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        大人を見て育つ子どもは社会の「鏡」。
        2012/07/12
        大津市立皇子山中学2年の男子生徒が昨年10月に自宅マンションから飛び降りて(?)亡くなった事件は、日々新たな展開を見せています。
         ネット上では、実名・写真入りで詳細な実に様々な情報が溢れるほど流れています。
         SNSの書き込みをまとめたサイト「togetter」で、この事件を「大津・皇子山中学いじめ事件まとめ」として公開されていますので、参考まで…。
        http://togetter.com/li/334245
         中学2年の夏休みを境に、加害者・被害者の関係性が激変したとされます。人生で最も多感で繊細な成長段階である思春期は、不登校や暴力・いじめなどの反社会的行為が最も多いこと、中学2年がそのピークであることは、少なくとも20年以上前からわかっています。それらの解消に向けて、スクールカウンセラー導入、特別支援教育などが取り組まれてきましたが、いわゆる「問題事象」が減ったとはとても言えず、むしろ今回のいじめ行為に見られるように、その残虐性が増しています。
         そして、さらに問題視しなければならないのは、教育委員会、学校管理者、教師、警察、行政などの体質が全く変わっていないことと、PTAが本来の機能を果たしていない所が増えていることです。地域の大人たちの関係性も希薄になり、家が孤立化し、子どもはさらに個化していっています。
         いじめを受けていることを打ち明ける対象である大人が、その子の周りに存在しているか? 苦しさや惨めさや辛さ、救いを求める子どもの小さなサインをちゃんと気づいて、しっかりとその子を守る体制を築く大人たちが存在しているか? 「教育者」の立場にある大人が、子どもの気持ちよりも、自分の立場を守ることや責任回避を優先して、隠蔽したり、ウソをついて誤魔化したりしていないか? 自分たちの行為を、子どもたちは見て 育つという自覚があるか?
         今回の事件に直接関わる大人も、マスコミ報道などを通して知る大人も、こうした点を自問することが、被害者の死を悼む大前提の行いではないでしょうか。
         それでは、最近の気になる記事です。

        大津いじめ自殺 市教委の対応は看過できない

         いじめに苦しんで失われた命の重みを、どう受け止めたのか。教育現場は組織防衛に腐心したとしかみえない。
         大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒が飛び降り自殺した。その対応を巡り、市教育委員会が、いじめの一端を把握しただけで調査を打ち切っていたことがわかった。
         自殺直後、遺族の求めで市教委が全校生徒に実施した2回のアンケートには、男子生徒が「自殺の練習をさせられていた」「恐喝されていた」といった回答があった。教師が「見て見ぬふりをしていた」との回答も含まれていた。
         いずれも自殺の背景を想起させる内容だ。市教委が真偽を十分確かめることなく、3週間の調査で「事実の確証を得られなかった」と結論づけたのは問題である。
         2回目のアンケート結果に至っては、大半が確認作業さえなされていない。「葬式ごっこ」との言葉もあったが、遺族にも説明していなかった。市教委は「見落とした」と釈明している。
         一連の市教委の対応は、ずさん極まりないと言うほかない。いじめに向き合う責任感が欠如していると言えよう。
         今月になって大津市の越直美市長は調査の欠陥を認め、再調査の実施を決めた。当然だろう。
         再調査は、有識者による第三者委員会が担う。なぜ自殺を防げなかったのか。市教委や学校にとって都合の悪い情報を隠そうとしたのではないか。問題点を徹底的に洗い出してもらいたい。
         男子生徒の両親は、市などを相手取り損害賠償請求訴訟を起こしている。市は、いじめと自殺の因果関係を否定し、係争中だが、市長は和解の意向も示している。当面は訴訟の中断か延期を申し入れるという。
         訴訟の当事者も、再調査に全面的に協力すべきである。
         ◇警察の対応にも疑問が残る。
         生徒の死後、父親が3回、被害届を出そうとしたが、滋賀県警は「犯罪事実が特定できない」と受理しなかった。真相解明に及び腰だったとみられても仕方がない。11日にようやく捜査班を設置し、市教委や中学校を捜索した。
         文部科学省が把握している学校でのいじめの件数は、2010年度に7万7630件を数え、4年ぶりに増加に転じた。表面化していないケースもあるだろう。
         どの学校でも、いじめは起こり得る。予兆を見逃さないためには個々の事例を検証し、教訓を教育現場で共有することが大切だ。
        http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120711-OYT1T01501.htm
        「読売新聞・社説」2012年7月12日

