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        関係性を築きにくい高齢者とうまく関わるヒント。
        2012/09/21
         高齢者に限ったことではありませんが、会話が通じにくい、約束したことを守ってくれない、良かれとプランを説明しても自分のルールを変えようとしない等々、関係を作りにくい人と多かれ少なかれ出あっておられると思います。本人さんも、関わろうとする人に対して同様の気持ちを抱いておられるはずです。
         一見して「普通」、むしろ高学歴だったり、定年まで立派に勤めあげておられたり、社会的立場を持っておられたり…。だけど、話が通らない、「一般的」な規範からは理解できない、等々。結果、お手上げ状態になってしまっている場合が少なくありません。
         アプローチを変えるにしても、何をどうすれば、どこから着手したら良いのか見えてこない時に、「視点」として持つことでヒントが見えてくるのが「自閉症スペクトラム」という記号です。
         「自閉症や発達障害って最近よく耳にするけど、子どもの病気でしょ」と思われていたら、そこにヒントが潜んでいます。発達障害は、本当に「子どもの病気」でしょうか?
         発達障害とされる障害概念は、日本ではまだ歴史が浅く、また概念自体、国際的な診断基準(DSMなど)の運用のあり方も年単位でと言って良いほど揺れ動いています。ただ、基本点は大きくは変わりません。
         自閉症など「発達障害」は、生まれ持って脳中枢などに機能の「違い」「偏り」があることから生じ、育つ環境、特に対人関係性によって独特な認知(考え方や捉え方)が生涯にわたって形成されて行きます。最近になって発生し(発見され)たり、急増したものでもありませんから、「子どもの病気」ではなく「定型発達」とされる多くの人とは少し違う「特性」をそれぞれにお持ちの人の表現形であり、高齢者にも当然に、この「特性」を濃く、薄くお持ちの方が一定割合でおられます。精神科の診断においては、現在のDSM-Ⅳでは広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害など)、学習障害、注意欠如多動性障害などに分類されます。
         これらは併存することが多く、基盤に広汎性発達障害=自閉症スペクトラム障害があることが多いとされています。
         自閉症スペクトラムには「三つ組課題」(3主徴)があります。社会性(対人関係性)、コミュニケーション(会話)、限定的な興味・関心(こだわり、想像力の弱さや独特さなど)の3つが、(定型発達者を「普通」とする)社会生活において困難さを生じる要因とされます。持って生まれた脳の機能と育ちの関係性などによって、人それぞれに濃く、薄く「違い」があります。
         今、関わりにくいと思われている人の「特性」や「違い」を考えてみましょう。友だちがいなかったり少なかったり、会話に不自然さを感じたり、こだわりが強かったり、それらによって関わり方が難しかったり上手くいってなかったとしたら、そこには自閉症スペクトラムという記号が潜んでいるかも知れません。
         そして、その「特性」ゆえに、「社会生活」や対人関係性で困難が生じ、目の前の課題となってしまっていると理解して、関わり方を個別に考えて行く必要があるのです。言語・文化の違いと捉えることは少しオーバーですが、考え方・価値観の「違い」と捉えて「共通言語」を一緒に見つけて行く、とイメージしてみて欲しいと思います。自閉症スペクトラムの「特性」がなければ、改めて「定型発達者」としての関わり方を工夫して行くことになります。
         支援者が困っている、でも本当に困っているのは支援を必要としている本人さんやそのご家族です。その支援を、ニーズに応じて、さらにより快適な生活に向けて受け入れてもらえるサービスとして個別の具体的なメニュー作りをできるか否かは、本人さんとご一緒に作って行ける関係性を築けるか否か、「工夫しだい、支援しだい」なのです。まずは、発達障害の「特性」を学ぶことから始めてみませんか?
        <参考図書>
        『大人のアスペルガー症候群』,佐々木正美・梅永雄二:監修,講談社,2008
        『発達障害 工夫しだい 支援しだい』,しーた:著,学研,2011
        『やさしい発達障害論』,高岡健:著,批評社,2007

