高機能の発達障害のある方への支援が進まない負の要因について考える。
2011/09/11
1943年のレオ・カナーの論文、1944年のハンス・アスペルガーの論文。ローナ・ウィングは1981年のAsperger’s Syndrome: a Clinical Account(アスペルガー症候群:臨床報告)でハンス・アスペルガーの研究成果を広く普及させるきっかけとなった論文を発表し、カナータイプとアスペルガータイプの二群があるとしつつも「連続した一続きのもの」としてスペクトラム概念を提唱、この際に有名な<自閉症の3つ組み>も、その後の診断基準などに使われていく主徴も記述しています。
1988年には、有名な『レインマン』が制作されていて、高機能群の自閉症の特性が映画として全世界に紹介されています。
米国ノース・カロライナ州では1972年にTEACCHプログラムが自閉症療育の公式プログラムに指定されて以来,全州規模で実施,展開されており,日本でも佐々木正美らによって紹介され、視覚的構造化概念を中心として広がりをみせています。
TEACCHプログラムは,「自閉症児・者が施設で生活するのではなく,それぞれの地域社会の中で自立した生活を営むことができるようにする」を基本理念とし,不適応行動が起こりにくい構造を作るという、社会的活動ととらえたいと思います。実際、ノース・カロライナ州では、不登校や非行行為などがない、と報告されています。
さて、日本ですが、小中学校の授業崩壊が問題視された頃から、LDやAD/HDの診断を受ける子どもたちが増え始め、文科省が通常学級での指導に困難を感じる子どもたちを教師の感覚的判断によるアンケート調査で、「軽度発達障害」(今はこの名称は使っていない)に属する子どもたちが6.3%いると発表したのが1993年でしたか…。この中には広汎性発達障害が含まれています。
学校教育以外からも要請を受けた厚労省が、発達障害の診断をできる医師を増やそうと研修を盛んに行いました。精神科医はもちろん、小児科医、内科医なども対象としていたと思います。で、国際的診断基準にもとづいた「診断」ができる医師は徐々に増えていっているのは確かです。
ここで、精神医療的に考えられる問題点を整理します。
○発達障害は脳機能の先天的な障害や偏りであり、薬物や従来の医療行為で「治療」できるものではない。
○発達障害による発達の偏り・アンバランス・凸凹、対人関係性の特異さなどがあることから、抑うつや強迫性障害、依存症、睡眠障害などの二次障害を生じている方が多く、薬物各々への反応が過敏な人や逆に鈍感な人なども多いことから、二次障害を軽減させるための薬物処方が難しいこと。処方を誤れば、誤薬や多剤大量処方になりやすく、三次障害となるケースも多い。その場合の「治療」は(入院も含めて、状態に応じて緩やかに減薬していくしかないのだろうが)、状態がどんどん悪化していく場合が多いために説明を求められても答えられないケースが多い。
○診察室で本人が見せる断片的な症状などが、統合失調症の症状のいくつかに似ていることが多く、統合失調症として診断され、統合失調症として治療され続けていく人が多い。
○二次障害が幸いにも生じていない、あるいは治療が必要なレベルではない人もいることから、診断のみの医療受診で終わる人も多く、医療機関として収益的魅力がない。
○医療と福祉の連携が、言われているほど進んでいないのが実情。
などなど、医療機関経営に携わる人にとって、「儲かる」対象(患者)でない、というのが医学的な支援が進まない最大の負の要因だろうと、最近考えてしまいます。