        ●<大津の中2自殺>生前に自殺練習強要
         大津市で昨年10月、同級生からいじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自宅マンションから飛び降り自殺した問題で、学校が全校生徒に実施したアンケートに対し、15人の生徒が「自殺の練習をさせられていた」と回答していたことが3日、関係者への取材で分かった。市教委は昨年11月の記者会見でこの事実を明らかにしていなかった。
        【15人の生徒が回答】「死んだスズメを口の中に入れろと言われていた」「昼休みに毎日自殺の練習をさせられていた」
         男子生徒の両親が今年2月、大津市や加害生徒3人と保護者を相手取り、約7720万円の損害賠償を求めて大津地裁に提訴。5月の第1回口頭弁論で市はいじめがあったと認めたが、「いじめを苦にしての自殺と断じることはできない」と主張していた。両親の代理人はアンケートの回答について、17日に開かれる第2回口頭弁論に提出する準備書面で主張する。
         アンケートは男子生徒の自殺後にいじめについて実施し、約320人が回答した。15人の生徒は「自殺の練習とか、トイレで殴られていたとか、死んだスズメを口の中に入れろと言われていた」「何回も自殺の練習をさせられていた。先生に相談したけど何もしてくれなかった」などと回答。「昼休みに毎日自殺の練習をさせられていた」「がんの友達に自分の命をあげるなどと言っていたらしい」との回答もあった。
         また、13人が「友達なのにお金を恐喝されていた」「脅して銀行の番号を聞き出し、その銀行からとったお金を使っていた」と回答、15人が「万引きを強要されていた」と書いた。
         男子生徒は昨年10月11日朝、自宅マンション敷地内で倒れているのが発見され、滋賀県警大津署が自殺と断定した。学校側は当初「いじめは把握していない」としていたが、全校生徒へのアンケートでいじめの事実が判明した。
         これまでに明らかになったのは、ヘッドロックをかける▽トレーニングと称して押さえ込む▽毎日のようにズボンをずらす▽蜂の死骸を食べさせようとする--などで、担任が目撃していたが、軽い注意にとどまっていた。
         市立中の教頭は「アンケートをしたのは事実。訴訟中であり、コメントは差し控えたい」と話した。
        http://mainichi.jp/select/news/20120704k0000m040112000c.html
        「毎日新聞」7月4日(水)

        ●滋賀・大津市男子中2生自殺 警察、被害届の受理を3回拒否
         滋賀・大津市で、いじめを受けていた中学2年生の男子生徒が飛び降り自殺した問題で、男子生徒の両親が警察から被害届の受理を3回にわたって拒否されていたことがわかった。
         この問題は2011年10月、大津市で中学2年生の男子生徒が自宅のマンションから飛び降り自殺したもので、大津市の教育委員会が全校生徒を対象に行ったアンケート調査では、男子生徒が複数の生徒からいじめを受けていたことが明らかになっている。
         両親は、男子生徒が自殺したあと、「暴行の事実がある」と警察に対し3回にわたって被害届を提出しようとしたが、大津警察署から受理を拒否されていたことがわかった。
         一方、教育委員会のアンケート調査では、「先生も見て見ぬふり」、「先生は一緒になって笑っていた」などと、教師がいじめを放置していたことを示す回答が、少なくとも14人分あったことがわかった。
         アンケート調査では、男子生徒が「自殺の練習をさせられていた」という回答があったこともわかっているが、教育委員会は当初、アンケート結果の一部しか公表していなかった。
         男子生徒の父親は「事実をはっきりさせて、何が原因だったのか、究明したい」と話している。
        http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00226786.html(動画有)
        「関西テレビ」07/05

