お知らせ

news

  • ▼新着情報

    • ▼ブログ

      • ▼研究ノート

        ひきこもりの新ガイドラインまもなく公表?
        2010/02/28
        厚労省は、2010年3月中に、新しい「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン(案)」を公表する予定です。2月19日、東京都千代田区の「日経カンファレンスルーム」で厚労省研究班の主任研究者、国立国際医療センター国府台病院第二病棟部長の齊藤万比古氏らが、新ガイドライン案の概要を解説し、3年間にわたる研究成果などを報告するシンポジウムが、開かれた、私も参加してきました。
         詳しくは下記のURLで↓。
        http://news.goo.ne.jp/article/diamond/life/2010022506-diamond.html
         ポイントはいくつかあります。その大きな1つが、齊藤万比古氏が「引きこもりとは、メンタルヘルスの問題であるといっていい」と指摘したこと。「個々の精神障害の特性を把握することを評価の中心に捉えるべきである」と提言しています。
         つまり、引きこもりは「DSM-IVやICD-10の中に記された障害のいずれかに含まれることを把握すべきである」としていて、03年の「ひきこもり対応ガイドライン」に比べると、対応の仕方の枠組みの転換を提案したものになっています。最も多かった要因は「発達障害」の27%、以下、「不安障害」が5分の1強の22%、偏りを持った「パーソナリティー障害」が18%、うつなどの「気分障害」が14%、統合失調症を中心とする「精神病勢障害」が8%、「適応障害」が6%と続き、識別できない「その他」は5%に過ぎないという調査結果がもとになっています。
         ひきこもりをめぐっては、齊籐環氏を始めとする「社会的ひきこもり」を中心に、治療を必要としながらも、長期の見守りや安心してひきこめる環境をつくるといった非メンタルケア的なサポートが中心に議論されてきたと思いますので、今回出されるガイドラインは大転換となると言えます。
         2点目は、発達障害を原因とするものを27%と示したことです。ただ、これには私なりの異論があって、気分障害や不安障害などの他の精神疾患が発達障害の二次的な症状である場合が多く、それらの治療がすすめば発達障害が残るわけで、27%というのは「少なくとも…」という意味ととらえるべきでしょう。シンポジウムの後、名刺交換を兼ねて齊籐先生にその点をお尋ねすると、やはり「もっと多いと思います」とのお返事を頂きました。
         3点目はひきこもりからの回復=就労ではないこと、が強調されたことです。ひきこもりから自尊感情を取り戻し、自ら社会生活に参与しようという意欲を育てていくまでには、スローステップの段階を、家族への心理教育的援助や個別(訪問を含む)心理的援助(個人治療)、集団への参加(本人の居場所や親の会など)、就労への意識を育てる集団的あるいは個別的支援が必要であって、少し動き始めたからいきなりハローワークへ、ではほぼ絶対にないことです。
         家族、本人、関与する関係者、社会資源…、それぞれへのサポートや地域での連携の必用性が強調されています。
         では、今週の気になる記事です。

        厚労省:「漢方」「はり」治療データ蓄積、人材育成を提言

         漢方や鍼灸(しんきゅう)の今後のあり方について、厚生労働省の研究班(班長、黒岩祐治・国際医療福祉大教授)が提言をまとめ25日、長妻昭厚労相に提出した。治療効果のデータ収集や人材育成、原料の国内栽培の推進などを提案している。
         個別化医療を実現するために、患者の症状や診断、治療結果を収集・蓄積しデータベース化を進めることを提案。また、漢方薬については、現在は8割以上を中国からの輸入に頼っている生薬原料を、25年までに自給率を50%に高めることを目標とする▽休耕地や植物工場を活用した生薬原料の栽培▽漢方の正しい知識の普及--などを提言した。鍼灸については、研修の充実で鍼灸師の専門性を高めることを盛り込んだ。
         漢方や鍼灸などの伝統医療は、中国や韓国の主導で国際的なルールづくりの動きが出ている。提言では、日本も専任の担当部署をつくり、政府主導で対応することも求めた。
         渡辺賢治・慶応大漢方医学センター長は「中国や韓国は国際会議に国の担当者が来ているのに対して、日本は学会レベルで対応しており限界がある」と話している。
         漢方をめぐっては昨年の政府の事業仕分けで、漢方薬がうがい薬などと共に保険診療から外す案が出るなど、専門医の間には危機意識が強い。
        (毎日新聞)2010年2月25日 21時14分