医療だけでなく、福祉の領域においても、発達障害への対応を保障する法制度や報酬体系、支援者養成システムなどはヨチヨチ歩きの段階ですから、いろんな意味で「受け入れ先がない」状態が続いています。
AD/HDについては、治療薬の開発の認可が進み、米国では「罹患率」は20%を越えるとも言われています(実際にはAD/HD単独の脳機能障害の方は少なく、自閉症スペクトラムと併存されている方の方が多いようです)。これも、薬が治療に使え、報酬が入るシステムだからです。
日本でも、自閉症スペクトラム障害(およびその特性を有する人)への医療保険や障害年金の改善、発達障害者手帳の新設などに向けて、次の「障害者総合福祉法」を検討する厚労省の「障がい舎制度改革推進会議 総合福祉部会」では議論が進んでいるようですが…。
それでも、手帳にしても医療費補助にしても障害年金にしても、医師による「診断書」や「意見書」が必要となるため、身近に受診でき、発達障害による学習や生活、就労面などでの困難さを理解できる医師の増が不可欠となります。
診療報酬の高低にこだわって、受診体制が整わない、なんてのは、国としての発達障害への理解の低さと責任逃れによる、後進状態と言わざるを得ないと思います。
それでは、今週の気になる記事です。
「将来に希望ない」64% ワーキングプア急増
1日7時間、週5日働いているのに生活が苦しく、64%は将来に希望が持てない-。連合が年収200万円以下の千人を対象にアンケートをしたところ、こんな結果が出た。連合は「正社員並みに働いているのに賃金に反映されていない」として、賃金底上げの必要性を訴えている。
調査は6~7月、携帯電話のサイトを通じて行い、20~59歳の千人が回答。それによると勤務は平均して週4・8日、1日7・0時間。現在の生活実感について聞くと、複数回答で「格差社会の中にいる」が80%、「収入アップは無理」が79%、「世の中の厳しさや薄情さを感じる」が74%、「将来に希望が持てない」が64%などとなった。
食費は1日平均768円。最低賃金の全国平均である時給730円を低いと思っている人は73%。連合は「ワーキングプア(働く貧困層)が急増している。最低賃金を少なくとも800円以上に引き上げなければ」としている。
「産経ニュース」2011.9.9 08:34
●経産相”放射性物質うつった”発言
鉢呂経済産業大臣は、野田総理大臣とともに福島県の被災地などを視察したあと、8日の夜、都内の議員宿舎に戻った際、記者の体に触れるようなしぐさをしながら、「放射性物質がうつった」などという趣旨の発言をしていたことが明らかになりました。鉢呂大臣は、周辺に対し「厳しい原発の現状などを記者団と共有したいという思いだった」と釈明しています。
鉢呂経済産業大臣は、8日、野田総理大臣とともに、福島県の被災地や福島第一原発の状況などを視察しました。そのあと鉢呂大臣は、都内の議員宿舎に戻った際、記者団に対し、原発の状況や作業員の仕事ぶりについて説明する中で、記者の体に触れるようなしぐさをしながら、「放射性物質がうつった」などという趣旨の発言をしていたことが明らかになりました。これについて鉢呂大臣は、周辺に対し「厳しい福島原発の現状と作業員の懸命な努力の様子を、記者団と共有したいという思いだった。誤解を与えたのであれば、自分の本意ではない」と釈明しています。鉢呂大臣は、9日の記者会見で「東京電力福島第一原子力発電所の周辺の町村の市街地は、人っ子一人いない、まさに『死のまち』という形だった」と発言し、その後、改めて記者会見して、「被災者の皆さんに誤解を与える表現だった」と述べ、発言を撤回したうえで陳謝しました。
「NHK NEWS WEB」9月9日 23時59分
●「謝罪決着」困難…首相、経産相に自ら引導?
