障害者支援ー新たな法制度の充実に望むこと
2010/04/25
そりゃあ、いっぱいありますよね。思いつくままに列挙してみたいと思います。
・障害や疾患の診断名や従来の「程度区分」を基礎とした支援サービスの提供(質・量)から、それらの状態があることに起因して生じる本人さんやご家族の生きづらさに着目しての必用な支援内容の多面的な検討と支援の基盤づくり。
・発達障害や高次脳機能障害なども障害福祉サービスの対象であることや、介護保険と併用してのサービス受給ができることなどの、広報・啓発の強化。
・これらの気軽に身近で相談ができる体制の整備。
・福祉サービス事業において日常的に相談支援が受けられるよう、事業所における相談支援に報酬をつける。
・サービス管理責任者など、福祉サービス事業所に配置が義務づけられている人材の賃金原資として報酬をつける。
・精神障害や発達障害などのある人への就労支援のあり方を抜本的に見直し、「できること」「得意なこと」に着目した就労先の開拓や、長期ひきこもり状態などからのスローステップでの段階的な支援(低下した自尊感情を高め、様々な達成体験を積み、職場でのコミュニケーションスキルなどを獲得し、固定的な就労生活時間に慣れ、社会参加としての就労に意欲的になる、などなど)、障害特性に応じた仕事の開拓と必用なサポート体制の提供、受け入れ側の障害特性の理解と受容的環境整備などに着目し、現代の社会構造の中で覆い隠され、また排除されている能力を発揮できるための支援の実践的展開とそれへの財政的支援。
・行政や依託先の相談対応人材の質・量とものレベルアップ。個別の地域での支援ネットワークの柔軟な構築ができるようコーディネート力の向上。地域の様々な社会資源との連携づくり。
・成人の発達障害など、診断ができる医師が少ない、支援を受けられる機関・団体などの社会資源が極めて少ない、などの現実的な問題を緊急の課題として具体的改善をはかること。
・障害福祉サービスの本人負担上限月額が4月より急にほとんどの人が0円となりましたが、自治体の独自施策としておこなれている通所交通費などへの補助を全国的に拡充すること。
とまあ、たくさん出てきます。病気・障害のある人やそのご家族がより安心・快適な生活になるよう、社会福祉は現実に対応をしていってもらわなければ困ります。みなさんも、機会あるごとに、要望をどんどん主張して行きましょう。これまでの支援施策や法制度などは、そうした本人さんやご家族、支援の現場からの「声」で創りあげてきたものです。黙っていても、事業仕分けがどんどんされる状況の中では、せっかくの制度すら縮小されかねませんので…。
☆映画「ぼくはうみがみたくなりました」の京都での上映会のお知らせです。
いろいろとお世話になっている京都市児童福祉センターの門眞一郎先生が中心となって「工房あすく新後援会発足記念:ミニ講演と映画の集い」(京都府自閉症協会主催)を6月19日の午後に開催されるそうです。門先生が「自閉症に支援しよう」という演題でミニ講演をされます。詳細は以下のURLをご覧下さい。
http://www.eonet.ne.jp/~skado/movie.jpg
(門先生のサイト http://www.eonet.ne.jp/~skado/index.htm)
それでは、今週の気になる記事です。
「リストラ」「成果主義」で能力低下 企業活力研究所が報告書
企業活力研究所は22日、企業の人材育成について、成果主義を背景とした行き過ぎた個人主義から、組織力重視の育成手法への転換を求める研究報告をまとめた。
報告書では、90年代のバブル崩壊以降、企業がリストラや成果主義の導入で生き残りを図った結果、従業員の会社への信頼感や働く意欲が低下し、日本人の能力が弱体化したと指摘。日本企業がグローバルな競争に勝ち抜くためには、若手を積極的に海外へ派遣し、重要なプロジェクトを任せることで、個人の力と企業の力の両方を強化する必要があるとしている。