        ●フリースクール:開設20年 進学・就職100人超--三島 /静岡
         ◇不登校生徒受け入れ 「刺激受け、踏み出せた」
         三島市本町でNPO法人・リベラヒューマンサポート(三好悠久彦理事長)が運営し、不登校の生徒を受け入れているフリースクール「リベラスコーレ」が開設20年を迎えた。今年、4人が志望大学への合格を決め、ここから進学・就職した生徒は100人を突破する。
         同校には、県立静岡中央高校通信制課程に在籍する生徒が通う。富士市の鈴木美里さん(18)は中学2年から通い始め、今月、青山学院女子短大英文学科に合格。「中学のとき部活の悩みなどで学校に行けなくなった。ここで友だちや先生とかかわることで刺激を受け、自分から踏み出した」と振り返る。英語に関心を抱き、「ハウルの動く城」の原書の翻訳を進めている。
         同NPOはスタッフ22人のうち9人が同校の卒業生。三好理事長は「引きこもりや不登校の子どもを支え、社会的起業として卒業生の雇用の場を増やしたい」と話す。
         同NPOは20日午後2時から、静岡中央高校通信制課程に進学を予定する中学3年生、高校中退者や保護者を対象にリベラスコーレの説明会をNPO事務所(055・972・4344)で開く。参加無料。
        (毎日新聞)2月19日12時2分配信

        ●いじめや不登校などに対応する専任教諭、小学校に配置へ/横浜市
         横浜市教育委員会は2010年度、市立小学校70校に「児童支援専任教諭」を配置する。いじめや不登校、暴力、発達障害など、学級担任だけで抱え込みがちだった課題に対応し、校内で中心的役割を担う。小学校への配置は全国的にも珍しく、14年度までの5年間で全346校への配置を目指す。
         専任教諭は、各校にいる熟練教諭を校長が任命。担任は持たず、授業数を週12時間以内と大幅に減らし、その分の時間をいじめや暴力の防止、担任支援、地域連携の促進などの活動に充てる。専任教諭が外れる分の授業は、非常勤講師を各校に派遣し対応する。10年度予算案には、非常勤講師の人件費として約1億1800万円を計上した。
         市教委は07年度から09年度までの3年間、全18区に約1校ずつモデル校を設置。専任教諭が登校をしぶる子どもの迎えを行ったところ、不登校の児童が減るなど、成果があったという。全国的にも珍しい取り組みとして、昨年12月には文部科学省からの視察も受けている。
         専任教諭を配置する背景の一つには、特に小学校で増加の一途をたどる暴力行為の発生に、歯止めをかける狙いがある。
         県内の暴力行為の発生件数は、4年連続で全国最多。横浜市立小学校では08年度、児童による暴力行為が559件(前年度比40・5%増)に上った。市教委によると「突然暴力に訴えるなど、コミュニケーション能力の不足といった社会的スキルの欠如」が特徴の一つという。学級を受け持つ担任教諭だけでは対応しきれない、きめ細かい児童指導を専任教諭が行い、問題の解決につなげていく考えという。
         市教委では、10年度の専任教諭の配置校を23日まで募集。各区の数校程度で実施する予定だ。
        (カナロコ)2月15日8時0分配信

