成年後見人制度をもっと知ろう。
2011/03/06
昨日、京都司法書士会館で、成年後見センター・リーガルサポート京都支部主催の家族向けの養成講座に参加しました。認知症や知的・身体障害などによって、金銭管理などの認知機能が低下した方に代わって手続き等を行う第三者を地方裁判所の指定を受けて行う制度。必要と思われる対象者は、恐ろしいほど沢山いると思われる。
今後、発達障害によって長期ひきこもり状態にある方で、親なき後などにも必要に迫られることになるだろう。
しかし、認知度が低い。公的支援制度はないに等しい。司法書士や弁護士、社会福祉士などの有志が個人的あるいは組織的に取り組み始めているが、家族・親族内の誰かが後見人になる場合が多いが、その申請手続きや事務的処理がかなり面倒なもので、誰でもできる訳ではないようだ。
そして、問題なのは、家族・親族外の第三者が後見人になる場合の報酬は、支払い能力のある本人の財産から裁判所が認める範囲でもらえるようだが、余り知られていない公益信託成年後見助成基金や厚労省の制度利用支援事業などで補填(?)されるだけ、という障壁があること。
つまり、かなりのボランティア的な取り組みでしか、現状はこの制度を活用できない実態にあるようです。
国の制度としての「成年後見制度」ですが、報酬なしに取り組む第三者がそれほどいるとも思えず、介護・福祉関係のサービス事業所などで、今後直面していく課題だが、「手を挙げる」事業所が見込める状況にはないと思われます。自ずと家族が自己犠牲的に行わざるを得ないか、制度そのものを知らずにあいまいになるか、独居の場合など想像するのも怖い…。こういったところにこそ、財政投入すべきではないでしょうか?
それでは、今週の気になる記事です。
自殺13年連続3万人超「就職失敗」が急増
去年、自殺で死亡した人数が3日、発表された。就職の失敗が原因で自殺した人が急増している。
警察庁によると、去年、自殺で死亡した人は3万1690人だった。自殺者は98年以来、13年連続で3万人台で推移していることになる。動機で一番多かったのは「健康問題」で、「経済・生活問題」「家庭問題」と続く。
去年の特徴としては、経済・生活問題の中の「就職失敗」による自殺者が424人と、07年の2.4倍に増えた。年代別に見ると、20歳代が153人と一番多く、就職氷河期の影響が出たとみられる。
「日テレNEWS24」2011年3月3日
●13年連続の自殺3万人超、動機多様化 「特効薬なし」も「かすかな光」
8年ぶりに3万2千人を下回ったものの、13年連続で3万人を超え、危機的な状況が続く自殺。警察庁が3日に公表した平成22年の自殺の概要では、政府などの対策が一定の効果をあげていることがうかがえる一方で、就職失敗や親子・夫婦関係の不和、職場の人間関係など増加している原因・動機も少なくなく、防止対策の難しさが浮き彫りになっている。
◇「これといった特効薬はない」
内閣府の自殺対策推進室は「動機の多様化」に危機感を示したうえで、「昨年から関係省庁で横断型の対策に取り組んでいるが、社会情勢の変化もあり、すぐに効果をあげるのは難しい。地道に取り組むしかない」と話す。
同室は昨年、原因・動機の具体項目で最多の鬱病(約7千人)に着目し、家族らに鬱病の特徴の不眠に気付いてもらおうと、「お父さん、眠れてる?」キャンペーンを展開。この結果、50代の自殺が大幅に減少したほか、自殺防止強化月間にした3月と9月の翌月は前年同月比で大幅減になるなど、一定の効果が表れたという。
さらに事業不振(1059人)や失業(960人)、多重債務(1306人)が軒並み約10~20%減少。不況の影響は小さくなりつつある半面、就職失敗(424人)や子育ての悩み(157人)、介護・看病疲れ(317人)といった世相を反映した動機の増加が目立っている。
NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」の清水康之代表は「まだ切迫した状況だが、対策を強化すれば減るということが分かった。かすかな光が見えた」と話す。