        ●教諭見て見ぬふり…いじめ自殺、生徒回答15件
         大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が飛び降り自殺した問題で、自殺直後の全校生徒アンケートで「教諭らが見て見ぬふりをしていた」などとする回答が計15件あったことがわかった。
         いじめを学校側が放置していた可能性を示すこうした回答についても市教育委員会は公表しておらず、市教委は読売新聞の取材に「具体的な記述がなく、事実確認できなかったため」と説明している。
         15件はいずれも伝聞による内容。記名が7件で、「(先生も)怖くて言えなかったらしい」「担任の先生もいじめのことを知っていたのに一度しか注意しなかった」などと書かれていた。無記名は8件で、「一度、先生は注意したが、その後は一緒に笑っていた」「何回も自殺の練習をさせられていた。先生に相談したけど何もしてくれなかった」「(男子生徒は)泣きながら電話で言ったそうですが、あまり対応してくれなかった」などとしていた。
         一方、男子生徒が同級生から暴行などのいじめを受けたことについて、父親(46)が自殺直後から昨年末にかけて計3回、大津署に被害届を提出しようとしたが、いずれも受理されなかったことがわかった。
         父親は「毎日殴られていた」「体育大会の時、複数から殴られた」などとするアンケートの回答に加え、自ら複数の同級生から聞き取った話を基に、同署に相談。その際、応対した署員は「暴行の被害者が(死亡していて)不在で、捜査しても刑事事件としての事実認定は難しい」「加害者の生徒を家庭裁判所に送っても処分がどうなるか、わからない」などとして受理を断ったという。
         父親は「亡くなった息子に代わって被害届を出そうと思った。親にできることは限られており、受理してほしかった」と話している。同署は読売新聞の取材に「事実関係を確認中で現時点ではコメントできない」としている。
        http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120705-OYT1T00598.htm
        「読売新聞」7月5日(木)

        ●いじめた側にも人権…「自殺練習」真偽確認せず
         大津市の市立中学2年男子生徒が自殺したことを巡って行われた全校アンケートで「(男子生徒が)自殺の練習をさせられていた」との回答を市教委が公表しなかった問題で、市教委が加害者とされる同級生らに対して直接、真偽を確認していなかったことがわかった。
         市教委はこれまで、非公表にした理由を「事実を確認できなかったため」と説明していた。
         市教委によると、「自殺の練習」は、生徒16人が回答に記していた。うち実名で回答した4人には聞き取りをしたが、事実は確認できず、それ以上の調査もしなかったという。加害者とされる同級生らにも聞き取りを行う機会はあったが、「練習」については一切尋ねなかったとしている。
         その理由について、市教委は読売新聞に対し、「事実確認は可能な範囲でしたつもりだが、いじめた側にも人権があり、教育的配慮が必要と考えた。『自殺の練習』を問いただせば、当事者の生徒や保護者に『いじめを疑っているのか』と不信感を抱かれるかもしれない、との判断もあった」と説明。結局、事実がつかめなかったとして、非公表にしたという。
        http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120705-OYT1T01621.htm
        「読売新聞」7月6日(金)

        ●大津中2自殺、本人が担任に「いじめ受けてる」
         大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が飛び降り自殺した問題で、担任の男性教諭が、男子生徒からいじめを受けていると電話で数回、相談を持ちかけられていたとの複数の証言があることが分かった。
         市教委の全校生徒アンケートでも「教師が見て見ぬふりをしていた」と複数の回答があった。
         読売新聞の取材に対し、市教委は「担任教諭が、生徒から相談されていたとは聞いていない。そんなことはあり得ない」としており、大津市は6日、有識者らによる外部委員会を設置することを決め、経緯について調査に乗り出した。滋賀県は同日、緊急対策チームの発足を決定、文部科学省も事実関係や市教委の対応が適切だったかどうかを調査する方針を決めた。
         生徒は昨年10月11日朝、自宅マンション(14階建て)の最上階の通路から飛び降り死亡した。複数の関係者によると、この直後、学校で担任教諭が生徒数人に対し、「死亡した生徒から、いじめを受けていると電話で相談があった」などと話していたという。
        http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120707-OYT1T00007.htm
        「読売新聞」2012年7月7日

        ●「もう死ぬわ」に「死ねばいい」返信
         大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、学校側が直後に全校生徒に実施したアンケートに、「(男子生徒が)『もうおれ死ぬわ』とメールをして、(いじめていたとされる同級生の一人が)『死ねばいいや』と送り返していた」との回答が含まれていたことが6日、関係者への取材で分かった。市教委は男子生徒の両親にメールの履歴などの確認をしていなかった。越直美市長は同日、外部の有識者による調査委員会の設置を決め、文部科学省も調査を実施する方針を固めた。
         メールについての回答は7人分あったが、いずれも伝聞で、記名は3人。「亡くなる前日にいじめていた3人に『明日死にます』のメールを送った」と書いた生徒もいた。また、「がんの友達に自分の命をあげると言っていたらしい」など、いじめと自殺の関連を示唆する回答もあった。
         男子生徒の父親(46)は「短期間でストレスを受け続け、生きていくのがいやになったのかもしれない。学校の対応が早ければ、自殺を防げたと思う」と話している。
         一方、「男子生徒が自殺の練習をさせられていた」との回答について、市教委がいじめ行為をしていたとされる複数の同級生に、そのことを確認していなかったことも判明。越市長は6日の会見で涙ぐみながら「自殺の練習は真実なら、痛ましい話。もっと早く調査に取り組むべきだった」と話した。
        http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120707/crm12070701450004-n1.htm
        「産経ニュース」2012.7.7