         それでは、最近の気になる記事です。

        遺族「教師が暴行目撃」 大津中2自殺・口頭弁論

         大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺した問題で、男子生徒の両親が市や同級生らに計約7700万円の損害賠償を求めている訴訟の第3回口頭弁論が18日、大津地裁(長谷部幸弥裁判長)であった。市側は、男子生徒へのいじめに関連する資料22点を提出した。
         一方、遺族側の代理人は弁論後の記者会見で、この資料の中に、男子生徒の自殺前に、学校側がいじめとの認識を持っていた可能性を示す記述が存在することを明かした。
         市側が提出した資料は▽教師が生徒に聞き取り調査した70人分のメモ▽男子生徒がいじめで負傷した際の保健室の記録▽教師の業務日誌▽職員会議録▽学校側の市教委への報告書-など。
         弁論で市側は、男子生徒が受けていたいじめの内容や自殺との因果関係、自殺の予見可能性などを示す資料について、今後、市側の有利不利を問わず積極的に開示していく方針を示した。
         遺族側は、教師らがいじめを放置していたとする書面を提出。担任教師は昨年9月下旬に男子生徒が同級生からトイレで暴行を受けているのを目撃しながら、詳細を調べず立ち去ったと主張した。
         被告の3人の同級生側は、遺族が主張する男子生徒への恐喝や金品の要求、万引の強要などのいじめ行為について、全面的に否認する書面を出した。
         次回の第4回口頭弁論は11月27日に開かれる。
         父親は代理人を通じて「なぜいじめに関する情報が教師の間で共有されず、対策を講じなかったのか」とのコメントを出した。
        http://kyoto-np.co.jp/politics/article/20120918000141
        「京都新聞」2012年09月18日

        ●いじめ、警察に無断通報しないで…一貫校の校長
         東京都内の私立中高一貫校で、中学時代に同級生からいじめを受けたとして、警視庁に被害届を出した高校1年の男子生徒(15)が、進級面接で学校側から相談なく警察に通報しないよう求められたことが18日、分かった。
         男子生徒は進級の条件として口止めされたと理解し口外しなかった。だが、高校に進級後もいじめが続き、改善は不可能だと判断し、8月に警視庁に暴行容疑で被害届を出した。
         男子生徒の母親によると、母親と男子生徒は1月下旬に行われた進級面接で、校長から「(学則を守るなど)誓約書に書かれている事項をふまえて、具体的に守ってもらいたいことがある」と告げられたという。
         その際、校長から「生徒にボイスレコーダーを持たせ、校内の人の発言を録音しない」「学校で解決されるべき問題について、学校に相談することなく、警察などへ通報しない」など4項目について守るよう求められた。その後、学校側は、校長が求めた4項目を文書にし、男子生徒側に郵送した。
         男子生徒は、中学1年生の頃から、同級生らに更衣室やトイレで暴行を受けるなどのいじめに遭っており、その都度、学校側に相談していたが、解決することはなかった。
         いじめを訴え続けたことで昨年9月頃から、学校側が「そういう態度だと進級できない」などと進路への影響を言及していた。そのため、進級面接の際、学校側が求めた4項目について、男子生徒の母親は「進級を条件に『口止め』を要求されたと理解した」と話す。
         だが、進級後もいじめが続き、被害届を提出。受理されたのは、中学3年生だった昨年10月、体育祭で同級生から首を絞められたり、腕を殴られたりするいじめに遭ったとする内容。
         校長は、読売新聞の取材に対し「確かに学校との協力関係を崩すようなことはしないでほしいという内容の文書は送ったが、進級の条件ではない。『警察に言うな』というのではなく『事前に学校に相談してほしい』という意味だった」と説明した。
         この中高一貫校では、中学2年生の男子生徒(13)が同級生からのいじめに遭ったとして、8月から9月にかけ、4件の被害届を警視庁に提出している。
        http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120919-OYT1T00101.htm
        「読売新聞」2012年9月19日

