長男が自決して13年。
2013/02/10
最近ある方に@Twしたものを補記してまとめてみます。
長男が(2000年、中学3年で)自決して13年になりました。イジメや体罰ではなく、「荒れ」た状態やその中での対教師・生徒間暴力や器物破損などの「問題行動」、不登校状態の異常な常態化を、「学校秩序の維持」とかで「生徒指導」強化で凌ごうと隠蔽し続けた果て、無念の不登校から高校進学への絶望や無力感などから、一人で抱え込んでの自殺でした。
大津市の事件でSCが学校管理枠内に位置していることの問題(学校側の人であり、「相談」する気にならないなど)が明らかにされていますが、1998年当時から同じです。学校内の教師や管理職にとっての「問題」な状態はSCへ…と自動的にリファーされ、守秘義務などありませんでした。結果、SCという仕組みがあっただけ(SC本来の役割は果たせません)。学校と保護者・地域は分断されて…。
学校の中で生じている現実を、保護者が知ることすらできませんでした。荒れと不登校の関係から生じる子どもの自死ケースは少ないとは思います。疑問に残るのは、保護者の多くが学校まかせで、わからないから関わらない、学校がちゃんとやるはずという思い込みに流されていたこと…。当時のPTA役員の方々は、最近の事件報道などからは到底考えられないほど、精力的に「我がこと」として、隠蔽体質などについても取り組んでくれましたが…。
一人の不登校だった生徒が自死した。最初は「家庭の問題があった」ともされました。保護者も学校も、どう扱ったら良いのかわからなかったと思います。ただ、同学年の子どもたちが背負った傷は、生涯癒えることはないと思います。不作為による荒れの常態化も、同級生の自殺も…。
目の前の混乱に翻弄される子どもたちを支えていくためにも、関わる大人が現実ときちんと向き合い、改善に取り組む姿勢を持たなければならないと思います。でもそんな意識というか責任感を感じているのは遺族だけ、という悲しい現実があります。共に考える、遺族と支援者・関係者などのネットワークの強化が必要です。(詳細は、当サイトの「不登校自殺」でご覧下さい)
それでは、最近の気になる記事です。
いじめ報告書 教訓を社会で共有したい
「息子は学校に見殺しにされた」という父親の悲痛な叫びを、教育現場は真正面から受け止める必要があろう。
2011年10月に大津市であった中2男子生徒の自殺をめぐり、市の第三者委員会が最終報告書を市長に提出した。報告書は「いじめが自死の直接的な要因になった」と因果関係を明確に認めた。それだけではない。学校や市教委がいじめに適切に対処しなかったことなど、その無責任ぶりを厳しく指弾したのだ。
自殺から1年4カ月が過ぎ、第三者委が5カ月をかけてたどり着いた結論に、男子生徒の父親の無念が重なる。
報告書によると、何人もの生徒がいじめがあることを教員に訴えた。担任はいじめを認識できる状況にあり、複数の教員はいじめの可能性があると判断していた。なのに、教員はいま一歩踏み込もうとせず、学校全体で情報を共有しないまま、最悪の事態を招いたという。
学校や市教委のずさんな事後対応も、やり玉に挙がった。自殺の原因調査を途中で打ち切ったほか、遺族との訴訟を重視し、いじめと自殺との因果関係を認めない方向で対応したと認定している。被害者を無視し、組織防衛に走るのは教育界の体質なのか。あまりに醜い。
では、いじめに真摯(しんし)に向き合い、悲劇を繰り返さぬためにはどうすべきか。
報告書は、教員の役割を「思春期の複雑な葛藤や矛盾に寄り添い、支援できること」と明記した。つまり、生徒一人一人の胸の内、心の変化まで見詰める任務を教員は担っているというのである。
困難な作業だ。だからこそ、報告書は担任任せにするなと提言している。担任の孤立化を防ぎ、皆で考え解決する職場づくりが大切なのは論をまたない。共同担任制の導入や学年会議の月2回定例化など、具体的提案にも耳を傾けたい。
教員の多忙化も指摘し、教員が子どもと接するゆとりを確保するために、地域住民が学校運営に参画する「開かれた学校づくり」の重要性に触れている。
さらに、いじめへの対処を教員や学校だけに求めるのは限界があることも、今回の事態は露呈したといっていい。
