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        人の可塑性、自己回復力のすばらしさ。
        2010/03/14
        ひきこもりや学校の成績不振、問題行動、広汎性発達障害のトラウマやフラッシュバックの呪縛などへの相談支援をする中で、親御さんやご家族に、人間の可塑性や自己回復力、それらが活かされる具体的な環境づくり・調整についての話しをさせていただくことが少なくありません。
         「もうダメだ」「こんな自分は生きている値打ちがない」「こうなってしまったのは○○のせいだ」…。過去の嫌な(時に死にたくなるほど苦しい)体験や、頑張ろうとしたけれどまた頑張ったけど上手くいかなくて納得できない結果となり現在に至っていること、昔はできたことが気がつけばできなくなってしまっていることなどなど、自分に対する自己肯定感情を低め、先の見通しが持てずに途方に暮れ、自分を責めたり、他者に怒りをぶつけたり…。家族全体の機能が崩れていき、困っている本人さんが厄介者扱いになり、ますますゴテゴテな関係性になってしまいます。
         そうした状態が日々続くと、本人さんをはじめ、親御さんなども、抑うつや強迫性障害や依存傾向の強まり、退行など、メンタル面での症状が二次的に出てきます。
         保健所の精神保健相談も人手不足などを理由として十分な対応はできていないのが実情ですし、精神科は敷居が高い、薬は飲みたくないと受診を拒んだり、通院・薬物治療が始まっても、薬物の効果が出るまでに日数のかかるものがあるために中途で止めてしまったり、クリニック・病院を転々としたりと、落ちついて症状や病気・障害の特定や治療枠組みに入れないケースも少なくありませんが、症状が重篤化してしまいます。
         早期に、近くで、気軽に、基本的に無料または安価で相談対応につながれるよう社会資源が整うことを願うばかりです。
         適切な診断やアセスメント、環境や関係性の改善に繋がれば、人間本来の可塑性や回復力が発揮され、学び直しや育ち直し、社会生活への参加、そして就労へとより快適な生活へと変容できるよう、社会福祉の役割は明確ではないでしょうか。
         では、今週の気になる記事です。

        京都市:自殺未遂者守ろう 救急外来から精神科医らにリレー-来年度/京都

         新たな自殺防止対策として京都市は来年度から、救急外来に搬送された自殺未遂者の支援に取り組むことを決めた。救急患者の中から自殺未遂者と疑われる患者を判別し、精神科医や各種相談機関に引き継ぐ仕組みの確立を目指す。自殺者には自殺未遂歴のある人が多く、対策には自殺未遂者への支援が欠かせないという。
         市こころの健康増進センターによると、自殺未遂者は救急外来に搬送されても治療が終われば帰されるケースが多い。自殺の原因を解決できないまま自殺未遂を繰り返すこともある。救急患者の中から自殺未遂者を見つけ出し、自殺の原因であるうつ病の治療や経済的なトラブルの解決などを図れば、自殺の防止につながる可能性があるという。
         市は市立病院(中京区)と連携し、自殺未遂者を判別するチェックリストの作成や、自殺の原因について相談できる機関への紹介方法などについて検討を始める。支援の仕組みが確立されれば、他の医療機関にも協力を呼びかける考え。
         同センター相談援助課の前田えり子・相談援助係長は「自殺未遂者支援は喫緊の課題。警察との連携を検討している自治体もあり、いろいろな仕組みを参考にしながら、早急に支援態勢を整えたい」と話している。
           ◇
         市は今年度中に総合的な自殺対策を推進するための「きょう いのち ほっとプラン-京都市自殺総合対策推進計画(仮称)」を策定する予定。計画案の概要版を市役所や区役所などで配布しており、16日まで市民意見を募集している。問い合わせは、同センター(075・314・0355)。
        (毎日新聞)3月9日18時53分配信

        ●自殺…相談窓口を紹介 府南丹保健所チラシ配る
         3月が「自殺対策強化月間」であることに伴い、府南丹保健所はこのほど、自殺予防やうつの早期発見の重要性を訴えるキャンペーンを、管内2カ所で行った。
         南丹市園部町上木崎町のスーパー「マツモト新そのべ店」では、同保健所と市の職員、府が委嘱する「こころの健康推進員」ら6人が、自殺や心の病に関する相談窓口を紹介するチラシを買い物客らに配った。
         亀岡市篠町の大型商業施設「アル・プラザ亀岡」でも、同保健所の職員と同推進員ら8人が、チラシやのぼりを手に「困った時は窓口を利用してください」と呼び掛けた。
         府自殺ストップセンターTEL0120(556)097(平日の午前9時~午後5時)。
        (京都新聞)3月9日11時49分配信

        ●南九州の中2自殺:知覧中が個人面談 いじめ有無の実態把握へ/鹿児島
         南九州市立知覧中2年の男子生徒(14)が4日夜、自宅倉庫で自殺した問題で、同校は8日、いじめ有無の実態を把握するため、在校生への個人面談を始めた。当面、入試を控える3年生以外が対象で、9日までに終える予定という。
         自殺後の5日、全校生徒に実施した無記名アンケートでは「金をせびられていたのを聞いたことがある」「野球部の練習で、スパイクに水が入れられたのを見たことがある」など、いじめをうかがわせる回答が数件あった。面談では、アンケート結果などを基に、担任教諭が「何か男子生徒のことで聞いたことがあるか」などを質問したという。
         市教委によると、8日は、計24人の生徒が学校を欠席したという。9日から県内の公立高で入試がある3年生の欠席者16人のうち5人が動揺などを理由としたという。1、2年生は計8人が欠席したが、市教委は「自殺との直接的な関係はないと考えている」と話した。保護者会では「動揺が激しく、登校に不安がある場合は家庭で相談して、欠席したい生徒は休ませよう」と確認していた。
         また、市教委などが学校に緊急派遣したスクールカウンセラーには、8日までに7人が相談したという。
        (毎日新聞)3月9日15時55分配信

