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        不登校・問題事象、現実と教育委員会の解離。
        2010/09/26
        8月17日に毎年恒例の情報公開を請求し本来2週間以内に公開のところを「…決定機関延長通知書」を勝手に作られ、9月24日やっと手にしすることができました。
         同市の21年度中学校における不登校・問題事象の数と、2002年3月末に京都弁護士会から「要望」として執行された不登校への対応の適切な強化についての、市教委と当該中学校におけるその後の取り組みを示す公文書の公開を求めたもので、7年ほど遡っての資料請求となります。
         長男が通っていた中学校。学校が崩壊していました。不登校の出現率は長男が3年生の年は5.14%、問題事象はあり得ないような数字でした。保健室の来室者数が1年で1万人を超えていました。
         そして10年が経過。少し下火になっていきましたが、21年度資料では問題事象も不登校も、市内ダントツ。不登校出現率は4.78%と10年前の状態に回復(!?)。数も、市内の56%にあたります。問題事象は市内136件の内の63件。学校教育というシステムは何も学ぼうとしていない、というのが実感です。生徒指導部の不登校対策は、実態の早期把握とSC(最近はSSWが登場)を活用しながら…SC同行による訪問や校内での情報共有、校外の機関などとの連携など、ほとんど同じ内容の文字が毎年ならんでいます。
         平成19年のある教育委員会の議事録の中では「一昔前は、単なるひきこもりやいじめが原因であることが多かった…」と本人の問題とされていたようですが、最近は「保護者が子どもを引っ張り回して夜遊びしているということも原因」という説明などから家庭の問題が多くなっている、と教育委員会では議論されているようです。「不登校の原因は一人一人違います」としつつも、個人の問題から家庭教育の問題へと、不登校の原因を求めようとしています。本当に何もわかっていない人たちが、会議で議論しあっていても、何も解決しないという見本です。また、平成14年のある同委員会では、弁護士会からの要望について、「保護者と連絡を取り、本人とも話し合いをしてきた」と当時の教育長が発言していますが、私はあなたを知りませんし、長男があなたと話し合ったことなども一切ありません。そして「1番問題なのは、心が閉ざされている心理的な不登校である」ともこの教育長は発言しています。物理的な不登校は、そもそも不登校としてカウントされていないので、不登校の状態にある子どもたちは、「行かない不登校」を除けば、みんな「心が閉ざされている心理的な不登校」であるわけで、1番も2番もありません。なぜ「心を閉ざす」状態になったのか、どうすれば本人さんの気持ちをきちんと把握することができるのか、そういった具体的な議論は一切なく、浅薄な評論の場でしかないことが明確になったと思います。
         ついでながら、不可思議に感じたのは、平成21年度、同市内中学校におけるイジメは0件だと言うのです。あり得ないと思いませんか? これらの報告数値は、いかにして操作的、意図的に作られるのでしょうか?
         さらについでながら、同中学において21年度にSCが行った相談活動の数値(学区内小学校での相談を含むが2件しかない)。実件数(人数)26人の(継続相談などの回数をカウントした)延べ人数は131人(中学は129人)と依然少ないまま。驚くのはその内訳(延べ人数)で、児童・生徒53名、保護者24名、教師49名、その他5名。相談の38%ほどは教師の相談です。本当に悩んで不登校になる子どもは、自らカウンセリングを受けるということは極めて希です。教師や親に説得されてしぶしぶ、というケースがわずかにあるとは思います。SCの大切な役割の一つではありますが、教師が様々な問題の対応に困り、SCにどうしていけばいいのか具体的な提案やヒントを求めている実態が浮かび上がります。でも、校内の教職員の横つながりの相談や協力・支援・役割分担、管理職からの適切な指導・援助などは機能不全状態にあるために、SCに個人的に相談に行っているとしたら、教師が抱える問題もさらに個人責任化していく懸念がぬぐえません。
         それでは、最近の気になる記事です。

        心の病自宅訪問で支援 厚労省

         うつ病など精神疾患を抱えた人の自宅を訪問し支援するため、厚生労働省は二〇一一年度に、精神科医や看護師らでつくる専門家チームを医療機関に設置するモデル事業を、全都道府県で始める。
         受診や相談をためらう間に重症化するのを防ぐのが目的で、自殺防止につなげる狙いもある。患者の家族は「社会とのつながりを回復する第一歩になる」と歓迎している。
         厚労省によると、精神疾患があっても、偏見を気にして病院に行かなかったり、途中で治療をやめたりして症状が悪化する人が少なくない。
         国内の自殺者数は十二年連続で年間三万人を超え、うち約三割は、うつ病などの精神疾患が原因。担当者は「病院で患者を待つ従来の医療では十分に対応できていなかった」と説明する。
         チームは精神科医や看護師、作業療法士、精神保健福祉士など数人で構成。家族らからの依頼を受け自宅を訪れて家族や本人と話し合い、通院治療などにつなげていく。
         チームづくりは各地の医療機関に委託。厚労省は一一年度予算の概算要求の特別枠で十六億円を計上し、当面は各都道府県に一、二チーム程度になる見通しだ。
        (東京新聞)2010年9月26日 朝刊