        ●障害持つ子、携帯で学習支援…東大など
         障害を持つ児童・生徒の学習を支援する携帯電話の活用マニュアルを、東京大学とソフトバンクモバイル(東京都港区)が作成した。
         携帯電話のカメラや辞書、音声録音、読み上げ、タイマーなどの機能を活用した99の事例を紹介。インターネット(http://www.at2ed.jp/sbm/)で入手できる。
         マニュアルは17ページ。自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、肢体不自由、聴覚障害、視覚障害など9種類の障害別に、携帯電話の17機能の活用方法を一覧表にまとめ、具体的な事例も盛り込んでいる。
         読み書きに障害のある子どもは、授業を音声録音して記録したり、テキスト化した授業内容を読み上げ機能を使って音で聞いたりすることができる。視覚障害を持つ子どもには文字や画像の拡大機能が役立つ。コミュニケーション面では、会話が苦手でもメールやカメラで撮った写真を通して意思疎通ができる。
         また、筋ジストロフィーなどで手の力が弱くても、電子辞書はページをめくる動作なしに指先で操作できる。タッチパネル型の電話なら手をほとんど動かさずに文字が書ける。手で持たなくても会話できるスピーカーフォンも便利だ。
         マニュアル作成のために昨年、全国の養護学校など11校に米アップル社の「iPhone(アイフォーン)」など携帯電話34台を配布。東大先端科学技術センターの中邑賢龍(なかむらけんりゅう)教授(人間支援工学)ら研究室のスタッフが学校に出向き、さまざまな機能を検証してもらった。
         ADHDを抱える児童の場合、タイマー機能を使って時間の経過を画面で示すと気が散りにくくなる効果があった。自閉症で会話しない児童が、メールを送ったスタッフの目の前で「きょうは楽しかった。ありがとう」と返信して親を驚かせた例もあった。
         中邑教授は「子どもの携帯電話の所持には抵抗感を持つ人が多いが、障害を持つ子どもにとっては社会参加を促進し、劣等感や疎外感を取り除くために有効な道具。学校現場や保護者に活用を浸透させていきたい」と話す。今後、マニュアルをテキストにした講習会を要望に応じて開いていく。
         マニュアルの問い合わせはソフトバンクモバイル(0088・21・2000)へ。(吉田典之)
        (読売新聞)2010年2月24日

        ●遺伝子働き抑え精神障害発症 名城大がマウス実験で成功
         精神障害と関係するといわれる遺伝子の働きを一時抑えることで統合失調症のような症状を作り出すことに、名城大薬学部(名古屋市天白区)の鍋島俊隆教授らのグループがマウスを使った実験で成功した。
         誕生前後の発達段階でこの遺伝子がダメージを受けると発症につながる可能性が裏付けられた。成果は25日付の米神経科学誌ニューロンに掲載される。
         鍋島教授らは、精神障害が頻発している英国スコットランドの家系の人に、DISC1と呼ばれる遺伝子に変異があることに着目。誕生5日前のマウスの脳の特定部分にDISC1の働きを抑える物質を注入した。
         マウスの脳のDISC1の働きはいったん低下して生後14日までに回復したが、人間の思春期に相当する生後56日ごろになると、神経の機能が悪くなり、音に異常に驚いたり、認知能力が低下したりした。統合失調症の治療薬を与えたところ効果があり、統合失調症のような状態と確認された。
         鍋島教授は「ある一時期に短期間、遺伝子が傷つけられると神経の発達障害が起き、これが精神障害発症につながると考えられる」と説明した。
         精神障害の仕組みに詳しい貝淵弘三・名古屋大医学系研究科教授は「精神障害の症状を示すマウスを作り出したのは大きな成果。このマウスを使うことで、治療薬づくりに役立つ可能性がある」と評価した。
        (中日新聞)2010年2月25日09時22分

        ●モンスターペアレントや事故対応で相談窓口設置へ、法的面で学校サポート/神奈川県教委
         いわゆる「モンスターペアレント」や部活動中の事故などへの対応で、県教育委員会は2010年度、弁護士を含めた相談窓口を設置する。学校や教員をサポートする体制を整備し、問題解決や未然防止を目指す。亀井貴嗣氏(公明、横須賀市)の一般質問に、山本正人教育長が答えた。
         生徒指導や保護者への対応が難しくなる中、県教委はこれまで、校長らに効果的なコミュニケーションを身につける研修を実施したり、スクールカウンセラーを学校に配置して教員を支援するなどし、対応してきた。
         山本教育長はその一方、「保護者や地域の意見や要望が多様化し、学校の対応への不満や法律知識の不足などにより、大きなトラブルへつながる懸念もある」として、法的な面からも学校や教員を支援することが必要になったとの認識を示した。
         相談窓口は県教委の内部に置く。10年度のできるだけ早い時期に開設を目指す。
        (カナロコ)2月23日23時45分配信