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        今年もよろしくお願いします。
        2011/01/09
        明けましておめでとうございます。
         Twitterでは、実況中継的につぶやいていましたが、年末、NPO法人運営の福祉サービス事業所の最終日、通所されている皆さんが帰られてから、身体に変調を来しました。
         発熱感、胃痛、関節・筋肉の痛み…、立っているのもしんどい状態に突然なりました。前日あたりに、右耳内で「ポコ、ポコ」という音を感じていたのがサインだったのでしょう。
         29日、職員の大掃除+忘年会の日。朝、すべきことだけして、かかりつけの病院に向かいました。インフルエンザ検査も念のために行いました(鼻の奥に綿棒を突っ込む痛い検査)が、結果は陰性。「ノロウイルスかどうかはわかりませんが、ノロだとしても対応は同じなので、胃腸内で何かの細菌が感染したものと思われます。風邪ということで対応します」との判断。栄養点滴の後、整腸剤、下痢止め、鎮痛剤、胃薬を処方されました。下痢止め効果は速効! 逆に便秘気味になり、その薬は止めましたが、腹痛、微熱、関節の痛みなどは続きました。
         31日、倉敷まで家族と帰省。正月1日、2日は文字通り寝正月。ビールも例年の半分量が限界。で、3日に次男を堺市の学生マンションに降ろしてから来洛。4日から業務再開しています。
         昨日あたりから、やっと回復を感じていますが、まだ本調子ではありません。
         今回の身体機能の失調の原因・きっかけは、Twitter上でつぶやいておきました。
         年賀状を頂きながら、お出しできていない皆さん、申し訳ありません。
         それでは、今週の気になる記事です。
        自殺者数、13年連続で3万人超

         昨年の自殺者数は3万1560人で、前年からは1285人減少したものの、13年連続で3万人を超えたことが警察庁のまとめ(速報値)で明らかになった。
         自殺者数は1998年に、前年を8472人上回る大幅な増加で3万2863人と初めて3万人を突破した。昨年の自殺者数は、98年以降では2001年の3万1042人に次いで少なかった。
         男女別に見ると、男性は2万2178人で前年から1294人減少した一方、女性は9382人で9人増加した。
         また、都道府県別では、東京が2938人(前年比51人減)で最多。以下は、大阪2031人(8人減)、神奈川1810人(25人減)と続いた。また、最も少なかったのは徳島の168人(14人減)で、鳥取178人(12人増)、福井201人(10人減)も少なかった。
        「医療介護CBニュース」1月7日(金)21時3分配信

        ●いじめ・不登校未然防止研修会:子どもの生活守ろう--寝屋川市教委/大阪
         寝屋川市教育委員会の「いじめ・不登校未然防止研修会」が6日、同市内で開かれた。教員ら約200人が出席し、携帯電話の有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」設定の取り組みなど、子どもの生活を守る手法について学んだ。
         研修会では、同市立一中の教員が、小学校との連携や、基礎学力の向上や部活動・生徒会活動を通した自己肯定感の育成に力を入れた結果、不登校生徒をゼロにした取り組みを紹介。また、携帯電話やネットによるいじめへの対策に取り組んでいる教員は、市内の小学生の76%(全国平均62%)、中学生の67%(同55%)がフィルタリングを設定したとの成果を報告した。
         また、メディアの子どもへの影響に詳しい藤川大祐・千葉大学教育学部教授が「子どものケータイと情報モラル教育」と題して講演。ネットの便利さだけでなく、匿名社会の危険性を知ることの必要性や、不登校にならないため、日常生活の中で幅広く人間関係を持つことの大切さなどについて話した。
        「毎日新聞」1月7日(金)13時56分配信