        ●問題行動調査:小中高校生、自殺3割増 昨年度200人、いじめ認知7万件−−文科省
         昨年度、小中高校生の自殺が前年度比44人(28%)増の200人だったことが11日、文部科学省が発表した11年度の「問題行動調査5件」で分かった。200人以上となったのは1986年(268人)以来で、6割近くが「原因不明」とされている。一方、いじめは前年度から7399件(9・5%)減の7万231件を認知。このうち、2935件(4・2%)が解消できていない。同省は「早期発見と対応の徹底が必要」としている。
         全国の国公私立小中高校、特別支援学校を対象に、各都道府県教委からの報告を集計した。自殺は小学6年生4人のほか、中学生39人、高校生157人の計200人。背景にいじめがあったとされたのは4人だけで、全体の58%に当たる115人が「原因不明」とされた。警察庁は、11年1~12月に小中高生の353人が自殺したと発表。前年は287人で66人増えているが、文科省5件の統計と乖離(かいり)がある。文科省5件は学校から教委への報告をまとめており、学校が遺族の意向などから報告していないケースも多いとみられる。
         一方、いじめは、全学校数の38%にあたる1万4894校で認知。学年別では、中学1年の1万5260件が最多で、中2の1万652件、小学5年の6813件と続く。
         いじめの内容(複数回答)は▽悪口や脅し文句を言われる(4万6257件)▽遊ぶふりでたたかれたり蹴られる(1万5646件)▽集団による無視(1万3855件)など。
         認知後の対応は、9割のケースで教員がいじめた児童生徒に状況を聞き、5割で保護者に報告。4割で謝罪を指導した。5万6305件でいじめが解消したが双方の転・退学も671件あった。
        http://mainichi.jp/feature/news/20120912ddm001100017000c.html
        「毎日jp」2012年09月12日

        ●小学生の暴力は過去最多7155件 ネットいじめも増加 文科省調査
         文部科学省が11日に発表した問題行動調査で、小学生の暴力行為は前年度比83件増の7175件で過去最多となった。現在の方法で調査を始めた平成18年度は3803件で、5年間で1・8倍に。専門家からは「子供の成長が早くなり、小さい時期から問題行動が見られるようになったのではないか」との指摘も出ている。
         内訳は子供同士の暴力が4498件、器物損壊1381件、教員への暴力が1132件など。大半は学校内で起きた。加害児童数は前年度比168人増の6799人。うち、警察による補導や児童自立支援施設への入所などの措置を受けたのは159人だった。
         学校側の対応は、被害者に謝罪するよう指導する、ルールを守るよう教えるといったケースが多かった。中学生の暴力行為は前年度比3705件減の3万9282件。高校生は784件減の9442件だった。
         一方、大津市の中2男子自殺を受け、今回の調査で注目されたいじめ。把握した学校は38・0%で、3・3ポイント減。小学校が3万3124件、中学3万749件、高校6020件、特別支援学校338件だった。
         内容(複数回答)は「冷やかしや悪口」の65・9%、「軽くぶつかる、たたかれる」22・3%、「仲間外れ、無視」19・7%が多かった。
         「パソコンや携帯電話で誹(ひ)謗(ぼう)中傷や嫌なことをされる」といういわゆるネットいじめは2992件で59件減少したが、認知件数全体に占める割合は4・3%で0・4ポイント増加した。
         相談相手は、学級担任が69・5%で最も多く、保護者や家族(31・4%)、担任以外の教職員(14・7、%)友人(9・7%)と続いた。「誰にも相談していない」も8・8%いた。
        http://sankei.jp.msn.com/life/news/120911/edc12091122110002-n1.htm
        「産経ニュース」2012.9.11

        ●中2男子、いじめで暴行され8か月意識不明
         埼玉県川越市で1月、当時、同市立中学2年の男子生徒(15)が、同級生の少年3人から暴行を受けて意識不明の重体となった事件があり、生徒が入学当初から3人らからいじめを受けていたことが12日、わかった。
         学校は、生徒と少年らとの間で度々、トラブルがあったことを把握していたが、常習的ないじめとは認識していなかったという。生徒の意識は今も回復していない。
         捜査関係者らによると、生徒と3人は同じ運動部に所属。事件が起きた1月5日は冬休み中で、午前の部活動終了後、3人が生徒を同市の公園に呼び出し、全身を何度も殴ったり蹴ったりしたとされる。生徒が動かなくなったため、1人が119番。3人は同日、県警に傷害容疑で逮捕され、その後、少年院に収容された。
         少年らは逮捕当初、調べに対し「生徒の態度が気にくわなかったから殴った。タイマン(1対1のけんか)だった」などと供述。しかし、その後の調べで、実際には3人で生徒を取り囲むようにして順番に暴行していた疑いが強まった。
         市教委によると、学校は昨年4~12月の計8回、生徒が少年らにからかわれたことに怒り、授業中にけんかするなどのトラブルがあったことを把握していた。
         だが、教諭は、生徒が一方的にいじめられているとは思わず、双方に口頭注意するだけで済ませていた。
        http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120913-OYT1T00227.htm
        「読売新聞」2012年9月13日

