「夢」とタイムスリップ、幻覚…。
2012/11/11
「夢」の話しの前に、本サイトの新しいページの紹介です。
「カンナの研究ノート」を新設しました(トップページから入れます)。対人援助に関する様々な研究のまとめを順次掲載していきます。皆様の実践にお役に立てればと思います。現在アップしているのは、以下の2つのnoteです。ご意見・ご感想など、お待ちしております。
・note1 高機能の自閉症スペクトラム特性のある方への支援 —「困難」時のふりかえり事項 20121109
・note2 成人のASD特性のある人への個別支援の多様な「器」 20121110
さて、「夢」の話し。最近Twitterでつぶやいたものをまとめてみます。
昨夜(少し前の夜です)も妖しい夢を見た。小高い所にある病院のような施設に車で到着し、駐車場を探す。その風景は、以前にも夢で見た。今回は待合室に。20~30人程が立ったり座ったり。幾人かは見覚えがあるようだが、他は記憶にない。だが顔も表情も衣装も振る舞いも、実にリアルで五感で感じた。
この場所、この人たちは、本当に夢の中で創り上げられたものだろうか?確かにいろんな断片的な記憶が交錯しながら全体のストーリーは作られているようだが、ここまでリアルに描けるとすると、それはもしかして、見た(体験した)ことがあっても意識に上る記憶にないだけかも知れない。
想起できないレベルの断片的な体験があったとして、それが睡眠中など脳の多くの機能が抑制された状態で、脱抑制される機能が(無意識に)働き想起され、ランダムに交錯しながらストーリー化しているとすれば、記憶情報などの整理や中枢機能のリフレッシュだったりするのかも知れない。
不思議なストーリーや風景、登場人物…。人にはそんな、無からリアルを生み出す想像力があるのか?幻覚や妄想と思える夢。想起できない記憶の想起だとしたら、「自閉脳」と言われる高解像度&ハイスペックの記憶能力のある方のタイムスリップや、「統失」とされる方の「空笑」等も了解可能?
いずれにしても、人の「想像力」は不思議だ。不安から生じる被害妄想的なもの、耐えがたい心的状況からの「解離」、他罰的な防衛機制…。その時々において、自らを守るために無意識に行っている本能的な脳の活動なんだろうが…。しばらく、夢を追いかけたいと思います。
これは、note3にするかも知れません。
それでは、最近の気になる記事です。イジメ、自死、学校事故の報道が続きます。
品川中1自殺:「学校の対応に不備」 区教委報告書
東京都品川区で9月、区立中1年の男子生徒(12)が自殺した問題で、学校がいじめを把握する際の対応に不備があったと指摘する報告書を、区教育委員会の調査対策委員会がまとめたことが分かった。担任が7月にいじめアンケートで男子生徒のトラブルを把握したものの、「解決しそうだ」と判断したのに対して同僚らのチェックが利かず、校長も区教委から求められたアンケート結果の確認をしていなかったという。
学校関係者によると、報告書では男子生徒がクラスの大半から「きもい」など言葉によるいじめを受け、同級生6人の暴力行為もあったと指摘。いじめが入学後から半年間続いたことが自殺につながったと判断した。
学校は7月に全校生徒にアンケートを実施。男子生徒はシャープペンシルが壊されたことを申告したが、「解決しそう」に丸印をつけていたことから担任が問題ないと判断。トラブル自体が上司に伝わらず、校長は求められたアンケート結果の確認をせずに現場に任せていたという。
調査委は遺族1人と学識経験者4人、都教委1人の計6人で構成している。
http://mainichi.jp/select/news/20121102k0000m040150000c.html
「毎日新聞」2012年11月02日
●中1自殺、いじめ「密接に関係」 品川区教委
東京都品川区で9月、いじめを受けた区立中1年の男子生徒(当時12)が自殺した問題で、区教育委員会は5日、いじめと自殺に「密接な関係があった」とする調査結果を区議会文教委員会に報告した。
調査結果では、いじめは4月の入学直後から始まり、悪質な行為にかかわった加害生徒は32人と認定。暴力行為の中心になったと6人が認めたという。別のクラスの生徒も加担しており、いじめが「広範囲に長く続いた」とした。
