理縮減、管理職の組織マネジメント能力向上などを提言した。
        (琉球新報)12月27日11時31分配信

        ●生活困窮、新入生に100万円減免=授業料全額免除も-岡山理大など8校
         雇用不安が原因で受験を断念する高校生らが出始めている事態を受け、学校法人加計学園(岡山市)は26日、学園が設置している岡山理科大(同市)など3大学で、来年度の新入生150人を対象に入学金や授業料から100万円減額する措置を取ると発表した。高梁学園(岡山県高梁市)も5校で計100人の入学年度授業料を全額免除することを決めた。
         在学生に対する支援はあるが、新入生への支援は異例。
         加計学園が新設した「緊急奨学支援制度」では、受験生が保護者の離職証明などを添付し、願書提出時に申請。合格者の中から成績順に支援対象となる新入生を決定し、入学金や前期授業料などから100万円分を減免する。
        (時事通信)12月26日21時52分配信