        ●文科省:子供の自殺件数の統計「実態反映せず」中止
         文部科学省は13日、全国の小中高校を対象に毎年実施する「問題行動調査」で、子供の自殺件数の統計を来年の調査から中止することを決めた。遺族の意向などで学校が教育委員会に報告しないケースがあり、実態が反映されていないと判断した。今後は各校が実施する実態調査をもとに、医師や弁護士で構成する省内の有識者会議で予防策を検討する。
         文科省が11日に公表した調査結果では自殺した人数を200人(11年度)としたが、警察庁の統計では353人(11年1~12月)となっており、乖離(かいり)が指摘されていた。
         文科省は昨年6月、自殺した児童生徒の置かれていた状況について、約1カ月後をめどに実態調査をするよう各教委に求めていた。
        http://mainichi.jp/select/news/20120914k0000m040059000c.html
        「毎日新聞」2012年09月13日

        ●大津市議会:いじめ防止に「子どもの役割」条例案
         大津市立中学校2年の男子生徒が自殺した問題を受けて、同市議会の主要会派は、いじめを発見した子どもに学校などへの相談を求めた「子どものいじめ防止条例」案をまとめた。12月議会に提案し、成立する見通しだ。市議会関係者によると、制定されれば、いじめ防止に関して「子どもの役割」を明記した初めての条例となる。
         条例案は「子どもの役割」として、「いじめを発見した場合(疑いも含む)及び友達から相談を受けた場合は家族、学校に相談する」とした。子どもは小学生から高校生までと定義している。
         また、学校の責務として「いじめを把握した場合には、その解決に向け速やかに、組織的対応を講じなければならない」と定めた。保護者にも、いじめに気付いた時点で「速やかに市、学校、関係機関等に相談または通報しなければならない」としている。いずれも罰則規定などはない。
         同市議会は自殺問題を受け、いじめ防止条例案を全会派でまとめることを決めていた。しかし、共産党市議団は「子どもの役割」の規定について、「子どもの行動を条例で押しつければ逆に追い詰めかねない。大津市の条例は全国への影響も大きい」と反対している。
        http://mainichi.jp/select/news/20120914k0000m040155000c.html
        「毎日新聞」2012年09月14日

        ●打ち切り恐れ退院、死亡か 生活保護受給の身障者  
         生活保護を受給しながら入院生活を送っていた盛岡市の30代の男性身障者が、市のケースワーカーから「入院が6カ月を超えると住宅費を支給できない場合がある」との説明を受けて退院し、約10日後に死亡していたことが、10日の市議会一般質問で明らかになった。退院と死亡との関連は不明だが、ケースワーカーは生活保護支給の延長規定を説明しておらず、男性が支給打ち切りを恐れて退院を早めた可能性があり、市は「(説明方法を)見直すべき点がある」としている。
         男性は3月初旬にアパートで死亡しているのを友人が発見。死因は急性心臓死とみられ、退院との因果関係は不明だ。
         生活保護実施要領によると、6カ月を超えて入院しても、その後3カ月以内に確実に退院できる見込みがあれば、住宅費の支給を3カ月延長できるが、ケースワーカーはその点について男性に説明していなかった。男性の入院期間がどの程度になるか、病状を見た上で説明しようと考えていたという。 
        http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120911_2
        「岩手日報」2012/09/11

        ●<初公判>「自宅があるから引きこもる」と自宅に放火 無職被告、起訴内容認める 金沢
         自宅に放火し、全焼させたとして現住建造物等放火罪に問われた、金沢市泉本町1、無職、徳丸雄大被告(22)の裁判員裁判の初公判が10日、金沢地裁(手崎政人裁判長)であり、被告は起訴内容を認めた。一方、検察、弁護側ともに犯行時の被告が心神耗弱状態であったとした。
         冒頭陳述で検察側は、「引きこもり生活をしていた被告が『自宅があるから引きこもりが続く』として犯行に及び、動機に酌量の余地はない」と指摘。一方、弁護側は「自分の気持ちを制御できない状態だった」などと訴えた。起訴状によると、今年2月6日午前10時45分ごろ、自宅1階廊下に灯油をまき、さらに、ガスコンロで火をつけた新聞紙を置いて火をつけ、木造2階建て住宅約70平方メートルを全焼させたとされる。
        http://mainichi.jp/select/news/20120912mog00m040001000c.html
        「毎日新聞」9月12日