自殺率がトップだった秋田県で、あらゆる問題に対応した総合相談窓口を設けるなどの対策を強化した結果、確実に減っていることを挙げ、「ここにくればどうにかなる、ということを県民に示せたことが大きい。これからは、こうした受け皿を全国に作り、その存在を知らせる啓発が重要になる」と話している。
「産経新聞」 3月3日(木)
●自殺対策のシンポジウム開かれる 東京
東京都内で5日、自殺者の遺族ら約500人が出席し、自殺対策を考えるシンポジウムが開かれた。
3月は例年、自殺者が最も増える月で、シンポジウムでは、息子を自殺で亡くした人の体験談や、住民らの自殺を減らすために職員のトレーニングを行っている足立区の取り組みなどが紹介された。自殺対策も担当する蓮舫行政刷新相も出席し、「縦割り行政の弊害を超えて、国として自殺対策に取り組んでいく」と述べた。
全国の自殺者は13年連続で3万人を超えており、こうしたシンポジウムは今後、全国で行われる予定。
日本テレビ系(NNN)3月5日(土)
●行き過ぎ指導で不登校 敦賀の小4、市教委事実確認 福井
敦賀市の市立小学校で小学4年の男子児童が30代の男性教諭から「うそつき」などと厳しい叱責や暴力を受けたと訴え、不登校になっていることが、4日明らかになった。敦賀市議会一般質問で議員が指摘した。市教委は「行き過ぎた指導があり、学校側の対応にも至らない点があった」と釈明。家族には謝罪しているが、暴力については否定。市教委は「話が食い違い、判断に苦慮している」とし、今後、詳細に事実確認を進めるとしている。
市教委によると、昨年12月13日、男児が集団登校時、列から離れて登校したため、男性教諭が男児を教室に呼び出して指導した。このときに、男児は教諭から「うそつき」呼ばわりされて厳しく叱られ、強い力で引き倒されたなどと訴えているという。教諭はこの日のうちに男児を再び呼び出し、登校班から離れたことと、嘘をついたことについて反省文を書くよう指示。男児はおびえて翌日から学校に通えなくなり、転校した今も不登校が続いているという。
「産経新聞」3月6日(日)
●入試問題投稿京大が被害届へ
大学の入学試験の問題が試験中にインターネットの掲示板に投稿された問題で、京都大学が27日夜に記者会見し、大学の業務が妨害されたとして警察に被害届を出すことを明らかにしました。
京都大学や同志社大学、それに早稲田大学や立教大学では、入学試験の問題の一部が、試験中にインターネットの「ヤフー知恵袋」という掲示板に投稿され、解答を教えてほしいという書き込みに対して、答えを教える返事が寄せられました。各大学は、携帯電話などを使った不正行為の疑いがあるとして調査を進めています。京都大学は27日夜に記者会見を開き、淡路敏之副学長が「厳正かつ公正に行われるべき入学試験の根幹を揺るがす重大な問題で、大学の業務として行われた入学試験を妨害する犯罪行為だ」と述べて、28日にも警察に被害届を出すことを明らかにしました。また、京都大学は、27日、各学部長を集めた緊急の入学試験委員会を開き、来月10日の合格発表は予定どおりに行うことや、不正を働いた受験生が特定され、この受験生が仮に合格していれば、合格を取り消すことを確認しました。京都大学は、同じような投稿が確認されているほかの大学とも協力して、事実関係の調査を急ぐことにしています。
「NHKニュース」2月27日
●入試投稿の予備校生逮捕 ネット依存、現実を軽視
京都大などの不正入試事件で、インターネットの質問サイトに投稿を繰り返していたとみられる仙台市内の予備校生(19)。投稿内容には自殺に関する質問や心療内科について尋ねるものもあり、揺れる受験生の複雑な心理状態がうかがえる。一方で現実よりネット社会のルールを優先する姿勢も見え隠れする。
《睡眠薬で自殺をする人が多いですが、市販の薬でいいんですか?》
大学入試センター試験が実施された今年1月16日には試験と関係ない質問を投稿。自殺をほのめかしているように映る。同18日には仙台市内の心療内科を尋ねる投稿もあった。
クリスマスイブには恋愛相談にも応じた。「好きな相手の気持ちが分からない」という質問に、自身の経験を織り交ぜて回答した。《ボクも今同じような状態です》《こういうのは時間だけが解決できるんだと思います》。思春期や受験生特有の精神状態ともとれる。
