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        「相手の気持ちがわからない」は本当か?
        2010/01/10
        自閉症スペクトラム障害のある人はよく、「場の空気が読めない」、「相手の気持ちがわからない」、「自分の言いたいことを一方的に話す」、「会話にならない」…、などと言われます。そう開設する書籍なども多数でしょう。でも、本当にそうでしょうか?
         この疑問は、高機能脳の広汎性発達障害のある人たちと日々関わっている中で沸いてくるものです。
         とにかく、人の言動や動きをよく観察されています。一度覚えたことは(ほとんどと言って良いくらい)わすれ(られ)ません。(他者に嫌われたくない、変に思われたくないなどの思いから)気配り・気遣いは時に強迫的なほどです。
         では、なぜ「K・Y」などといわれるのか?
         もっとも大きな原因は、かつての人生の中で、特性であるところの「思ったことをすぐ言語化する」によって、数々の失敗体験、それに起因してのからかいやイジメなどの体験を積んだことで、特に言葉によるコミュニケーションをセーブする方略を選択するという「俺ルール」を見つけ、そうすることで被虐体験から身を守ることができてきたことにあるのではないでしょうか。
         以下紹介するの浜松医大での研究で、感情の神経機能の弱さがあることがわかってきていますが、「人の気持ちがわからないよね~」という人は、回りにたくさんおられると思います。その方々は「自閉症」でしょうか?
         感情の神経機能の弱さはありつつも、十分に回りの空気や相手の気持ちを理解しよう、相手に変に思われたくないといった気持ちの強い人たちでありながら、それらの行動化のうまいやり方を獲得し損ねているのではないか、と考えて対人関係のトレーニングを日々行っているところですが、手応えは十分にあります。「こういう時は、こう言えば(すれば)大丈夫だ」とわかれば、どんどん実行していってくれますから…。あとは、それらを実社会において応用していけるかどうか、それに向かう自尊感情が高まっているかどうか、少々の問題が生じても受け入れてくれる社会であるかどうか、が問われます。
         「会話が困難」とされるHF-PDDの方々とは、わかりやすい、答えやすい会話を心がけながら、周囲の方が沢山会話をしてあげてほしいとおもいます。そのことで、過去のトラウマの自己開示に展開するなど、有益な治療的効果や改善に向けての方向性の発見が生まれると思います。
         では、今週の気になる記事です。

        自閉症:感情の神経機能低下が関係 脳断層撮影で浜松医大

         自閉症患者の脳では、感情などをつかさどる神経が十分に機能していないことを、浜松医科大などが陽電子放射断層撮影(PET)を使って初めて明らかにした。自閉症の治療や予防に役立つ成果として注目される。5日、米専門誌「精神医学アーカイブス」に発表した。
         自閉症は発達障害の一つで、「相手の気持ちが読めない」「自分の気持ちを伝えられない」「強いこだわりを持つ」などコミュニケーションや社会性の低下が特徴。程度や症状には幅があるが、小学生以下では50~100人に1人の割合で患者がいると推定される。原因は特定されておらず治療法もないため、「育て方が悪い」などの誤解が今も根強い。
         研究チームは、18~26歳の男性自閉症患者20人と健康な男性20人の脳を、研究目的に限定した専用のPETで撮影した。分析の結果、感情などを伝える「セロトニン神経」内部で、神経伝達物質のセロトニンを取り込むたんぱく質の働きが、患者の脳全体で健康な人より、平均で3割低くなっていた。中でも他人の気持ちを推し量る部位などでの機能低下が目立った。
         自閉症の原因については、関連する遺伝子が複数指摘されており、チームはこれらの遺伝子の異常が、今回分かった神経の障害を起こしている可能性があるとみている。
         チームの森則夫・浜松医科大教授(精神神経医学)は「自閉症は育て方とは関係なく、神経に障害が存在することが明確になった。治療・予防につながる標的が見えた意味は大きい」と話す。
        (毎日jp)2010/01/05

