お知らせ

news

  • ▼新着情報

    • ▼ブログ

      • ▼研究ノート

        福祉サービスの「生活訓練」のサービス拡充を
        2011/01/16
        昨年末、国会最終日に成立した「障害者自立支援法改正法案」。発達障害を福祉サービスの対象とすると明文化されるなど、部分的な前進面があるものの、福祉サービスの制度・体系としては概ね従前のままとなりました。
         精神疾患や発達障害に起因して二次症状としての精神疾患発症やひきこもり状態にある方に、「生活訓練」というサービスが受給できるということは、あまり知られていません。もっとも、啓発・普及されているとは言えませんので、知らなくて当たり前、というのが実情と言っても過言ではないでしょう。
         「生活訓練」は「通所型」と「訪問型」があり、その併用もできます。詳細はさておき、対人相互関係を苦手とする自閉症スペクトラムをお持ちの方を考えた場合(もちろんそれだけではありませんが)、対人関係のスキルや日常生活・社会(集団)生活のスキル、就労に向けての職場などでの関係性のスキルなどの獲得に加えて、通院や役所などでの諸手続きへの同行支援、生活上の改善課題の相談・改善などなど、いわゆるひきこもり状態にある方から社会生活経験はあるものの何かの事情で撤退を余儀なくされ社会と距離を置いておられる方などが、自己肯定感情を高められたり回復されたりしながら、ステップアップしていく上で、とても重要なサービスであることを日々実感しています。
         しかし、周知されていない、通所系サービスの申請・支給決定には診断書が必要(法的には不要だが、市町村審査会での判断に必要との理由から提出が求められるケースがほとんど)だったり、2年間という期限付き、必要性がある場合に12ヶ月に限っての延長ができるがその手続きが面倒、サービス提供している事業所が少ない、特に「訪問型」は知られていないなどなど、必要な支援でありながら、必要としている方に届かない制度となっています。
         サービス利用が必要な方の立場に立って考えれば、「もっと利用したいサービス」であると思いますし、もっとそう思えるサービス内容・体系に充実させて行く必要があります。該当される方は、ぜひお住まいの市町村の障害福祉の窓口に問い合わせをしていただくなど、必要性をアピールし、「受け皿」を質・量ともに拡充させる下地づくりから始めて行かなければならないかも知れませんが、そこは根気とやる気で取り組んでみる価値ありです。
         それでは、今週の気になる記事です。

        死亡の姉妹、生前に窮状訴え「どうしたらよいか…」 大阪・豊中

         大阪府豊中市のマンションの一室で8日に姉(63)と妹(61)とみられる2遺体が見つかった問題で、姉妹が生前の昨年9月、現場マンションを差し押さえている大阪地裁の執行官に対し「どうしたらよいか分からない」と訴えていたことが9日、分かった。姉妹は執行官から生活保護の申請を進言されたが、拒否したという。豊中市が同日、記者会見して明らかにした。
         市健康福祉部によると、市の担当者は昨年12月27日、姉妹の相談で市役所を訪れた執行官と面会。この際、執行官が姉妹と最後に会えたのは9月で、「どうしたらよいか分からない」と訴えられたことに加え、同月から部屋の電気とガスが止められ、郵便受けから生ごみのような臭いがしたとも伝えられたという。
         執行官は2週間に1回のペースで手紙を郵便受けに入れたが、直接会えないため市に助けを求めた、と説明したという。
         しかし、市は警察官と一緒に訪問するよう助言したものの、担当者がマンションを訪問したり、民生委員らに連絡したりといった措置は取らなかった。姉妹は生活保護や介護保険の利用がなく、国民健康保険料や水道料金を滞納していた。
         この後、執行官は12月27日と今年1月6日に姉妹の部屋を訪れ、「寒い年明けをどのように生活されているか心配しています。早々に親類か市役所に相談されるよう強く勧めます」などと記した文書をドアに貼っていた。
         会見した市の大東幹彦高齢介護課長は「亡くなったのは残念。執行官が手紙を入れているので、本人から相談してくるのを待つことにした。執行官からの相談がもう少し早ければ、対応策を話し合えたかもしれない」と話した。
        「産経ニュース」2011.1.921:17

