利権がらみは「やらせ」で動かされてきた。
2011/07/10
メディアの取材などでのやらせは、ある意味「想定内」だし、メディア報道を全面的に信用する人は、そのせいもあって減少しています。NHKさんも政府や皇室がからむものでは特に、否定・批判的な報道は無いに等しい。
思い出したのが、京都市の「タウン・ミーティング訴訟」。「タウンミーティング」は、閣僚が内閣の重要課題について国民から広く意見を聞き、内閣と国民の対話を促進する目的で小泉内閣時の2001年6月に始まり、06年9月までに全国各地で174回実施された。同年末に参加者への発言依頼などが発覚、内閣府の調査委員会の報告によると、発言内容まで依頼した「やらせ質問」が15回あったほか、一部の質問に謝礼が支払われていたとされます。
以下、2009年09月18日の京都新聞記事から…。
ーーーーーー
タウン・ミーティング訴訟 原告逆転勝訴 京都市に賠償命令 大阪高裁判決
★ 内閣府と京都市が2005年に開いたタウンミーティング(TM)で、意図的に落選させられたとして、市民4人が国と市に計800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が17日、大阪高裁であり、成田喜達裁判長(亀田広美裁判長代読)は抽選の不正を認めて「公正な抽選 への信頼と期待を裏切り、精神的苦痛を与えた」として、請求棄却の一審京都地裁判決を変更、国と市が連帯して3人に計15万円を支払うよう命じた。
★ 判決によると、京都市教委が原告4人のうち2人について「抗議活動などのトラブルを起こす可能性がある」として内閣府に落選するよう求め、内閣府が2人の応募番号の下1けたを落選番号に決めた。
★成田裁判長は「国と市は、作為的に落選させた上に、『抽選で落選した』と虚偽の通知をした。国家賠償法上の違法行為に当たる」と認めた。巻き添えで落選となった1人を含む3人の損害を認め、下1けたの番号が3人とは異なる1人は「抽選で落選した」として控訴を棄却した。4人は「思想信条を理由に意図的に参加を拒まれ、憲法が保障する表現の自由を侵害された」と訴えたが、判決は憲法判断に触れなかった。
★一審判決は、事実経過について高裁とほぼ同様に認定しながら「法的保護に値する権利や利益はない」と請求を棄却していた。
★京都市教委の稲田新吾総務課長は「国の対応も踏まえ、対応を検討したい」とコメントした。
ーーーーーー
2011年3月、最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)は、市民側と市側それぞれの上告を退ける決定をし、不正を認める判決が確定しました。都合の悪い人は参加させない、都合の良い発言する人を動員する。都合の良いように体裁を整えることしか考えていない人たちのやることは、こんなもんなのかな…?
タウンミーティングで人が死ぬことは想定し難いが、原発問題は何十万、いや何百万人の生命、生活に関わる、将来にわたる国民的な議論と選択、政策作りが必要な課題だから、こんな小手先の子どもでもウソとわかる茶番は、いい加減にやめて欲しいと思います。が、他の問題でも、こんな茶番が一般的に行われているということなので、国民がもっと学んで、賢くなって行くしかないのでしょうね。目先の利益にとらわれて間違った選択をしないように…
それでは、今週の気になる記事です。
九電説明会、賛成メールの2割「やらせ」
玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る九州電力の「やらせメール」問題で、九電本社から指示メールを受けた社員や子会社のうち、国主催の佐賀県民向け説明会に賛成意見を投稿した社員らは約50人だったことが9日、九電の内部調査でわかった。
説明会を放映した番組に寄せられた賛成メールの約2割が「やらせ」だったことになる。
九電幹部によると、九電からの指示メールの内容を閲覧したのは、少なくとも子会社4社の約2300人と3事業所(玄海原発、川内原発、川内原子力総合事務所)の社員ら。このうち約50人が実際に賛成意見を送ったという。大半がメールによる投稿とみられる。