野田内閣が発足早々に直面した鉢呂吉雄経済産業相の不適切発言問題は、鉢呂氏の辞任でひとまず決着した。
高支持率でスタートした野田内閣だけに、世論の反発への機敏な対処を重視せざるを得なかったものだ。13日召集の臨時国会を前に、野党との対立を長引かせるのは、今後の与野党協議に大きなマイナスになるとの判断もあったようだ。
問題行動が明るみに出てから、わずか1日での辞任劇だった。
「内閣が発足した直後に大変ご迷惑をおかけする」
鉢呂氏は10日夜の首相との会談で、こう謝罪の言葉を述べた。
鉢呂氏が記者会見で、福島第一原発周辺の自治体の印象を「死のまち」と表現したのは9日午前。首相は素早く発言の撤回と謝罪を指示し、首相官邸はこれで幕引きできると信じていた。
だが、9日深夜、鉢呂氏に新たな問題行動が発覚すると、首相官邸側の空気は微妙に変化した。防災服の袖を記者にこすりつけるしぐさをして、「ほら、放射能」と発言したことは、閣僚とは思えない軽率な振る舞いで、進退問題への発展を憂慮する声が出始めた。
政府・与党内では、民主党の輿石幹事長らを中心に「辞めるよう求めている幹部はいない」(党幹部)とし、首相の厳重注意で決着を図ろうとする動きもあった。重要閣僚の辞任による政権への打撃を懸念したためだが、首相の判断は違った。
首相は政権発足以来、原発事故の収束を政権の最優先課題と位置づけてきた。8日に福島県庁を訪れた際、「福島の再生なくして、元気な日本の再生はないという気持ちを知事と共有したい」と述べ、佐藤雄平知事に鉢呂氏らを紹介した。その閣僚から飛び出した問題発言を看過すれば、被災地はもとより、世論にも政権の姿勢に強い疑念を抱かれるのは避けられないからだ。
10日昼、首相が視察先の宮城県気仙沼市で、「(鉢呂氏の)真意を確かめたい」と発言したのは、すでに謝罪などで決着させるのは難しいと判断していたからだとみられる。
野党の強硬姿勢も、首相の判断に影響したのは確実だ。自民党の石破政調会長は10日午前、野党が多数を占める参院で、鉢呂氏に対する問責決議案の提出を辞さない構えをみせた。公明党幹部も「辞任しないと収まらない」と強調していた。
鉢呂氏の進退をめぐり、臨時国会の冒頭から自民、公明両党と全面対決すれば、菅前首相の退陣で障害が取り除かれた与野党協調への道は閉ざされる。首相が目指す、東日本大震災の復興対策、復興財源確保などでの税制改正、経済対策の3テーマによる実務者協議の構想も頓挫する。
「ねじれ国会」の下、鉢呂氏を続投させれば、与野党の激しい対立で政策実行の基盤を欠いた「菅内閣の二の舞いになる」(民主党参院議員)のは必至だ。輿石氏らの判断とは別に、党内には「続投すればするだけ、ダメージが続く。早くやめてもらった方がいい」(政務三役の1人)などとの声が広がっていた。
辞任は鉢呂氏からの申し出によるものだったとされる。ただ、党内では、10日午後まで続投に意欲を見せていた鉢呂氏が「変心」したのは、首相が事実上、引導を渡したのではないか、との見方も出ている。
「読売新聞」9月11日(日)10時30分配信
●アルツハイマー発症の仕組み、iPS細胞で確認 慶応大
慶応大の研究チームがiPS細胞(人工多能性幹細胞)技術を使い、アルツハイマー病が発症する仕組みの確認に成功した。生きたヒトの細胞による薬の効果の確認につながり、新薬開発に役立ちそうだ。論文が7日付英医学誌ヒューマン・モレキュラー・ジェネティクス(電子版)に掲載された。
アルツハイマー病は、ベータアミロイドという毒性の高いたんぱく質が脳にたまり、神経細胞を傷つけて起きるとする「アミロイド仮説」が提唱されている。チームは、遺伝性アルツハイマー病の患者2人の皮膚の細胞からiPS細胞を作って、さらに神経細胞に変化させた。すると、いずれの患者由来の神経細胞でもベータアミロイドが通常の約2倍作られており、病気の一部を再現できた。
またベータアミロイドができるのに必要な酵素の働きを止める新薬の候補を使ったところ、ベータアミロイドのできる量が抑えられるのも確認した。
「asahi.com」2011年9月9日16
●脳を透明化する試薬、ヒトへの応用も
新開発の化学薬品によって、近い将来、頭の中を科学者に見透かされてしまう時代が来るかもしれない。この薬品は、脳組織を完全に透明化できるからだ。
「Scale」というこの化学薬品は、生体組織を透明化して光を奥深くまで通すことにより、細胞その他の構造に標識としてつけられた蛍光を直接観察できるようにするものだ。開発者たちによると、この発明は、医用画像の新たな領域を拓く可能性を秘めているという。
日本の理化学研究所脳科学総合研究センターの宮脇敦史氏は、プレスリリースの中で次のように述べている。「今回の研究では、主にマウスの脳を材料にしたが、Scale技術はマウスや脳以外にも適用可能だ。心臓や筋肉、腎臓といった他の器官や、霊長類およびヒトから採取した生検組織試料への適用も目指している」。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部の神経学者ポール・トンプソン氏は、Scaleで透明化されたマウスの器官や胎児の写真に驚いたと話す。「脳画像を研究して20年になるが、これを見て本当にあっと驚いた」。トンプソン氏は今回の研究には参加していない。
◆透明化で薬の効き目が見える?
