弁護士会の「要望」はどうなったのか。
2010/08/18
2002年3月29日、京都弁護士会・人権擁護委員会に申し立てた人権救済について、京都府教育委員会委員長、向日市教育委員会委員長、勝山中学校校長宛に、「要望」として、弁護士会から数名の弁護士がそれぞれを訪れて、手渡しで「要望」を執行しました。詳細は、拙所『不登校自殺』、および当サイトの中で全文をご覧頂けます。
荒れた学校、成立しない授業、年間1万人を超えて生徒が押し寄せる保健室、増え続けた不登校生徒…。「要望」では、学校の不作為を明らかにし、改善に向け具体的な内容を求めました。以下、要望の趣旨です。
要望の趣旨
1 当会は、京都府教育委員会に対し、府下の公立学校の「荒れ」や不登校生徒の増加の兆候を把握したときには、速やかに不登校加配教員等を配置するとともに、市町村教育委員会に適切な指導、助言及び物的援助を行うことを要望する。
2 当会は、向日市教育委員会に対し、上記兆候を把握したときには、速やかに京都府教育委員会に不登校加配教員等の配置を内申するとともに、勝山中学校が下記取り組みを行うに際して、指導、助言及び必要な物的援助を行うことを要望する。
3 当会は、勝山中学校に対し、上記兆候を把握したときには、速やかに向日市教育委員会に不登校加配教員等の配置を内申するとともに、学校教育を受けたいのに不登校により受けられない子どもに対しては、個別的な教育指導、ケアを行うことはもとより、保護者や地域社会との連携をはかるなどして、すみやかにそのような状態を解消する方法を講じることを要望する。
あれから8年。学校基本調査が発表になるこの時期に、向日市に不登校や問題自称の状況について情報公開を求めていますが、今年はこの「要望」に基づいて、その後、教育委員会で、学校の様々な会議などで、どう対応が行われたのかについて、すべての資料の提出を求めました。どんな資料が出てくるか、はたまた何も出てこないか、教委や学校には迷惑な話かも知れませんが、不登校が減らない背景に学校現場で何があったのか、は知っておきたいので、頑張ってください!
それでは、最近の気になる記事です。
<睡眠薬処方>再発に不安、減量できず
過去最大規模のレセプト調査で、4年間で睡眠薬の処方量が3割増え、長期服用者の約7割で薬が減量されていないなど、処方後の対応が立ち遅れている現状が明らかになった。調査を担当した国立精神・神経医療研究センターの三島和夫精神生理研究部長は「精神科診療所などは外来に追われており、時間のかかる減量が後手に回っている可能性がある」と指摘する。
三島部長らの研究班は、医療機関で向精神薬処方がどの程度減量されているかを詳細に分析するため、約30万人のレセプト調査に加え、秋田大付属病院のうつ病の患者約160人に対する約3年間の処方を調査。発症時と再発前後で抗うつ薬と睡眠薬の平均処方量の変化を比較した。
調査結果によると、うつ病が治っても、再発予防のためや、患者が不安を訴えたりすることを理由に抗うつ薬と睡眠薬を処方し続け、再発を繰り返すたびにさらに薬が増えるケースが多かった。
減量が進まない背景には、関連学会や厚生労働省研究班などで作成した診療ガイドラインの不備や多忙な精神科診療所の現状がある。診療ガイドラインは向精神薬の使用期間の目安や長期服用のリスク、減量方法までは記載していない。また多くの患者を抱える診療所などでは1人にかけられる時間は限られ「減量は手間がかかるうえ、減量した場合の診療報酬上の手当てもないため対応が遅れがち」(三島部長)という。
こうした状況に、三島部長は他科医や薬剤師との連携強化を訴える。高齢化が進み、内科などのかかりつけの医師が向精神薬を処方するケースが増えていることを踏まえ「治りにくい場合はかかりつけ医が患者に精神科医を紹介する仕組みの普及が必要」という。また「薬剤師が患者から薬に関する相談などがあれば、医師に情報提供するシステムを整備すべきだ」と指摘する。
三島部長は「診察室ですべて診るのは無理がある。孤立無援の医療では患者のデメリットも大きい。チーム医療や減薬に関するガイドラインの策定が急務だ」と話した。
(毎日新聞)8月13日2時32分配信
●万引きも「孤独から」…摘発の25%が高齢者
高齢者が犯行理由に「孤独」を挙げるケースは、万引きでも目立っている。
警察庁によると、昨年1年間に万引きで摘発された65歳以上の高齢者は全体の25%にあたる2万7019人で、過去最多となった。
また、警視庁が今年1~4月に都内で摘発した万引き犯のうち、65歳以上の144人について調べたところ、57・6%にあたる83人が一人暮らしで、92・4%にあたる133人は無職だった。
