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        100点満点の「採点」がストレスにならないように…。
        2013/05/12
        さまざまな経緯や理由、きっかけで、追い詰められ、出口が見えずに困った状態になられた方の多くで、○か×か、100か0かで物事を評価してしまう傾向が強まります。
         ミュージックプレーヤーの音量は0からMAXまで、アナログつまみならいったい何段階あるやら…。イコライザーなんて、周波数閾毎に…。車のアクセルもブレーキも、AT車のミッションもアソビは多い…。弦楽器は余韻が良い…。
        「こうでなきゃ」って決めつけてしまっている、それによって選択肢や余裕を狭めて息苦しくなっている自分に気付けることが大切です。
         人生はゆるやかであれ、ストレス少なくあれ、と願いつつ、100点満点の評価について、こんな見方も妥当ではないかと提案したいと思います。

        100点:出題者は取れないように問題を作っている。
        90点:スゴイ!
        80点:上出来!
        70点:エライ!
        60点:ガンバッタじゃん!
        50点:ドスコイ!
        40点以下:事情があるのよ!

         こんな抽象的な表現では、自己評価が随分と低い方や、自閉症スペクトラムの方には納得してもらえないのでは? と思われるでしょうけど、大切なのは他者から(肯定的に)「評価される」こと、「他人はそう思うんだ」と思えること、「否定の上塗り」でないこと、だと思います。
         両極ではなく中間の段階、現実的で妥当的な判断ができる状態であることが、安定した生活を営むためには不可欠です。

         さて、DSMの改訂が話題になっています。大阪大学の井出先生がASの扱われ方などについてわかりやすく解説くれていますので、紹介します。

        「アスペルガー」カテゴリー削除と診断範囲の現象の関係
        井出草平 | 社会学者。博士(人間科学)。
        2013年5月1日
        http://bylines.news.yahoo.co.jp/idesohei/20130501-00024646/

        アスペルガー症候群の苦悩
        井出草平 | 社会学者。博士(人間科学)。
        2013年5月2日
        http://bylines.news.yahoo.co.jp/idesohei/20130502-00024674/

         それでは、最近の気になる記事です。

        いじめ対策のソーシャルワーカー増員 紀南5市町に新設 県教委

         いじめや不登校対策の強化などを目的に、和歌山県教委は本年度からスクールソーシャルワーカー(SSW)を増員した。田辺市以南では5市町に新たに設置した。
         SSWは教育の現場に福祉の視点を取り入れる専門職。関係機関と連携し、問題を抱えた子どもを取り巻く学校や家庭の環境の改善を図る。
         県教委は2008年度からSSWの派遣を始めた。活用校からは「問題行動の解消率が高まった」などの声があるという。
         本年度は前年度より6市町多い、16市町と県立高校1校に17人を派遣。紀南地方では田辺市と那智勝浦町に継続して配置したほか、新たに白浜町、上富田町、すさみ町、古座川町、新宮市に配置した。
         本年度から白浜町とすさみ町を担当する亀井孝太郎さん(31)は「精神科ソーシャルワーカーとして病院で勤務してきたが、学校の問題には以前から関心があった。子どもの成長を支援できるよう全力を尽くす」と意気込む。
         昨年度に続き田辺市を担当する山本隼太さん(30)は「活動を通じ、SSWを知ってもらえるようになった。子どもたちの環境を少しでも良くしていきたい」と話す。
         注目度が高まるSSWだが、課題もある。学校での認知度がまだ低く、経験の浅いSSWも多い。
         また、社会福祉士か精神保健福祉士の国家資格所有者が望ましいが、17人のうち、有資格者は7人。県教委の非常勤職員で、報酬は時給制。勤務時間は週20時間が上限で、専業にするのは難しい。そういった勤務形態がSSWが増えない一因との声もある。
         県教委SSW事業スーパーバイザー(監督者)の弁護士、峯本耕治さん(53)=大阪市=は「まずはSSWが個別のケースに丁寧に取り組める体制づくりが重要。待遇も改善しないと良い人材を確保できなくなる」と話している。
        「紀伊民報」2013年04月30日
        http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=251712

        ●桐生の小6女児自殺:いじめ訴訟 証人尋問実施へ、地裁が方針示す /群馬
         桐生市立新里東小6年の上村明子さん(当時12歳)が2010年10月に自殺したのは、学校側がいじめに適切に対応しなかったためだとして、両親が市と県を相手取り計3200万円の損害賠償を求めた民事訴訟の弁論準備手続きが10日、前橋地裁(原道子裁判長)で非公開で行われた。
         原告側関係者によると、地裁は証人尋問を実施する方針を原告側と被告側双方に示したという。期日は8月になる見通し。これまでの準備手続きでは、原告側が当時の担任教諭や学校カウンセラーらの尋問を求めていた一方、被告側は「必要性がない」と主張していた。【塩田彩】
        http://mainichi.jp/area/gunma/news/20130511ddlk10040149000c.html
        「毎日新聞」2013年05月11日