東海学院大学(臨床心理学)の長谷川博一教授は「リスクが大きいカンニングに踏み切ったこと自体に『人生がどうなってもいい』という、追いつめられた心理状態を感じる」と分析する。
質問は英語と数学に集中し2教科は苦手科目とみられるが、ネット環境に精通するだけでなく、依存している様子も浮かぶ。
京都大の数学の問題では「xの2乗」を「X^2」と表記するなどネット特有の約束に従っていた。ベクトルの表記も本来の数学と異なりネット上で使用される書き方だった。
それだけではない。英語や数学の投稿の際には「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と書き込み、顔文字も付け加えていた。
律義ともとれるが、試験時間中にお礼をコメントし顔文字まで入れ、「ベストアンサー」にコインを与える行為は律義を通り越し、ネットのルールに束縛されているように映る。
捜査関係者は「対人関係が薄く他に頼れる人がいないためサイトに質問せざるを得なかったのだろう。試験時間中にカンニング回答のお礼を書き込んだのは、現実社会のルールよりもネット社会のルールを重視していることにほかならない」と話した。
「産経新聞」3月4日(金)
●人の笑顔、犬には分かる 飼い主以外でも 麻布大研究
犬は飼い主でない見知らぬ人の写真であっても、笑顔かどうかを見分けられることが麻布大の研究でわかった。ただし、飼い主と違う性別では成績が落ちる。犬がどのように進化してきたかを探る手がかりになるという。独動物認知学専門誌電子版で発表される。
麻布大獣医学部の菊水健史教授らは、スタンダードプードルとラブラドルレトリバー計5頭でまず飼い主の笑顔を見分ける訓練をした。笑顔と無表情の写真1組を並べて、犬に選ばせる。笑顔の写真を選んだらほめることを繰り返した。30回のテストで8割以上の成績を4度続けて出せるようにした。
次に、飼い主の別な写真10組と、初めて見る男性と女性の各10人の写真の計30組について、笑顔を選べるかどうか試した。その結果、飼い主なら訓練した写真と違っても、笑顔を選ぶ確率は5頭で平均82%。知らない人の写真でも、飼い主と同性であれば78%だった。いずれも統計的に偶然ではない成績という。だが、飼い主と性別が違う場合は62%に下がった。
表情は人間にとって意思疎通の重要な手段。笑顔が「うれしい」という感情を意味していることまで犬が理解しているかどうかはわからないが、表情を読み取る能力は身につけていると考えられるという。実験を担当した永沢美保特任助教は「口の形などを区別しているのではないか」と話す。
「asahi.com」2011年2月27日
●生活保護受給200万人超へ
厳しい雇用情勢が続くなか、去年12月に生活保護を受けた世帯は143万世帯余りと、これまでで最も多くなり、受給した人数もおよそ199万人で、来月の取りまとめでは200万人を超える見通しになっていることが、厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省によりますと、去年12月に生活保護を受けた世帯数は、前の月より8496世帯増えて、143万5155世帯と、これまでで最も多くなりました。増えた世帯の内訳は、▽「高齢者」が1249世帯、▽「母子家庭」が991世帯、▽「障害者」が1506世帯などとなっていて、最も多かったのは、▽仕事を失った人を含めた「その他の世帯」で3405世帯となっています。また、生活保護を受けた人は、前の月より1万2424人増えて、198万9577人となりました。受給者の人数は、雇用情勢が悪化した3年前の12月以降、ほぼ毎月、1万人以上増え続けていて、このままのペースで増加すると、来月まとめられる、ことし1月の受給者数は、200万人を超える見通しです。受給者数が200万人を超えると、戦後の混乱が続いていた昭和27年以来、59年ぶりになります。厚生労働省は、生活保護受給者の増加に歯止めをかけようと、失業者の自立支援を強化する対策や不正受給の防止策を検討しており、来年度中に生活保護法の改正を目指すことにしています。
「NHKニュース」3月3日4時2分
●なぜ格差は広がるのか?