Scaleは、比較的シンプルな材料からできている。尿の主成分である尿素、グリセロール、それに「TRITON X」の名で知られる界面活性剤だ。
マウスの脳、さらには胎児を丸ごとScale溶液に2週間漬けたところ、いずれも透明に変化した。
これまでにも、医用画像向けに細胞を透けて見えるようにする薬品は開発されているが、Scaleが従来の薬品と違うのは、観察したい蛍光タンパク質のシグナルまで一緒に消し去ってしまわない点だ。蛍光タンパク質は、ニューロンや血管などの小さな身体構造に標識をつけるのに用いられている。
この蛍光イメージング技術は現在、脳の細胞構造のマッピングなどに用いられているが、理化学研究所によると、Scaleはこの種の研究にかつてない成果をもたらすことが期待できるという。
UCLAのトンプソン氏によると、Scaleはそのほか、CTスキャンやMRI(核磁気共鳴画像法)といった、より複雑で高価な技術に頼る前に、撮像対象を詳しく観察する上で役立つ可能性があるという。
「治療の効果が、脳や器官の治療したい部分に本当に到達しているかどうか、視覚的に確認できるようになるかもしれない。例えば、アルツハイマー病の治療において、脳に蓄積する班を除去したい場合、薬剤が本当に班を除去しているかどうか見られるようになれば、これは大きな進歩になりうる」とトンプソン氏は述べている。
◆「透明人間」の実現はまだ先
とはいえ、実験動物が「透明人間」のようになることは当分ないだろう。Scaleは生きたままの動物に使用するには毒性が強すぎるためだ。しかし宮脇氏は、いずれこの問題は解決すると考えている。
「われわれは目下、別のもっと毒性の弱い試薬候補の研究を進めている。開発に成功すれば、生きたままの組織を、透明度はやや落ちるが同じやり方で調べられるようになる。その結果、以前はまったく不可能だった研究にも可能性の扉が開くだろう」と宮脇氏は述べている。
今回の研究は、「Nature Neuroscience」誌オンライン版に8月30日付で発表された。
「ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト」9月5日(月)15時11分配信
●原発賠償原資、4兆円規模…交付国債の枠拡大へ
政府は8日、東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償を支援するため、東電による賠償の原資となる交付国債の発行枠を、現在の2兆円から拡大する方向で調整に入った。
2011年度第3次補正予算案で、2兆円程度の発行枠を新たに設定し、4兆円規模にする見通しだ。
政府は、第2次補正予算で2兆円の発行枠を設定していたが、賠償支払いなどが予想以上に進む見通しとなったためだ。
交付国債は、国が現金を支払う代わりに、あらかじめ国の機関などに発行する特殊な無利子の国債だ。9月中に発足する原子力損害賠償支援機構は、政府に対し、必要に応じて交付国債を現金化するよう求めることができる。
「読売新聞」9月9日(金)6時47分配信
●NHK受信解約の申し出が9万件 地デジ移行が影響
NHKの松本正之会長は8日の定例記者会見で、7月24日の地上デジタル放送への完全移行にともなう放送受信契約の解約の申し出が、8月末までに約9万件あったことを明らかにした。経済的事情や嗜好の多様化などにより、テレビを見ないことを決めた人が多いとみられる。
NHKは本年度の事業計画で、40万件の契約者数増加を見込んでいる。松本会長は解約申し出が今後10万件を超えるとの見通しを示した上で、「(事業計画の)4分の1に当たるかなり大きな数字、影響だと思っている」と話した。
「共同通信」2011/09/08 19:59
●後見人制度悪用、着服の男に猶予判決 京都地裁
成年後見人の立場を悪用し、姉の口座の現金を着服したとして、業務上横領罪に問われた京都市左京区の古物販売業、岸本誠三被告(67)の判決公判が9日、京都地裁で開かれた。島本吉規裁判官は「後見人制度の信頼を損ねる悪質な犯行だが、反省している」として懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。