        ●妹刺殺の17歳少年に保護処分
         2010年11月、倉敷市の自宅で17歳の少年が妹を包丁で刺し殺害した事件で岡山家庭裁判所は、11日、少年を少年院に送る処分を決めました。殺人と死体遺棄の非行事実で処分を受けたのは倉敷市に住む17歳の無職の少年です。少年は2010年11月、倉敷市の自宅で、帰宅した中学3年生の妹を包丁2本で何回も刺して殺害し遺体を脱衣場の床下に遺棄しました。11日開かれた岡山家裁の少年審判は非公開で約1時間半行われました。宮本浩治裁判官は動機について「部屋に引きこもり、妹に悪口を言われていると強いストレスを感じ、殺意を抱くようになり突発的に犯行に及んだ」と述べました。そして「少年が引きこもりから脱したいと望んでいて、少年が抱える問題を改善し、本件の重大性と向き合うことで再非行を防止する」などとして3年程度、中等少年院に送ることを決めました。
        「KSBニュース」01/11 17:52

        ●ひきこもり抜けたくて 「孤族の国」男たち―9
         庭先で、マツが腰をひねり枝を広げる。奥には、どっしりとした瓦ぶきの家屋。その2階に男性の部屋はある。
         「僕がひきこもっているのは、父さんへの復讐(ふくしゅう)だ」。そう家族に訴え、30年間、社会と接点を持たずにきた48歳の男性が、昨秋、中部地方の専門病院に通い始めた。
         結婚して家を出ている姉によると、通院へ背中を押したのは、反発しながらも同居してきた80代になる父の死だった。「病院へ行こう」。1人になった男性に姉が促すと、素直にうなずいたという。
         対人不安から、会話は親類と医師に限られる。記者も、姉に付き添われて歩く姿を離れて見守った。病院へ送り、実家に食品を届ける姉は疲れ果てる。「世間から見ると大人。でも、自立はまだ」
         高校3年、最初は不登校から始まった。母の死、いじめ、進路選択などが重荷となり、思春期の心を閉ざした。
         「母さんが甘やかした」「卒業して就職しろ」。仕事中心で、亡くなった母に子育てを任せてきた父は、叱るほか接し方を知らなかった、と姉は言う。それが息子を逆上させ、時に暴力となった。
         一つの家に冷蔵庫が二つ。父子は別々に食事した。体面から家族で抱え込み、医師にも相談しなかった。「でも、父なりに弟を愛していた」と姉は思う。将来を案じ、年金保険料を代納し、貯金を続けた。スーパーの警備員など定年後も75歳まで働いた。
         ひきこもりの長期化に、当事者と家族が追い詰められている。国の推計で当事者は全国70万人。「親の会」の調査では平均年齢30歳を超す。
         関東地方の36歳の男性。大学になじめず、うつ状態になり自殺を図った。人と会うのが怖い。昨年から介護施設で週1回のバイトを始めたが、気分に波がある。取材後、携帯に電話してもつながらず、数日後に「落ち込んで、出られなくて」。67歳になる元高校教師の父の年金が頼りだ。
         大学院の時に就活に失敗した東北地方の29歳の男性は、30歳を前に自分で入院を決めた。同世代が仕事をこなし、結婚する時期。30代になると就職も難しくなるため、長期化させない治療の節目と言われる。「退院したら教員免許をとりたい」「まだ間に合うだろうか」。焦り、揺れる。
         出てくるのを待たず、専門家の医師が迎えに行こう。そんな試みがある。
         ■「おるかー」医師が迎えに
         「おーい、おるかー」。呼び鈴を押しても反応がない。和歌山大学そばのアパートの2階。玄関口で宮西照夫教授(62)が声を張り上げて20分たったころ、やっと開いた。
         師走の夕暮れ。無精ひげの男子学生(24)は湯船の中で寝ていたという。ベッドの枕元の壁には、「怠けたい自分に打ち克(か)て」と手書きの張り紙が掲げてあった。
         精神科医の宮西教授は、大学の保健管理センターの所長を務める。ひきこもる学生らの自宅を訪問してカウンセリングし、外出を促す独自のプログラムを実践。8割以上を復帰させてきた。
         男子学生は、留年を機に夏まで不登校を続けていた。復学後も1週間以上休むと、教授や友人が自宅を訪ねる。
         この学生の場合、一人暮らしのアパートを初めて教授が訪ねたのは昨年6月。呼び鈴を押しても反応がなく、ポストに手紙を残した。「元気か」「また来るよ」。それをくり返し、4度目の訪問となった7月、ドアが開いた。
         「最初は面倒くさいと居留守した」と男子学生。「でもこのままじゃダメだという思いが募ってくるタイミングがある。その時にノックされるとドアを開けられる」
         一方、両親から外に出るように言われると、心配かけてるな、申し訳ないなと、ますます落ち込むという。当事者や家族が問題を抱え込み、孤立する事例を見てきた宮西教授は、「行き詰まった親子に第三者が介入し、風穴を開けることが大事」と訴える。
         「宮西プログラム」には番外編がある。信頼を築き、部屋を出られると食事に誘うのだ。この日、床に座って1時間近くひざ詰めで語った後、別れ際に玄関口で学生の肩を抱いた。「今度、一緒にラーメン行こな」
        ■親も高齢化 態勢づくりを
         なぜか、ひきこもる人々の6、7割を男性が占める。進学や就職をめぐり、周囲が男性に寄せる期待の高さがストレスになっている、と専門家は見る。さらに、最近の不景気が社会復帰を阻んで長期化を招き、加えて就職難が新たに20、30代になってひきこもる高年齢層も生んでいる。
         親の高齢化も深刻だ。「全国引きこもりKHJ親の会」の奥山雅久代表は66歳。自身も末期がんを患い、長期化する当事者を支える制度実現を訴える。記事の48歳の男性のように、抱えてきた親が亡くなる事態はすでに始まっている。家族に依存しない態勢づくりが急務だ。
        「asahi.com」2011年1月4日21時56分