担任らはいじめ行為を見聞きしても深刻にとらえず、学校や教育委員会として適切に対応できなかったと不備を認めた。
具体的ないじめは、文房具を壊されるなどのいやがらせや、「きもい」「うざい」といった悪口、わざとぶつかるなどの暴力。自殺当日の9月26日も、休み時間に数人から囲まれ殴られていた。
男子生徒の親は7月10日の三者面談で、同級生から「殺す」と脅されたことなどを挙げて「いじめの標的になっているのではないか」と担任に訴えたが、学校側は対処しなかったという。
調査結果は、学識経験者や都教育委員会職員のほか、遺族も加わった調査対策委員会が生徒や教職員らに面談、アンケートを実施してまとめた。
区立中は5日夜、保護者会を開き、調査結果を説明した。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG05056_V01C12A1CC1000/
「日本経済新聞」2012/11/6
●大津いじめ自殺、市教委資料に多数の「黒塗り」
大津市でいじめを受けた中学2年男子生徒が自殺した問題の原因を究明している市の第三者調査委員会(委員長=横山巌弁護士、委員6人)で、委員が調査のために市教委から取り寄せた関係書類に多数の「黒塗り」があることがわかった。
市教委が委員に渡す前に不都合な部分を隠した可能性があり、委員の間では「真相究明を妨げようとする隠蔽行為だ」という批判の声が上がっている。
同委では、市教委側に自殺問題に関する生徒指導関係書類などの資料提出を随時求めているが、渡された書面には個人名だけでなく文章の一部にも多くの黒塗りがあり、事実を確認できない部分があるという。
委員の一人、尾木直樹・法政大教授は28日夜の第7回会合の後、報道陣に対し「いじめに関する教諭らの踏み込んだ発言の記録があっても、黒塗りになっていると、追跡調査もできない。何の権限があって隠すのか」と市教委側を批判。また、一部の学校関係者が同委の聞き取り調査に応じないケースもあるといい、同委は市教委などに対応を見直すよう求める考えだ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121029-OYT1T00237.htm?from=ylist
「読売新聞」10月29日
●「いじめアンケート公表を」=大津の自殺生徒の父が会見
いじめを受け自殺した大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=の父親(47)が30日、東京都内で記者会見し、「市から開示された生徒へのアンケート結果の実名部分などが黒く塗りつぶされ、真相究明ができなかった」と訴えた。
父親は「見て見ぬふりしただけでなく、真実を隠蔽(いんぺい)した学校と教育委員会には二重の意味で裏切られた」と声を詰まらせ、「真相を解明し、いじめを根絶する上でアンケート結果の公表は必要不可欠な第一歩だ」と強調した。
また、学校からアンケート結果を受け取る代わりに、「部外秘を確約する」との確約書に署名させられた経緯なども語った。
http://jp.wsj.com/Japan/node_538931
「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」2012年10月31日
●奈良市・中2男子裸撮影 市教委「深刻ないじめ」 早期発見できず謝罪
奈良市の市立中学2年の男子生徒(13)に裸になるよう命じ、携帯電話で撮影したとして同級生ら4人が逮捕された事件。30日会見した市教委の担当者は「深刻ないじめ」と認め、事前に何度も学校現場でいじめ把握のアンケートを実施しながら、把握できなかった対応の不手際を認め、「早期発見できなかった。誠に申し訳ない」と謝罪した。
◇
市教委によると、同級生らから男子生徒に対するいじめは今年4月ごろから始まり、暴行や小銭を奪うなど次第にエスカレート。場所も学校から、同級生の自宅や公園などに拡大していった。担任の教諭は「仲の良い友人同士に見えていた」と報告しており、いじめの把握が遅れたという。
この学校では独自に毎年6月、学校生活全般について全校生徒対象のアンケートを実施しており、7月には担任教諭による面談もしていた。