        ●堺市が相談窓口開設 ニート対策など支援施設紹介
         堺市は4日、ニートやひきこもり、非行、不登校などの課題を抱える青少年やその家族の相談窓口「堺市ユースサポートセンター」(同市堺区熊野町東、平成ビル6階)を開設した。悩みの原因を聞き取り、適切な専門支援施設を紹介する「ワンストップセンター」としての役割を目指す。
         対象は、同市在住の39歳以下で非行、不登校、ひきこもり、ニートなどの課題を抱える本人や家族。教育、就労、福祉などの公的な専門機関や民間の支援機関と連携し、悩みの内容によって適切な機関を紹介する。
         運営は、大阪市住之江区を拠点に不登校やひきこもりなどの社会問題解決に取り組むNPO法人「み・らいず」に業務委託。臨床発達心理士の野田満由美さん(35)と、社会福祉士の松浦宏樹さん(26)が常駐する。
         野田さんは「不登校といっても、コミュニケーションが苦手だったり、虐待が原因で人間関係が築けないなど原因はさまざま。就労に関しても就職活動する前に、生活リズムを整える必要があるケースもある。解決する糸口を見つけるために一度相談してほしい」と呼びかけている。
         警察OBや教員OBの市の非常勤職員2人も支援にあたる。
         午前9時から午後5時半まで。面談は事前予約が必要。相談は無料。問い合わせは同センター((電)072・229・3900)へ。
        「産経新聞」1月5日(水)7時57分配信

        ●<統合失調症>救えた命では…13病院受け入れられず
         「心の病を抱え、今は苦しまずに逝ったことが幸いだったと思う」。10月下旬、東京都東久留米市で精神疾患を理由に救急搬送できずに死亡した男性(当時44歳)の自宅を訪ねた。「救えた命だったのでは」。私たちの問いかけに父親(77)と母親(71)は当初、報道されるのをためらった。あの日からまもなく2年。表札には長男の名前が残る。20年間、病に悩んだ息子の死をどう受け止めればいいのか。両親の心は揺れ続けてきた。
         09年2月14日夜から15日未明。東久留米市の住宅街で救急車が赤色灯を回しながら立ち往生していた。いつになっても受け入れ先の病院が見つからない。搬送をあきらめ自宅に戻すことになった。「大丈夫よね」。母親には長男が眠っているように見えた。だが救急隊員は「命の保証はできません」と告げた。
         母親が長男の異変に気づいたのは23歳の時だった。アルバイトから帰ってくると突然母親に食ってかかった。「なんで後をつけてくるんだ」。おとなしい性格で、口げんかした記憶もない。心配した両親が精神科病院を受診させると統合失調症と診断された。
         「おれ、早く治さないと」。長男は担当医の勧めで事務の仕事にも就いた。だが薬を飲むと頭がもうろうとし、欠勤が増えた。薬を抜き仕事を続けたが、今度は幻覚や妄想に悩まされた。精神科病院へ入退院を繰り返し、10回以上転職した。30代半ば過ぎから「もう死にたい」と言い出した。
         救急出動から3時間半がすぎた15日午前1時半。救急車から降ろすと長男が一瞬、目を開けた。「お兄ちゃーん」。母親が呼び掛けたが返事はない。こたつの脇に布団を敷いて寝かせ、見守った。小さい頃はリレーの選手。優しくて、自慢するくらい頭もいい子。「経理の資格を目指し一生懸命勉強して、結婚もしたかったろうに」。意識が戻らないまま息を引き取ったのは、その約12時間後だった。
         1回目の命日を過ぎた頃から、両親は気持ちに折り合いをつけようとしてきた。「難しい病気だったから私たちが先に逝って息子が残ってもかわいそうだった。最後に親孝行したのかも」。取材の申し出は、その思いをかき乱すことだったのかもしれない。だが再び訪れた時、母親が言った。「寝る前にお兄ちゃんを思い出さない日はない。お父さんも必ず、仏壇のかねを2回たたいて布団に入る。口には出さないけど悔しいと思う」
         ◇精神科あるのに…「専門外」
         12月中旬、両親は消防の担当者から救急搬送の経緯を聞き驚いた。受け入れ要請したのは有名な大学病院や総合病院ばかりだった。精神科があるのに「精神は専門外」と断った病院もあった。
         「どうして心の病というだけで診てもらえなかったのか。息子の命はそんなに軽かったのでしょうか」
        「毎日新聞」12月26日(日)2時37分配信