        ●不況やリストラ 困窮する父子家庭 手薄な支援、意識改革が必要
         長引く不況で、経済的・精神的に苦境に陥る父子家庭が増えている。リストラや所得減に遭う父子家庭が増えているにもかかわらず、就労や貸付金などの行政支援は母子家庭に比べて手薄なまま。職場の余裕が失われ、「育児より仕事を優先せよ」というプレッシャーに苦しむ父親も多い。関係者は「支援策の拡充と企業の意識改革が必要」と指摘する。
         ◆一家心中の例も
         「行政は母子家庭よりも父子家庭の方が経済的に余裕があると考え、支援を十分にしてこなかった。しかし、不況で経済的・精神的に苦しむ父親が多くなっている。そうした相談が増えているし、最悪、一家心中に至った事例もある」
         父子家庭支援を行うNPO法人「全国父子家庭支援連絡会」代表理事の片山知行さん(39)はこう話す。従来は母子家庭にしか支給されていなかった「児童扶養手当」(所得に応じ月額最大4万1720円)を父子家庭にも支給するよう国に訴え、昨年8月からの実施を実現させた一人だ。
         平成17年の国勢調査によると、父親と子供のみで構成される父子家庭は9万2285世帯。前回調査(12年)から約5千世帯増えた。祖父母らと同居している父子家庭を含めると約20万世帯。一方、厚生労働省が実施した18年度全国母子世帯等調査報告によると、平均年収は父子家庭が421万円、母子家庭が213万円だった。
         こうした所得差に基づき、行政は父子家庭よりも母子家庭に手厚い支援を行っている。例えば低金利の「母子寡婦(かふ)福祉資金貸付制度」や職業訓練支援は母子家庭のみが対象だ。
         厚労省は「一般的に父子家庭の方が母子家庭より所得が多い。就労支援についても、既に働いている場合が多い男性に比べ、女性はパートや主婦が多く、女性を優先せざるを得ない」とする。
         この点について、片山さんは「医療費助成を申請する父子家庭が増えている。次回の全国母子世帯等調査では父子家庭の年収は下がるだろう」と推察。父子家庭の経済支援の必要性は高まるとみる。
         ◆「男は仕事」の圧力
         父子家庭の父親特有の精神的負担もあるという。「例えば一人親で子供が急病になった場合、母親に理解を示す職場は多い。しかし、それが父親だと”男は仕事が最優先”と考える企業はいまだに多い」。実際、片山さん自身も17年に妻と離婚し、当時10歳の長男と4歳の長女の一人親となった。当時の職場の上司からは「誰でもいいから1年以内に再婚しろ」などと言われ、不眠症と鬱病を発症したという。
         片山さんは「一人親の父親は残業・出張・早出などが難しく、退職や独立せざるを得なくなる場合が多いのが実情。再就職支援や独立支援を拡充すべきだ。男性は仕事優先と考える企業側の意識改革の必要性も訴えたい」と強調する。
         いつ妻と死別や離別するか分からない以上、父子家庭はどの父親にとっても”明日はわが身”の問題。支援制度改善の余地はまだまだ大きいようだ。
         ■民間で進む取り組み
         父子家庭をめぐり、国や自治体に加え、民間にも支援の輪が広がっている。
         父親支援事業を行うNPO法人「ファザーリングジャパン」は平成21~22年、「フレンチトースト基金」を創設。個人や企業などから寄付金を募り、困窮する父子家庭や支援団体に給付している。
         一方、ITサービス会社「エヌ・ティ・ティ・コム チェオ」は昨年度から、一人親世帯を対象に、同社の在宅電話サポート員となるために必要な資格取得を金銭的に支援する取り組みを実施。昨年度は母子家庭のみの募集だったが、今年度は父子家庭も加えた。テキストや講座を無料にしたり、研修費用の半額を免除したりする。
        「産経新聞」1月12日(水)7時56分配信