        ●子どもの自殺 約6割が原因不明
         文部科学省の調査で、昨年度、全国の学校から報告された自殺した子ども200人のうち、およそ6割は原因が「不明」とされていることが分かり、専門家は、学校だけでなく警察や保健所などとともに原因を解明する態勢を作る必要があると指摘しています。
         文部科学省が行った調査で、昨年度、全国の学校から報告された自殺した子どもの数は、小学校が4人、中学校が39人、高校が157人の合わせて200人で、前の年度に比べて44人、率にして28%増えました。
         原因を複数回答で見ますと、「親などのしっ責」が24人で12%、「進路問題」が20人で10%、「いじめの問題」が4人で2%などとなっていて、全体の57.5%にあたる115人は「不明」となっています。
         文部科学省は「不明が多いままでは効果的な対策が取れない。専門家にも分析してもらうなど、自殺に至る前に未然防止に向けた手だてを打ちたい」と話しています。
        一方、いじめの問題に詳しい明治大学の内藤朝雄准教授は、学校だけでは限界があるとして「警察や保健所などが主導的に調査に行い、原因を解明する体制が必要だ」と指摘しています。
        http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120912/k10014957431000.html
        「NHK NEWSweb」9月12日

        ●休止状態の色覚検査復活へ 西宮の小中、希望者に 
         西宮市教育委員会は、色を識別しにくい「色覚異常」かどうかを知るための検査を、市内全小中学校で小学4年以上の希望者を対象に行うことを決めた。学校での色覚検査は「差別につながる」などとして2003年から任意制になり、兵庫県教委によると、学校で実施している自治体はほとんどないという。同市教委は「職業選択や事故防止などの観点から知っておくのは重要」とし、2学期中に検査を行う。
         色覚検査は学校の定期健診で義務付けられていたが、色覚異常があっても大半は日常生活に支障はないことや、誤解から差別につながるといったことを理由に、03年に文部科学省が必須項目から削除。県教委によると、ほとんどの自治体が検査を行わなくなった。
         しかし、学校で特定の色の黒板の字が読みにくかったり、描いた絵の色使いがおかしかったりするケースがあるという。また、電車の運転士やパイロットなど選択できない職種もあり、知らずに試験を受けて初めて色覚異常を知る人もいる。
         こうした実態を色覚異常のある同市議が議会で指摘。検査復活の要望を受け、市教委が今春から同市医師会眼科医会などと議論を重ねてきた。
         色覚異常そのものを知らない保護者も増えているといい、保護者に説明文を渡した上で、希望者を募って検査と相談を実施する。市教委は「正しい知識の啓発と併せて、適切な支援をしていきたい」としている。
        【色覚異常】
         色を感じ取る視細胞には、赤、緑、青それぞれに敏感なタイプがあり、3種類のうちどれかが足りなかったり、十分機能しないために起こる。先天性は遺伝的要因で、日本人男性の5%、女性の0・2%の頻度で起きているとされる。程度は人によって異なり、多くのケースでは日常生活に困ることはないという。
        http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005369361.shtml
        「神戸新聞」2012/09/11

        ●東電:避難での障害悪化、賠償増額せず
         福島県楢葉町に住んでいたダウン症の男性(49)が、東京電力福島第1原発事故で避難した後、身の回りのことを自分でできなくなり、診断書に基づいて賠償の増額を東電に求めたものの認められていない。支援する弁護士らは、避難により障害者の状態が悪化しても救済されにくく、震災弱者がますます弱い立場に追い込まれていると訴える。
         男性は原発事故の前まで、平日は楢葉町内の障害者グループホームで生活。日中は福祉作業所に通い、週末は父親(78)の家で過ごしてきた。着替えなど身の回りのことは自分でこなし、洗濯物を干すなどの家事もしていた。原発事故後の昨年3月12日、父親といわき市内の体育館に避難。トイレが思うように使えず、4日後、母親(75)が住む千葉県市川市の実家に移った。
        http://mainichi.jp/select/news/20120914k0000m040153000c.html
        「毎日新聞」2012年09月14日