さらに大津市の中2男子が自殺した問題を受け、9月には県教委によるいじめ把握のアンケートも実施したが、いずれも今回いじめを受けていた男子生徒は、いじめをうかがわせる回答をしていなかった。
男子生徒は今回の問題発覚後、ようやくいじめに遭っていることを打ち明けた。加害者側の同級生らもいじめを認め、謝罪したという。
いじめの把握が遅れたことについて、市教委の担当者は「早期発見ができなかったことは問題だ。アンケートには限界がある」と認め、「学校単位や学級単位、部活単位などで、重ねて網をかけていくしかない」としている。
市教委は今後、生徒からいじめの相談を受ける非常勤カウンセラーの勤務日を増やしたり、学校外で相談できる場所を確保するなどの対策を検討していく。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/121031/nar12103102200000-n1.htm
「産経ニュース」2012.10.31
●浜名湖ボート転覆:豊橋市が責任認め謝罪へ 和解が成立
浜松市の浜名湖で10年6月、訓練中の手こぎボートが転覆し愛知県豊橋市立章南中学1年の西野花菜さん(当時12歳)が死亡した事故で、両親が約6800万円の損害賠償を求めた訴訟は24日、名古屋地裁豊橋支部(田近年則裁判長)で和解が成立した。豊橋市は責任を認めて両親に謝罪し、和解金の負担はない。静岡県と、訓練を実施した県施設の指定管理者の小学館集英社プロダクションが和解金を支払う。額は明らかにしていない。
原告側代理人によると、24日は市、同社との間で和解が成立し、静岡県は県議会での手続きを経て正式に和解する。
市との和解内容は、▽校外学習の安全マニュアルなど危機管理体制が構築されていなかった▽事前に訓練内容の安全性を点検しなかった▽荒天だったのに学校が天候や実施判断を施設に依拠した−−など、事故に対する市の責任を認めた。佐原光一市長が両親に会って謝罪し、再発防止のための検証やマニュアル改訂、教員の研修実施なども盛り込んだ。
父友章さん(53)は和解成立後の記者会見で「ほっとした。おおむね主張が認められ、納得している」と話した。墓を設けておらず、花菜さんには「心の中で報告かな」と述べた。
事故を巡っては、市が一貫して責任を認めず、今年5月に両親が提訴した後も全面的に争う姿勢を示していた。同支部が8月下旬に和解勧告すると市は一転し和解に応じる方針を示し、友章さんは「市長から謝罪を受ける際、なぜ思い直したのか聞きたい」と市への不信感を口にした。
和解成立について佐原市長は「法廷で争うことは本意でなく、裁判所の和解案をそのまま受け入れた」とコメントを出した。25日に記者会見し、謝罪する。
両親が今年5月に提訴し、市だけが全面的に争う姿勢を示していた。
http://mainichi.jp/select/news/20121025k0000m040094000c.html
「毎日新聞」2012年10月25日
●「いじめでPTSD」賠償命令、市と加害者親に
石川県加賀市の小学校低学年の女児が同級生からいじめを受けて精神的な障害を負ったとして、女児と両親が同級生9人の親と同市を相手取り、約4830万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、金沢地裁小松支部であった。
小野瀬昭裁判官は、いじめの存在と当時の担任教諭の責任を認め、市と同級生3人の親に約703万円の支払いを命じた。
判決によると、2007年の2学期から08年5月頃まで、女児は同級生3人に階段から突き落とされたり、「きもい」などと言われたりするいじめを受けた。担任は08年5月に女児の母から相談を受けていじめを把握していたが、女児が欠席するまで一部の同級生の親にしか連絡しなかった。小野瀬裁判官は、「家庭と協力して真相を解明するなど、いじめ防止の措置を講じるべきだった」と担任の責任を認めた上で、いじめによる外傷性ストレス障害(PTSD)の発症を認定した。
裁判で同級生の親側は「いじめの事実はない」とし、市側は「担任がいじめを予見することは不可能で、相当な措置も取っており、過失はない」と主張していた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121109-OYT1T00710.htm?from=ylist