        ●福島原発事故、自然災害でなく「人災」=国会事故調報告書
         東京電力福島第1原発事故を検証してきた国会の事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、「事故は自然災害ではなく明らかに人災」とする報告書を衆参両院議長に提出した。
         震災前に地震や津波に対する十分な安全対策が取られなかったほか、監視・監督機能が崩壊していたことが根源的原因と結論付け、東電の過酷事故に対する準備不足や政府・規制当局の危機管理体制の不備も批判した。そのうえで国会が電力会社や原子力規制当局を監視することなどを提言した。
         報告書はまず、福島第1原発は震災時点で「地震にも津波にも耐えられる保証がない脆弱な状態であったと推定される」とし、必要な対策が先送りされていなければ事故を防げた可能性があると指摘した。また「歴代の規制当局と東電との関係において、規制する立場とされる立場の逆転関係が起き、規制当局は電気事業者の虜となっていた。その結果、原子力安全についての監視・監督機能が崩壊していた」とし、政府、規制当局、東電を批判した。
         事故の直接的な理由については「1号機の安全上重要な機器の地震による損傷はないとは確定的には言えない」との見解を示した。
         現場の運転上の問題としては、東電が過酷事故に対する十分な準備、知識、訓練などを実施しておらず、「組織的な問題」があったと指摘。事故後の対応では、官邸や規制当局の危機管理体制が機能しなかったほか、東電と政府の責任の境界が曖昧だったことを問題視し、住民への避難指示が的確に伝わらなかったことも被害の拡大を招いたと説明した。
         官邸による発電所現場への直接的な介入に関しては、現場対応の重要な時間を無駄にしたほか、指揮命令系統の混乱を拡大する結果となった、と批判。一方で、事故後の東電の情報開示が不十分だったほか、現場の技術者の意向より官邸の意向を優先し、曖昧な態度に終始したことにも問題があると指摘した。東電については、規制された以上の安全対策を行わず、より高い安全を目指す姿勢に欠けていたとし「緊急時に発電所の事故対応の支援ができない現場軽視の経営陣の姿勢は、原子力を扱う事業者としての資格があるのか」との疑問を呈した。
         一方、東電が政府に伝えたとされる全面撤退方針については、東電本店で退避基準の検討は進められていたが、全面退避が決定された形跡はなく、「総理によって東電の全員撤退が阻止されたと理解することはできない」との判断を示した。東電と官邸の間で認識ギャップがあり、その根源には「東電の清水社長(当時)が官邸の意向を探るかのような曖昧な連絡に終始した点があった」と指摘した。
        <7つの提言>
         報告書には、問題解決に向けた7つの提言も盛り込んだ。原子力規制当局を監視するため、国会に原子力問題に関する常設委員会を設置することや、電力会社が規制当局に不当な圧力をかけないよう国会が厳しく監視することを提案。このほか、政府の危機管理体制の見直し、被災住民に対する政府の早期対応、規制組織の抜本的な転換、原子力法規制の見直し、民間中心の専門家からなる独立調査委員会の活用を呼び掛けた。
        http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE86400R20120705
        「ロイター-JST」2012年 07月 5日

        ●精神科への入院、原則1年以内に…厚労省が方針
         厚生労働省は28日、精神科への入院を原則1年以内とする方針を決めた。
         入院治療の必要性がない患者を早期に退院させ、地域で暮らせるようにするのが狙い。退院支援に携わる精神保健福祉士らを配置するなどの取り組みを、早ければ来年度から始める。
         同日開かれた有識者検討会のとりまとめを受けた。
         国内の精神疾患による入院患者は約33万人(2008年)で、約22万人が1年以上の長期入院だ。10年以上の入院も7万人を超える。統合失調症が多いが、近年は認知症も増えている。
         入院期間を短縮させるため、発症間際で症状が激しい患者に対応する医師の配置基準を、現在の3倍と一般病院並みに増やす。精神保健福祉士や作業療法士など、退院支援に当たる専門職も置くようにする。
        http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120628-OYT1T01247.htm?from=tw
        「読売新聞」2012年6月29日07時38分