経済産業省によると、説明会にはメール473件(賛成226件、反対119件など)、ファクス116件(賛成60件、反対44件など)が寄せられた。番組で社員らのメールが紹介されたかどうかは、わかっていないという。
「読売新聞」7月10日(日)3時2分配信
●<九電やらせメール>玄海、川内原発トップ黙認 事前に把握
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開を巡る「やらせメール」問題で、同原発と川内原発(鹿児島県薩摩川内市)のそれぞれのトップが、メールの内容を事前に把握していながら黙認していたことが9日、九電関係者の話で分かった。九電では従来、住民説明会で社員を動員するなど「やらせ」的な手法が常態化しており、原子力部門の閉鎖性もあってチェックが利きにくくなっていた。九電はこうした社内体質がメール問題の背景にあることを認め、週明けにも経済産業省に伝える報告書に盛り込むことにしている。
関係者によると、6月26日の県民向け説明番組の前に、当時の原子力担当副社長ら役員2人が原子力発電本部の部長(執行役員)に説明会への対応を指示。これを受けて、部長の部下の課長級社員が、原子力本部出身で子会社4社の幹部に対し、原発再稼働に賛成する投稿を呼びかけるメールを送信。課長級社員は同様の趣旨のメールを玄海原発と川内原子力総合事務所の社員にも送った。両所長も内容を把握していたが、止めなかったという。
一方、複数の九電関係者によると、国内で初めて09年11月に玄海3号機で始まったプルサーマル発電や、川内原発3号機増設計画などに向けた地元説明会には、同社や関連会社の社員の出席を呼びかけることが常態化していた。呼びかけにはメールを利用するのが一般的だったという。
今回のやらせメールを含め、世論を誘導する一連の手法は九電内でも原子力部門だけで完結。今月6日の国会でこの問題が取り上げられる前にインターネットなどで疑惑が指摘されていたため、社内の広報部門が原子力発電本部に問い合わせたが、同本部は否定していた。ある幹部が「特殊な集団」と呼ぶ閉鎖性を指摘する声は社内にもある。
九電は背景も含めたメール問題を調査中で、週明けに眞部利應(まなべとしお)社長が上京して経産省に報告、公表する予定。報告書で会社としてのチェック態勢の不備を認め、再発防止策を盛り込むことにしている。
「毎日新聞」7月10日(日)0時46分配信
●九電:「原発賛成」やらせメール 関連会社に依頼
九州電力の眞部利應(まなべとしお)社長は6日夜、同社内で会見し、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開の是非を問うため経済産業省が6月26日にケーブルテレビで放送した県民向け説明番組に絡み、九電原子力発電本部の課長級社員が子会社に、再開を支持する電子メールを投稿するよう依頼していたと発表した。東京電力福島第1原発事故で原発の安全性に不安が広がる中、電力会社自らが「やらせメール」で番組の公平性を阻害したことで、原発再稼働の是非だけでなく、国の原子力政策への信頼を揺るがしかねない事態となった。
眞部社長は企業トップとしての責任を認めたが、進退については「(言及を)控えたい」と明言を避けた。
この九電社員は番組放送4日前の6月22日に▽西日本プラント工業▽九電産業▽西日本技術開発▽ニシム電子工業--の4子会社の社員4人にメールを送信。「発電再開容認の一国民の立場から、県民の共感を得るような意見や質問を発信してほしい」と依頼した。
九電社内でも▽玄海原発▽川内原発(鹿児島県薩摩川内市)▽川内原子力総合事務所(同)--の3部署の中堅社員3人に同様のメールを送信した。番組にメールする際は九電関係者と分からないよう、自宅などのパソコンからアクセスするよう指示していた。