        ●盲導犬候補の子犬世話、不登校克服の生徒も
         仙台市の私立高校で、不登校を経験した生徒ら約20人が昨年6月から、盲導犬候補の子犬の世話を手伝っている。
         子犬とともに生徒たち自身も大きく成長した9か月間。3年生7人は8日に卒業式を迎え、子犬も今春から専門の訓練センターに戻る。
         ラブラドルレトリバーの雌「エル」(生後11か月)を世話するのは、「クラーク記念国際高校」仙台キャンパス(仙台市若林区)の生徒たち。盲導犬候補の育成ボランティアを引き受けた同校の松村沙耶香教諭(27)が、「犬の世話やしつけを通じて生徒の心の成長を促したい」と、エルを連れてきた。
         子犬はボランティアが1年ほど家庭でしつけるが、日本盲導犬協会によると、学校では異例。生徒らは3班に分かれ、散歩や食事の世話を担当した。
         10年間、引きこもり状態だった3年の戸田麻美さんは、エルとともに盲導犬の募金活動に挑戦した。「数年前なら繁華街に一人で外出できなかった。エルが自分を外に引っ張っていってくれた感じ」。エルと一緒に過ごしたことで福祉への関心が高まり、卒業後は介護の専門学校に進むことに決めた。
         中学と高校の1年間を不登校で過ごし、高校2年の秋に転校してきた3年の福田亮汰さん(19)は最も熱心に世話をした。「エルの日々の成長は自分にも大きな自信になった」。今春から大学に進み、カウンセラーを目指す。
         松村教諭は「生徒たちはエルや仲間と心を通わせ、信頼関係を築くことを学んだ」と目を細める。
         日本盲導犬協会仙台訓練センター職員でエルを担当する末永陽介さん(27)は「生徒からたっぷり愛情を注がれ、人と一緒にいるのが大好きな子になった」と評価する。エルは5月頃に協会の訓練センターに戻り、本格訓練に臨む。最終的に盲導犬になれるのは候補の3~4割程度だが、生徒たちは「エルならきっとできる」と応援している。
        (読売新聞)3月8日7時30分配信

        ●大学生の「就業力」アップ、国が5年計画
         大学生の就職内定率が就職氷河期以来の落ち込みを記録する中、文部科学省は、2014年度までの5年を大学生・大学院生の「就業力」向上の重点期間と位置づけ、大学の財政支援などに乗り出す。
         10年度予算案で、既存の補助金などと別枠で30億円を確保、公募により、インターンシップ(就業体験)を卒業単位に認定するなど積極的な指導を行う国公私立大130校に資金配分する。また、私大約500校に来年度まで就職相談員を配置、大学生らの就業危機脱出を支援する。
         公募で選ばれた大学には、国立大への交付金や私学助成とは別枠で1校につき約2300万円ずつ配分する。選考基準は今後定めるが、1年生から将来の進路を考える科目が必修化されている金沢工業大(石川県)や、調査能力、国際感覚など社会人に必要な能力育成を意識した講義を行う東京女学館大(東京都)、就業体験を単位に認定している一橋大(同)などの例を念頭に置いている。
         財政支援を行うことでこうした取り組みが他大学に波及する効果も期待している。大学院生や、就職が決まらない既卒者の支援も産業界などと連携して進める。
         一方、就職相談員の配置は、企業で採用や人事を担当した経験者や民間の就職支援関連資格保有者の雇用費用を国が負担するもので、国公立大と一部私大を除く495校を対象に来年度まで支援する。
         同省などが12日に発表した2月1日現在の大学生の就職内定率は80%(前年同期比6・3ポイント減)で、調査を始めた00年以降で過去最低。新卒で就職する学生の3割が3年以内に離職しているというデータもある。各大学は独自に指導を行っているが、個々の学生の個性や職業観を踏まえた職業教育を行う大学がある一方、「面接対策など小手先の指導にとどまる大学も多い」(文科省)という。
        (読売新聞)2010年3月14日03時08分

        ●川端文科相「学習院が対応すること」 愛子さま不登校問題 
         同学年の児童から乱暴な行為を受けて強い不安感を訴えた皇太子ご夫妻の長女、敬宮愛子さまが学習院初等科を欠席していた問題について、川端達夫文科相は9日、閣議後会見で「(問題に)どう対応し、改善させるかは学習院初等科が基本的にやること」と述べた。
         会見で川端文科相は一連の問題について「いじめ問題かどうかは承知していないが、元気にまた学校に行っていただきたい」と愛子さまを心配する一方、解決策については「学習院初等科のみなさんが基本的におやりになること」と文科省としては一線をかくして対応する姿勢を示した。
         この問題をめぐっては野村東宮大夫が5日の定例会見で、愛子さまが同学年の児童たちから「乱暴」な行為を受けたことが原因で、通学に際して「腹痛や強い不安感」を訴えて学校を休まれていると説明。今月8日、6日ぶりに登校された。一方、学習院側は、愛子さまをターゲットとした乱暴行為は確認していないとしている。
        (産経新聞)3月9日11時47分配信