        ●寝不足の脳は不快なものに反応、抑制利きにくい
         寝不足で不安になったりイライラしたりするのは、脳が不快なものに反応しやすくなる一方、抑制が利きにくくなるのが原因であることを国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長らが突き止めた。
         28日から横浜市で開かれる日本睡眠学会で発表する。
         研究チームは、20~31歳の男性14人に、1日4時間と8時間の睡眠を5日間続けてもらい、それぞれの最終日に脳の活動を機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で調べた。
         恐怖の表情の画像を見せると、4時間睡眠で寝不足の時は、不安や緊張などに反応する脳の扁桃体
        へんとうたい
        という部分の活動が8時間睡眠時に比べて活発になった。幸せな表情の画像を見せた場合には違いはなかった。
         また、寝不足時には扁桃体の働きを調節する大脳の皮質の活動が扁桃体と同調せず、抑制が利きにくいことがわかった。抑制が利きにくくなる人ほど、心理テストで不安・緊張や混乱の度合いが高かった。
        http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120627-OYT1T00845.htm?from=tw
        「読売新聞」2012年6月28日07時18分

        ●積極請求に京滋自治体困惑 親族への生活保護費返還
         ◇扶養義務(3親等内)の範囲
         生活保護受給者の親族に扶養能力がある場合、保護費の返還を積極的に求める意向を厚生労働省が示したことに対し、京滋の自治体から戸惑いの声が上がっている。芸能人の親族が受給していたことを受けての措置だが、自治体担当者は権限や人員の問題から効果を疑問視する。支援団体は「受給抑制につながる」と警戒を隠さない。
         保護費返還は生活保護法に定められ、親子など直系血族、兄弟姉妹、3親等内の親族に対し、自治体が全額や一部を請求できる。厚労省は近く請求手続きを促進するマニュアルを自治体に示す。仕送りを断る親族に対し、扶養が困難な理由を証明する義務を課す法改正も検討している。
         生活保護事務の現場では、実際に親族に請求するケースは少ないとみられる。京都新聞社が生活保護事務の権限を持つ京都府と府内15市に聞いたところ、少なくとも過去5年間で1件も請求はなかった。
         理由の一つは権限の問題だ。自治体は親族に資産や支援の可否を尋ね、同意が得られれば仕送りしてもらっている。だが京都市地域福祉課の高見雄担当課長は「強制的に資産を調べる権限はなく、『余裕がない』と回答されれば信じるしかないのが現状」という。
         マンパワーも不足している。国基準ではケースワーカーは1人で80世帯を担当する。大津市生活福祉課の皆川宏司課長は「すべての対象者を調査できるわけではない。今強化しても見せしめ的な処分になって、公平性が保てない」と慎重姿勢だ。
         生活保護受給者を支援する「全京都生活と健康を守る会連合会」(下京区)の大本義雄事務局長によると、親族に自分の困窮を知られるのが嫌で、申請を控える人もいる。大本事務局長は「家族からの取り立ては、(窓口で受給申請を拒否する)『水際作戦』になりかねない。世間のバッシングを口実に、国は受給削減を強行しようとしている」と批判する。
         ◇冷静な議論必要
         里見賢治・佛教大教授(社会保障論)の話 「扶養は生活保護より優先して行われる」と法律で定められており、親族に余裕がある場合、請求するのは当然だ。だが、3親等内という扶養義務は古い家族観に基づくもの。ほとんど付き合いのない親戚の保護費を強制的に取り立てることになり、大混乱になる。時代に合った範囲を国民合意の下で見直す必要があり、冷静な議論が必要だ。
        http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20120628000023
        「京都新聞」2012年06月28日