        ●<統合失調症>総合・大学病院の精神科病床 撤退相次ぐ
         搬送困難例を解消するため、東京都は昨年8月末、救急隊が受け入れ先の2次救急医療機関を見つけるまで20分以上かかるか、5カ所以上断られた場合を「選定困難事案」とし、地域ごとに指定した病院が患者の受け入れを調整したり、自ら受け入れに努める「東京ルール」を導入した。
         都によると「選定困難」に該当したのは今年10月末までの1年2カ月間で1万4105件に上り、うち精神疾患や薬物中毒(大半は過量服薬による自殺未遂)が理由になったケースは1766件で全体の1割を超えた。
         東京消防庁の担当者は「東京ルールで改善された面もあるが、合併症になった精神障害者の搬送が最も難しい状況は変わっていない」と話す。精神疾患患者の多くは暴れたりせず、救急隊は総合病院や大学病院でも受け入れが可能とみている。
         一方、総合病院と大学病院の精神科病床は一般診療科より診療報酬が低く病院経営を圧迫するため、全国で年々削減されている。02年に2万1732床(272施設)あったのが07年には1万9103床(248施設)と12%減った。
        「毎日新聞」12月26日(日)2時36分配信

        ●公立学校教員:精神疾患での休職 過去最多の5458人
         09年度にうつ病などの精神疾患で休職した公立学校の教員が過去最多の5458人に上ることが文部科学省の調査で分かった。17年連続の増加で、00年度(2262人)の2.4倍。病気休職者に占める割合も63.3%で15年連続の増加。文科省は08年、教員の仕事量についての調査、検討を都道府県教育委員会に通知したが、増加に歯止めがかからず、「長時間労働や保護者からの要望の多様化など、複数の原因が絡み合っていると推測される」と分析した。
         全国の公立小中高や特別支援学校の教員約91万6000人を対象に調査。病気休職は8627人で、うち精神疾患が5458人といずれも過去最多となった。精神疾患の多くはうつ病とみられ、パニック障害や統合失調症も含まれるという。
         精神疾患者の年代別内訳は20代364人(6.7%)、30代1048人(19.2%)、40代1926人(35.3%)、50代以上2120人(38.8%)。全教員の年代の比率は20代9.6%、30代22.4%、40代36%、50代以上32%であることから、50代以上の割合が高かった。
         文科省は「職責が重くなることに加え、体力の低下から自信をなくす例が多かった」と説明した。発症原因は(1)長時間労働(2)多様化する保護者の要望への対応(3)複雑化する児童、生徒指導(4)職場の人間関係--など。
         文科省は増加する精神疾患対策として、08年に教員の事務負担を軽減するための実態調査を行うよう各教委に通知を出したが、今回の調査では市区町村教委の43.2%が調査をしていないことも判明した。
         文科省は「この結果を教委に戻し、調査をするように呼びかける」としている。
         ◇懲戒処分943人で前年度比116人減
         調査では教員の懲戒処分などについてもまとめた。
         何らかの処分を受けた教員は計7981人(監督責任を除く)で、08年度より3961人増。このうち免職、停職、減給、戒告の懲戒処分は943人で、08年度より116人減った。全体の処分者数が大幅に増えたのは、兵庫県で3624人(学力検査の集計、採点ミス)、神奈川県で130人(PTA会費の引き落としミス)の大量処分があったため。
         主な処分理由は、飲酒運転を含む交通事故378人(08年度比44人減)▽体罰150人(同10人増)▽わいせつ行為等138人(同22人減)など。わいせつ行為などで処分を受けた教員(懲戒処分以外も含む)の年代別内訳は、20代26人(17%)、30代38人(24.8%)、40代51人(33.4%)、50代以上38人(24.8%)で、全教員の構成比率に比べると20代の処分者の割合が高かったが、文部科学省は「なぜ高いのかは分析できていない」とした。
        「毎日新聞」2010年12月24日