        ●辛抱強い人は、頭の中が違う!
         人気レストランに入るため、行列で辛抱強く待つ人の脳ではセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が多く分泌されているのかもしれない――。
         こんな研究結果を、沖縄科学技術研究基盤整備機構の研究チームが動物実験で明らかにした。注意欠陥・多動性障害(ADHD)など、衝動性を伴う精神疾患の原因解明や治療法の開発につながる可能性がある。12日、米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に掲載された。
         脳内のセロトニンの働きを抑えると、衝動的な行動を取るようになることがこれまで知られていた。だが、実際に辛抱強く待機しているとき、セロトニンがどう変化するかは分かっていなかった。
         研究チームは、ラットに数秒間の待ち時間後にエサや水を与える実験を行った。その結果、エサや水をじっと待っている間、ラットの脳ではセロトニンを分泌する神経細胞の活動が高まり、実際にセロトニン濃度が上昇した。一方、途中で待つのをあきらめてしまった場合は、この神経細胞の活動が数秒前から弱まることがわかった。
        「読売新聞」1月13日(木)7時45分配信

        ●刑法犯8年連続減、しかし高齢者の殺人急増
         昨年の65歳以上の高齢者による殺人が前年より32件(22%)増の175件に上ったことが、警察庁のまとめでわかった。
         殺人が前年より27件減の1067件と、戦後最少を2年連続で更新する中での増加だった。
         同庁によると、高齢者による殺人の動機の41%は「怒り」で、「介護・看病疲れ」(17%)、「恨み」(16%)と続いた。配偶者や子など親族が被害者となるケースが7割を占めた。
         また、昨年1年間に全国の警察が把握した刑法犯は158万5951件で、前年より11万7093件(6・9%)減少した。8年連続の減少で、23年ぶりに年間160万件を割り込んだ。知能犯が8639件(16・3%)減の4万4363件と著しく減ったのをはじめ、強制わいせつなどの「風俗犯」を除く凶悪犯、粗暴犯など全項目で前年を下回った。
         ひったくりなど街頭犯罪(14罪種)は、一昨年まで10年連続最多の大阪府を東京都が約4500件上回ってワースト1に。これに大阪府、愛知県が続いた。
        「読売新聞」1月14日(金)6時11分配信

        ●タンパク質もストレス解消には「休息」必要 奈良先端科技大チーム
         細胞内のタンパク質合成過程で起こる「小胞体ストレス」と呼ばれる異常タンパク質の蓄積が、一時的に合成を停止させることで効率的に解消されるメカニズムを、奈良先端科学技術大学院大バイオサイエンス研究科の河野憲二教授らが解明し13日、発表した。
         人間の社会生活と同様、タンパク質合成という細胞内の分子レベルでも、ストレス解消には「休息」が必要なことを突き止めたユニークな研究成果で、近く米科学誌「サイエンス」に掲載される。
         タンパク質は、メッセンジャーRNA(リボ核酸)が運ぶ特定の遺伝情報をリボソームが翻訳し、対応するアミノ酸をつなげて合成される。同研究科は、この合成過程の途中にいったん作業が停止されることで、異常なタンパク質の蓄積によって引き起こされるストレスが解消される仕組みを解明した。
         河野教授は「現代社会では滞りないスムーズな作業が求められるが、『休息』が大事なことが体内でも証明された」としている。
        「産経新聞」1月14日(金)7時34分配信

        ●胃がん増殖助長する遺伝子発見、新治療薬期待 東大など
         胃がんの増殖を助ける遺伝子を、東京大や横浜市立大などのグループが見つけた。この遺伝子を働かなくしたマウスは胃がんができにくくなった。胃がんの新しい治療薬の開発に役立つと期待される。
         横浜市立大の前田愼教授らが66人の胃がん患者のがん組織を調べたところ、ASK1という遺伝子が活発に働いていた。この遺伝子はもともと、侵入してきた細菌やウイルスに対抗するために炎症を起こしたり、傷ついた細胞をがん化する前に殺したりする働きがある。しかし、胃がんでは細胞分裂を促して増殖を助けていることがわかった。
         ASK1を働かなくしたマウスに胃がんになる薬を飲ませたところ、正常なマウスに比べて、できた胃がんの数が3分の1ほどに減り、胃がんの大きさも半分以下に抑えられたという。前田教授は「ASK1の働きを抑える薬ができれば、胃がんの新しい治療薬になりそうだ」と話す。成果は米科学アカデミー紀要に掲載された。
        「asahi.com」2011年1月6日0時27分