具体的には毎年数百人の若手を海外へ送り出す韓国サムスン電子のように、日本国外でも仕事ができる人材を育成するため海外派遣を企業の投資ととらえ、帰国後の評価も配慮する。また、開発者の教育や訓練を重視し、新技術やサービスを生み出すことなどを求めている。
(産経ニュース)2010.4.22
●あしなが募金 遺児の進学・就職率ダウン
病気や自殺などで親を亡くした子どもたちを支援する「第80回あしなが学生募金」が24日、全国でスタートする。23日には東京都千代田区のJR有楽町駅前でオープニングセレモニーがあり、42年前、テレビ番組を通じて遺児救済運動のきっかけを作った落語家の桂小金治さんが、高校生や第1回の活動に参加したOBらとともに、奨学金のための寄付を呼びかけた。奨学生の中には、進学や就職など進路の選択が難しい人たちも増えている。
学生募金は70年に始まり今年で40周年を迎えた。あしなが育英会が今年2月、同会の奨学金を利用する高校3年生(1036人)の進路を調査したところ、大学・短大への進学率は41.2%で、前年同期の3年生に比べ9.3ポイント下がったことが分かった。就職率も23.5%で前年より4.3ポイント下がった一方、進路未定者の割合は8.4%で前年の1.9%から大幅に上昇した。
同会の工藤長彦理事は「進学率は従来、5割前後で推移していたが、生活が年々厳しくなり、進学をあきらめる家庭が増えたのではないか。就職難で仕事にも就けず、遺児たちは八方ふさがりの状況にある」と分析している。
また奨学金利用者が年々増える一方、同会への継続的な支援者「あしながさん」は減り始めている。年度末の3月から4月20日までに寄付を打ち切ったあしながさんは121人。前年同期の65人に比べ2倍近くに上った。
(毎日新聞)4月23日10時59分配信
●不登校児童ら学校復帰へ支援教室 綾部で開設、元教員が指導
綾部市教委はこのほど、市内の不登校の児童や生徒の学校復帰を支援する適応指導教室「やすらぎルーム」を同市井倉町の井倉学習館内に開設した。小学校の元教員2人を嘱託指導員として配置し、不登校問題へのきめ細かな対応を図る。
教室は、主に学校を年間100日以上休んでいる児童、生徒を対象とし、小学校の特別支援教育に携わった経験のある指導員2人が本人や保護者との面談や電話相談を通じて参加を呼びかける。教室に通えるようになれば、学校生活への復帰に向けて▽集団生活への適応▽情緒の安定▽学力の補充-などの指導を進める。
教室開設に合わせ、市教委はいじめや非行などの教育相談を幅広く受け付ける市教育相談センターも川糸町から井倉学習館内に移転した。教室と一体的に運営して支援態勢を拡充する。教室とセンターの業務時間は平日の午前9時から午後4時まで。市教委学校教育課TEL0773(42)3280か、同教室TEL0773(42)1214。
(京都新聞)4月20日11時19分配信
●喫煙で年間44万人が死亡、経済損失18兆円 米政府統計
米疾病対策センター(CDC)は22日、米国の成人の喫煙者は4600万人に上り、たばこが原因で年間44万3000人が死亡しているとの統計を発表した。
喫煙に直接関連した医療費は2004年の1年間で960億ドル(約9兆円)、健康関連の経済損失は年間1930億ドル(約18兆円)、生産性低下による損失は970億ドル(約9兆1000億円)と試算している。
州別にみると、最も喫煙率が高かったのはウェストバージニア州の26.5%、最も低かったのはユタ州の9.3%だった。
24州と首都ワシントンのあるコロンビア特別区では包括的な禁煙法を制定してたばこを規制している一方、ウェストバージニアなど7州は州全域規模の禁煙法を設けていないことが分かった。
カリフォルニア州は包括的なたばこ規制が奏功して、1988年に22.7%だった成人の喫煙率を、2006年には13.3%にまで低下させたという。喫煙者の減少により、ほかの州より速いペースで心臓疾患による死者と肺がんの発生率も減った。
全米規模で禁煙の取り組みを進めれば、喫煙による死者を減らして州の経済負担も大幅に軽減できるとCDCは提言している。
(CNN)2010.04.23