        ●生きられる社会へ:生活保護の今 「扶養義務」虐待、音信不通の親にも? 一律に押し付けおかしい
         人気お笑い芸人の母親が生活保護を受けていたとして批判されたのを機に、政府は親族による扶養義務の強化を検討し始めた。だが、生活保護制度は命を守る「最後のとりで」として、家族の支援が得られないさまざまな事情も考慮して運用されてきた面もある。家族への「責任回帰」は、現代の家族関係にどんな影響を及ぼすのだろう。【稲田佳代】
         ◇家族への「責任回帰」に心理的圧迫
         「母や兄にはお金のことで振り回されっぱなし。もう嫌です」。東京都内に住む女性(24)はため息をついた。
         生後2カ月で、兄とともに児童養護施設へ預けられて育った。父親は知らない。
         21歳の時、一度は会っておかないと一生後悔する気がして、母親と連絡を取った。「私のことを心配していてくれるかも」という淡い期待は、すぐに裏切られた。連絡先を交換すると、携帯電話に何度もメールが来た。「今いくら稼いでいるの」「家賃の督促状が来た。追い出されちゃう。お金貸して」
         捨てられて憎いのに、心のどこかで母親とつながっていたい気持ちが消せない。だから、苦しい。嫌悪感と「自分が何とかしなきゃ」という気持ちの板挟みになった。施設で育った仲間に相談し、母親を着信拒否にしたが、しばらくうつ状態に陥った。
         母だけではなく、ともに施設で育った兄にも悩まされている。他人の財布を盗んで逮捕され、被害者へ返すお金を女性が立て替えたこともあった。家族のお金の問題は、結婚を考えている男性の親との関係にも影を落としている。
         「縁を切りたいけど、『家族だから養うべきだ』と言われたら、すごく悩む」
         小学4年から児童養護施設で育った別の女性(28)も「一律に『養うべきだ』と押し付けるのはおかしい」と訴える。
         運転手だった父親はいつも酒を飲み、子どもがいる前で母親に性交を強いることもあった。女性が小学6年の時に父親が亡くなり、母親は遺族年金で暮らすようになったが、親らしいことをしてもらった覚えはない。18歳で施設を出る時、母親は女性の成長を喜ぶより、年金の加算が減ることを惜しんでいた。
         親に巻き込まれず、自分を大切にしようと生きてきた。生活保護制度をめぐり、恵まれた家庭に育った政治家が家族の責任を強調する姿をテレビで見ると、嫌気がさす。
         「親の扶養が重荷になって貧困の連鎖を断ち切れない人もいる。家庭環境に格差があっても、努力すればみんながフェアなスタートを切れる。そんな方向にこそ社会を進めてほしいのに」
           ◇
         児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数が増え、離婚も珍しくなくなった。家族を巡る社会状況が大きく変わっている中で、家族による扶養義務を強化する動きは、逆に加速している。
         お笑い芸人の母親の騒動を受け、小宮山洋子厚生労働相は5月、生活保護を申請した人の親族が「扶養できない」と回答した場合、その理由を証明するよう義務付ける考えを明らかにした。大阪市は今月から、全受給者に改めて親族の職業や年収を申告させている。親族に十分な資力があるとみなせば、改めて扶養を求めるためだ。
         さらに厚労省は、今月5日の国家戦略会議に提出した「生活支援戦略」の中間まとめで、受給者を扶養できる親族に対し、必要に応じて保護費の返還を求めることなどを促す仕組みを検討する考えを明記した。
         いずれも財政難のなか「給付の適正化」を目的とした対策だが、受給者とその家族への心理的な圧迫感を強めている。
         生活困窮者を支援する弁護士やNPO関係者でつくる「生活保護問題対策全国会議」が6月初旬に行った緊急電話相談には、虐待した親や、両親が離婚して音信がない片親に複雑な感情を抱く人、自身も生活が厳しい人から「援助しなければならないのか」「援助を求められたら、と思うだけで不安だ」といった相談が相次いだ。
         そもそも、扶養する能力があるかどうかは、他人はもちろん本人自身さえ判断は難しい。世帯構成や家庭の事情、ライフプランは人それぞれで、子どもの教育費や家族の急病に備えた貯金も必要になる。家族に言えない秘密の借金がある人もいる。
         2年前まで都内の自治体で30年以上ケースワーカーを務めた男性(54)は、扶養照会について「事務作業にかかる人件費と比べ、実りがない」と言う。男性はかつて、1人で100世帯ほどを担当していたが、扶養照会によって経済的支援を申し出る人は1~2人、それもせいぜい月5000~1万円程度という現状を、目の当たりにしてきたからだ。男性は言う。
         「生活保護の相談に来る人は、いろいろなことがあって、既に誰にも頼ることができなくなっている状態の人が多い。介護保険制度の導入で、これまで家族が抱えていた親の介護を『社会化』することができたように、困窮者の生活支援も今や、家族に頼る時代ではなくなっているのではないでしょうか」
        http://mainichi.jp/select/news/20120710mog00m040002000c.html
        「毎日新聞」2012年07月10日