        ●精神疾患 後を絶たぬ休職、対策には大胆な発想必要
         教職員の精神疾患の大きな原因は、学校現場での業務過多と考えられているという。文部科学省は平成16年度から自治体の教委に通知を出し、これを受けて、都道府県と政令市の約80%が業務軽減策を講じてきた。ところが、学校現場の校長からは「少しぐらい業務軽減しても教員の忙しさは変わらない」といった声が聞かれる。授業の準備や生徒指導だけではなく、「保護者への対応も大きな負担」と”直訴”する教職員もいるという。
         ただ、文科省の調査では負担軽減策が未実施でも、休職が減っている自治体もある。政策研究大学院大学の戸田忠雄客員教授は「忙しいのは民間企業も同じ。教師の本来の仕事は、授業と子供、親への対応のはずだ」と話す。
         自治体では教職員へのカウンセリングなども行っているが、それでも精神疾患が増え続ける現実をみれば、対策の効果は残念ながら、ないのではないか。来年度から小中学校の35人学級を実施し、教員増を図って対策を講じるというが、これも根本的な解決につながるとは到底思えない。対策には、採用する教職員の資質の問題から見直すといった大胆な発想が求められているのではないか。
        「産経新聞」12月25日(土)0時59分配信

        ●公立高中退:最少に 10年度上半期、前年度比47人減/長野
         ◇授業料無償化が影響か
         県教委によると、公立高校の10年度上半期の中途退学は前年度比47人減の152人で、過去の記録がある1983年以降で最も少なかった。中退率は同0・1ポイント減の0・3%。県教委は「高校授業料の無償化で、不登校になった生徒の中退が先送りされた結果ではないか。中退は今後再び増える可能性がある」と分析している。
         全日制の中退は同比43人減の107人、定時制が同4人減の45人だった。理由としては「学校になじめない」「授業に興味がない」など、学校生活・学業への不適応が86人で、半数を超えた。また、家庭の事情による中退は8人、経済的理由は4人だった。
         中退後の進路については、アルバイトを含む就職50人▽求職中48人▽進学の準備をしているのが22人。他の学校に行かず、職にも就かない中退者は17人いた。
        「毎日新聞」12月22日(水)12時52分配信

        ●<偏差値>埼玉県で「復活」 「進路指導でデータ必要」
         埼玉県の公立中学校で昨年度、校長会などによる公的テストを実施した学校が9割に上ったことが、県教委のまとめで分かった。テストは市単位や複数の自治体にまたがり行われ、偏差値や志望校ごとの順位を出す地域もある。90年代の業者テスト追放に合わせて学校現場から消えたはずの偏差値だが、進学指導を学習塾に頼る傾向が強まったことから「復活」した。【鷲頭彰子】
         県教委によると09年度は423校のうち391校で公的テストが実施された。3年生約6万人が受けたとみられる。テストを作るのは中学の教師が中心だが、業者が問題作成、採点、データ作成をする地域もある。
         さいたま市では校長会が主催し、約1万人が9月と11月の2回受け、得点や順位、志望校別の得点分布図などが示された。生徒に渡す資料に偏差値は表示されないが、教師は偏差値を把握し、生徒から聞かれれば答えることもあるという。
         県教委は92年秋「偏差値にとらわれない進路指導を」と、中学校で行っていた業者テストの偏差値を高校側に提示しない方針を全国に先駆けて打ち出した。翌年2月、旧文部省は業者テスト追放の通達を出した。
         公的テストは業者テスト追放以前から行われていたが、県教委は「第2の偏差値を生み出す危険性がある」として公的テストについても自粛するよう各市町村教委に求めていた。しかし、かえって偏差値を基に進路指導をする学習塾に生徒や親が頼る傾向が強まったという。このため県教委は06年11月「進路相談に活用できる資料が十分でなく、中学校に対する生徒・保護者の信頼感が損なわれる懸念がある」と、公的テスト容認に方針転換した。実施校は年々増え、09年度はほぼ県内全域での実施となった。
         県教委義務教育指導課は「小学生から、目標を持って自分の進路を決めるよう丁寧に指導している。詳細は把握していないが偏差値を出していたとしても、以前のように偏差値での(進路先の)振り分けにはならないと考える」としている。
         文部科学省は「公的テストについては把握していない」、東京・神奈川・千葉の各教育委員会は「中間や期末テストなど日々の学習状況を基に進路指導している」と話している。
        <偏差値:埼玉で再び導入 尾木直樹・法政大教授(臨床教育学)の話>
         ◇個性軽視の恐れも
         偏差値は本人の学力を示すものではなく、他者との比較を見るものに過ぎない。学校が偏差値やそれに代わる志望校別の得点分布図を使い出せば、個性や将来の可能性を軽視する進路指導につながる恐れがある。
        「毎日新聞」2010年12月26日 東京朝刊