        ●働くカタチ:明日へ/4 若者支援のカフェ店長・山本和彦さん/栃木
         ◇就労訓練の場に 引きこもり体験生かす--山本和彦さん(31)
         県庁近くにあるカフェ「フルール・ブラン」(宇都宮市本町)はハンバーグが自慢の店だ。フランス語で「白い花」を意味する店は、白を基調とした明るい雰囲気で、昼時は若者や女性客でにぎわう。店長の山本和彦さん(31)=鹿沼市千住町=は店を切り盛りしながら、不登校や引きこもり、ニートの若者の相談に応じる。「信頼できるだれかがそばにいてあげることが大事。自分の場合は母でした」
           ◆ ◆ ◆
         山本さんは中学2年の2学期から学校を休みがちになった。「学校に行きたいけど、行けないんだよ」。母よし子さん(52)は息子の言葉を今でも覚えている。3人兄妹の長男で、親から見ても「しっかりしたお兄ちゃん」だった。「まさかうちの子がなんで……と思いました」。いじめがあったわけではない。学校の成績も良かった。
         「いろんな要素が絡み合って、何が原因というわけではない」。山本さんは当時の自分を思う。感受性が強く、神経質な性格。よし子さんは「初めての子でプレッシャーをかけるような育て方をしてしまった。未熟な親でした」と振り返る。
         それから3年間、家に引きこもった。深夜にテレビやインターネットに熱中し、昼夜逆転の生活になった。「何かやらなきゃ」と焦るが、何もできない。人に会うことがプレッシャーだった。近所の人が玄関のチャイムを鳴らしても、息を潜めた。「ダメな自分を見せたくなかった」
         抜け出すきっかけは、中3の秋、よし子さんが不登校の子を持つ親の会の存在を知ったことだった。同じ悩みを持つ親と出会い、「何とかなるから大丈夫」と言葉を掛けてもらい、母の気持ちは楽になった。「生きてくれればいい」。そう思えるようになった。
         「母との関係が変わったことが一番大きい。どんな自分でも受け入れてもらえるようになった」。家から外へ一歩踏み出すまで、風呂に入る、着替える、玄関で靴を履く--いくつものハードルがある。「きょうはこれができたね」と母は励ました。中学を卒業し、17歳の時、通信制の高校に入学。卒業後はコンビニなどでアルバイトを始めた。
           ◆ ◆ ◆
         24歳のころ、不登校や引きこもりを支援していた中野謙作さん(50)=宇都宮市下栗=に誘われ、若者が気軽に立ち寄れるような「居場所」作りを始めた。03年に支援団体「ホワイトキャンバス」を設立。若者の訪問相談のほか、鹿沼市内でフリースクールを開いた。
         「自分のなりわいをしっかりしないと、いい支援もできない」と考えたのは30歳のころ。知り合いにハンバーグの作り方などを教わり、08年5月にカフェをオープンした。よし子さんは「和彦らしい生き方をしてくれればいい」と見守る。
         自身の体験から、不登校や引きこもりの経験がある若者がいきなり就職することの難しさを知っている。そこで、将来はカフェを就労訓練の場にしたい考えだ。「いい人との出会いがあって、今の自分がある。若者が居心地よくいられるような空間にしたい」。そんな思いで、きょうもカウンターに立つ。自身の自立のため、そして自分が「信頼できるだれか」になるために。
         ◇フルール・ブラン
         宇都宮市本町13の5 2階(電話028・616・6390)。午前11時~午後10時、日 曜・祝日定休。
        (毎日新聞)1月7日13時1分配信

        ●こども相談センター 大阪市が運営開始
         旧大阪市中央児童相談所と市教育センターの教育相談部門を統合した「市こども相談センター」(中央区森ノ宮中央)が4日朝、運営をスタートした。児童相談所への相談の件数増加や複雑化に対応するため、児童福祉司らを増員して体制を強化。虐待や非行、不登校など子供に関する総合相談窓口を設置した。
         市こども相談センターはアピオ大阪(市立労働会館)跡に開設した。手狭となっていた旧児童相談所などのほぼ2倍となる延べ床面積約5千平方メートルを確保し、新たに小児科と児童精神科の診療所も設置した。
         この日午前9時、谷井雅美所長が「今年はわれわれの真価を問われる1年になる。子供のセーフティーネットの中核として役割を果たさなければならない」と職員に訓示した。
         同センターの総合相談窓口(TEL06・4301・3100)は平日の午前9時から午後5時半まで受け付ける。昨年9月に設置した24時間対応の市児童虐待ホットライン(フリーダイヤル0120・01・7285)も引き続き運用する。
        (産経新聞)1月4日15時27分配信

        ●<全盲教諭>視察相次ぐ 障害持つ教師、教委関係者
         長瀞町立長瀞中で教壇に立ち、2年目を迎えた全盲の新井淑則(よしのり)教諭(48)の授業の視察に、各地の障害を持つ教師や教育委員会が訪れている。新井教諭は「私が受けているような周囲からの配慮と工夫さえあれば、障害があっても十分働ける。自分が例外になってはいけない」と、後に続く人の活躍を願う。
         新井教諭は、網膜はく離で視力を失い普通学校を離れたが、昨春、16年ぶりに復帰した。別の教師とペアで進める国語の授業の様子が報道されると、授業の進め方や学校のバックアップに関する問い合わせ電話がかかるようになった。
         昨年末、宮城県立視覚支援学校の菊地理一郎教諭(31)が見学に訪れた。菊地教諭は、ペアの教諭との連携や生徒の声のすくい上げ方に興味深そうだった。3歳で両目の視力を失い、高校まで盲学校で学び、01年から視覚支援学校で教えている。普通学校で教えるのが目標という。菊地教諭は「目が見えないで授業をするのは難しいが、子供たちががっかりしないように工夫したい」と話す。
         08年11月には、非常勤講師だった全盲の男性(24)を中学で本採用することになった和歌山県教委の関係者が訪れた。
         長瀞中の高田忠一校長は「教育が目指すのは共生の社会づくり。障害を持つ教師が当たり前に教えられる社会になるよう輪が広がれば」と話している。
         ◇毛呂山町の教諭が県に支援継続要望
         5日、視覚障害がある毛呂山町立中の岩井隆教諭(57)と支援団体が県教育局を訪れ、来年度以降も町教委が岩井教諭を支援してくれるよう、県教育局から指導することを求めた。岩井教諭も08年12月に新井教諭の授業を視察した。
         今は町費で「教科支援員」を配置してもらい、カバーしてもらっている。岩井教諭は「あと3年で退職だが最後まで仕事を続けたい」と話し、小中学校人事課の担当者は「サポートが付くよう、こちらからも町教委に頼みたい」と答えた。
        (毎日新聞)1月6日13時13分配信