        ●「発達障害、子育てで防げる」 議員勉強会に抗議・批判
         超党派の国会議員66人でつくる「親学推進議員連盟」が、「伝統的な子育てで発達障害を予防できる」という趣旨の勉強会を開いたとして、発達障害者の支援団体が28日、議連会長の安倍晋三元首相あてに、勉強会で使われた資料の破棄などを求める要望書を送った。資料には、脳の先天的機能障害である発達障害について「予防は簡単、治療は大変」などと記されているといい、「科学的根拠を欠く」と抗議している。
         要望書を送ったのは、発達障害の当事者や研究者らでつくる日本発達障害ネットワークと、NPO法人アスペ・エルデの会。勉強会は5月下旬にあり、民間教育団体の所長と、大学教授が「発達障害を予防する伝統的子育て」をテーマに話した。配られた資料には、伝統的子育ての方法として「言葉かけが多い」「あやす」などの記載があったという。
         同ネット理事長の市川宏伸・東京都立小児総合医療センター顧問は「育て方で後天的に生じる発達障害はない。こうした考え方は、親への偏見を助長する」と批判する。
         議連は今春、親への適切な育児情報を提供する「家庭教育支援法」の制定を目指し発足。事務局長の下村博文衆院議員が、勉強会の内容をブログで紹介すると抗議が相次いだ。議員は今月2日、ブログ上で「誤ったメッセージになった。深くおわびする」と謝罪したが、要望書については「講演内容への要望なので、講演者が対応すべきだ」と話した。
        http://www.asahi.com/national/update/0629/TKY201206280789.html
        「朝日新聞デジタル」2012年6月29日

        ●発達障害児支援:7割「子どもに変化」 担当教諭ら、特性に応じ支援効果−−県追跡調査/埼玉
         発達障害のある子どもと接している保育士や幼稚園教諭らを対象に県が11年度に実施した研修で、受講者の3分の2以上が障害の特性に応じた支援を通じて子どもの行動に変化を感じていたことが、県の追跡調査で分かった。県は今年度も研修の内容と規模を拡充し、発達障害のある子どもへの支援の浸透を図る。
         県は11年度から福祉政策課に発達障害対策担当として専従職員7人を配置し、支援態勢を強化してきた。研修も3回に渡って行われ、県内の幼稚園など1116施設から1580人が受講。発達障害の基本知識、具体例を踏まえた子どもの支援方法などを学んだ。
         研修後の現場での実践を踏まえたアンケートには838人が回答(一部のみ回答も含む)。7割近くが「障害の特性に応じた支援を行った結果、子どもの行動に変化があった」と答えた。
         また、県はさいたま市以外の全市町村で担当職員を「発達支援マネジャー」として育成したものの、アンケート回答者の7割以上が市町村との関係にについて「特に変化を感じない」と回答。このため県は、市町村と現場の連携を強化するよう働きかけていく方針だ。
        http://mainichi.jp/area/saitama/news/20120626ddlk11100170000c.html
        毎日新聞 2012年06月26日