「読売新聞」2012年11月9日
●若者の3年以内離職、塾や飲食業で半数 医療も4割に
厚生労働省は31日、若者が入社してから3年以内に辞める離職率を、業種別や規模別に初めて公表した。2009年3月に大学を卒業して就職した43万人のうち、28.8%にあたる12万人が3年以内に辞めていた。
業種別では、学習塾など教育・学習支援や宿泊・飲食サービスで、半数近くが辞めていた。政府が雇用の受け皿として力を入れている医療・福祉も離職率が4割に迫った。いずれも、長時間労働や賃金が低いといった理由があるとみられる。一方、電気・ガス・水道や製造では離職率が平均を大きく下回った。
詳細は同省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/12.html)で。
http://www.asahi.com/business/update/1031/TKY201210310478.html
「朝日新聞」2012年10月31日
●精神科医の8割以上が抗精神病薬の血糖値上昇リスクに不安 ”治療への構え” を調査
統合失調症の患者は一般人口に比べ平均余命が短く,心血管疾患による死亡率やメタボリックシンドロームへの罹患率が高いことも報告されている。その一因として,代謝系などに影響を与える抗精神病薬の関与が推定されている。第22回日本臨床精神神経薬理学会・第42回日本神経精神薬理学会合同年会(10月18~20日,宇都宮市)のシンポジウム「精神科薬物治療の身体リスクを考える -統合失調症患者さんの命と健康を守るために-日本精神科病院協会との合同プロジェクト」〔司会=新潟大学大学院精神医学分野・染矢俊幸教授,日本精神科病院協会・森隆夫常務理事(愛精会あいせい紀年病院理事長)〕で弘前大学大学院神経精神医学講座の菅原典夫氏は,診療に当たる精神科医の抗精神病薬を用いた治療への構え(attitudes)に関するわが国初の調査結果について報告。血糖値上昇リスクがある薬剤の処方に対しての精神科医の8割以上が不安と回答したという。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1210/1210068.html
「MT Pro」2012年10月23日
●就労障害者:公的支援含めても年収200万円以下99%
福祉作業所など就労支援を中心とした福祉サービスを利用している障害者の約99%が、障害手当などの公的支援を含めても年収200万円以下の「ワーキングプア」と呼ばれる生活水準にとどまっていることが、全国の障害者福祉施設でつくる団体「きょうされん」(東京都)の全国調査で分かった。なかでも年収100万円以下が半数以上を占める状況で、障害者の自立を取り巻く厳しい環境がデータで裏付けられた形だ。
同団体は11年11月~12年2月、加盟施設などを通じ、身体、知的、精神などの障害者で、通所施設などで働く本人やその家族らにアンケート。約1万人(平均40.4歳)の回答を得て、同10月、報告書をまとめた。
報告書によると、障害年金や生活保護、障害手当、給与、工賃などを合わせた月収は「4万2000円以上8万3000円未満」が最多の41.1%。続いて「8万3000円以上10万5000円未満」が28.5%だった。年収では「100万円以下」が56.1%、「200万円以下」は98.9%に上った。
国税庁の民間給与実態統計調査(10年)によると、「200万円以下」は22.9%で、障害者の収入が低水準である実態が明らかになった。
また、生活状況(複数回答)では、「親と同居」56.7%、「きょうだいと同居」18.3%に対し、「1人暮らし」は7.7%、「配偶者と同居」は4.3%だった。
同団体は「障害者の多くが十分な収入を得られず、家族に依存して生活している」と指摘。障害者の収入保障制度や、障害者を雇用した企業への公的支援の充実などを求めている。
http://mainichi.jp/select/news/20121104k0000m040054000c.html
「毎日新聞」2012年11月03日