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        いじめと教師の対応から子どもたちは何を学ぶ?
        2003/02/23
        先日聞いた話ですが、ある中学校のあるクラスでいじめっ子がある生徒をガムテープで体中をグルグル巻きにしていじめていたそうです。今でも泣き出しそうな巻かれた生徒、そこに通りかかったある教師が「そんなことやめなさい」と言葉で注意はしたものの、それ以上何もせずにそこに立って事態の推移を見ていたといいます。巻かれた子どもはついにクラスのみんなの前で泣き出してしまいました。それを機にガムテープははがされ、そのいじめは止まったそうですが、巻かれた子どもは「泣いた」ことでプライドが大きく傷ついただけでなく、こうしたいじめに対して、学校で教師は生徒を助けることをしない、ということを学びました。その教師を嫌いになったことは言うまでもないことですが、教師をはじめとする大人を「自分を助けてくれない人」と認識することになります。中学校においてこんな悲しいことを学んでしまったのです。この場合、この教師は、自分がそれ以上の介入をすることを躊躇する意識はわからないではないですが、「自己保身」による反応だと思います。せめて同僚教師を呼びに行き、複数で指導にあたるということはできたはずです。なぜそうしなかったのか。過去において、さらなるいじめや暴力の場面が一時的にフラッシュバックし、何もできなくなったと思われます。いじめられた子どもについては前述しましたが、その事態の推移を見ていた子どもたちも、この教師の対応をどのように感じたのでしょうか。
        学校においてこうした問題事象が発生した場合に、学校全体あるいは学年集団、また生徒指導部などとの連携で、いじめ被害を最小限に食い止め繰り返しを防止するとともに、いじめられた子どもの自尊心を最大限回復させる対応が求められると思います。
        これはある事実に基づいた話ですが、これと同じような事象は、日々数限りなく学校現場で発生しているのでしょう。教師のみなさんが、自身の立場や感情よりも、当事者およびその場面を見ている子どもたちが何を感じ何を学ぶかを最優先させた対応・指導を行っていただくことを願うばかりです。