障害福祉サービスの自己負担上限月額が変わった!
2010/04/04
障害者自立支援法にもとづく障害福祉サービスを利用されている方には、当該の市町村などから通知が来ているかと思います。
これまで(昨年7月改定以降)、サービスを利用する方で、前年度所得(住民税額)や預金額が一定以下であれば、本人1割負担が原則の月額利用料の上限が1,500円となっていました。前年度所得や預金額が一定額を超えていれば上限月額は跳ね上がります。
政権が変わったことで、本来なら3月議会で「3年目の改正」が行われるはずだった障害者自立支援法がどうなるのか、注目をしてきたつもりでしたが、突然の大きな変更が行われ、驚きを隠せません。
何が突然変わったかというと、月額上限月額がこの4月利用分から「0円」になるというもの。そして、「一定額」を越えた場合(現時点では平成20年度の住民税によって判断されているようですが)、9,300円、さらに上の方は3万数千円に。
これらの変更が、サービス受給者証をお持ちの方には市町村などから直接通知が行われ、指定障害福祉サービス事業所に対しての通知は、市町村によって行われたり行われなかったり、が起こっています。0円になった方は一応問題ないようですが、20年度に就労されて一定の所得があり、その後障害などが認定(?)され、受給者証を取得されて月1,500円で利用されていた方が、突然月9,300円負担になってしまうというケースが生じています。
障害についての認識や範囲、「程度」の評価なども含めて充実した支援を目指すとして、新たな「支援法」づくりの検討が進められていますが、現場で、そして家庭で、混乱が生じているのも事実です。
生活のしづらさ、どんな支援があったら良いかと本人さんが思っているのかという視点、支援やサービスを提供する施設や機関、そこで働く人材の確保と育成、医療・保健・福祉・行政・学校・地域などの連携強化、財源の確保など、これまで不十分だったことが山積みです。
どんな障害や病気があっても、人として幸せに生きる権利が保障される社会でなければなりません。国や行政の役割は大きいのは確かですが、障害や病気、生きづらい状況のある方への理解を、一人ひとりが深めていただくことが、法制度や施策充実を下支えしていくということを御理解いただきたいと思います。
では、今週の気になる記事です。
ネットイジメにも対応、45年ぶり指導手引き書
文部科学省は2日、教育現場が抱える問題に対する児童生徒への指導方法をまとめた教師向けの手引書「生徒指導提要」を作成したと発表した。
インターネットや携帯電話など「現代っ子」が抱える問題への対処法や、発達障害の子供への指導法などを盛り込んだのが特徴で、国が手引書を作るのは45年ぶり。
今年夏頃をメドにすべての国公私立の小中高校などに配布する。
新提要は計247ページ。生徒指導に関する基本的考え方のほか、ネットいじめや薬物乱用などに関する項目を新設。また、教育現場で「努力不足」や「わがまま」と誤解されかねない学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)に関する項目も新たに加えた。同省は「教育現場で生徒の指導法を議論するきっかけになれば」と話している。
手引書は旧文部省が1965年に作成し、81年に改訂されたが、その後絶版となっていた。
(読売新聞)4月2日23時36分配信
●「壁」越えてつかんだ春、フリースクールの外国の子どもら全員が高校進学/横浜
サクラは、来日間もない外国の子どもたちにも祝福の花を咲かせた。言葉の壁だけでなく、制度のはざまで通うべき学校さえない「ニューカマー」のためのフリースクールが横浜に開校したのは昨秋のこと。その生徒16人全員がこの春、高校進学を果たした。支えとなったのは、県内の元教員らでつくる民間団体だった。
ぎこちない日本語でも、高揚感は伝わった。
「高校では、友達をたくさんつくりたい」
壇上に中国やベトナム、ネパール出身の生徒のはにかんだ笑顔が広がった。3月下旬、外国にルーツを持つ子どもたちの交流イベント。フロアでは元中学校教員、高田文芳さん(61)が初めて送り出す卒業生の姿に目を細めていた。
「たぶんかフリースクールよこはま」が開校したのは昨年9月。週3日、横浜市南区のみなみ市民活動センターを間借りし、15歳から17歳までの、ニューカマーの子どもたちが集まった。共同代表の高田さんが説明する。「義務教育を受けられるのは15歳まで。それを過ぎて来日した子どもは行く学校がない。日本語教室に入ったとしても教科の学習まではしてくれず、高校に進むためのプレスクールが必要だった」
母体となったのは、元教員やボランティアらでつくる民間団体「多文化共生教育ネットワークかながわ」。多言語による高校進学ガイダンスなどの支援を行ってきたが、学齢超過の子どもをどう支えるかは長年の課題だった。「現役教員のころ、中国人生徒の受け入れを断らざるを得なかった。そのことがずっと心に引っ掛かっていた」と高田さん。フリースクールは制度のすき間を埋め、行政を先取りするものでもあった。
昨夏に中国から来日、王磊さん(16)は定時制高校に合格した。「受験の仕組みさえ分からず、ここがなければ高校には行けなかった」。ベトナム出身、ドンバン・アンさん(17)は「先生の家に行ったり、海に遊びに行ったのが思い出。みんな一緒だから頑張れた」。困った人を助けたいと、通訳の仕事に就くのが夢だと笑った。
もう一人の共同代表、元高校教員の井草まさ子さんは「日本社会との接点となる居場所をつくりたいという思いもあった」と振り返る。3月中旬に開かれたささやかな卒業式、高田さんの送る言葉は「高校で悩むことがあったら、いつでも遊びに来なさい」だったという。
フリースクールでは現在2期生を募集している。4日午後2時から、みなみ市民活動センターで説明会を開く。問い合わせは井草さん電話090(9012)0033。
(カナロコ)4月3日11時30分配信