報告書は、いじめを人権侵害と捉え、子ども側が自ら救済を求めることができるオンブズマンなど第三者機関を創設する必要性を強調した。条例に基づく救済機関は、既に札幌市や川崎市、兵庫県川西市などにあり、活動している。
行政や教委から独立していることが肝要で、学校や教委の対応をチェックする機能を果たすことも期待される。
大津市の事例が決して特殊なものでないことは、誰もが分かっているだろう。
「いじめとは常に死につながる危険な行為であり、犯罪であることを認識してほしい」-。父親はこう訴え、子どもはもちろん、学校や教委、教員ら関係者に警鐘を鳴らした。いじめを防ぐには何が必要か。報告書は示唆に富む。教訓を社会全体で共有しなければならない。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/346931
「西日本新聞」2013年2月6日
●教委制度の改革要望へ 大津市長、6日文科省に提出
大津市で2011年10月、中学2年の男子生徒が自殺した問題で、大津市の越直美市長は6日、文部科学省を訪問し、第三者調査委員会の報告書を下村博文文科相に提出する。調査の経過を報告し、提言を受けて教育委員会制度の改革などを要望する。
報告書では、学校や市教委の不十分な対応を踏まえ、教委制度の課題として「文科省や県教委への数値報告が求められ、成果主義に陥っている」と指摘。越市長は報告書の概要を説明し、いじめ対策の充実など国としての対応を求めるとみられる。
また市側は、5日に大津地裁であった、男子生徒の遺族が市や同級生らに計約7700万円の損害賠償を求めた訴訟の第5回口頭弁論で、「いじめと自殺の因果関係と、過失はいずれも存在する」と正式に表明。損害賠償責任を負うことも認め、和解協議をあらためて申し入れた。遺族側は「和解に応じるか応じないかを含めて検討する」とした。
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20130205000133
「京都新聞」2013年02月05日
●91歳妻を殺害容疑、96歳夫を逮捕 奈良・大和郡山
9日午前9時40分ごろ、奈良県大和郡山市冠山町、無職美濃田ハギノさん(91)が自宅のベッドで仰向けに横たわっているのを、訪問した女性介護士(66)が見つけ、医師を通じて110番通報した。ハギノさんはすでに死亡しており、郡山署はベッド脇にいた夫の無職美濃田作次容疑者(96)が殺害を認めたため、殺人容疑で逮捕した。
同署によると、作次容疑者は8日午後11時から9日未明の間に、自宅で寝ていたハギノさんの首を両手などで絞めた後、包丁(刃渡り約16センチ)で首を切りつけるなどして殺害した疑いがある。作次容疑者の首にも自分で切ったとみられる傷があったが、軽傷という。
作次容疑者はハギノさんと2人暮らしで「高齢の自分が先に死ねば妻が困るので、妻を殺して自殺しようと思った。介護にも疲れた」と話しているという。
近所の70代女性は「(作次容疑者は)『妻のおむつを替えるのが大変』と話していた。(作次容疑者も)目や耳が悪く、足腰も弱っており、介護は大変そうだった」と話した。
http://www.asahi.com/national/update/0210/OSK201302090139.html?tr=pc
「朝日新聞」2013年2月10日
●京を掘る:精神障害で職場転々 20年の体験を出版 48歳男性、支援施設の厨房で再起 /京都
京都市山科区の精神障害者の就労支援施設「からしだね館」の厨房(ちゅうぼう)で働く糸原太朗さん(48)=右京区=が、自身の体験をもとにした短編小説「フライパンをペンに持ちかえて」を出版した。大学卒業後に統合失調症を発症して以来、人間関係に悩み転職を繰り返してきた。「毎日が無味乾燥だった」と振り返る糸原さんが再び働くことへの意欲を呼び起こしたのは、同館で食べたオムライスの味だった。
糸原さんは京都市出身。学生時代は友人とロックバンドを組み、活動していた。だが公務員試験に失敗したことをきっかけに23歳の時、統合失調症を発症。人と会うのが怖くなり、病気が進行するにつれ、親しかった友人も離れていった。孤独に悩み、自殺未遂を図ったこともあった。