判決によると、岸本被告は平成20年9月~昨年2月、成年後見人として姉(82)名義の口座を管理していた立場を悪用し、計37回にわたり、京都市内の金融機関で現金約560万円を払い戻して横領した。
この事件は京都地検特別刑事部が今年5月に立件。同地検で初めて取り調べの録音・録画(可視化)を試行した。
「産経新聞」9月10日(土)7時56分配信
●「学校に義務違反ない」 いじめ裁判 桐生市、主張崩さず 群馬
学校でのいじめや担任教諭らの対応が自殺の原因として、桐生市の小学6年、上村明子さん=当時(12)=の両親が、市と県を相手取り3200万円の損害賠償を求めた訴訟の第3回口頭弁論が9日、前橋地裁(西口元裁判長)で開かれた。市側は、担任や学校側に、いじめ防止の安全配慮義務違反はなかったとして、この日も全面的に争う姿勢を見せた。
口頭弁論で、原告側は上村さんが給食を一人で食べていた点などから、「担任がいじめを認識していたことは明らかだった」と指摘。その後、担任や学校側は、いじめに加わった児童を指導せず、アンケートでいじめの事実関係を調べなかったとして、「明子さんに対するいじめ防止義務を怠り、自殺に駆り立てた」と論じた。
これに対し、市側は、悪口や給食時の孤立は、暴力などの強いいじめではなく「悪質とはいいがたい」として、「学校側が自殺を予見できたとはいえず、いじめ防止義務違反もない」と主張した。
弁論を終え、明子さんの父、竜二さんは「再発防止は、事実を明らかにすることから始まるはずだ。(市側は)いじめを認め、本当のことを説明してほしい」と訴えた。
「産経新聞」9月10日(土)7時55分配信
●リストバンドで自殺予防訴え 京都市
10日から始まる自殺予防週間を前に、京都市こころの健康増進センター(中京区)は、自殺予防を訴えるシリコン製のリストバンドを作った。
2011年の国の自殺対策白書によると、20~39歳の死因のトップは自殺で、20~24歳は49・8%と約半分を占める。若い世代に自殺予防を働きかけようと、1万2千個製作した。
バンドは直径が6・5センチ。白地に緑色で「きょうを生きよう」のメッセージと英訳文を記した。多くの人に身につけてもらって自殺予防をアピールしようと、研修や市民向けの催しなどで配布する予定。
「京都新聞」9月6日(火)13時29分配信
●南宇治中で弁当提供へ 宇治市教委、10月から
宇治市教育委員会は10月から、南宇治中で、昼食提供事業を試験的に始めると発表した。市教委の管理栄養士が献立を作り、民間業者が製造する弁当を安価で提供する。5日の市議会文教福祉常任委員会で報告した。
宇治市ではアンケート調査で、85%の生徒が毎日、家庭から弁当を持参しているものの、市販の弁当やパンを購入している生徒や、欠食する生徒もいることが分かった。昨年度、市教委が設置した中学校昼食検討委員会で議論し、中学校では給食を導入せず、民間業者の弁当か、従来どおりの家庭からの弁当かを選択できる方式を提案した。
アンケートで300円台前半を希望する保護者が39%と最も多かったことから、価格は1食350円。献立は、空揚げやエビフライなど中学生の好物とともに、昔ながらの煮物なども取り入れ、栄養バランスや食育に配慮する。城陽市の弁当業者が製造する。1食当たりのエネルギー量は800キロカロリー。
同中の空き教室を改装、冷蔵庫やクーラーなどのある配ぜん室を整備した。システム委託料は265万円。
保護者がパソコンや携帯電話から当日の午前8時まで注文、キャンセルできる。同教委の栄養士が業者が配達した弁当を管理、生徒に渡す。
10月3日からスタートし、11~12月にアンケートを実施し今後の方針に生かす。市教委は来年度、同中を含む2~3校に試験実施を広げ、2013年度に全校で実施する。
「京都新聞」9月6日(火)10時29分配信