        ●東大、「自閉症スペクトラム障害」における脳の特定領域の活動不全を発見
         東京大学 医学部付属病院、「自閉症スペクトラム障害」の当事者では、他者が自分に対して友好的か敵対的かを判断する際に、顔や声の表情よりも言葉の内容を重視する傾向があること、また、その際には「内側前頭前野」と呼ばれる脳の場所の活動が有意に弱いことを示したと発表した。
         成果は、東大大学院 医学系研究科 精神医学分野の山末英典准教授、同統合生理学分野の渡部喬光大学院生らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間6月23日付けで米オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載された。
         自閉症スペクトラム障害は、相手や場の状況に合わせた振る舞いができないといった対人コミュニケーションの障害を主徴とする代表的な発達障害だ。この障害の原因や治療法は未確立で、高い知能を有する人でも社会生活に困難をきたしやすい現状にある。
         自閉症スペクトラム障害の当事者は、その高い知能や高い言語の理解能力にもかかわらず他者の意図を直感的に汲み取ることが苦手なため、しばしば社会生活に困難を感じている。
         特に、冗談や皮肉のような、顔や声の表情と言葉の内容が食い違う表現に接した場合この障害が顕著になることが知られていた。しかし、この経験的によく知られた現象を実証した研究はこれまで乏しく、どのような脳の仕組みがこの障害に関与しているのかも明らかではなかった。
         研究グループはこの障害を実験的に実証し、その背後にある脳の仕組みを解明するために、自閉症スペクトラム障害の当事者と精神障害のない定型発達者との間の行動・脳活動における違いに関する研究を実施した形だ。
         今回の研究には、知的障害がなく向精神薬の服薬も行なっていない、自閉症スペクトラム障害と診断された15名の成年男性当事者と、比較の対照として、この当事者と知的能力や年齢や生育した経済的環境に差がなく精神障害のない17名の成年男性が参加した。
         参加者には短いビデオを見てもらい、そこに登場する俳優が発する言葉の内容と言葉を発する際の顔や声の表情から、その俳優が参加者にとって友好的に感じられるか敵対的に感じられるかを判断してもらった形だ。
         その間、参加者の脳活動の変化を「fMRI(機能的磁気共鳴画像)」で測定した。俳優には、「きたないね」「ひどいね」といったネガティブな言葉と「すごいね」「すばらしいね」などのポジティブな言葉を、嫌悪感を示す表情・声色もしくは笑顔を示す表情・声色と組み合わせて発するというものである(画像1)。
         そして、嫌悪感を示す表情・声色でポジティブな言葉を発した俳優を「敵対的」と判断した場合を「非言語情報を重視した他者判断」と定義し、笑顔でネガティブな言葉を発した俳優を「敵対的」と判断した場合を「言語情報を重視した他者判断」と定義した。
         精神障害のない対照の群では、非言語情報を重視して他者判断する機会が多いことが判明。また、その際には内側前頭前野などの、他者の意図や感情の理解、曖昧なものの判断に関わることが知られていた脳の場所が強く活動しているのが確認された。
         一方で、自閉症スペクトラム障害と診断された当事者の群では、非言語情報を重視して他者判断する機会が減るのがわかった。また、不安や恐怖といった脅威的な刺激に対して反応する扁桃体の活動は増強されるものの、精神障害のない対照の群で強く活動していた内側前頭前野などの活動は減弱していることがわかったのである(画像2)。
         さらに、この内側前頭前野などの活動が弱い人ほど、日常的に観察された対人コミュニケーション障害の重症度が重いことも判明した(画像3)。
         今回の研究は、皮肉や冗談の意図を直感的に汲み取りづらいという自閉症スペクトラム障害の重要な症状を定量的に実証し、さらにその障害の背後にある脳の仕組みを明らかにした。今後はこの研究成果をもとに、これまで乏しかった対人コミュニケーション障害の客観的評価方法の開発や、自閉症スペクトラム障害当事者との相互理解の促進、さらには今回の研究から得られた脳画像所見を効果判定指標とした対人コミュニケーション障害の治療法の開発、といった展開が期待される。
        ※東京大学のPRESS RELEASEは→http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20120623.pdf
        http://news.mynavi.jp/news/2012/06/25/104/index.html
        「マイナビニュース」2012/06/25

        ●全世帯の61.5% 生活「苦しい」
         厚生労働省の国民生活基礎調査で平成22年の1世帯あたりの平均所得金額は高齢者世帯で307万2000円、児童のいる世帯で658万1000円、全世帯平均で538万円と、いずれも前年に比べ0.2%、5.6%、2.1%減少したことが分かった。(統計では岩手、福島、宮城の3県が除かれている)。
         また平均所得金額は538万円になったが、61.1%は平均所得以下だった。特に100万円以下が6.5%、100万円以上200万円以下が13.1%、200万円以上300万円以下が13.3%、300万円以上400万円以下が13.6%と400万円以下の世帯が46.5%を占めていた。逆に2000万以上は1%に過ぎなかった。
         また、生活が大変苦しいとした世帯は29.1%、やや苦しいは32.4%で全世帯の61.5%は苦しいと回答。大変ゆとりがあるとしたのは0.5%の世帯だった。
        http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0706&f=national_0706_003.shtml
        「サーチナ」【社会ニュース】 2012/07/06(金)