        ●自身の幹細胞で心筋再生 岡山大病院、来月から臨床研究
         岡山大病院新医療研究開発センター・再生医療部門の王英正教授(循環器内科学)らの研究グループは、生まれつき心室に異常がある単心室症の子どもを対象にした再生医療の臨床研究を1月から始める。患者自身の心臓組織から取り出した幹細胞を培養して心筋に戻し、心機能強化を図る。心臓幹細胞を活用した小児への治療は世界初の試みという。
         脳死臓器提供の年齢制限を撤廃した改正臓器移植法の全面施行(7月)で、従来は海外での移植に頼らざるを得なかった小児の心臓移植への道は開かれたが、いまだに18歳未満の脳死ドナーは現れていない。今回の再生治療と外科手術の組み合わせで患者の生存率が高まり、根治的な治療である移植を受ける機会が増すことが期待される。
         臨床研究は同病院の佐野俊二心臓血管外科教授、大月審一小児循環器科教授らと共同で、単心室症の乳幼児7人に実施。肺への血流を増やすシャント術時に採取した心臓組織(約100ミリグラム)から、自己複製能力を持つ幹細胞を取り出して培養する。
         術後1カ月で行う心臓カテーテル検査の際、冠動脈中に培養した幹細胞を注入して自家移植し心筋を強化、血液を送り出す機能を高める。さらに3カ月後、カテーテル再検査時に心臓のポンプ機能の増強や安全性などを確認する。
         研究で高い安全性や効果が認められれば、治療の有無で患者を比較する第2期の臨床研究を国に申請する方針。
        「山陽新聞」2010.12.28

        ●脳内の神経細胞、ニコチンで再生 金大・米田教授ら確認
         タバコの葉に含まれる有害物質「ニコチン」に、脳神経細胞の再生を促す効果があることを、金大医薬保健研究域薬学系の米田幸雄教授らの研究グループが23日までに確認した。動物の脳細胞にニコチンを加えると、神経細胞ができる割合が増加した。研究グループによると、人間に適用できれば、アルツハイマー病など、神経細胞の脱落に起因する病気の予防、治療法開発につながる可能性があるという。
         情報処理と情報伝達を担う神経細胞は、神経幹細胞が作り出す細胞が分化してできる。
         米田教授は、喫煙者にアルツハイマー病患者が少ないという過去の調査結果からニコチンに着目。ニコチンによって、神経幹細胞が神経細胞に分化する割合が高まるかどうかを調べた。
         実験では、マウス、ラットの胎児の脳から取り出した神経幹細胞を培養し、ニコチンを加えた。ラットの場合、ニコチンを加えると、神経細胞の割合が25%から40%に増え、マウスでも同程度の結果が得られたため、ニコチンが神経細胞への分化を促進していることが裏付けられた。
         神経細胞が脱落することで発症するとされているのは、アルツハイマー病のほか、脳卒中後遺症やパーキンソン病などがある。脳内にある神経細胞は増殖しないが、新たな神経細胞を生み出すことができれば、脱落した分を補うことができる。
         米田教授によると、喫煙によるニコチン摂取は、デメリットの方がはるかに大きい。病気予防や治療への活用に向けては、ニコチンの有毒性や血管収縮作用など課題も多いが、すでに禁煙用ニコチンパッチなどの使用例があり、ノウハウが生かせるという。
         同グループには寳田剛志助教と大学院生の川越博文さんが参加し、研究成果の特許を申請した。米田教授は「まさに『毒をもって毒を制す』で、有害な物質でもうまく使えば病気予防や治療に役立つ可能性がある。企業と連携して研究を進めたい」と話した。
        「北国新聞」2010年12月24日