警察幹部によると、動機は従来のような「生活苦」を理由とするケースのほか、「寂しかった」「孤独だった」とする供述が目立っているという。
政府によると、65歳以上の高齢者の中での一人暮らしの割合は増加しており、2030年には男性17・8%、女性20・9%に達すると推計される。警察幹部は「お年寄りが孤立しない社会を作ることも大切」と話している。
(読売新聞)2010年8月9日07時29分
●「障がい」表記で意識向上不十分 京大院生調査印刷用画面を開く
障害者を「障がい者」と表記したときの受け止め方の変化を、京都大教育学研究科の大学院生、栗田季佳さん(25)が学生にアンケートして調べた。障害者とかかわるボランティアを経験した学生には「頑張っている人」などのイメージが強まったが、経験のない学生には変化がなく、「表記を変えるだけでは不十分」という。
障害者の「害」の表記はマイナスイメージとして、一部の自治体では「がい」と平仮名表記する動きも進んでいる。
栗田さんは、身体障害者のイメージを選択肢で選ぶアンケートを、「障害者」「障がい者」のそれぞれで表記した2種類を作成し、関西と中国地方の学生316人に回答してもらった。ボランティア経験のある学生は、平仮名表記のアンケートの方が「立派な」「尊敬できる」「頑張っている」のイメージを選ぶ割合が高くなったが、経験のない学生は両者に差はほとんどなかった。
栗田さんは「障害者とのかかわりが少ない人には、表記を変えるだけでは意味がない。障害者への誤った理解や偏見をなくす具体的な施策が重要だ」と訴える。
当事者団体の日本自立生活センター(京都市南区)のピアカウンセラー矢吹文敏さんは「障害者も健常者も同じ人間で対等な関係にあるという概念こそが大切だ。表記だけの議論は意味がない」と話している。
(京都新聞)2010年08月12日14時15分
●教諭、生徒に「死ね」 田辺中人権主任が体罰も
京都府京田辺市興戸の田辺中で今年春以降、人権教育主任の男性教諭(55)が女子生徒に対し、複数回にわたり「死ね」などと発言し、体罰を加えていたことが、17日分かった。
田辺中によると、男性教諭はソフトボール部の顧問を務めている。新学期に入ってから6月末までの間、3年生女子部員にクラブ活動中や放課後に複数回にわたり「死ね」などと発言し、握り拳で額をたたいたり足でけるなどした。女子部員は「額がはれた」と訴えているという。
7月中旬に男性教諭の体罰などへの苦情が学校に寄せられた。校長らが今月、教諭らに聞き取り調査したところ、試合でのミスや態度などについて指導を理由に暴言や体罰をしていたことが判明したという。他の部員に対する体罰の有無について学校側は「調査していない」としている。
田辺中によると、男性教諭は人権意識の向上や福祉などの指導を担当していた。
河村豊和校長は「教員として不適切な行為だった。今後はこのようなことがないよう改善していきたい」と話している。
(京都新聞)8月18日9時29分配信
●精神科診療所に通う人々を描いたドキュメンタリー「精神」上映へ、9月2日に川崎/神奈川
精神科診療所に通う人々やその日常を描いたドキュメンタリー映画「精神」が9月2日、川崎市麻生区の市アートセンターで開かれる「人権について考える市民のつどい」の中で上映される。自殺者数が12年連続で3万人を超える現代社会。主催の市は「心の病は誰にでも起こり得るが、まだ偏見があるのが実情。映画を通して、それぞれが向き合い方を考えるきっかけになれば」と、参加者を募集している。入場無料。
◇国際映画祭で数々の賞を受賞したドキュメンタリー映画「精神」
映画の舞台は、岡山市の診療所「こらーる岡山」。名前には、「病める人の声に、それを支援する人が声を合わせることによって、合唱(コラール)が生まれる」という意味が込められている。
撮影は、障害者自立支援法案が可決した2005年秋にスタート。患者の日常を淡々と映し出し、「心に負った傷はどうしたら癒やされるのか」と問い掛けた。08年に釜山やドバイの国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど、数々の映画祭で注目された。
2日は、映画上映後に、診療所職員の山本真也さん、出演者の吉沢毅さんが登場。それぞれの立場から、作品への思いや精神医療などについて講演する。
問い合わせは、市人権・男女共同参画室電話044(200)2316。
(カナロコ)8月17日16時0分配信