子会社側から番組に何通届き、紹介されたかは把握していないという。子会社の社員は約2300人。番組中にメールが473件、ファクスが116件寄せられ、このうち11通が読み上げられた。再開容認の意見は4通含まれていた。
眞部社長は事実関係を認めた上で、自らの関与は否定。「心からおわび申し上げる。責任は最終的に私が取る」と陳謝した。しかし、自らの進退を問われると「進退まで問われる事かどうか。国とも話し合いたい」とかわした。メールを流した社員への聞き取り調査は7日にも実施するという。
この問題は、6日の衆議院予算委員会で笠井亮(あきら)衆院議員(共産)が取り上げた。海江田万里経産相が「九電がやっているなら非常にけしからん。しかるべき措置をする」と九電を批判し、同社の処分を検討する考えを示した。
「毎日新聞」2011年7月6日 20時59分
●東日本大震災:お墓にひなんします 南相馬の93歳自殺
「私はお墓にひなんします ごめんなさい」。福島県南相馬市の緊急時避難準備区域に住む93歳の女性が6月下旬、こう書き残し、自宅で自ら命を絶った。東京電力福島第1原発事故のために一時は家族や故郷と離れて暮らすことになり、原発事故の収束を悲観したすえのことだった。遺書には「老人は(避難の)あしでまといになる」ともあった。
女性は同市原町区の静かな水田地帯で代々続く田畑を守り、震災時は長男(72)と妻(71)、孫2人の5人で暮らしていた。長男によると、以前から足が弱って手押し車を押していたが、家事は何でもこなし、日記もつけていた。
第1原発の2度の爆発後、近隣住民は次々と避難を始めた。一家も3月17日、原発から約22キロの自宅を離れ、相馬市の次女の嫁ぎ先へ身を寄せた。翌日、さらに遠くへ逃げるよう南相馬市が大型バスを用意し、長男夫婦と孫は群馬県片品村の民宿へ。長距離の移動や避難生活を考え、長男は「ばあちゃんは無理だ」と思った。女性だけが次女の嫁ぎ先に残ることになった。
4月後半、女性は体調を崩して2週間入院。退院後も「家に帰りたい」と繰り返し、5月3日、南相馬の自宅に戻った。群馬に避難している長男にたびたび電話しては「早く帰ってこお(来い)」と寂しさを訴えていたという。
長男たちが自宅に戻ったのは6月6日。到着は深夜だったが、起きていて玄関先でうれしそうに出迎えた。だが緊急時避難準備区域は、原発事故が再び深刻化すればすぐ逃げなければならない。長男夫婦が「また避難するかもしれない。今度は一緒に行こう」と言うと、女性は言葉少なだった。「今振り返れば、思い詰めていたのかもしれない」と長男は話す。
住み慣れた家で、一家そろっての生活に戻った約2週間後の22日。女性が庭で首をつっているのを妻が見つけ、長男が助け起こしたが手遅れだった。
自宅から4通の遺書が見つかった。家族、先祖、近所の親しい人に宛て、市販の便箋にボールペンで書かれていた。家族には「毎日原発のことばかりでいきたここちしません」。先立った両親には「こんなことをして子供達や孫達、しんるいのはじさらしとおもいますが いまの世の中でわ(は)しかたない」とわびていた。
奥の間に置かれた女性の遺影は穏やかに笑っている。近所の人たちが毎日のように訪ねてきて手を合わせる。「長寿をお祝いされるようなおばあちゃんが、なぜこんな目に遭わなければならないのですか……」。遺書の宛名に名前のあった知人が声を詰まらせた。葬儀で読経した曹洞宗岩屋(がんおく)寺前住職、星見全英さん(74)は「避難先で朝目覚め、天井が違うだけで落ち込む人もいる。高齢者にとって避難がどれほどつらいか」と心中を察する。
取材の最後、長男夫婦が記者に言った。「おばあちゃんが自ら命を絶った意味を、しっかりと伝えてください」
◇女性が家族に宛てた遺書の全文
(原文のまま。人名は伏せています)