◇なぜ格差が広がるのだろうか?
これはもちろん、日本だけでなく今先進国でかなり広く見られる現象である。日本だけがおかしいわけじゃないし、まして小泉改革が問題だとか言っている人はもっと冷静さを取り戻したほうがいいだろう。
当然ながらグローバル化というのはひとつの原因として挙げられる。このブログでもいつもそれを理由に挙げてきた。
しかし、もうちょっと深く考えてみよう。
まずはこのグラフ(MacroManiaのDespiteEconomy,AmericansDon’tWantFarmWorkより)
【画像】http://ameblo.jp/englandyy/image-10806592928-11073075525.html
少なくとも今回のリーマンショックの前からミドルスキルの仕事が大きく減っているのが伺える。一方で、ちょっと意外かもしれないが、高スキルのみならず低スキルの仕事の需要はどんどん増えていることもわかる。そして、その傾向はリーマンショック後の不況で大きく顕在化した。
ちなみにこの動きは世界中で広がっているという。だから、これはアメリカのグラフだが、おそらく日本でも同様のことが起こっている可能性は高い。
◇なぜだろうか?考えてみたい。
まず、高スキルの仕事の需要が増えているのは言うまでもないだろう。
高齢化や医療技術の進歩・医療への需要の高まりから医者が不足しているのは日本だけではない。世界経済の一体化によってモノの移動・人の移動がどんどん活発化することによってスーパー経営者・デキるビジネスマンなどへの需要を高まっている。また、エンジニアなどの人材不足も指摘されているところだろう。(この背景は科学技術の進歩かな?)
また、先進国において低スキルもしくは低賃金の仕事の需要が増えているのもある程度想像できる。
高齢化・核家族化・都市への人口・全産業に占めるサービス業の割合の上昇から低スキル/低賃金の仕事の需要の上昇は当然と言える。実際、そういった職の多くでは日本でも人が足りてない状態と言われている。
また、低スキルとはいえない面が強いと思うが、介護士や保育士や看護士などのきつい割には比較的低賃金の職の人手不足などがイメージされる。もしくは、外食産業などもそうだろうか。
◇では、ミドルクラスは?
IT技術の発達などによって事務員や営業マンといった仕事はかなりの部分がIT化されて必要がなくなっている。また、いつも出てくるが工場やバックオフィス機能の新興国への移転も(低スキルの仕事のみならず)ミドルスキルの職の需要を先進国で減退させている原因だろう。
また、政府の規制(資格なども含む)や労働組合などによって守られてきたミドルクラス層の労働者の既得権益が奪われていることもこの層の没落に拍車をかけているはずだ。
格差広がりは労働に対する需要の変化が原因といえる。これが世界的な流れである以上は押しとどめることは難しいだろう。今後は格差はますます広がっていくのかもしれない。
こういった労働市場の変化も大卒の若者が大卒らしい仕事に就けないということの理由のひとつでもありそうだ。
「LivedoorBLOGOS」wastingtime 2011年02月27日
●大麻吸引は精神疾患リスクを増大、欧州研究
【3月2日AFP】若者が大麻を吸引すると、精神疾患にかかるリスクが増大するとする研究結果が2日、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BritishMedicalJournal、BMJ)」に掲載された。
ドイツ、オランダ、英ロンドン(London)の精神医学研究所(InstituteofPsychiatry)の専門家で作るチームは、14~24歳の1900人について、大麻の吸引の有無などを8年間にわたって観察した。
その結果、調査以前から大麻を吸引していたグループ、調査期間中に大麻吸引を始めたグループの双方で、一度も吸引しなかったグループよりも統合失調症などの精神疾患の症状が多く見られた。
大麻の継続的な吸引は精神疾患にかかるリスクを上げることが、これまでの研究で明らかになっていた。研究者は、今回の結果はさらに、大麻が精神に長期的な影響を及ぼすという説を裏付けるものだとしている。(c)AFP
AFPBBNews2011年03月02日21:30 発信地:ロンドン/英国