        ●出水の中2新幹線飛び込み:学校アンケ、不開示妥当 市情報公開審査会、答申 /鹿児島
         2011年9月に起きた出水市立中学2年の少女(当時13歳)の自殺を巡って、学校がいじめの有無を調べた生徒アンケートの調査結果や事故調査委員会などの議事録について、市情報公開審査会は10日、市教委の不開示の決定は妥当とする答申を公表した。答申は9日付。
         アンケートなどについては、少女の遺族が開示を請求したが、市教委が不開示とし、遺族が異議を申し立てていた。
         答申によると、アンケートについて「回答者名、回答者名が記入されてなくても記載情報は個人情報」などを理由に、不開示は妥当とした。また、事故調査委員会などの議事録については「会議で率直な意見交換などができなくなる可能性が高い」などとした市教委の主張を認めた。
         少女の祖父、中村幹年さんは「非常に残念。自殺の真相を知るにはアンケートの開示が不可欠。今後も、開示させるため署名運動などを続ける」と話した。【宝満志郎】
        http://mainichi.jp/area/kagoshima/news/20130511ddlk46040608000c.html
        「毎日新聞」2013年05月11日

        ●息子の自殺「学校の指導に疑念」 新潟県立高生の父会見
         【大野晴香】新潟県上越地方の県立高校に通っていた男子生徒(当時17)が昨年7月、教諭から指導を受けた後に自殺した問題で、生徒の父親(50)が2日、新潟市で記者会見した。指導に問題があった可能性を指摘し、県教育委員会に外部有識者による調査委員会を置いて真相を究明するよう改めて求めた。
         父親は、生徒が自殺する前後に学校から説明を受けたり、自殺後に友人から事情を聴いたりした。会見での父親の説明によると、生徒は昨年7月、所属していた運動部の部員への不満をインターネットの交流サイト(SNS)に書き込んだ。その部員が退部したことから、顧問の教諭に「お前らの教え方が悪い」などと叱られ、その生徒に謝罪したが、数日後の7月31日、顧問から再び、2人きりで指導を受け、その日深夜に自殺したという。
         残っていた遺書には「悪いのはいつもオレだ 誰が正しくて誰が間違っていても関係ない」などと書かれていた。父親は情報公開を求め、学校側が県教委に「トラブルによる自責の念で自殺した」と報告したことを知ったという。
         会見に同席した代理人の弁護士は「遺書は学校の指導のあり方への抗議だ」と指摘。父親は「真相を明らかにし、息子の名誉回復を図りたい」と語った。
         県教委は調査委の設置を急ぐ方針だ。
        http://digital.asahi.com/articles/TKY201305030090.html?
        「朝日新聞DIGITAL」2013年05月03日

        ●障害者の求人が急増 法定雇用率引き上げで
         障害者向けの求人が急増している。企業に義務付けられている障害者の法定雇用率が4月から0・2ポイント引き上げられ、全従業員の2・0%となったことを受け、企業が他社より早く優秀な人材を確保しようと動いているためだ。特に精神障害者の求人が増えているのが特徴だ。
         人材サービスのインテリジェンス(東京)に寄せられた障害者向け求人数は、厚生労働省が昨年5月に法定雇用率の引き上げ方針を示した後に急増。昨年9月以降、前年同月比で1・5倍以上となり、今年3月は約1・8倍に増えた。
        「共同通信」2013/05/03

        ●<不登校小5>句集「春の虫 踏むなせっかく 生きてきた」
         大阪府岸和田市の小学6年生、小林凜(りん=本名・西村凜太郎)君(11)が、壮絶ないじめを受けて不登校になった日々をつづった句集「ランドセル俳人の五・七・五」(ブックマン社)を出版した。一つ一つの句に、いじめを乗り越えた凜君の成長の軌跡がうかがえる。
         2001年5月、予定日より3カ月早く生まれた凜君は、944グラムの小さな赤ちゃんだった。検査や感染症で何年間も入院を繰り返した。
         発育が遅かった凜君は、小学校で激しいいじめを受けた。階段で突き飛ばされたり、首を絞められたりして、命の危険を感じた。だが学校は「いじめではない」と取り合ってくれない。5年生の6月に不登校を決めた。
         そんな凜君の心の支えが俳句だった。幼稚園の頃、母史(ふみ)さん(49)が読み聞かせる絵本に登場する俳句に興味を持った凜君は、突然、こんなことを口にした。
          「おかあさん はなればなれは だいきらい」
         やがて本格的な句作を始めた凜君は、家族と過ごす穏やかな時間、四季の移ろい、そしていじめに耐える心を、300句を超える俳句に詠んだ。俳号の「小林凜」は、何度も励まされてきた「やせがえる 負けるな一茶 これにあり」を詠んだ小林一茶にちなんだ。
         「俳句は僕の心を伝えるメッセージ」と語る凜君。いじめに苦しんでいた小学3年生の夜、祖母に「生まれてきて幸せ?」と聞かれ、こんな句を詠んだ。
          生まれしを 幸かと聞かれ 春の宵
         8歳の時には、こんな句も詠んでいる。
          春の虫 踏むなせっかく 生きてきた
         「俳句と家族が支えだった。不登校は無駄じゃなかった」
         趣味は生き物観察。夢はロボットを造ること。素顔は無邪気な小学生だ。4月から通級教室に通う。「今は学校に行くのが楽しみ」と笑顔を見せる。
         最近、こんな句を詠んだ。小3の時に祖母に詠んだ「生まれしを」の句の対句だ。
          葉桜や 祖母の幸とは 我のこと
          母もまた 我を幸とす かすみ草
        【中村かさね】
        http://mainichi.jp/select/news/m20130508k0000e040213000c.html
        「毎日新聞」5月8日(水)