このたび3月11日のじしんとつなみでたいへんなのに 原発事故でちかくの人達がひなんめいれいで 3月18日家のかぞくも群馬の方につれてゆかれました 私は相馬市の娘○○(名前)いるので3月17日にひなんさせられました たいちょうくずし入院させられてけんこうになり2ケ月位せわになり 5月3日家に帰った ひとりで一ケ月位いた 毎日テレビで原発のニュースみてるといつよくなるかわからないやうだ またひなんするやうになったら老人はあしでまといになるから 家の家ぞくは6月6日に帰ってきましたので私も安心しました 毎日原発のことばかりでいきたここちしません こうするよりしかたありません さようなら 私はお墓にひなんします ごめんなさい
「毎日新聞」2011年7月9日
●<東日本大震災>福島県内 自殺者2割増 4~6月
警察庁の統計(速報値)によると、4~6月の福島県内での自殺者は160人。昨年同期と比べ岩手県(105人)、宮城県(130人)が減ったのに対し、福島は約2割増えている。飯舘村では4月12日に家族と避難の話し合いをしていた102歳の男性が自殺。今月1日には川俣町の計画的避難区域で一時帰宅中の58歳女性が焼身自殺したとみられるなど、避難にかかわる例が目立つ。
高齢者の生活相談に応じている福島県社会福祉協議会の担当者は「今後は自殺や孤独死の防止が最大の課題。相談もせず亡くなってしまう人が多いが、少しでも話せば楽になる時もある。どんなことでもいいので電話してみてほしい」と呼びかける。相談は高齢者総合相談センター(024・524・2225)へ。
「毎日新聞」7月9日(土)2時33分配信
●年間自殺者が13年連続で3万人超。精神科医が説く「死ぬくらいならトンズラせよ」
6月10日、菅内閣は2011年版『自殺対策白書』を閣議決定した。昨年の自殺者は3万1690人で前年より減少したものの、13年連続で3万人を突破。人口10万人あたりの自殺者数は、20~24歳が1998年の16人から22人までと増加。25~29歳も19人から24人に増えた。50代と60代が1998年以降は減少傾向にあるのと対照的だという。若者世代の雇用形態が不安定なため、若い自殺者が増加傾向にあることが背景にあると白書では指摘されている。
若者世代の自殺に関して、ジャーナリストの渋井哲也氏は「常に”逃げずに向かってしまう”タイプの人は、もともと逃げるという行為をバカにしているケースが多い」として、こう語る。
「つまり、彼らは逃げるなんて正義じゃないと考えているわけです。でもね、長年、若者の自殺問題を取材してきて感じるのは、逃げるという行為を嫌悪する人ほど、いざ自分に何かあったとき、性急に死を選んでしまいがちという事実。実は、いきなり自殺を考える人はまれで、その手前に『消えてしまいたい』とか、漠然とした死への関心が訪れるものなのです。ところが、彼らのようなタイプは、今まで自分がバカにしていた分、逃げる=恥だととらえてしまっているから、その価値観にがんじがらめになり真っすぐに自殺を選ぶ。どうか、逃げるのもアリという選択肢を持ってください」
精神科医の蟻塚亮二氏は、「もう死ぬしかない」と思っている患者に”トンズラのススメ”を語っている。
「社会の倫理からは外れていると思われようが、それでも生きていければいい。生きているだけで十分だと話すわけです。
自殺の問題とは関係ありませんが、原発事故に伴い、それまで菅総理を支えてきた小佐古敏荘東大教授が涙ながらに辞任会見を行ないましたよね。重責を担う立場にありながら、政府の方針を受け入れられないと。彼のとった行動は、首相からすれば紛れもなく逃亡です。でも、僕は見事なトンズラだと思った。
人は無理だと感じたら逃げていい。泣いて助けを求めていい。政府の方針と小佐古氏の行動のどちらが正しかったのかは今後の歴史が証明するでしょうが、少なくとも僕はあのトンズラは正しかったと感じています」
実は蟻塚氏自身も、うつ病を患った時期があり、沖縄に”トンズラ”した経験があるという。若者が死を選ぶ理由は様々だが、苦しいときはいっそのこと全てから「逃げる」のも手だ。
「週プレNEWS」7月8日(金)16時23分配信
●首相 原発争点の解散は考えず
菅総理大臣は衆議院本会議で、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、今の政権だけでなく、これまで与党だった自民・公明両党にも責任があるという考えを示す一方で、原発問題を争点にした、衆議院の解散・総選挙は「一切考えていない」と述べました。