その後、通院治療を重ねたことや、知人の紹介によって自然に恵まれた新潟県のペンションで働いたことで、症状は一時的に治まった。大阪の広告代理店にコピーライターとして就職したものの、人間関係の悩みから、再び精神科病院に入院した。
その後、約20年近く、給食の調理や農機具メーカーなど、仕事を転々とした。病名を明かして就職活動しても、面接ではじかれてしまう。しかし、病気を隠して就職してみても、人間関係がうまく築けず、長続きしなかった。
転機は4年前。通院していた精神科クリニックのスタッフの勧めで、からしだね館が運営するカフェ・トライアングルに見学に訪れた。カフェの運営や調理には精神障害者が関わっていると聞いた。注文したのは、オムライス。「障害者が作ったものなんて、どうせおいしくないだろう」。そう思ってスプーンを口に運んだところ、バターの味がきいたケチャップライスのおいしさに驚いた。「この味を自分で作ってみたい」と同館で働き始めた。
今は週5回、カフェの厨房でフライパンを振る。オムライスの調理はもちろん配食や味付けを任されており、その働きぶりにからしだね館のスタッフも「次々と新しいメニューや味付けを考え出す」と驚く。
カフェで働き出してから病状は落ち着いている。今春には調理師試験に挑むつもりだ。その前に15年間にわたり、書きためてきた短編小説を一冊の本にまとめた。カフェのオムライスのレシピをストーリー仕立てで紹介したほか、病気に悩まされてきた自身の歩みも記した。糸原さんは「精神疾患は出口の見えない病気と言われるが、何かのきっかけで必ず病気と向き合える時が来るはず」と力を込めた。
◇
本は1部700円。問い合わせはからしだね館(075・574・4455)。
◇就職率は38%−−11年度
厚生労働省によると、精神障害者の就職に関する正確な統計はないものの、ハローワークを通じて仕事を探す精神障害者の数は、年々増加している。
ハローワークを通じ新たに求職申し込みをした件数は、02年度は6289件だったが、その後、増加で推移し、11年度は約8倍の4万8777件になっている。
一方、このうち就職できた件数は11年度で1万8845件。就職率も02年度の30%から11年度には38%と上昇傾向にあるが、依然として厳しい状況が続いている。
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20130202ddlk26040502000c.html
「毎日jp」2013年02月02日
●児童相談所の措置解除 県第三者機関で判断基準策定へ
府中町で昨年10月、小学5年の女児が母親に暴行されて死亡したとされる事件を受け、県は来年度、児童相談所(児相)などが、虐待を受けて施設に入所した子どもを家庭復帰させる際や、その後の支援を終了する際の統一的な判断基準を策定する第三者機関を設置する方針を決めた。学識者らでつくる検証委員会の報告書を受けたもので、全国初の試みという。
国の指針は、虐待を受け、児童養護施設などに入所する子どもの入所措置を解除する際は、児相は援助方針会議を開いて適否を判断するとしており、その後は、児相や、市町が設置する要保護児童対策地域協議会(要対協)が家庭を支援するとしている。
一方で、検証委員会は、1日に県に提出した報告書の中で、国の指針でも児相の措置解除や、児相・要対協の支援終結の判断基準が示されておらず、これらの判断基準を明確化することを求めていた。
第三者機関では、児童虐待や児童心理を専門にする県内外の大学教授10人前後のメンバーを想定。県内を中心に他県のケースも含めて過去の虐待事例を分析し、今春から統一的な基準を策定。運用後は、児相や要対協の対応が基準に基づいたものかどうか点検する。
県は「今回の悲劇を教訓に、最後まで確実に子どもを見届けるための基準と体制をつくり、他県に例のない取り組みを進めたい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20130205-OYT8T01655.htm?from=tw
「読売新聞」2013年2月6日