        ●自殺対策の催し「いきるを支える」、柳田邦男さんの講演も/鎌倉
         全国で毎年3万人を超える自殺に歯止めを掛けようと、自殺対策の催し「いきるを支える」が23日、鎌倉市大船の鎌倉芸術館で開かれた。作家の柳田邦男さんによる基調講演のほか、シンポジウムが行われ、来場者約420人が命の尊さについて思いをはせた。
         県や鎌倉市、逗子市、葉山町などで組織した実行委員会の主催。2市1町の枠組みで毎年、精神保健福祉の啓発事業に取り組んでいるが、ことしは県の地域自殺対策緊急交付金事業として自殺対策にスポットを当て開催した。
         柳田さんは「生きなおす力~その可能性を求めて~」と題して講演。絵本を資料として使いながら、悲惨な経験や悲しい体験が時に、人にとって大きな財産になるとし、周囲の人々の理解やサポートがいかに大切かを訴えた。
         また、シンポジウムでは、「生きるを見つめる」をテーマに討論を実施。柳田さんのほか、薬物依存やリストカット対策の専門医、作家、自死遺族の支援団体関係者らが登壇した。
        (カナロコ) 9月23日(木)22時0分配信

        ●児童・生徒の暴力行為 過去10年で最多292件 21年度 群馬
         平成21年度に確認された公立小中高校の児童・生徒の暴力行為が前年度比62件増の292件となり、過去10年で最多を記録したことが、県教委のまとめで分かった。中でも小学校の件数は約3倍となっており、県教育委員会義務教育課は「規範意識の低下に加え、感情のコントロールが出来ない子供が増えてきているのではないか」と話している。
         県教委の「児童生徒の問題行動など生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、校内での児童・生徒による暴力行為は小学校が44件(前年度比29件増)▽中学校が104件(13件増)▽高校が144件(20件増)。18年度(211件)以降3年連続の増加となり、過去10年で最多だった12年度(291件)を上回った。
         同課では「特定の児童・生徒が件数を重ねている面もある」とするが、小学校では10年度以降1ケタ台だった暴力行為の発生学校数が18年度以降年々増え続け、今回は13校増の22校と急増。低年齢化の定着が深刻になりつつある現状を示している。
         暴力行為の対象では、「対教師」が小中高すべてで前年度を上回り、28件増の51件。「注意された腹いせで物にあたるケースも多い」(同課)といい、「器物損壊」も25件増の84件となった。同課では「暴力行為の背景にある子供の生育環境などについて理解を深めるとともに、各家庭と連携し声かけを続けていく必要がある」と危機感を募らせている。

         一方、同調査によると、いじめの認知件数は計275件で、前年度比65件減。内訳は小学校が77件(54件減)▽中学校が130件(21件減)▽高校が68件(10件増)−となった。高校生の不登校は32人減の692人、中退者は33人減の720人で、ともに前年を下回った。
        (産経新聞) 9月20日(月)7時57分配信

        ●川崎の中3いじめ自殺問題、遺書で名指しの同級生3人を家裁送致/神奈川
         川崎市多摩区の市立中学3年の男子生徒=当時(14)=が6月に遺書を残して自殺し、生徒自身もいじめられていたとされる問題で、横浜地検川崎支部は22日、生徒が遺書で名前を挙げていた当時14歳だった同級生の少年3人を、暴行の疑いで横浜家裁川崎支部に送致した。
         3人は、2月中旬に教室で男子生徒を床に押さえつけてズボンを下ろすなどした。
         家裁は今後、審判を開始するか否かを判断。審判開始の決定をした場合、少年の調査、審判を行い、処分を決める。
         この問題をめぐっては、学校の調査委員会が今月初旬、最終報告署をまとめ、生徒が遺書で実名を挙げた4人による生徒と友人へのいじめを認定していた。4人のうち当時13歳だった少年1人については、同様の疑いで児童相談所に通告されている。
        (カナロコ) 9月22日(水)23時45分配信