8日の衆議院本会議では、福島第一原子力発電所の事故に伴う東京電力の賠償金の支払いを政府が支援するため、枠組みを定める法案の趣旨説明と質疑が行われました。この中で、菅総理大臣は「今国会中に法案が成立しなければ、東京電力による損害賠償の支払いが滞る可能性が生じる。早期に被害者の手元に、適切な賠償金が届くようにしたい」と述べ、早期の法案成立に協力を求めました。そのうえで菅総理大臣は今回の原発事故について、今の民主党中心の政権だけでなく、長年、与党として原子力政策を進めてきた自民党や公明党にも責任があるとしたうえで、「他人にすべての失政を押しつけて、責任を逃れようとすることこそ、『恥の文化』に反する行動だ」と述べ、自民・公明両党をけん制しました。一方で、菅総理大臣は、原発問題を争点にした衆議院の解散・総選挙に踏み切る可能性について、「将来のエネルギー政策のあり方が、国民の意思に基づいて決められるのが好ましいが、このことで私が信を問うとか、問わないとかということは、一切考えていない」と述べました。また、海江田経済産業大臣は、原発事故を巡る一連の対応を終えたのちに辞任する考えを示唆したことについて、「いま解決しなければいけない問題に、真摯(しんし)に全力を傾注して頑張っていく。出処進退の時期は私1人で決めさせていただく」と述べました。
「NHK NEWS WEB」7月8日 18時4分
●スマートフォン人気で回線大混雑 パケット定額制の継続は「悩ましい」?
■スマートフォンやタブレットPC人気は衰えず
スマートフォンの急速な普及で、トラフィック(データ通信量)も急激に増大している。携帯電話の回線が混雑し、負荷の高まりも深刻化してきた。
携帯通信各社はスマートフォンの利用に、上限金額を設けてデータ通信を「使い放題」にできる「パケット定額制」を提供する。トラフィックが増える一方で料金は抑えられる形になり、各社にとっては悩ましいところだろう。
■従来型携帯電話の24倍のトラフィック生む
調査会社のコムスコア・ジャパンは2011年6月30日、国内のスマートフォン利用者が11年3月時点で976万人に達したとの調査結果を発表した。従来からのトレンドを加味すると、現時点では1000万人を超えているとしている。
総務省では、モバイル機器によるトラフィックの爆発的な増加を懸念する。同省移動通信課が5月27日、都内で開かれた無線通信事業のイベント「ワイヤレスジャパン2011」で公表した資料によると、2010年9月時点で、移動通信によるトラフィックは四半期で13.2%増となり、年率換算で64%アップとなった。今後トラフィックを引っ張るのはネットブックやスマートフォンで、スマートフォンは従来型携帯電話の24倍のトラフィックを生みだすと指摘した。
国内で米アップルの「アイフォーン(iPhone)」を契約する場合、ソフトバンクモバイルは定額制を採用している。ひとつはパケット数にかかわらず月額4410円、もうひとつは1029円からスタートしてパケット数に応じて課金され、上限4410円で頭打ちになる料金体系だ。これ以上は支払いが発生しないのだから、利用者はアイフォーンによるインターネットの接続や、動画のダウンロードなどで巨額の請求が来るという心配は必要ない。
しかし事業者にとっては、スマートフォン人気が続けば回線への負荷も増えるのだから頭が痛い。対策を施さないと通信が滞ったり、ネットの利用に支障をきたしたりする恐れがある。だが定額制を維持する以上、トラフィックの増大と比例して事業者の収入が増えるわけではない。そのためか、米通信事業会社のAT&Tは2010年6月、パケット定額制を廃止して、一定水準を超えたデータ通信には従量課金制を取り入れた。この決定についてツイッター上で質問されたソフトバンクの孫正義社長は当時、「悩ましい問題。世界中の携帯事業会社の経営者の悩みです」と苦しい胸の内を吐露していた。
■「無線LANスポット」増設で負荷減らす
増大する回線への負荷を減らそうと通信各社が力を入れているのが、「無線LAN」サービスの拡充だ。外出先でも無線LANに接続できれば、利用者は3G(第3世代)回線よりも速い環境でネットに接続でき、事業者にとっては携帯電話回線の混雑解消につなげられる。
KDDIは6月30日から、鉄道の駅や電車内、空港、地下街などで無線LANに接続できるサービスを開始した。スマートフォンに専用のアプリケーションを入れて起動させると、無線LANの電波が届いている場所にいれば自動的に3G接続から切り替わる。2012年3月末までに、全国10万スポットの開設を目指す。ソフトバンクモバイルも、5月1日から都営地下鉄全線の駅構内でのサービスをスタート。コーヒーチェーン「スターバックス」でも、無線LAN接続に対応する店舗を全国で増やしている。
NTTドコモは無線LANスポットの増設に加えて、2010年12月に商用サービスをスタートした「LTE」と呼ばれる次世代高速通信の普及をにらむ。最速の状態では「光回線並み」になるという速度で、3Gより速いことから「3.9世代」と位置付けられている。現段階でカバーしている領域は首都圏をはじめ主要都市の中心部に限られており、対象機種もデータ通信用カードなどにとどまっているが、今後はLTE対応のスマートフォンも開発されるものとみられる。
各社とも対応策を講じているものの、スマートフォンが圧倒的なスピードで広まりつつあるだけに息が抜けない状態だ。
「J-CASTニュース」7月5日(火)
●【20代男1000人アンケート】あなたの貯金額は? 3人にひとりが10万円未満
なかなか人には聞けない貯金額。アンケートで分かった驚くべき実態とは?
6月27日、新生フィナンシャルが発表した「サラリーマンお小遣い調査 2011年版」によると、毎月の小遣いの平均額は3万6500円。昨年の4万600円から4100円減となり、4年連続の減少となった。4万円を切ったのは2004年以来7年ぶりで、バブル崩壊後の最低額を更新した。
こうした背景には、経済的な不安定のなかで強まる貯蓄性向があるとされる。しかし、収入がちっとも上がる気配がないなか、小遣いを切り詰めてどれだけ貯蓄ができるというのか。その実態をつかむべく、取材班は20代男子1000人を対象として貯金にまつわるアンケートを実施した。
すると、約1割にあたる11.6%が「貯金ナシ」と回答。さらに「10万円未満」という回答も19.5%。20代男子のほぼ3人にひとりが、貯金10万円未満という悲惨な結果となった。
ところが、反対に貯金額を「100万円以上」と回答した人も約3割にのぼった。さらに「500万円以上」のお金持ちが12.7%も。総務省が発表した全国消費実態調査(平成21年)によると、30歳未満の単身者一世帯当たりの貯金額は「約151万円」とされていることから、20代の貯金に関しては、たくさん貯金できているか、まったくできていないかという「二極分化」が起こっていると推測される。
一方、「貯金の使い道は?」という質問には、約半数となる51.8%が「いざというとき」と回答。つまり、目的がないために貯金もしていない、という若者が多いのかもしれない。
「週プレNEWS」2011年07月05日
●容量無限のハードディスクへ道 九工大など新現象発見
九州工業大学の岸根順一郎准教授は、ハードディスクドライブ(HDD)など磁気記録媒体の情報量を無限大に増やせる可能性がある新しい物理現象を発見した。現在の記録媒体は「1」「0」という2種類の信号(ビット)で情報を蓄えるが、複数種類の信号で記録できるようになる。早期の実用化を目指す。
ロシアのウラル州立大学との共同成果。米国物理学会の専門誌フィジカル・レビュー・レターズ(電子版)に掲載した。
発見したのは、電子の回転でできる微小な磁石(スピン)が変化する現象。外部から磁力を与えると電気抵抗が無限大になる。多重の信号で記憶でき、「無限ビット」の記録媒体が実現できる可能性がある。
「日本経済新聞」2011/7/3